登録日:2018/06/08 Fri 00:23:11
更新日:2024/02/26 Mon 13:42:31NEW!
所要時間:約 4 分で読めます
▽タグ一覧
fe 封印の剣 架空の戦争 烈火の剣 戦争 戦役 神将器 八神将 ファイアーエムブレム 伝説 人竜戦役 エレブ大陸
全てを知りたければ私の元まで来い。
おまえに私と戦えるほどの力があるなら真実を教えてやろう……。
■概要
『人竜戦役』とは『ファイアーエムブレム 封印の剣』『ファイアーエムブレム 烈火の剣』で語られる戦争の事。
この二作品の舞台となるエレブ大陸には人族と竜族が共存していた。
竜族は火竜族・氷竜族、そして竜の頂点たる神竜族(火竜のヤアンが言うには)の三つに分かれており、
人間を遥かに超える力と知識を持ちながら人の領土を侵すことがないため平和に暮らしていた。
しかし本編の約1000年前、突然人間が竜族の領土に侵攻を始める。
何故人間が侵略を始めたかは定かではないが、パントは竜という強大な存在が「そこにいる」という恐怖感に耐えられなかったからではないかと推測している。
また、漫画『覇者の剣』では繁栄を極め、爆発的に増えすぎたことで新天地を求めた当時の人間の人口問題があったことがエルフィンの口から語られている。
この突然の人間の侵略に竜は抵抗するという形で、どちらかが大陸の覇権を握るまで終わらない『人竜戦役』は始まりを告げた。
そして追い詰められた竜は強大な魔力を暴走させて『終末の冬』と呼ばれる異常気象を引き起こす。その暴走により世界は昼が夜になり、夏に雪が降り始めた。
またこれ以降竜は人の姿を取る様になったと伝えられている。
竜に対抗するため人も魔力の結晶たる『神将器』を開発、その持ち手たる八神将を選び出し一気に巻き返しを図る。
時が流れ八神将は竜族の長である魔竜がいる竜殿に乗り込み、これを討伐。
八神将はそれぞれの故郷に戻りて神将器の魔力を開放して終末の冬を終わらせ、神将器を各地に封印した。
こうして人竜戦役は人間側の勝利に終わり、人間が大陸の覇権を握ったと言われている。
本編時点で竜は伝説の存在であり、会った事のある人間はほぼいない。
以下ネタバレ
というのは人間側に伝わっているもので、おおよその流れは事実だが細部は色々と異なっている。
開戦の理由は人間側に伝わっている通りだが、実は開戦当初は人間側の有利に進んでいた。
というのも竜は圧倒的な力と寿命を持っているがそれ故か個体数が少なく、何年も続くうちに逆に人間は減るどころか増え続けたからである。
いかに個の能力が優れていても数の暴力の前にどんどん押されていった竜は打開策を講じる事になる。
それは竜の頂点である神竜の力を増幅して『魔竜』とすること、そして個体差を補うために魔竜に戦闘しか出来ない『戦闘竜』を作らせる事であった。
「自然の理に反する」と神竜族はこの策に難色を示すが、竜種の存続にかかわる事なので他の竜(主に火竜族は)は聞く耳を持たない。
そもそも戦争自体に乗り気ではない神竜族は「もう戦いはこりごりだ」とナバタの里に身を潜めた。
しかしこの時他の竜と分かれていいのか迷ったせいで避難が遅れていた少女がいた。その子の名前は神竜イドゥン。
竜族はこれ幸いと幼さの残るイドゥンを捕らえて心を奪い*1魔竜イドゥンに改造、長の命令のみ受け付け、戦闘竜を産みだす兵器にされた。
神竜族はこれに気付いたが、助けに行って同じ目に会うリスクを考え見捨てる事にした。
こうして数の差を補った竜族は戦況を盛り返すことに成功するが、魔竜の存在に気付いた人間は『神将器』を作り出す。
そして八神将は神将器を持って竜の本拠地である『竜殿』に攻め込み決戦へ。
しかし、一箇所で強大な神将器の魔力と竜の力のぶつかり合った事で自然の理を歪め、未曾有の天変変異である『終末の冬』を興してしまう。
八神将が神将器を厳重に封印したのは『秩序の崩壊』の再来を防ぐ為だったからである。
ただし、時代を重ねるごとに神将器の力が弱まり、ロイ達の時代では振るっても秩序の崩壊には至らないらしい。
自然の理が壊れ新たな秩序が生まれたが、それは人間に傾き竜を拒絶する秩序であった。
竜は自分の姿を保つ事すら難しくなり、新たな秩序の世界で形が取りやすい『人間』の姿になるべく、竜石に本来の姿を封印した。
これによって人間と竜の戦力差は決定づけられたうえに、人間は無力な人間形態の時の竜を執拗に狙い始める。
この頃氷竜族と一部の火竜は『竜の門』を通って別大陸に避難する。
そして八神将は火竜族の長を倒して対魔竜兵器『封印の剣』を持ってイドゥンの元に辿り着く。
しかし、そこにいたのは強大な魔竜ではなく、ただ儚げな1人の少女であった。
そんな「魔竜」の姿に八神将の中でも倒すべきか否か意見が分かれ、倒すべきだとする八神将の敵意に反応してイドゥンは魔竜となり襲い掛かる。
八神将のリーダーであるハルトムートはそんなイドゥンに「あわれ」の感情を抱き、その感情に呼応した封印の剣は彼女を封印するという道を選ぶ。
そしてハルトムートはベルンの森深くに神殿を造りそこにイドゥンを『封印の剣』と『ファイアーエムブレム』で封印した。
そして彼女を監視するために『ベルン王国』を建国したのだった。
■余談
基本的に人間と全ての竜が全面戦争していたように語られるが、FE大全によれば実際に人と敵対していたのは火竜と戦闘竜だけらしい。
どうやら神竜と氷竜は降りかかる火の粉を振り払う程度だったのだろう。
氷竜に関しては「烈火の剣」本編では「人との戦いに敗れ、異世界に逃れた」とニニアンやニルスが語る一方、
「大全」では「争いを嫌って異世界に逃れた*2」とされており、やや経緯は不透明な部分がある。
基本的に人間は竜族に敵意を持っているが、極少数は竜と共に生きる事を選択した人間もおり、そういう人達はナバタの里で神竜と生きる道を選んだ。
別大陸に行った氷竜族はそこでも人間と遭遇したらしく、接しないように生活していたようだが、烈火本編後のニルスが共存の道を探すようになる。
また竜族は人間とは価値観及び倫理観が根本から異なっているようで、自分たちを絶滅寸前まで追い詰めた人間への憎しみなどはなく、
人間との生存競争に敗北しただけ*3と淡々と受け止めている。
またネルガルは『人竜戦役』真っ只中に氷竜のエイナールと結ばれるという状況を考えればとんでもないことをしている。
二人の間にニニアンとニルスが生まれていたが、エイナールは人間(或いはイドゥンの様に利用しようとする竜族)に捕まってしまいネルガルは妻を探しに出かけ、
おそらく力不足でエイナールを死なせてしまい、力を求めるようになってしまった。(だが力を求めてエーギル研究などを始めるのはアトスに出会った以降なので狂ったきっかけそのものではない)
両親が帰ってこなかったので姉弟は別大陸へ旅立っている。
なお氷竜族が行った別大陸とは詳細不明。一部のファンからはアカネイア大陸ではないか?と噂されていたが、根拠はない。
しかし後にFEHにて竜祭り版のニルスが実装された際に、神竜ナーガの事を知っているかのような言動をしたため、この説に信憑性が帯びた。
『覇者の剣』では同時期にハルトムートも始祖竜のミリィザとの間に息子を作っているが、やむを得ずに妻子を封印している。
敵である竜族のヤアンは人竜戦役の終末の冬の真相についてペラペラと話す。
感慨も感傷もなくヤアン自身もまたイドゥンのことを道具として扱い、「あわれ」などを不可解な人の感情としている。
追記・修正お願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,5)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- まだ幼いイドゥンを集団で……ゴクリ まぁ戦闘竜の量を考えると別に物理的に産んだ訳ではないだろうけどw -- 名無しさん (2018-06-08 13:30:21)
- 神将器もない時点で圧倒できる物量と戦闘力とかすごいな。タルキールもびっくりだな -- 名無しさん (2018-06-08 18:09:46)
- FEにはやっつけ負けという概念があるからね -- 名無しさん (2018-06-08 18:39:21)
- ↑2開戦当初火竜としか戦闘に参加していなかった事を考えると、いくら竜が圧倒的な力があったとしても勝つのは絶望的な戦力差だったんだろうね。 -- 名無しさん (2018-06-08 18:55:45)
- ドラゴンキラーと高位魔導書もって万歳アタックすれば2~3ダースほどで古の火竜も倒せるだろうし -- 名無しさん (2018-06-08 18:59:54)
- 竜族が侵攻してきたとか圧政を敷いていたとかでなく、100%人間側に非があるのってFEシリーズでは結構珍しいかも -- 名無しさん (2018-06-08 19:38:41)
- ↑ファルシオンを始めとする竜由来の武器やら加護やらもなく、完全な人間の力のみで勝ち抜いたのもFEでは相当なレアケース。エレブ人は戦闘民族か -- 名無しさん (2018-06-08 20:05:21)
- うーん、作中では神竜の協力を得るために他の竜族はこぞって頭を悩ませたとのことだったが、大全では火竜と人が戦争しただけになってるのか? しかし他の竜族を見捨てたり幼いイドゥンを見捨てたり竜殿の本来の主でありながら神竜族の薄情さは異常だな。 -- 名無しさん (2018-06-08 21:13:39)
- しかしわざわざ人と火竜が戦争しただけと戦争のスケールを小さくしてみたり今のISはやっぱりついていけない・・・。 -- 名無しさん (2018-06-08 21:29:18)
- ↑2ファとかニニアン見てるとあんまりそんな気がしないけど、感情に乏しいのがエレブの竜族の特徴らしいからね。多分当時見捨てた罪悪感すら無かったと思う。最後の長老も判断が正しかったのか 今では疑問に思っておる程度の感想だったし。当時の人間達は竜族に対してこういう感情の無さにも恐れを感じてたのかもしれない。 -- 名無しさん (2018-06-08 22:58:52)
- イドゥン、アルの母親、ファ、ニニアン姉弟、ヤアンを除けばエレブの竜はクズの集いだな、いつかリメイクが作られたときに人間が攻め込んだ理由が明らかになったとしても人間より竜の思考が恐ろしいと思える理由が出てきそうだわ -- 名無しさん (2018-06-09 01:52:22)
- 侵略に対して汚れ役を火竜族のみに丸投げして穏健派を気取る氷竜族に圧倒的な力を持ちながら面倒を嫌う神竜族と、火竜族があまりにも不憫すぎる。 -- 名無しさん (2018-06-09 09:17:10)
- なんか話しが上手いこと捻じ曲げられてたが別に魔竜化には心を破壊する必要なんてないので削除。心を壊したのはイドゥンを含めて神竜全体がどうしても人為的に力を増幅させることに反対だったからだよ。編集者も人間だからって人間側に肩入れしなくてもいい。 -- 名無しさん (2018-06-10 08:55:33)
- 火竜「ちょ!人間攻めてきた!!応戦するぞ!!」→氷竜「まかせた!」神竜「たたかいたくない」→火竜「えぇ……」 -- 名無しさん (2018-06-10 10:02:31)
- 一旦コメント欄で書かせていただきますが、そもそも神竜の存在はヤアンが出てくるより前に発覚している上に、そのときから神竜は最も強い竜であることが語られているので、あえて(火竜のヤアンが言うには)の一文を書くことに意味を感じません。読み手にとってまぎらわしいだけではないでしょうか? -- phyrexia (2018-06-11 19:39:28)
- 元々スーパー長生きで色々摩耗してくるのはエレブの竜だけでなくFEの竜のお約束だし、むしろ人間さながらに抵抗する火竜のほうが珍しい -- 名無しさん (2018-06-11 20:10:34)
- ↑phyrexiaさんへ。ヤアンの表現の方が格上感がありましたし、(火竜のヤアンが言うには)と付け加えたのはこの項目で初めて知る人へ「竜族自身が神竜を頂点と表現しているよ」って説明のための記述でした。 -- 名無しさん (2018-06-11 20:46:20)
- ↑どちらも最も力の強い竜としか語られていないはずですが・・・。とりあえず、同族が言うほうが説得力がある、ということですね? -- phyrexia (2018-06-11 21:20:44)
- ↑その通りです。ややこしくてすみません。あと隠していた文面は必要ないかと思い消しときました。 -- 名無しさん (2018-06-11 21:46:28)
- 終末の冬は神将器と竜の魔力により起きたわけだが、人間の間で「竜のせいで起きた」なんて歪めた伝承されてる描写あったっけ? -- 名無しさん (2018-06-12 20:54:16)
- ↑ニイメさんが「竜が凄い魔力を使ったら自然の理が歪んだって説が通説じゃ」って言ってる。 -- 名無しさん (2018-06-12 21:17:09)
- ↑×2おかげでヤアンさんに都合の悪いことは全部敗者に押し付けるとか人間らしいやり方っすねと言われる有り様。単純に人間側の隠蔽。 -- 名無しさん (2018-06-12 23:26:50)
- 竜族の個体数が少なかったのは、元々種の衰退が始まっていたからか?だとするとエレブ二部作の時系列はアカネイア王国が建国された辺りか -- 名無しさん (2022-06-24 17:39:47)
- 単にポンポン増える種族じゃなかったからだよ。食物連鎖でも上位より下位の個体数が多いでしょ。竜は人を捕食しないけど。 -- 名無しさん (2022-06-28 22:52:34)
#comment
*2 「烈火の剣」の支援会話では、これに似た「おとぎ話」をフロリーナが語る場面がある。
*3 ただこれについてヤアンは人間に全滅させられた竜族の意地として答えた部分も否めず、烈火の剣に登場する火竜は人間への憎悪に満ちておりニニアンやニルスも望郷の想いに満ちていた。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧