境界線上のホライゾン きみとあさまで

ページ名:境界線上のホライゾン きみとあさまで

登録日:2012/01/13(金) 21:02:27
更新日:2023/08/07 Mon 15:02:22NEW!
所要時間:約 5 分で読めます



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川上稔 境界線上のホライゾン ライトノベル きみとあさまで バンド 浅間・智 葵・喜美 ネイト・ミトツダイラ 特典小説←激薄←比較対象が間違っている 特典



もし、私が変わっていき、それを正しく定めの内と出来るならば――


いつもと変わらない。でも、いつもと違うものに見えるんでしょうか



川上稔の長編ライトノベル、GENESISシリーズ境界線上のホライゾンの外伝小説。
境界線上のホライゾンのアニメBDに特典として付属しており(奇数巻のみ)、Ⅰ<上>~Ⅳ<下>までの全8巻で構成されている。
また2019年のBDBOXに電子版購読用のコードが付属され、2023年8月4日からウェブサイト『ノベコミ+』『カクヨム』で「アイコントーク」形式にリライトし新規序章も追加したバージョンの連載がスタートした。
当然だが、挿絵に関しては本編同様さとやす氏が担当。
表紙絵は浅間→ネイト→喜美→3人全員の順になっている。



□ストーリー
聖譜歴1647年、再現歴史のマニュアルである聖譜の更新が停まり、末世と呼ばれる時期が深まる中、極東では人々が不安や未来を案じつつも、自分達の生活を過ごしていた。
武蔵学生の一人、浅間神社の一人娘の浅間・智は、武蔵アリアダスト教導院の二年生で巫女である。オパイも背丈もデカいが大概気にせず生きてきた。富める者は気にしない。そんな彼女はしかし、一つの思案を抱えていた。それはこの雅楽祭にて、神道の雅楽から離れた音楽活動を始めようかどうか、という事であった。
「バンド始めようって言ったら、どう反応されますかね……」
ゆえに、踊って歌える友人として、オパイの大きな葵・喜美と、薄型のネイト・ミトツダイラを巻き込んで、紆余曲折の始まる塩梅。
〈本誌より抜粋〉




□登場人物


【三人娘】


浅間・智
みんな大好きあさまみこ。武蔵アリアダスト教導院2年梅組所属で武蔵オパーイカースト最上位。
境界線上のホライゾンの一年前を書くこの物語においては、未だに上位契約を果たしておらず、巫女ランク的には中位巫女にあたる。妖物や怪異等に対する戦闘には出ているものの実戦経験豊富とは言い難く、射撃加護等の術式もまだまだ未熟。
それゆえにズドン……射撃力もまだまだ低く、具体的には中型の怪異を破壊するために3回の射撃が必要な程。
本編は主に彼女を中心に展開され、この物語における主人公とも言える存在。
「私がバンドしたら、どう思います……、か?」



葵・喜美
武蔵アリアダスト教導院2年梅組所属の踊り子。あいもかわらずエロとダンスの信仰者。
浅間同様、2年生であるため、踊り子としては未だに中位。ただし彼女は年齢が足りないだけで実力は上位レベルがある模様。
本誌のキャラ紹介に寄ると、「どちらかと言うと気違い」とのこと。
後に結成される事になる雅楽バンド「きみとあさまで」のメンバーで、本作のメインキャラのひとり。
またネイトに懐いたケルベロスに「トロコ」(頭が3こでフランス語の3がトロワだから)と勝手に命名していた。
「――非神だろうと何だろうと、私を見上げるようにしてあげるわ」



ネイト・ミトツダイラ
武蔵アリアダスト教導院2年梅組所属の騎士にして極東継承権第二位。騎士連名所属で武蔵第一位の騎士。本編では第五特務となっているが、このころは番外特務と呼ばれる役職に付く。
今作においては「淀み」から現れた怪異の一種であるケルベロスに懐かれ、成り行きからケルベロスを飼う事に。
全裸との約束に関して色々あったり、騎士でありながら前線では殆ど防御役であったりして、なかなか鬱憤が溜まっている様子。怪異・非神刀との戦いではここぞとばかりに活躍し、若干鬱憤を晴らせたようではあるが。
後に結成される事になる雅楽バンド「きm(ry
最終巻(2013年3月発表)では自身の唄内に入れる「語り」をどうするか考えていたが…まさか作者も同年年末、「鎖地平団」と名乗る楽団の唄冒頭にネイト声の語りが入れられ、全国放送されるとは思わなかっただろう。
「ラップ調でお肉!お肉ですのね!?」



【1647年度生徒会・総長連合】
名前が出た4人はいずれも襲名者で、かつ幼馴染兼バンド仲間でもある。


○鳥居・元忠
武蔵の現在の総長兼生徒会長。梅組陣を中等部時代担当した「鳥居先生」の娘でもある。
航空艦から笑って人を突き落としたり、聖連から監視のために派遣された武神・猛鷲に縄つけてぶら下がって喜んだり、昔ムラサイ(ムスリム)の孫一にポークカレーを食わせたりとなかなかアレなボクっ娘。イラストが無いのが悔やまれる。
踊りと歌では神道大椿系の上位奏者であり、彼女を初めとする生徒会、総長連合の面々5人で雅楽バンド“鑑”を結成している。
解りやすく言うと、全裸の前身的な存在感を持つアブナイ人
だが持ち歌の「決まり事」はどこか閉塞感を漂わせ、終盤では孫一の来訪を機にある行動に出ることに…。
「また会ったねオパーイちゃあん――!」



○大久保・忠世
武蔵の現副会長。ネイト同様武蔵騎士連盟所属で第五位の騎士。
戦闘時は軽装の機動殻と機殻槍を装備している。
ちなみに本編に登場するもう一人の大久保姓襲名者「大久保・忠隣/長安」(本作にはまだ襲名前の彼女も登場)とは単に名字が同じというだけだが、未来の襲名者候補として存在は知っていた。
「君はさ、“好き”とか、“愛してる”とか、……感情込めて人前で空振り出来る?」



○大須賀・康高
武蔵の現副長。武蔵の中では割と被害者っぽいが、実は人妻趣味。“鑑”におけるラブソングの作詩は彼の手によるもので、戦闘では木刀を使う。
卒業後は渡辺共々自分達の師匠と旅をする予定らしく、本編4上でトーリの父と共に旅をしている「スガとナベ」が彼らじゃないかと言われていたり。
「天下に出すものに恥を感じている筈がなかろう」



○渡辺・守綱
武蔵の現第一特務で点蔵の先輩。金髪の女性で実家は調理器具専門店。得物は素槍。
「浅間神社には、母が商店の仕入れで御世話になってます」



【梅組・その他】
今回は春期学園祭でコスプレ喫茶を開催している。


マルゴット・ナイト
マルガ・ナルゼ
ふたりで雅楽バンド“愛繕”を組んで歌ったり、ウッキー相手に戦闘訓練したり、将来について考えてみたり。
“見下ろし魔山”のテスター権を巡って上位者と相対する。


アデーレ・バルフェット
この頃はまだ“奔獣”を修理中なため(経年劣化が原因)、俊足を生かした突撃で怪異退治のサポートを行なった。
「あいたあー!!」は健在。


本多・正純
転校したばかりでまだ(ダジャレ以外は)普通に悩める真面目な政治家志願者。本作の時期から小等部講師のバイトを始めている*1
本作では商人コンビとの会話等で少しづつ自分の先を見つめなおしたりもしていた。


向井・鈴
本作では彼女の実家な銭湯がフィーチャーされており、風呂番・掃除用の水着姿を披露している。
クラスメイト達の様子にほっこりしたり、最終巻でコスプレ喫茶終盤の看板として姫扱いされたり。


葵・トーリ
今回は地味に喫茶などで活躍したり、こっそり次に行くための区切りを付けていたりしたが、終盤では真っ先に鳥居が「何か」を起こそうとすることに勘づき警告。最終決戦では早着替えして姉の支援に回った。



【その他の登場人物】


○“奥多摩”
武蔵の艦長型自動人形の一体。Ⅱ〈上〉に登場。
実は天然でドジっ娘だったことが判明した。



“武蔵”
僕らの武蔵総艦長自動人形。(紹介文より)
自分が定義するデートについて述べたり、テールスカートが外れたり。
よく学長と一緒にいるがそれを言ってはいけない。


P-01s
武蔵に来たばかりのセメント自動人形。
この頃は感情がないのだが、独創的な創作(?)メニューは変わらなかった。
ちなみに浅間父が配慮したため、浅間は彼女に直接会うまでその存在を知らず、喜美は何となくその正体に気づいていた。


○“海兵”
武蔵運送業ランカーの一人である四枚翼有翼系女性。
諸事情で先輩の“提督”共々母国の三征西班牙にいられなくなった過去を持ち、本国で没になった飛行用加速器付き装備を今でも使用している。
本編でも他の運送業組と共に登場している。


○“提督”
“海兵”の三征西班牙からの上司である人間の男性。現在は運送業者の元締め的役割をしており、小型の航空船を駆っている。


○“山椿”
本作時の武蔵におけるランカー1位の眼鏡魔女。白・黒に分化する前の「古い魔術」を使用する。


○鈴木・孫一
Ⅲ<下>より登場した魔神族の女性襲名者。鳥居とは旧知の仲、なのだが歴史再現では鳥居を倒す人物であり…。
神格武装な3つの長銃「ヤタガラス」による射撃戦を得意とする。
本編にも登場しており、10上ではウルキアガと空中戦を繰り広げることに。




□備考
○タイトルのきみとあさまでは喜美、ミト、浅間の三人による雅楽バンドの名称。
○“きみとあさまで”という名前は喜美+ミト+浅間で“きみとあさまで”であり、「喜美と浅間で」ではない。仲間外れヨクナイ。
○電撃大王で連載されたの四コマ「境界線上のホラ子さん」では“きみとあさまで”復活の話が持ち上がっている。
○特典小説という括りの内ではあるがあいもかわらず厚く、Ⅰ〈上〉におけるページ数はなんと150ページ超。Ⅱ〈下〉に至っては200ページを超えてしまった。
○ページ数はいつも通りに増えてゆき、最終的にⅣ<下>のページ数は479ページを記録した。なおこのために特典小説を格納するスペーサーが2度にわたって変更された。
○無論内容も濃く、特典小説でありながらドンパチやったり踊ったり歌ったり悩んだり迷ったりする。
○そして登場人物も熱く、特に安芸教導院・陸上部のモブキャラの活躍は氏の作品が好きな人間ならば一読の価値有り。
○もう一つのBD特典であるCDと連動しており、CDに入っている歌は本作の作中歌という設定。
○アニメ二期最終回で、まさかの“きみとあさまで”ライブの模様が映像化。喜美をメインボーカルに据え、ノリノリで「星祭り」を披露、会場は大盛況だった。ちなみに原作にこの場面の描写はなく、つまりスタッフ超GJ。
○また本編11下の最終決戦時には、直接の名前こそ出ないものの鳥居達のその後の様子も描かれている。

本作ラストで鳥居が盛大にやらかした後、47年生徒会組の師匠であるトーリの父が鍛えなおすべく鳥居を誘い、元々トーリ父と旅する予定だった大須賀&渡辺と共に地上で修行をする事に。
ちなみに本作エンディングで大久保は「卒業後は後輩の指導に回る」と発言していたが、11下の様子や本編中に登場しないことを見ると4人揃って地上に降りたのかも知れない。
そして11下の最終決戦ではトーリ父や他の弟子仲間と共に地上で敵を撃つ側に回っており、鳥居は本作ラストで無茶をした代償に低下していたはずの奏者としての力を取り戻し…どころが「無茶」の原因となった力を使いこなせるようになっていた。




追記・修正頼みます。


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  • 本編は文庫本ではない何かで特典がフツーの軽小説くらい。なんというかまあ、いつも通りだね。 -- 名無しさん (2014-10-29 12:46:13)
  • 成田良悟のバッカーノのDVD特典小説みたいに電撃文庫から出版されることを切に願う。 -- 名無しさん (2015-02-02 12:33:21)

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*1 三河時代は母が健在だった事もあり生活で苦労していなかったため、父の生活費に関する厳しい方針を「当たり前」と捉える武蔵の学生達に逞しさを感じていた。

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