西方海にも、エルフは多く住んでおり、その中心地がガルバリオ北西部に位置するズッカである。
西側は森が深いがツリーフォークやエルフによる管理が行き届いており、セウォン島のような原生林という雰囲気はない。
むしろ、葡萄や林檎などの果樹が多く、生息するのも宝飾栗鼠や飛蛇、あとはせいぜい森の深いところに人食植物が少数自生しているくらいである。
ズッカはそうした森の恵みである果実を使って酒造りをする蔵が多くあり、西方海で流通する酒の中でも一般的に飲まれているものはズッカの果実酒である。
また、ズッカは海が近く、森の民という印象の強いエルフも漁民として働く姿を見かける。
これはこの地で採れる海藻が薬としての効果があり、特に東域山岳部で時折流行る手足のしびれる病に効くと言われ、それに興味を持ったエルフの薬師が海藻の養殖を始めたのが始まりと言われている。
一方で、この発見は他国のエルフの薬師が移住してきたための発見とも、土着のエルフが元々薬効のある海藻を栽培していたのだとも言われており、真相は定かではない。
確かなのは西方海のエルフが作る魔法霊薬には山海の素材が使われ、他の地域のそれよりも効果が高いということである。
このように酒と薬の産地として知られるズッカは他国でもその名を聞く程度には知名度があり、王国でも魔法霊薬の研究を専門とする魔導学者の中には、ズッカでエルフに学んだという者が多い。
一方でズッカ産を騙った魔法霊薬も少なからずあり、ズッカとしては特産の印象を悪くするそれらの業者に対しては厳しい施策を取っている。
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