世界に幾種類もある同業者の組合は冒険者のものも存在する。
その内容は冒険者への依頼代行や仲間探しの場であることがほとんどで、仕事の内容の類似性から船乗りや隊商の同業者組合と同じ場所で営まれていることが多い。
冒険者や運送の同業者組合はそのほぼすべてが酒場や飲食店を併設している。
これは冒険者たちが酒を好む以上に精肉などの飲食業の同業者組合との横の繋がりを双方が求めた結果である。
旅をする冒険者にとって、信頼できる食料の調達先は文字通り生命線であり、同時に飲食業者からは固定客の確保と、希少な魔獣の肉や珍しい香辛料などの調達先として、冒険者を頼ることができ、双方に利点があったためである。
冒険者の組合には、もうひとつ併設されている施設がある。
年中旅の空である冒険者にとって、路銀の確保は不可欠であるが、貨幣を持ち歩くのは不便である。
そのため、旅先で自分の財産と接することができる銀行の存在が非常に大きなものであった。
銀行では魔術的に処理をされた割符や冒険者の情報を記した登録証などを用いて、世界各地(と言っても、銀行を備えるような場所は大都市に限られるが)で預金や引き出し、あるいは借金ができるようになっている。
また、船乗りや隊商に代表される陸運・海運の同業者組合には簡易なものであるが保険の考え方があり、運送業者によっては損害保険を受け付けるものもある。
これは海運と貿易で国を支えている西方諸島でより顕著で、陸運では砂漠を横断する必要のある東域が進んでいる。
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