登録日:2019/09/23 Mon 19:25:00
更新日:2024/05/09 Thu 13:50:30NEW!
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ホホジロザメとはネズミザメ目ネズミザメ科のサメである。
ネズミザメ目下ではあるが本種のみでホホジロザメ属を形成している一属一種の種である。
英語ではgreat white sharkといい、直訳すると「巨大な白いサメ」となる。
日本語での正式名称はホホジロザメだが、発音や語呂的な問題からかホオジロザメと表記されることも多い。
現生でも世界中の海に400種以上生息するサメ類の中でも抜群の知名度を誇り、サメと言えば大口を開けた同種が真っ先にイメージされるなど、サメという生物の代名詞にしてシンボル的なサメである。
先程述べたようにホホジロザメが正式名称だがホオジロザメという呼称の方が定着している為、当項目でも以降ホオジロザメと表記する。
概要
名前の通り頬を含めて体の下半分が真っ白であり、どっしりした筋肉質な体型とあわせ、他のサメとはまず間違えない外見をしているのが特徴*1。
平均して4mほどの巨体に成長する大型のサメだが、総じてオスよりもメスの方が大きい*2。
後述する理由からサメの中でもかなり有名な種類だが、その生態は意外にも謎に包まれており、例えば「何処で繁殖しているのか」は未だに明らかになっていない。
最近では魚類の中でも高い知能を持っている事が明らかになっており、過去の成功と失敗を活かし、効率的な狩りを経験から学習していくという魚類としては他に類を見ない一面を持っている。
ただ、「サメの中では」最大級の殺傷力を持つのだが、「最強の魚類」かというと疑問符がつく。
そもそもサメというのは「生きた化石」と呼ばれるなど、魚類の中ではかなり古いタイプの生物である。
もちろんそれは幾多の環境変動に耐え生き残ってきた証ではあるが、「戦って強いかどうか」は話が別である。
最大の特徴は全身の骨が軟骨であるという点で、このためサメは体があまり頑丈ではない。
(余談だが、サメの「歯」と呼ばれるものも骨ではない。鱗の進化したものである。何度も生え変わるのはそのため)
ホオジロザメはサメの中では最高クラスの遊泳能力を誇るが、それでも最高速度は35km/hと、大型海洋生物としてはせいぜい中の下といったところ。
クジラ・イルカは50km/h、カツオは60km/h、マグロは80km/hとホホジロザメをはるかに凌ぐ。
アザラシやオットセイをよく食べる理由は、オットセイがホオジロザメよりも遅いからである。それでも持久力はなく、こうした硬骨魚類や海棲哺乳類をまともに追尾するのは困難のため、捕食する際には獲物を待ち伏せし、海底から派手にジャンプして捕らえる戦法を多用する。
襲う際には海面から顔を出すが、その時は白目をむいて眼球を保護する*3。
また、全身が軟骨であるということは、強固な肋骨や背骨などを持たないということでもあり、実際は打たれ弱い。
それこそ、より小柄で筋肉の塊であるバンドウイルカにタックルでもされれば、一撃で内臓破裂を引き起こして致命傷になる。
人間社会において「最強の魚」と恐れられたのは、人間を食べられるような巨大な口を持つ魚がサメぐらいしかいないということと、海中において人間が弱すぎること、
更には生息域が人間が遊泳する沿岸部でもあり、遭遇する機会が他の鮫と比べても多いことがかみ合った「誇張の産物」である。
確かに肉食ではあるが、そもそも海の生物はほとんど肉食だし*4、細かいところを見ると特別に優秀な能力があるわけではない。
ホオジロザメが「最強の魚」と呼ばれたのは、その体格と「人間から見た危険度」に由来するもので、必ずしも「海の王者」と呼べるような代物ではない。
むしろ「人間にとって最恐の魚」と呼ぶべきだろう。
生息域
世界の熱帯~亜寒帯の地域と広く生息しており、恐ろしいことに日本近海にも生息している。
海水温上昇により北に広がることが予測される。
被害
世界各地で被害が報告されている。
日本でも発生しているが中でも有名なのは1992年に愛媛県で発生した事例と、1995年に愛知県で発生した事例か。
愛媛県でのケースはタイラギ漁をしていた男性が「引き上げてくれ」と慌てて無線で漁船に伝えたがそのまま反応が途絶え、
引き上げるとズタズタに引き裂かれたダイバースーツとサメの歯だけが残されていた。
スーツの歯型と残されていた歯からホオジロザメによるものである可能性が高いとされている。
これは「現場でタイラギの貝処理を行っており、その匂いに引き付けられたのでは」と言われている。
愛知県でのケースはミル貝漁をしていた男性が襲われ、彼から連絡を受けた仲間たちが大急ぎで引き上げたものの、
男性は右腕は食い千切られていた上に腹部から右肩にかけて巨大なサメが食らいついており、即死状態であった。
男性の仲間たちは「仇討ち」と称して彼を噛み殺したサメを探し回ったが、結局それらしきサメを見つけることは出来なかったという。
ただ、こちらも大きさからおそらくホオジロザメであるとされている。
映画とホオジロザメ
現在では数あるサメの中でもぶっちぎりの知名度を誇るホオジロザメだが、かつてはそこまで有名な存在ではなかった。
その生態も知られていなかったため、かつては実際に被害者が襲われているのが確認されるまで、何が人を襲っているのか分からなかった*5というホオジロザメによる獣害事件がアメリカで起こっている*6。
そんなホオジロザメを一躍有名にしたのが、サメ映画の原点にして頂点と名高い『JAWS』である。
最早サメといえばジョーズ、或いはホオジロザメといえばジョーズと言っても過言ではないほど、ホオジロザメの存在を恐怖と共に世間に知らしめた。
ただし、この映画が与えた影響はいいものばかりではない。
映画のイメージから種類を問わず「サメは人を襲う凶悪な生物である」という間違った印象を持たれてしまい、
その印象に基づいて一時期駆除が横行した結果、元々繁殖力が低いことも相まって、サメは著しくその数を減らしてしまった。
ホオジロザメとシロワニ*7に至っては絶滅危惧種に指定されている。
実際のところ、人を襲うサメの割合は少なく、寧ろジンベエザメやウバザメのように大人しいサメの方が多い。
もちろんホオジロザメは人を襲う種の一つであり、実際に襲われてしまえばほぼ間違いなく死に至る怪我を負わされるため、危険度が高いのは事実である。
だが、『JAWS』などのサメ映画のイメージとは異なり、ホオジロザメが進んで人を襲うようなことはあまりない。
サーフボードから手足を乗り出しているサーファーを主食であるアザラシなどと誤認した、怪我をするなどして海の中で流血している人間の血の臭いに引かれた等、
人間が襲われたケースは原因や理由が判明していることが多く、理由なく突然襲われたというものは少ない。
ただ、積極的には襲わないだけで下手にホオジロザメを刺激したり、相手が空腹時に出くわしたりすれば襲われる危険性はある。
他の野生動物と同じように、不用意に近付いたり接触したりすることなく、不測の事態に備えて警戒し、なるべく関わらないのがベターである。
少なくとも、泳いでいた海水浴場にホオジロザメが現れたという情報が入れば、すぐさま海から上がる、
ホオジロザメが生息している海域でダイビングなどをするならば自身が流血したりしていないか確認するなど、襲われない努力はしよう。
天敵
サメ類の中では最強クラスの捕食者であるホオジロザメだが、我々ヒトを含めて天敵は存在する。
その中でも有名なのがシャチである。
可愛らしい容姿には似つかぬ『海のギャング』『海の王者』という二つ名を冠するシャチの中には、ホオジロザメを積極的に餌にしている種などもいる。
高い知能を持つシャチはホオジロザメをひっくり返して擬死状態に陥らせてから襲うため、狙われればひとたまりもなく一方的に捕食されてしまう。
近年の研究では、どれだけ餌が豊富な海域でも一度シャチが現れると姿を現さないというケースもあり、ホオジロザメは本能的にシャチを避けているという研究結果が出ている。
これはホオジロザメが魚類としては高い知能を持っているが故であり、シャチに対して恐怖を感じているのではないかという説もあるらしい。
他にも幼体や小型の個体であればイタチザメやオオメジロザメなどほかの大型種のサメに捕食されたり、時には共食いされてしまうこともあるという。
また、上述した通り軟骨魚という限界から「大柄」という以外は脆弱な点が目立つため、シャチ以外のイルカ類やクジラ類もことごとく天敵。
そもそもイルカやクジラは哺乳類なので、骨格の頑強さや筋肉のつき方が魚類とは根本的に異なり、パワー・スピード・防御力が段違いで、知能も極めて高い。
そのため、バンドウイルカはホホジロザメを見つけると(特に子供を守ろうと気が立っている場合などは)いきなり突撃をかけて、頭突きで内臓を破壊したり、鋭利な口吻で突き刺したりして殺してしまう。しかもサメの急所を的確に狙うという。
ちなみにイルカの仲間ではシャチに次いで大型で獰猛さもシャチに次ぐと言われるオキゴンドウも別種のサメを狩るところが観察されており、
今のところ成体を狩るところは観察されていないが、大型のクジラを襲う本種ならホオジロザメを
狩ってたとしてもおかしい話ではない。
当然、マッコウクジラなど体格でもホオジロザメを上回る相手には手も足も出ない。
ホオジロザメがイルカを襲うこともないではないが、それは群れをはぐれた子供や老体ぐらいのようだ。
飼育
残念ながら現時点で展示をしている水族館は世界のどこにもない。
最も大きな理由はホオジロザメを飼育するには膨大なスペースが必要だから。
ホオジロザメは広い外洋を高速で泳いでおり、かつ常に泳ぎ続ける必要がある*8。
水槽にぶつかり怪我をしてしまうなど
設備が整い、巨大な水槽のあるアメリカの水族館ですら結局衰弱させてしまってやむなく野生に返しており、
日本でも2016年に捕獲された個体が美ら海水族館の水槽で展示されたものの、わずか3日で死亡してしまっている*9。
飼育は可能かもしれないが、展示は相当に難しいだろう。
ホオジロザメをモチーフにしたキャラ
映画のモデルとなって以来、サメの中でも特に有名になったからか、国を問わず様々なキャラクターのモチーフとして使われる。
大抵は悪役か怖いキャラが多い。
キャラ名等 | 作品名等 | 備考 |
---|---|---|
グラン・ブルース | ビューティフルジョー | |
ホーディ・ジョーンズ | ONE PIECE | |
シャーク | マリンハンター | |
サメハダー | ポケットモンスター | |
アビソドン | 仮面ライダーディケイド | |
グレート・ホワイト | 遊戯王 | |
トーシロザメ | 妖怪ウォッチ | |
ホージロー | マリオシリーズ | |
ブルース | ファインディング・ニモ | |
ホオジロ | サメーズ |
余談
- その知名度・危険性の両方の面からイタチザメ、オオメジロザメを含めて世界三大人食いザメと称されることもある。
- あまり知られていないが、実は自力で水面から顔を出したりその状態のまま泳ぐ事ができる唯一のサメでもある。これは主な餌であるアザラシやアシカを狩る為に得た能力という説も。
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▷ コメント欄
- サメ映画だとよく魔改造されることに定評のある生物 -- 名無しさん (2019-09-23 19:50:45)
- すすんで人を襲うのはヨゴレという鮫。外洋性de常に空腹ゆえ -- 名無しさん (2019-09-24 07:59:03)
- 愛媛県の事件があるまでは瀬戸内海にサメはいないと思われていたのでブイがなかったらしい。この事件から愛媛の海水浴場にブイが設置されるようになったとか。 -- 名無しさん (2019-09-25 11:53:31)
- とにかく、見た目が怖い。こいつとメジロザメはほんとに怖い。 -- 名無しさん (2019-09-25 15:14:57)
- こんな紙耐久の生物を兵器に転用しようとする一部のサメ映画は以上だ -- 名無しさん (2019-09-25 23:55:26)
- 海の覇王ことシャチのご飯になるだけならまだしもイルカくらいにはイメージ的に勝ってて欲しいものだが…耐久力的に無理だろうな -- 名無しさん (2019-09-26 14:36:43)
- バンドウイルカさんのスーパー頭突きだ! -- 名無しさん (2019-09-27 02:37:26)
- シャチどころかオキゴンドウに狩られる可能性はあるんだろうと思う。実際にサメを襲撃して捕食するところが観察されてるそうだし。 -- 名無しさん (2020-01-21 19:18:04)
- 鯨類に敵わんのはそうだがあまりにも憶測でサメをsageすぎじゃないすかねこの記事。カジキが100km出るなんてのは出鱈目でせいぜい18km程度だと実測でバレてたろうに -- 名無しさん (2020-09-06 03:53:43)
- この巨体でアザラシ咥えてジャンプする動画見てもわかるように瞬間的には相当なスピードが出るはずだぞ。海生哺乳類とは比べられんが運動能力に関しては舐められたもんじゃない -- 名無しさん (2020-09-06 04:28:56)
- でもまあ、シャチどころかそれより小さいオキゴンドウにすら食い殺される可能性が高いのはよく言われることだけどね。もっともオキゴンドウはシャチに次いで獰猛なクジラということを忘れてはいけないけど。 -- 名無しさん (2021-01-23 12:28:23)
- ちなみに世界最古のサメ犠牲者も、ホオジロサメ(かイタチザメ)らしい -- 名無しさん (2021-07-24 12:55:24)
- ↑しかも日本の縄文人(津雲貝塚)。骨に噛み跡がクッキリ残っていたそうだhttps://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021-06/210623-nakatsuka-eb7acc730e20e387e8b29ec7c4dd0e77.pdf -- 名無しさん (2021-07-24 12:58:05)
- ジョーズの追跡(トムとジェリー) -- 名無しさん (2023-03-02 22:25:38)
- オスは最大級でも4mってのは間違いで5mくらいにはなる。川崎マリエンの剥製は大型のオスで4.85mある。 -- 太郎 (2023-11-28 14:21:46)
#comment
*2 オスは最大でも4mほどにしかならないが、メスは6mとかなりの巨体に成長する。
*3 ネズミザメの仲間はメジロザメの仲間と違い、目に「瞬膜」というまぶたのような膜がない
*4 サンゴ礁・岩礁に住む種には植物食もいるが、魚全体から見ると珍しい。もちろん肉食と言っても、動物プランクトンを食べているものが多く、人間を襲うサイズの魚自体が少数である。
*5 当時、ホオジロザメは北半球には生息していないと思われていたため
*6 下記の『JAWS』の元ネタとなった事件でもある
*7 こちらは見た目こそ恐ろしいが「巨大な子犬」と呼んだ学者もいるほど温厚な種で、映画のとばっちりで駆除されまくったと言っても過言ではない。
*8 マグロと同じように泳ぎ続けないと呼吸ができないため
*9 アメリカの例では大型水槽を特注。小型のホオジロザメに限定し、さらに綿密に輸送計画を立てる等しても半年ほどしか展示できていない
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