登録日:2019/12/15 Sun 20:53:56
更新日:2024/05/16 Thu 10:12:57NEW!
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ポケモン ポケモン登場人物項目 ポケットモンスター 剣盾 swsh ガラル地方 ローズ マクロコスモス 社長 委員長 総帥 ボス ビジネスマン カリスマ 色黒 ヒゲ ナイスミドル せっかち 太っ腹 ダイオウドウ ブラックナイト はがね ceo 黒幕 苦労人 ワンマン ソード・シールド 山路和弘 哀しき悪役 松田健一郎 コメント欄ログ化項目 元庶民 歪んだ愛国心 異常なまでのガラル愛 ムゲンダイナ 鉱山王 敏腕経営者 慌て者 go rose save everyone 1000年後の事を考えている暇人
ガラルの未来のため
はりきってくださいね!
ローズとは『ポケットモンスター ソード・シールド』に登場する人物である。
CV:松田健一郎(TVアニメ)、山路和弘(薄明の翼、ポケモンマスターズEX)
※本項はネタバレを含みます
概要
ガラル地方を席巻する大企業グループ『マクロコスモス』の総帥でありながら、ポケモンリーグ委員長も務める男性。
推定年齢50歳前後。浅黒い褐色の肌を持ち、整えられた髭が特徴的な紳士。スーツの時はあまり目立たないが、私服での姿を見る限りやや中年太り気味の模様。というかその私服自体が非常に残念なセンスのお方である。
彼の秘書及び副社長でもあるオリーヴという女性を常に付き従えている。
彼が社長として経営するマクロコスモスという会社は、ガラル地方のほぼ中央に位置するナックルシティ内のエネルギープラントにて、
「ねがいぼし」という鉱石から抽出したガラル粒子というエネルギーを電気に変えることでガラルの人々の生活を支えている。
ガラル粒子を発見したマグノリア博士の研究に着目したローズがそれを実用化するための技術を確立したらしい。
更に電気だけでなくガスや水道などといったインフラ全般を、マクロコスモスがねがいぼしの力を利用して民間に提供しているのだそうだ。
またマクロコスモスの関連グループ企業はエネルギー事業だけに留まらず多様な業種に着手しているらしく、適当に幾つか挙げるだけでも
- テレビマクロ
- マクロコスモス・レールウェイズ
- マクロコスモス・エアラインズ
- マクロコスモス・エネルギー
- マクロコスモス・テクノロジー
- マクロコスモス・ネットワーク
- マクロコスモス・コンストラクション
- マクロコスモス・ライフ
- マクロコスモス・バンク
- マクロコスモス生命
といった感じで、報道、鉄道、航空、研究、建設、銀行、果ては保険業などにまで幅広く手を伸ばしており、ガラルでの暮らしのありとあらゆる所にマクロコスモスという存在が根付いている。
作中の人々もローズのおかげでガラル地方はここまで飛躍的に発展したのだと口を揃えて彼の功績を賞賛するほどである。
意外にも元からエリート街道を歩んでいたわけではないようで昔は鉱山で働いていた事実がオリーヴの口から語られており、
鉱石を採掘するため彼の会社が建てた小さな施設が3番道路から見渡せることをソニアが教えてくれる。
どことなくホウエン地方のデボンコーポレーションを彷彿とさせる経歴であるように思える。
過去にはジムチャレンジに参加して、チャンピオンカップのファイナルトーナメントで準優勝を収めるなど、ポケモントレーナーとしても優秀な人物であったようだ。
その時の経験を活かしてポケモンリーグを振興するため、リーグ委員長の座にも就いている。
オープニングで行われた「ポケットモンスターの世界にようこそ!」というシリーズ恒例の挨拶もその仕事の一環である。
また彼の会社が開発したダイマックスバンドはガラル粒子を利用して人為的かつ安全にダイマックスという現象をポケモンに引き起こすことが出来るのだが、そのおかげでガラルではポケモン勝負が一大興行として確立されるに至ったのだ。
現チャンピオンのダンデをかつてジムチャレンジに推薦したのも彼である事実から、人の素質を見抜く目が確かであることを伺わせる他、
「我々がやっていけるのは支えてくれるファンのおかげ」という謙虚な考えの下、ローズのファン達が彼に交流を求めてきても足蹴にはせず、オリーヴに尻を叩かれつつも忙しい合間を縫って可能な限り相手をするなど、気さくで思いやりの深い一面も見せる。私服はちょっぴりダサいし腹も出てるけど
ファンという次元を超えたレベルでローズのことを崇拝する者も会社内外に存在し、オリーヴは例え自身も危険に巻き込まれていようと彼の安否ばかりを心配して取り乱すほど。
他には彼の推薦を受けたジムチャレンジャーのビートも幼少期身寄りがいなかった所をローズに救われたことに多大な恩を感じて、彼の役に立って認められることを生きる道だとまで公言していた。
ただ優しいばかりの人物というわけではなく、ローズのために良かれと思ったからとはいえビートが重大なペナルティを犯してしまった時には、罰としてジムチャレンジの参加権を剥奪するなど厳しい姿勢を取ることもある。
だが、ビートは後にジムリーダーとしてリーグ業界に復帰することに成功しているため、彼が更生して再起する道までは奪わずに済ませたようだ。
総合して経営手腕のみならず人徳も兼ね備えた稀有な人物、ひいては天才であると言えよう。自分で推薦したのにビートと顔を合わせた時に名前忘れてたのはナイショ
そんな彼もリーグカードのテキストを用意した秘書曰く「考えていることと会話が異なるためときどき話が噛み合わない」と言われたりするのはご愛敬。相当頭の回転が速いのが仇になってしまっているのだろう。
また作中では主人公やソニアと、バウタウンのシーフードレストラン『防波亭』で談話する場面があるのだが、そこでは決断するや否やすぐ行動に移すせっかちな面が垣間見れる。
ただこれは裏を返せばなかなか行動力があり精力的な人物である証とも言えるが。
ローズのおかげで今日のガラルがあるといっても過言ではない。
彼さえいればガラル地方はこれからもずっと発展していくことだろう。そう…ずっと…………。
追記・修正はガラルを愛する方にお願いします。
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ハロー!
ダンデくんに(主人公)くん
ガラルの未来を守るため
ブラックナイトをはじめちゃうよ!
ただブラックナイトのエネルギーがあふれだして危ないんだよね…!
ダンデくんが話をきいていたらこんなことにはならなかったのにね!
彼が表に見せていた姿は決して偽りではない。
だが、ローズにはもう一つの恐ろしい顔があった…。
本編終盤での動向
シュートシティスタジアムで行われるファイナルトーナメントにて、主人公とダンデが決勝戦を繰り広げようとしていたまさにその時、モニターにローズの顔が映し出され、彼は計画の開始を宣言する。
なお、この映像はガラル全土に発信されていたらしい。
ブラックナイトとは大昔ガラル地方を滅ぼしかけた大厄災。
黒い渦を巻き起こしポケモン達を強制的にダイマックスさせる怪現象であり、ダイマックスさせられたポケモン達は我を忘れて暴れ狂う。
ローズは自分が集めていた大量のねがいぼしの力を使って、これを人工的に引き起こしたのだ。
主人公とダンデが立っているスタジアムだけでなく、各地のジムスタジアムで膨大な量のエネルギーが天に向けて放出され、ガラル中がパニックに陥った。
ローズが暴走した一因は、以前彼に協力を求められた時にきちんと彼の意図を理解しなかった自分にもあると責任を感じたダンデは、一足先に彼のいるナックルシティの地下プラントへと向かい、
主人公とホップは、伝説のポケモンである[[ザシアン>ザシアン]]と[[ザマゼンタ>ザマゼンタ]]の力を借りるべくホップと共にまどろみの森で、くちたけんとくちたたてを回収してからローズの元に赴く。
辿り着くとローズはエネルギープラントの中で一人静かに佇んでいた。
彼によるとダンデは現在、悠久の眠りから目覚めたキョダイポケモンのムゲンダイナを制御するため必死に戦っているらしい。
普段と何一つ変わらぬ柔和な笑みを浮かべたまま彼は語り続ける。どうやら自分の今していることが他人から見たら酷いことであるのはローズ自身も承知しているのだという。しかし彼は一切自身の行いを悔やむ様子を見せない。
わたくしにはガラル地方が永遠に安心して発展するために無限のエネルギーをもたらす信念と使命があるのだよ!
そのため彼はムゲンダイナにねがいぼしを与えていたのだそうだ。
全てはガラルの未来を守るために…ムゲンダイナから得たエネルギーで1000年後のガラルをエネルギー資源の枯渇から救うために。
以前ナックルシティで発生した謎の赤い光もそのための実験の一環だったとのこと。
先程までとはまるで別人のようにローズは、君の出る幕ではないのだという気迫と共に真剣な表情で眼光鋭く主人公を睨みつける。
いいかね?ガラルの未来を守る計画をジャマするなんてもってのほかなんですよ!
そう言い放ったローズ委員長……否、ポケモントレーナー・ローズ。
手に握りしめたハイパーボールに数刻だけ視線を落とす。
感情の読み取れない表情であったが……この一瞬の間に、どんな逡巡が彼の中にあったのだろうか。覚悟を確かめる気持ちだったのだろうか。
そして彼は主人公を足止めするため戦いを挑んでくる。なお先にローズとバトルしたホップは敗北していたことが後に判明した。
勝負の中で自分の手持ちが次々と倒され、追い詰められてもローズはまるで他人事かのように飄々とした態度を全く崩さない。
厳しいねえ……厳しすぎるよ
そういうのよくないんじゃないの?
そもそも主人公がローズの元に突入する直前には、彼に絶対的な忠誠心を抱いているオリーヴですら彼の意思を反故にしてでも「このままではローズ自身の命に危険が及ぶから彼を止めて欲しい」と懇願してくるほど、
危険が差し迫っている状況であり、ローズ自身が一番それを分かっているはずなのだが。自分の身が無事な内に計画が完遂されると確信しているのか、
自分の命すら目的のための駒としか思っていないのか…。
おやおや最後の1匹ですか……ちょいとこまりましたねえ……
無事彼を撃破すると、負けた衝撃か、あるいは言い知れぬ感情によるものか。
しばし虚無ともとれる表情で沈黙した後、打って変わってローズは笑みを浮かべ主人公に拍手を送る。
いいねえポケモン勝負は!久しぶりに戦って満足だ
そこには醜悪な本性ももう後戻りできない悲哀も何もなく、潔く気持ちを切り替え、負けを認めた男の姿があった。
ローズは主人公の実力を讃えて、せっかくの決勝戦を台無しにしてしまったことを詫びつつ、ムゲンダイナと対峙するダンデの様子をホップと一緒に見に行くよう促すのだった。
「いやあ きみと チャンピオンの チャンピオンマッチ 見たかったね!」
計画を邪魔されかかり、そして敗北させられてなおそう語る彼――
果たしてどこまでが彼の本心だったのだろうか。
本編におけるローズの出番は以上で終了。
その後ダンデがムゲンダイナの捕獲に後一歩の所で失敗したため主人公とホップはザシアン、ザマゼンタと協力してムゲンダイナを制圧。見事ゲットに成功してガラルの危機は回避された。
ローズはあの後、自首したことがモブキャラ達の会話で明らかになる。
「ムゲンダイナを目覚めさせて世間を混乱に陥れたんだから当然だ」とモブキャラはローズに対して憤りを見せていた。実際ダンデが一時は意識不明になるほどの怪我を負ったことなども考えると、相応の報いなのは間違いない。
だが、彼が逮捕されたことで直接話を聞けなくなったため、終盤のシナリオが若干急展開気味だったことも相まって、一連の計画の中での彼の心情に関して様々な不可解な点を残すことになった。
一応は本編クリア後ガラル鉱山で、ローズの代わりに社会奉仕をしていると言うオリーヴの推測では主人公がムゲンダイナを止めたことをローズも感謝しているらしいのだが…。
手持ち
どかーんと一発やってみせましょうかね!
かつてファイナルトーナメントで準優勝に輝いただけのことはあって、バトルをしたの自体は相当久しぶりであるにもかかわらずリーグ時点でのどのジムリーダーよりもポケモンのレベルが高い。
部下のマクロコスモス社員達(オリーヴ除く)と同様に手持ちがはがねタイプのポケモンで統一されており、ダイオウドウ以外は能力を変動させるわざを持つ。
全員ほのおタイプが弱点な上、ほのお四倍のポケモンが二匹もいるので、ほのおタイプのわざを使えるポケモンがいたらかなり優位に戦えることだろう。
キョダイマックスしたダイオウドウの「キョダイコウジン」は直接的なダメージだけでなく、交代したポケモンに対しても、言わばはがねタイプ版「ステルスロック」のような効果を及ぼすので注意。
キョダイコウジンを撒かれなくても「10まんばりき」「しねんのずつき」で弱点対策をしてくるので、できるだけ上をとって叩くのが理想。
……実は最初にヒバニーを選んでいればエースバーンの「かえんボール」であっさり5タテできてしまうのは有名。
前述したように、ウインディやマルヤクデなど、ほのおタイプが育っていれば簡単に5タテ可能。
逆にはがねタイプの弱点を突く手段がない場合はなかなかに嫌らしい相手となる。
彼も歴代のボスの例に漏れず専用の戦闘BGMを持つ。
オーケストラのある意味ポケモンらしくない厳格な仕上がりとなっており、コーラスと不協和音が彼の抱く決意と狂気を演出している。ちなみに、コーラス部分は「Go Rose Save Everyone(行け、ローズ!皆を守れ!/意訳:ガラルを救え、ローズ!)」と歌っている。
行動と心理に関する謎
† 何故前日にゲームを仕組んできたのか
ファイナルトーナメントを前日に控えた主人公にオリーヴが仕掛けてきたゲーム。
それは「ローズとダンデが討論をしているローズタワーにホップと一緒に行きたければ、専用モノレールに乗るためのキーを持っているリーグスタッフを見つけ出せ」というもの。
この時ローズは遊びが好きだという旨をオリーヴは口にしており、彼女の性格的にもこのような己の首を絞めるだけでしかない戯れを提案するようには思えないので、ローズの発案と見て間違いないだろう。
主人公達に来させたくないならゲームなど仕掛けさせずともキーをオリーヴ辺りにずっと持たせておくだけで良いし、来てほしいなら普通に案内させれば良いはずなのだ。
結果的に主人公達が来たせいでダンデとの話し合いは中断されてしまったし、一体何故こんな回りくどいことを?
† 何故一日だけでも計画を待てなかったのか
明日の試合を中止して自分の計画に協力して欲しいと頼むローズに対して、ダンデは「1000年も先の問題を解決するために明日の試合を中止するのは理解できない」と至極真っ当な反論をしている。
また大会の中止には反対していただけで、後日彼の計画に協力すること自体には同意していた。しかしローズは彼の言葉を無視して翌日の試合中にムゲンダイナを覚醒させてしまう。
一応作中でローズはやると決めたことはすぐにやらなければ気が済まない性分であることが語られてはいるのだが、それだけで大事な計画のために一日すら待たないのは理由として少し弱いような。1000年後の人類に「あと一日あれば」と後悔させたくなかった…のかもしれない。
もっともガラル中の人々が主人公とダンデの試合に注目している状況は、暗躍するローズにとって絶好のタイミングであり、事を起こせばダンデも即座にローズの元に駆け付けてきたので、結果的には理に適った選択ではあったのだが。
また、バトル前にダンデをナイトに、自分を守られるお姫様に例えるような発言をしたことから、チャンピオンに構って欲しかったから説も一部ではある。
なにせ彼にとってダンデは自分が推した若者であると同時に、準優勝どまりだった自分と違って優勝にこぎつけたのだ。無意識のうちに英雄視していてもおかしくはないかもしれない…。
† 何故遥か遠い未来の問題を自分が解決することに固執したのか
1000年先の問題を解決したいとローズが主張しているのを見て人によってはこう思ったのではないだろうか?「そんな先のこと別にあんたが心配することないじゃないか」と。
そこまでは思わなかった人もローズが強引な手段を用いてでも自分の代で解決しようとしているのを見て、理解に苦しんだかもしれない。
自分が存命の内にリスクがあまり伴わない範囲で出来る程度のことをしてから、後の世代を信じて託すという選択肢は彼の頭の中に無かったのだろうか?
それに関してエンディング後のイベントで、オリーヴは彼のレアリーグカードをくれるのだが、そこに記述されている解説を読むと少しだけローズという人間が見えてくる。彼女の書いた解説文曰く、
「行動こそが正義とのポリシーから説明もないまま物事を決定なさいます。」
「よくもわるくも彼のワンマンがマクロコスモス・グループを大発展させたのです。」
これらの説明を見るにローズは自分の中だけで完結して物事を押し進める傾向にあったようだ。更にそれで成功を収めるだけの頭脳も持ち合わせていたし、それに裏打ちされたプライドもあったものと思われる。
カードの中では「ガラルのエネルギー問題解決のためブラックナイトを独自に調査していた愛多き人物」とも評されているが、彼のガラルへの愛が本物だったにせよ最後まで視野狭窄で独りよがりな人間であったことは否めない。
ビートが遺跡のレプリカを壊してしまった時に「たしかに幼いころ孤独だったきみをみいだした…(中略)…むかしのわたくしを思い出しチャンスも与えましたよね」
などと語っていたことから推察するとローズもまた少年時代はビートのように孤独な境遇だったのではないか?その上トレーナーとしても経営者としても秀でていたが故、精神的に孤立し続けて、以前のビート同様心を許せる相手に巡り合えなかったのかもしれない。
そう考えると彼の病的なワンマンぶりもまあ理解出来なくもない。
更に言えば、現実世界でも、資源の枯渇を考えず採掘しまくった結果、国家運営が天国から地獄にまで環境が激変した国すらあるのも事実。
試算方法はどうあれ、エネルギー総量と枯渇までのタイムリミットを割り出しただけでも充分人の上に立つのにはふさわしい人物である。
また、1000年なんていう膨大な時間があれば普通は上述した考え方をするものだが、ローズは問題を決して軽く見ようとはしていなかった。
このことから後の世代に問題を残さないというのも彼なりの善意であったかもしれず難しい所。
世代交代がテーマの本作に反目するような存在であった*1と言えよう。
ちなみに、『ムーン』のエレキブルの図鑑説明文には「エレキブル1匹で都市の電力を1年分賄える」と書かれている。さらに、レジエレキも似たような事が記載されており、封印されているレジエレキはともかくエレキブルがいればムゲンダイナに頼る事なくエネルギー問題を解決出来た気がしなくもないが、残念ながらガラル本土にはエレキブルはいないので…。密輸くらいどうってことないのでは…*2
さらに、ガラル地方の電力はねがいぼしから抽出したガラル粒子であり、これの枯渇は即ちジムやワイルドエリア内でのダイマックスが出来なくなるという、ガラル地方の興行としては致命的なダメージとなる為、ローズは、ムゲンダイナはエネルギーだけでなくガラルの伝統も守れるという点に目を付けたのかもしれない。
総評
ローズのしたことは決して正しかったとは言えないが、彼の信念自体は間違った物であったと言い難い。
本性を露わにして以降は自身こそが正義だと言わんばかりの傲慢な言動が目立ったものの、素直に自首したのを見ると、人々に迷惑をかけてしまったという彼なりの罪の意識は感じていたものと思われる。
彼ほどの権力と財力があれば罪をもみ消したり逃亡したりすることも画策出来たであろうにわざわざガラル全体に向けて声明を発表した時点で、最初から事が済めば潔くけじめを付けることは決めていたのだろう。
目的だけでなく、それらの要素も考えると、彼は善人とは言えないまでも果たして悪人だったと言えるのか…。
ちなみに歴代の敵組織のボスの中でも公的な罰を受けたのは、それも自首して自ら制裁を望んだのは、彼が初となる。*3
「表向きの敵とは別に真の黒幕がいた」というパターンは前作と同じだが、彼はエール団とは特に繋がりはなく、敢えて共通点をあげるならどちらも故郷大好き人間だった、というだけであった。
何気に初の「ポケモンリーグのトップが悪の組織(といえるかどうかは疑問だが…)の首領」というキャラクターでもある。
過去作の例から大抵ポケモンリーグトップといえばチャンピオンを連想しやすいが、リーグチャンピオンが悪事を成した、となれば多方面から問題になりそうなので、「運営」という面に着目してそのトップという設定にしたのは良采配といえるだろう。
大企業の総帥として社会の発展に多大な貢献をしてきたが、将来資源が尽きて社会が行き詰まってしまうことに苦悩した結果、悪事に手を染めてしまったという意味ではXYに登場したフラダリと重なる所が大きい。
もっとも彼らが掲げた最終目標は真逆と言っても良いほど食い違っている。これはフラダリが人間の愚かさと強欲さにも絶望していたこと、そして彼の血筋などが要因の一部であろうか。
またそれぞれ自分に次ぐ地位に女性幹部を置いていた所も共通しているが、奇しくもボスを失った後この2人の幹部が最終的に進んだ道も対照的な物だった。
ローズへの敬意はそのままで彼の代わりにガラルのため役立つことを穏健な手段で為そうとするオリーヴに対して、フレア団のNo.2はフラダリに与えられたフレア団としての正義とプライドを貫くため闇に生きる道を選んだのであった。
「本作の『世代交代』というテーマに反目する存在」と前述したが、彼にとってはオリーヴが、意思を継ぐ人間だったといえよう…
ローズが月日を経て釈放されることがあるとしたら…その時に彼はオリーヴやビートとどのような言葉を交わすのだろう?
アニメ
これはガラルの危機なのか。それとも…、未来の為に必要な試練なのか…。
概ねゲームと同じ役回りで登場。
使用ポケモンはダイオウドウとナットレイ。
炭鉱で父親が事故死した過去やガラル地方の資源が近い内に無くなるなど、動機を掘り下げられている一方で、その思想とムゲンダイナへの執着は狂気的と恐れられる程に強まっており、マグノリア博士やダンデからも割りと早い段階で怪しまれていた。
なお作中の回想により、彼が子供の頃からゾウドウ(現在所持しているダイオウドウと同じ個体と思われる)と一緒に過ごしていたことが明らかになった。
また、ダンデら多くの若いトレーナーを支援する動機がムゲンダイナをコントロールさせるためだったことになっている。
ダンデがムゲンダイナの封印を宣言したという事情はあるものの、白馬の騎士に例えるなど好感と信頼を示していた原作と異なり侮蔑し見限っている。
しかし、バトルで敗北して倒れた自分のポケモンを心配して駆け寄る善良な一面も見られた。
サトシとのダブルバトルに敗れた後はオリーヴと共にヘリコプターからムゲンダイナを見守るも、そのムゲンダイナの攻撃でヘリが墜落する。そしてムゲンダイナがゴウにゲットされた事で計画そのものも破綻した。
事件終結後は行方不明になっており、ゲーム版とは違って警察に自首しないという結末となったが、第132話で無事だったことが判明し、その時は私服になっていた。
Webアニメ『薄明の翼』
第1話「手紙」に登場。
リーグ決勝戦で無事防衛を果たしたダンデを表彰した後、病院を慰問して入院中の子供達にサインを書いてあげる姿が見られた。
ダンデの試合をいつかスタジアムで観戦することを夢見る少年ジョンは、ローズに頼んで試合に招待してもらうため、彼に手紙を渡そうとする。
紆余曲折を経て手紙を受け取ったローズは、そこに描かれているダンデとリザードンの絵を見て、よく似ていると明るく微笑むのだった。
ただ、ちょっと気になるのが「トミーに一切反応していない」ということ。
トミーも慰問対象の「入院している子供」のはずなのに、彼が走ってきたらそのまま去っていき(トミーも無言で呼びかけないけど)、
屋上でもジョンには気が付いたあと会おうとしたのに、直後トミーが来た時はそのまま帰って行ってしまう。
まるでローズにはトミーが見えてないかのようである。
ポケットモンスターSPECIAL
剣盾編にて登場。
一企業の社長であるにも関わらず、公営施設であるはずのナックルシティの宝物庫を開けさせるほどの権力者であることが描かれている。
原作同様、ビートに「ねがいぼし」を集めるよう指示していたが、ローズ本人はビートの名前すら覚えていない始末。
しかしダンデから推薦された上に優秀さを見せる剣創人には注目しており、バウタウンにてジム戦後に会食へと誘う。
だが、剣創人はビートの行動と宝物庫で得た情報から、「ブラックナイトを人為的に引き起こそうとしているのではないか」と早い段階で疑いをかけていた。
どうでもいいことだが、ビートがローズについて自慢気に話す際には、背景に薔薇のエフェクトが飛んでいたりする。
余談
- ローズのデザインを手掛けたのは漫画『宝石の国』などで知られる市川春子。女史はオリーヴのデザインも担当した。
- 「孤独な天才」「悪というよりはもうひとつの正義」「頭の回転が速い」といった点から前の世代のこのキャラを意識した可能性がある。そういえば本作は第五世代からの続投ポケモンが多く、彼の手持ち5匹のうち3匹もイッシュ産だが…?
- 本作のボスキャラかつ社長だが、2019年に発売されたゲームのラスボスとは何の関係もない。
しかし「一代で会社を大きく育て上げたワンマン」「行動原理は善意そのもの」「(親友の方だが)何か傷ついたようなタイミングで事を起こしてしまっている」「後の世代に任せるのではなく自らの手で事を強行しようとした」「切り札の名前が『ダイ〇〇〇〇』」「最終的に自首する」と繋がりはそこそこある。 - 名前の由来はローズ(薔薇)。薔薇にも様々な種類があるが一般的な薔薇の花言葉は「愛」「情熱」「美」など。
更に、ガラル地方のモチーフとなったブリテン島を統治するイングランド王室の紋章は「テューダー・ローズ」という紅白の薔薇。ガラル地方の実質的支配者にふさわしい名と言える。
ただし彼の肌のように黒い薔薇には「貴方はあくまで私のもの」「永遠」「決して滅びることのない愛」などといった花言葉が存在する。 - マクロコスモスとは英語で「大宇宙」を指す言葉。ローズの拡大する、飛躍してゆく思想を表すかのようなチョイスである。
- DLC第2弾「冠の雪原」ではピオニーという彼に似た男性が登場している(詳細はストーリーのネタバレになるためリンク先を参照のこと)。
- アニメ版では、『ポケットモンスターサイドストーリー』の『がんばれ!前向きロケット団』でコジロウが恋心を抱いた女性の名前が「ローズ」だったりする。当然ローズ委員長とは何の関係もない。
- ローズやマクロコスモスが使うはがねタイプはムゲンダイナの一致技両方に耐性を持つが、実際に戦ったら「かえんほうしゃ」であっさり壊滅させられると思われる。彼らではムゲンダイナを制御できないことを象徴しているように思えなくもないか。ちなみに「せっかち」な性格も基本的にはがねタイプとの相性は良くない。
- 次回作である『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のとある人物はピオニーとの関係が噂されるだけではなく、立場や才能にピオニーとローズの面影があるのだが…。更には目元の形状からローズの隠し子という疑惑まで出ている。*4
「薔薇」なのに「女性」関係で問題アリとは
大人はねプライドがジャマしてね
正直に追記・修正しあえないんだよ
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*2 と思いきや、SVでデカヌチャンが登場し、そいつがアーマーガアを狩るという生態のため、インフラに悪影響を出しかねないことが判明。つまりデカヌチャンでなくともその手の密輸はガラル地方においては危険なため、エレキブルが悪影響を及ぼさないとは言い切れない。
*3 BWのゲーチスは連行中、部下に助け出されたため公的な裁きを受けたとは言い難い。またXDのデスゴルドは最終的に法の裁きを受けることが語られてはいるが、描写はない。
*4 この説が正しい場合は眼の色からあの怖い顔の女の人ではない他の女性とそういう関係を持っていたことになる。しかし『薄明の翼』で描写された彼女の職歴と「とある人物」の得意技能が被るという指摘も。そうなるとSVは剣盾の14年近く後の時系列ということになるが…
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