登録日:2026/07/28 Tue 23:58:03
更新日:2026/08/20 Wed 08:33:27NEW!
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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の暁 佳奈が贈る、四季の物語。
『春夏秋冬代行者』シリーズは、暁佳奈によるライトノベル作品である。
電撃文庫(KADOKAWA)にて2021年より刊行されている。
既刊8巻(2024年12月時点)
●目次
【概要】
季節を世に顕現する現人神たちと、その守り手たちの葛藤と苦難、それに伴う人間模様を描いた群像劇である。
上記のように「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の作者が執筆しているシリーズものである。3年の構想期を経て執筆がなされている。
本作の執筆のきっかけは、作者が小さい頃にみた季節がもう見られないと感じたためである。年々変化する季節に寂しさを感じ、その寂しい感情や思いを作品に留めたいと思ったという。
本作では春・夏・秋・冬でそれぞれ主従関係を結んだ人神と護衛官がでてくる。どれか1つのペアを好きになってほしいと思っているとのこと。
なお、筆が乗ったのか、描きたいことに対してページが足りなくなり、担当編集の提案で上下巻に及ぶ内容でしたためることが出来た。ちなみに作者曰く、2冊合わせると鈍器になるという。
現人神の宿命とそれに翻弄される周囲。
裏切りと困難な状況に直面して、鬱展開とも言える展開の連続になることもあるが、そこから希望を見出して壁を乗り越えようとする登場人物たちに感動を得た読者・視聴者もいただろう。
メディアミックスとしては「春の舞」のコミカライズ版が「LaLa」(白泉社)より連載されている。(作画:小松田なっぱ)既刊8巻。
また、外伝小説のコミカライズ版が浅見百合子作画より「春夏秋冬代行者 百歌百葉」のタイトルで刊行されている。
さらに、テレビアニメ版が「春夏秋冬代行者 春の舞」のタイトルで2026年4月より放送された。
【あらすじ】
世界は冬しか季節がなく、
冬は孤独に耐えかねて、
生命を削り春を創った。
やがて大地の願いにより、
夏と秋も誕生し、四季が完成した。
この季節の巡り変わりを人の子が担うことにより、
役目を果たす者は、
“四季の代行者”と呼ばれた。
これは、季節を世に顕現する役割を持つ現人神たちの物語。
(電撃文庫公式HPより引用)
「春を咲かせよう。すべての人に春を」
“四季の代行者”とは——
四季の神々から与えられた特別な力で各地に季節を巡らせる現人神。
人々が当たり前に感じている四季の巡りは、彼らの不断の努力によって保たれている。
しかし春の代行者・花葉雛菊がテロ組織に誘拐され行方不明となってから、
大和国の季節は春だけが消え去ったままだった。
「雛菊様、独りにしないで。お願い帰ってきて」
自らの生活を全てなげうって主を探し続けた春の護衛官・姫鷹さくら。
大切な友人を守れなかった冬の代行者・寒椿狼星と冬の護衛官・寒月凍蝶。
十年の時を経て雛菊が突然の帰還を果たしたことで、止まっていた彼らの物語が動き出す。
様々な想いを抱えながら、雛菊とさくらは春を届ける旅を始める。
「二人で、生きる、の」
二度と手放さないと誓った少女とともに生きるために。
「あの二人は小さな恋をしていたんだ」
引き離された初恋の人に再び会うために。
「私達を傷つける、すべての者達に告ぐ」
誘拐され不条理に奪われた日常を取り戻すために。
雛菊とさくらは歩み続ける。
春を必要とする人のために。
悲しみの淵にいる人に寄り添うために。
何度傷ついても生きようと願う人に、希望を届けるために。
「私は貴方を守る。貴方も私には春をくれる。だから大丈夫、共に参りましょう」
(テレビアニメHPより引用)
【キャラクター】
- 花葉雛菊
CV:貫井柚佳
春の代行者である少女。冒頭刊と「春の舞」事実上のメインヒロイン。
「生命促進」という、植物の開花や急激な成長さえも促すことが出来る。
心優しい少女なのだが、どこか話ぶりがたどたどしく、感情の表現が苦手なように見える。
これには春の代行者を狙った誘拐事件により、長い間行方不明だった時期が影響しており、誘拐犯に歪過ぎる扱いを受けた結果心を閉ざし、最終的に限度を突き抜けた「凶行」の強制への反発から力を暴走させてしまいそれで脱出には成功したものの、暴走する直前に心の中で「元の無垢で明るい少女の人格」の崩壊を自覚してしまったのが大きな要因となっている(ある種のPTSDになったとも言える)。
しかしながら、代行者への務めを果たそうとする芯の強さや、自身を支えてくれる周囲への思いやりを持っている。
- 姫鷹さくら
CV:青山吉能
雛菊に仕える春の代行者護衛官。冒頭刊と「春の舞」もう一人のメインヒロインで、冒頭刊の準主人公に当たる。
黒髪ポニーテール。日本刀を帯刀している。
雛菊を敬愛しており、彼女が賊に誘拐されてから、彼女のことを探し続けていた。
同時に雛菊を守れなかったことに対して負い目を感じている様子である。
子どもの頃、剣の師である凍蝶のことを慕っていたが、雛菊が誘拐されてしまってからは、彼女の捜索を巡りすれ違いも生じてしまい、激しい憎悪を抱いている。
しかし、昔から抱いている儚い思いも捨てきれず、その胸中は複雑なものである。
担当声優の青山氏からさくらについて、家庭環境も良くない中で雛菊は光のように差し込む温かな存在であるとして、だから「この人を守りたい」という心境にいるとしている。それが彼女の行き過ぎた愛情にまでなり、そのドロドロとした感情が、これからも共に歩む覚悟に繋がっているとしている。
- 葉桜瑠璃
CV:上坂すみれ
夏の代行者→護衛官。夏を呼び起こす力を有している。
「生命使役」の能力を有しており、動物と会話ができる。
この能力で情報収集や時には彼等を戦いに使役させることが可能である。
メガネをかけており、双子の姉であるあやめが好きである。
しかし、そんな彼女に結婚の話が舞い込んでおり、素直に祝福が出来ない様子である。
雛菊とは仲は良く、狼星との関係性含め、様々な話で盛り上がる。
代行者のチームの中では一番のムードメーカー(実際出会った雛菊らとすぐに打ち解けている)というのは中の人談。
- 葉桜あやめ
CV:馬場蘭子
夏の護衛官→代行者。瑠璃の双子の姉である。
妹が代行者に選出されたこともあり、彼女の力になりたいと思うようになり、護衛官になった。
姉妹仲は良好なはずなのだが、結婚を控えることになり、それに反対する妹の気持ちにすれ違いが生じている。
中の人はあやめは護衛官の中でも大人な立場だと思うのだが、責任感はあるのににげだしたい気持ちがあったり、妹が好きなのに「嫌い」と言ったりと矛盾した感情を抱えていることに人間味を感じたという。
葉桜姉妹の行く末(ネタバレ注意)
瑠璃が改革派の賊に襲われ、一度命を落とした。その時、不思議なことが…。
あやめに、代行者の紋章が浮かび上がった。
すぐ下述で説明する祝月撫子が一所懸命な能力使用を心肺停止状態の瑠璃へ施した事により、瑠璃は息を吹き返す。
こうして葉桜姉妹の立場は入れ替わったのであった…。
- 祝月撫子
CV:澤田姫
秋の力を呼び起こす「秋の代行者」を司る。
あらゆるものを腐敗させ、生命を吸収する「生命腐敗」の能力を有している。
この能力は他者の命を吸収して死にいたらしめるだけでなく、逆に他者の傷を癒すことも可能にしている。
最年少で代行者としての任期も短いが、聞き分けがよく代行者としての使命にも忠実であろうとするなど歳不相応に大人びた少女。
護衛官である竜胆に対して絶対的な信頼を寄せている。
- 阿左美竜胆
CV:八代拓
秋の護衛官。
護衛官としては新人であるのだが、撫子から信頼されている。
撫子に対して親身に接しているのだが、
基本的には仕事として割り切っており、冷徹な一面が垣間見える。
とは言え周囲からは撫子に対して、過保護ともいえるくらいに大事にしている姿もみて取れている。
- 寒椿狼星
CV:坂田将吾
冬の力を呼び起こす「冬の代行者」。
あらゆるものを凍り付かせる「生命凍結」の能力を持っている。
雛菊とは初恋の相手で想いを寄せていたが、目の前で賊に誘拐されてしまい、守れなかったことに対して自責の念を抱いている。
そんな彼であるが、冬の代行者としての責務を果たしつつ、それを繋ぐ形で凍てつく冬の情景から生命の息吹を呼び起こす形で責務に勤める雛菊の頑張りを見守り続けている。
再会した後は、雛菊本人は狼星が好きだった雛菊の人格がなくなっていたことに負い目を感じていたが、それらも受け止める狼星に心を許している。雛菊の人格が変わってしまっていることに対して彼は受け止めており、彼女に寄り添う覚悟もある。
人格が変わったことに対して気を使い、現在の彼女を“雛”と呼んでいる。
- 寒月凍蝶
CV:日野聡
冬の代行者の護衛官。
サングラスをかけて日本刀を帯刀している。
狼星を補佐すると同時に、悩む彼を諭すことも多い。
雛菊が賊に誘拐されてしまったことを許してしまい、狼星同様、自責の念を抱いている。
その際、剣の弟子であるさくらとは疎遠になり、さらに雛菊の件に関連して憎悪の念を抱かれてしまうこともあった。
そんな彼だが、再会したあとのさくらへの気遣いは行っており、彼女もまんざらではない。禍根を作った関係性にも雪解けが見られているようにも見える。
【用語】
・現人神(あらひとがみ)
神々より賜りし、超常の異能をもつものの総称を示している。
本作では四季の代行者などを指している。
- 代行者
それぞれの四季を司る代行者が、力を分け与え大地を練り歩いている。
そうすることによって四季を届けるのが彼らの仕事とされる。
最初は牛がその役目を担ったが上手くいかず、狼や鳥にその役割を与えられたが、
最終的には、人が代行者の責務を全うすることになったという歴史がある。
- 射手
大和の国の高山頂上にて毎日光の矢を放ち、大和に朝と夜をもたらす「現人神」。
エニシに住み朝を呼ぶ「暁の射手」と、竜宮に住み夜を呼ぶ「黄昏の射手」の二人がいる。
「巫覡」と呼ばれる一族の子供達から代々先代射手による予言によって選ばれるのだが、選ばれると代替わりが必要になるほど身体が弱るまで毎日登山して矢を放つ生活を余儀なくされ、超重要人物ゆえのセキュリティ問題もあって、射手達は近年になるまで山の近くに縛り付けられ、「日常」というものをまともに過ごせない生活を強いられていた。
ただその責務と力ゆえに、射手に寄り添う「守り人」は彼らを守るための「力」を宿している。
- 大和
本作の舞台。名前からして日本がモチーフ。
世界地図では東の位置にあり、「東洋の桜」とも言われている。
北からエニシ*1、帝州*2、衣世*3、創紫*4、竜宮*5と5つに分かれている。
- 音声術式と舞踊術式
音声術式が後述の四季歌を始めとする「歌」で舞踊術式が舞踊をすることで四季へ奉納する儀式として行われた。
この2つを組み合わせることで、神々に思いを捧げ、広範囲に力を届ける事を可能にしている。
- 四季歌
春夏秋冬、それぞれの代行者が受け継いできた歌である。
例えば春の代行者は春歌を唱えることによって、日照および生命の成長促進を行うことが出来る。
詠唱がなくても力を振るうことが出来るが、形式に則った方が体調など心身の不調に左右されない。
- 四季庁
四季の代行者を組織的に管理する独立機関。
帝州・帝都内に庁舎を置いている。春夏秋冬、それぞれに部署が分かれている。
代行者や射手などに対して資金提供をしている反面、基本的には形式的なお役所仕事であり、
代行者側の要望をあまり聞いてくれないなど、あまり融通してくれない。
・改革派
賊の種類の1つ。
代行者を国の利益、または国民の利益のために流用すべきと考えているテロリスト集団。
【テレビアニメ版】
2026年3月~6月にかけて「春夏秋冬代行者 春の舞」のタイトルでアニメ化された。
作者からはアニメ化をふまえ、現人神と護衛官が織りなす物語がアニメではどんな旅路を歩むのか、ぜひ陽夢のようなまなざしで見守ってもらえると幸いであるとコメントを残している。
「春の舞」ということで、春の代行者と護衛官の2名の声優による日本全国の桜の名所を紹介するコンテンツや桜前線マップが公式HPに掲載されている。
監督は山本健*6。
シリーズ構成は久尾歩。
アニメーション制作はWIT STUDIO。
OP:「Petals feat.夏背」
Orangestarによるオープニング。
ED:「花筏 feat.夏背」
Orangestarによるエンディング。
追記・修正は代行者かその護衛官になってからお願いします。
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- 1話みたいな話を春夏秋冬で主役変えて4章やるのかと思ったら春と冬と賊が作品の9割を占めてた -- 名無しさん (2026-07-29 00:25:49)
- 原作からして一つの陣営の話を上下巻の2冊かけてやる(射手組は一冊)スタイルだからね -- 名無しさん (2026-07-29 09:05:12)
- そう言えばアニメ版は普通に「春の舞」って副題だったわ。しかし春以外の章も賊の襲撃を受ける代行者で話回してるんだろうか -- 名無しさん (2026-07-29 13:56:33)
- 撫子の苗字、岩月じゃなくて祝月なので誰か修正してほしい -- 名無しさん (2026-07-29 14:12:51)
- この作品の代行者の価値がいまいちわからなかった。季節が一つなくなれば、経済損失とか数百数千億円とか普通にあるだろうに捜索を早期打ち切り。だからと言って、系譜に力が継承されるわけでもなく幼い子供に継承されたりするから、季節が安定してないのが普通みたいな感じでもないし。さらに季節を呼ぶ儀式が小規模の範囲だけみたいだから現地に行かないといけないみたいなのに、最初の季節を呼んだ時以降、別の場所で季節を呼ぶ儀式とか全くしてない感じだし。 -- 名無しさん (2026-07-29 20:35:16)
- まず代行者の家系はそれなりにあるから当然候補もそれなりにいる。で、代行者が死ぬと即その候補のなかの誰かが新たに代行者の力に目覚めるから普通は何があっても季節の移り変わりに支障は起きない。本編でそうなったのは雛菊が存命のまま長期間行方不明というまずあり得ない状態に置かれたからだね -- 名無しさん (2026-07-29 21:16:41)
- そうなると代行者の家系ってかなり厳粛に管理されてるだろうから愛しすぎて子作りしすぎだからもうダメ監禁だのそれでもこっそり逢瀬だの叛逆で死罪だのは四季庁にとって凄く当たり前なんだろうな・・・ -- 名無しさん (2026-08-01 15:43:36)
- ↑2、とはいえ、長い間、新たに継承されないからこそ、捜索打ち切りはやっぱりアホでは? 国を運営する人らや世論からめちゃめちゃ文句を言われているだろうし。そして、そういう考えだと、老人とか病弱とかで儀式ができなくなった代行者らは、秘密裏にお隠れされたりしていたりしそうだし、一族に不満のあるやつが継承して、そのまま出奔とかされたりしたら困るだろうし -- 名無しさん (2026-08-01 21:04:30)
- 過酷な運命に翻弄される代行者たちの愛とか恋とかを描く作品なので、必然的に味方の政府が無能になるし敵対するテロリストが正規軍並みの強さと過激思想を併せ持つ最強の敵になる -- 名無しさん (2026-08-01 22:00:07)
#comment
*2 日本では本州に当たる。
*3 日本では四国に当たる。
*4 日本では九州に当たる。
*5 日本では沖縄県に当たる
*6 TVアニメ初監督作品。『劇場版 ウマ娘 プリティーダービー 新世代の扉』で監督デビュー。
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