狂歌百物語(船幽霊) - いにしえwiki
07.幽霊に 投げてやつても 垢柄杓 また底気味の わるき船頭(扇風)008.おのが身を 沈めし海を 乗る船に 浮かまんとてか 縋る幽霊(南向堂)009.浮かまんと 船を慕へる 幽霊は 沈みし人の 思ひなるらん(下毛葉鹿 其春)010.罪ふかき 海に沈みし 幽霊の 浮かまんとてや
07.幽霊に 投げてやつても 垢柄杓 また底気味の わるき船頭(扇風)008.おのが身を 沈めし海を 乗る船に 浮かまんとてか 縋る幽霊(南向堂)009.浮かまんと 船を慕へる 幽霊は 沈みし人の 思ひなるらん(下毛葉鹿 其春)010.罪ふかき 海に沈みし 幽霊の 浮かまんとてや
形向平畑藤の沢吹越船神船久保附ノ越宝金細久保馬込松岡松岡入松山豆ノ入真弓沢丸岩沢三島尾根三島ノ前三禰三禰山三船宮戸宮ノ前明王入明ヶ平向原向沢向堂向山虫神虫神入桃ノ久保諸日影柳久保矢ノ沢山梨子矢丸床民ワタシ山悪茅合角山(元小鹿野分)
枕返001.死し如く よく寐るゆゑか 目覚むれば 南枕も 北とこそなれ(南向堂)002.挿して寐し 東枕も 返されて 西へ廻れる 月形つきなりの櫛(弥生庵)003.小夜衣 きぬた枕を うつゝにて 打ち返さるゝ 夜半ぞうたてき(駿府 小柏園)004.返されし 枕ふつと 目の覚めて
ものを 陶子とつくりご 産みて糸瓜と 人の譏そしれば(三輪園甘喜)007.銅壺の 湯産湯うぶゆとなして 尻よりぞ 入るゝは酒の 燗の陶子(南向堂)008.陶子は 何の報いと 胸に火を 燃やして燗を つけし二親(青則)009.陶子を 儲けし人は 酒見世の 払ひに目鼻 つけぬ報いか(
の 釜のふるごと 孫だきて 寐物語に 婆々ばばが茂林寺(羽毛多楼比可留)008.住み馴れて 幾年こゝに 経る狸 人を茶にする 茂林寺の釜(南向堂)009.下腹に 毛のなき狸 お臍にて 茶や沸かすらん 茂林寺の釜(守文亭)010.ふぐりほど 八畳敷の 中の間に おのれはびこる 文福
長旅の 夫つまを慕ひて 身二つに なるは女の さる離魂病(松の門鶴子)010.身ひとつを 影と形に 照る月の 分くるたぐひに 見る離魂病(南向堂)011.離魂病 急度きつと請合うけあひ 直すのは これぞ名医の 離れ業なる(柏木)012.離魂病 似たとはおろか 其儘に 瓜実顔うりざ
太郎 天窓あたまの皿の つまみぐひ 流す胡瓜きうりを 揉み瓜にして(仝)021.膏薬も おのれが化けの 河太郎 あらはれてより 譲る相伝(南向堂)022.水清く 上は澄めども 心せよ 底意は濁る 利根の河童等(館林 美通歌垣)023.借金の 渕には住まぬ 河太郎 人の尻をば 好み
吹の 色かあらぬか 金玉は 見とまらざりし 内に消えけり(日年庵)016.うなりつゝ 飛びて光は 青山の 長者が丸に 落つる金魂かねだま(南向堂)017.積み溜めて いけし茶壺の 金玉も 飛びて出花の 山吹の色(雛の舎市丸)018.菜の花の 色に光るは 誰が油 絞りて溜めし 金の
威おどしの糸の 合はせもの 錣しころも引いた 鬼の三ツ指(鶴の門)002.鬼の棲む 地獄の沙汰も しろがねに 替へたる虎の 皮のたふさぎ(南向堂)003.似せ姥と 悟りし綱が 抜き打ちに 其の手は喰わぬ 茨木の鬼(弓の屋)004.大津絵に 描いた儘なる 鬼を見て たゞ念仏ねぶつの
4.おどろきて 己おのれが捨てた 提灯も 片輪車と 廻る軒下(銭の屋銭丸)005.糸を引く 柳の馬場を 軋らする 片輪車は 誰たが押小路(南向堂)006.引手ひきてなき 片輪車の 軋れるを 見てやそのまゝ 目を廻しけん(南在居美雄)007.火はいよゝ 片輪車に 燃えまさる 幾夜水
.哥を詠む 蛙は呑めど 雨降らす 力は持たぬ 両頭の蛇(駿府 東遊亭芝人)030.思はずも 出て驚きぬ たゝきたる 藪から棒の 両頭の蛇(南向堂)031.風あらき 日の明け方に のたくるは 伊賀の上野の 両頭の蛇(紫雲)032.看板に 因果をのせて 両頭の 蛇遣ひさへ ふたなり娘
光らいくわうに 一太刀討ちし 跡見れば 血潮の糸を 引ける土蜘(南寿園長年)002.頼光に 滅ぼされずば 打つ事も 堅き岩根の 穴の土蜘(南向堂)003.狼も 猪ししも喰くらうて 土蜘の その毛のごとき 糸や引くらん(春道)004.土蜘の 出だす糸には 荒くれし 宿直とのゐの綱も
・屋敷・浦山・小谷・上ノ平・松尾谷・平野・松尾・上ノ田・堂木・木綿扱・鈴ヶ谷・炭谷・広田・坂・平七・前田・地天・滝ヶ谷・マヤガ谷・カマガ谷・向堂木・宮小谷大字祢宜上桑柄屋・藤井戸・三分一・向起・下川原・堀切・西後・丸山・四ッ辻・上野平・三良田・室屋・濕畑・岡山・野崎・中野・野々田
)016.山鳥の 尾ろの鏡と 目をなして 闇の夜人を 驚かしけり(真咲)017.光り物 とんだ咄も 山鳥の 尾に尾をつけて 長くなしけり(南向堂)018.化かされて 付いて木曾路の 山鳥の 尾の斑ふの数の 十三峠(江戸崎 広丸)019.行き交ひの 人惑はせる 山鳥は 尾ろの鏡ぞ
息を吹きしか 床の海 心づくしを 見る蜃気楼(団子)011.五百重浪いほへなみ 龍たつの宮姫 おはすらん 海中わだなか遠く 見る蜃気楼(南向堂)012.蛤が 吹きぬる蜃気 楼閣の 鯱しやちほこのみぞ 生のものなる(槙住)013.末終つひに 時雨にや似る 蛤の 雲めくる如ごと 吹
けと声 たてるなり 度を失ひて 逃げる堀端(松梅亭槙住)003.思ひきや 褌ふどしばかりの 裸身はだかみを おいてけ堀に 置いていけとは(南向堂)004.おいてけの 声に行来ゆききと 鳴く蛙 沓かたかたは 捨てゝ逃げけり(宝船亭升丸)005.釣り溜めし 魚籠びくの尻まで 抜かれし
枝葉を 育てるは 銀杏の性さがの なれる山姥(草加 四角園)018.神業と 思ふや天津͡あまつ 児屋根こやねをも 訪とふ足柄の 子持山姥(南向堂)019.松風の 声のみ聞いて 山姥は 浮世のことは 知らで暮すや(甘喜)タグ一覧: カウンターページ全体:今日:昨日:
神の力ぞ おそろしき 海を持つたり 山を上げたり(多か丸)021.天窓あたまから 酒湯を掛くる 桟俵さんだはら 被つて逃げる 疱瘡の神(南向堂)022.疱瘡の 神に遇ふ身は 時しらぬ 山あげもあり 湖もあり(芝口や)023.雛さまの やうな娘の 疱瘡神もがさがみ 棚を飾りて 炊
.行ひて 首ともならん 修験者の 切りし昔の 尨犬むくいぬの術(花前亭)006.盗みする 人を尻尾の 左巻 一物いちもつありて 凄き犬神(南向堂)007.祭らるゝ 首を出いだして 喰くらはんと 犬骨折りて 高盛の飯(語龍軒足兼)008.修験者の かみつくやうに 祈るなり 病の憑き
化しものなる 釣小袖 見ては買うても 手を出だすなり(吾妻井香好)035.留めもせで 流す質屋を 恨みつる 腕かひなの出づる 袖蔵の念(南向堂)036.紅絹もみ裏の 衣きぬゆ出す手は 血の池に 沈みし人の 思ひとぞ知る(常陸大谷 緑蔓園)037.青柳の 模様淋しき 色小袖 糸よ
.入相に 森を離れて 鳴くうぶめ 日の月を見せぬ 子を思ひつゝ(登麻呂)017.末の世は 浮かめと人や そゝぎつる 手向の水の 流れ灌頂(南向堂)018.隠し子を たづねられたる 言訳を 述べに夜出て 迷ふうぶめか(狂蝶亭春里)019.細眉の うぶめが顔は 青柳の しなだれ声で