黄金の都アルトゥーン

ページ名:アルトゥーン

東西交易路の東の果て、東域の王都アルトゥーンは神話の代から栄える古都のひとつである。

東域では貨幣として金が流通しており、銀の価値が金を下回る。

そのため東域で銀を仕入れ、王国に運ぶことで利を得る商売が成立し、これが隊商が巡る東西交易路の始まりであると言われている。

現在では銀をはじめ、貴金属・宝飾品の国外輸出には厳格な法で管理されており、国家の貴重な収入源になっている。

その品質を支えているのは砂漠に住むノームドワーフである。

アルトゥーンを拓いたのはドワーフの勇者イスハークであり、この地ではドワーフの職人の地位が非常に高い。

それも手伝ってアルトゥーン産の宝飾品は他国では高い値がつく。

砂漠ノームの鉱夫たちも良質の宝石を算出しており、大多数が遊牧民である現在の東域の礎を築いてきた。

 

この地にある東域王府は、勇者イスハークが従者のトゥーランガと共にアルトゥーンを興した時には質素な石造りの役所のようなものであったらしいが、現在では黄金の都に相応しい豪華な造りの王宮になっている。

東域王府は勇者イスハークの時代から役所としての機能を併せていて、広く国民にも開かれている。

有事の際に城塞としてそこに籠って戦うことを想定した王国風建築とはその点が大きく異なる。

水資源に乏しい東域だが、その中にあって王宮ではそうした雰囲気を感じさせず、噴水を有した中庭があったり、王族専用ではあるものの、立派な浴場を備えている。

 

東域王府イスハークの血を引く王と、それぞれの氏族による私設軍を持った将軍たちによる合議で政治を営んでいる。

将軍たちはそれぞれ治水や農耕、外交などの担当を持っていて、王国で言うところの大臣のような役職である。

その上に将軍を束ねる大将軍を加えて、将軍会議によって行政方針を決定する。

将軍会議には王族と大将軍、その時の議題に必要な将軍によって構成され、必ずしも全将軍の出席が必須なわけではない。

有事の際には王族直轄の正規軍と、将軍たちの持つ私設軍がこれに当たる。

平時には上下のない将軍たちも、戦時には厳然とした階級分けがされており、基本的にそれに従って行動する。

ただし大将軍を筆頭にした戦時将軍会議で必要と認められれば戦時将軍という形での任命や、将軍階級の加減を行うこともできるという柔軟性も持っている。

また、遊牧の民であり平時から東西交易路の守備を担っている東域では、至る所に食料となる羊、脚となる馬が用意されている。

そのため、東域の軍勢はその領内に限っては、兵士の本当に必要な最低限の装備だけで駆けまわることができる。

補給を一切考えず、最速で駆けることができるのが東域軽騎馬兵隊の強みである。

 

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