なぜ同人拓也は衰退していったのか

　同人拓也を増やしたい。さて、いまや同人拓也は深刻な書き手不足に直面し、衰退の道を進んでいる。なぜこのような事態になったのだろうか。

　真っ先に思いつくのはAIのべりすとによって量産されているAI拓也である。AIによって仕事が奪われるケースが今後増えていくのは容易に想像できる。同人拓也についても例外ではない。つまりAI拓也の出現によって同人拓也はつくられなくなったという考えだ。AI拓也が評価されることで同人拓也作家はファンを奪われやる気を無くし作るのをやめていったというわけである。果たしてそうだろうか？ファンがいるから作品を作るというのはクリエーターとして正しいあり方なのであろうか？AIの出力する絵のほうが受けがいいからと絵を描くのをやめる絵師は論外である。同人拓也が作りたいなら同人拓也を作る。それが普通であり、AI拓也の流行とは関係なく作品が作られ続けるはずである。

　ここでカレーを作ることを考えてみよう。美味しいカレーを食べて自分でも作ってみようとなったとなる。まず何をするか？材料を集める？いや最初は作り方を調べるだろう。レシピを見ないでカレーを作れる初心者がいるか？うまく肉じゃがができればいいほうである。同人拓也のつくり手が増えない原因はここと思われる。同人拓也の作り方は探しても出てこない。だが、AI拓也の作り方は存在するのである。しかも、AI拓也はいわばレトルトカレーのようなものである。料理ができなくても箱に書かれたとおりに温めればカレーを作ることができる。しかもうまい。どちらが多く作られるか、わかるよね？文章を書く練習や怪文書を学習する手間を省けるのは実に大きい。

　とはいえ、AI拓也は拓也の怪文書には全く似ておらず、語録を詰め込んだ面白い話であるという認識にはなりつつある。だから同人拓也の良さに気づく人も出てきているのだが、結局のところ作り方が示されていないので、書きたい人がいくらいても、書けないのだ。

　淫夢界隈では「俺もやったんだからさ」理論で作品が増えると思われているが、実はそうではない。誰かが動画制作を解説しているから淫夢動画はつくり手が未だに増えているのである。というわけで、同人拓也を書く前に、同人拓也の書き方を書くという結果になるわけである。

　また、同人拓也の書き方は複数あった方がいい。オムライスの作り方がたくさんあるからオムライスをつくれる人がたくさんいるのである。もし、オムライスが半熟でオムレツを作ってライスを巻く作り方だけだったら一般家庭で作れる人は限定される。作り手のスキルに合わせた作り方があるからこそ作れる人が増えるのである。なので、同人拓也が作れないと思ったら、同人拓也の作り方を作ればいいのである。そうなれば作るのは他人でいい。これはAIのべりすとの設計図を渡すようなものである。設計図さえあれば世の中にいるスゲー天才が形にしてくれるはずである。今はその設計図が足りていない。同人拓也を増やしたければ、同人拓也の作り方を増やせ。それしかないです。