中央の都市国家最東端の都市であり、ムルロアンの領内を抜けるとそこはもう東域である。
ここは東西交易路を用いて東を目指す隊商の出発点であり、旅人、行商人、冒険者たちが集う街であり、彼らを支える護衛や案内人も運送の同業者組合に常に詰めている。
東域の外ではあまり姿を見かけないサンドフォークも砂漠の案内人として姿を見かける。
この街は王国文化圏であるので、郵便や銀行も利用できるが、この先ではアルトゥーンまではほとんどそれらの施設を見かけなくなる。
この街の銀行は、銀と金の両替で世話になる冒険者も多いはずだ。
シェラハザードから先は銀より金の方が価値を持つ。
古くからこの街は銀と金の価格差で利ざやを稼ぐ者も多く、非正規の両替商も多かったが、街の近代化に伴ってそうした闇商人の多くは姿を消した。
この街には東域の貴石を扱う店も多い。
宝飾品の輸出規制の網の目を抜けられる、砂漠産の瑠璃や瑪瑙、空目石などが店先に並ぶことも多い。
それらの多くは銀と共に宝飾品になるか、魔力のこもった護符となるかで、サンドフォークたちが猟や護衛の合間に探してくるものも多いという。
砂漠のサンドフォークも、多くは氏族同士の繋がりを持っている。
そのため、サンドフォークの護衛を雇うと、サンドフォークの野盗に遭うことは少なくなる。
これは氏族全体を巻き込んだ、大きなもめごとの種になるのを避けるためだと言われている。
また、サンドフォークの野盗に襲われても、殺害されることは少ない。
後で人質として、身代金を受け取るためだ。
同様に、隊商の護衛も、極力サンドフォークを殺さずに、人質交換などに応じることが多いが、砂ゴブリンが相手だった場合はそんな理屈は通じない。
大体の場合、話し合いで解決するという思考が彼らにはないからだ。
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