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「『あなたがたは私の証者です』とエホバは言われる。」-イザヤ43:10.新世訳
第一章
もっとも古い歴史を持つ民
ロイス:こんなにひどいあらしの夜に、いっ[た]い誰がベルを押しているんでしょう。まさか訪問客ではないでしょうね。
トム:訪問客かも知れないよ。多分、近くに住んでいるジョンかも知れない。---知っているだろう、エホバの証者とかいう人さ。ちょっとした好奇心から、あの人の信仰が一風変わっていることを聞いてみたところ、いつか妻君といっしょに来て、質問に答えると言っていた。おや、またベルが鳴っている。だれが来たのか見てみよう。
ロイス:お願いしますね。
トム:[戸を開ける]思ったとおりジョンさんでしたね。奥さんのマリヤさんも御一緒で。さあ、雨風にあたらないようにどうぞ内に入ってください。お二人とも、くつろいで下さい。ほんとうにわざわざたずねていただいて、恐縮してしまいます。先日、お話ししたとき、まさかこんなひどい夜に来ていただく程、おし迫ったものではないと考えていました。
ジョン:ところが、トムさん、それはたいへんおし迫っているのですよ。特に世界の状態が今夜の天候のように不安定な時ですからね。
ロイス:こんばんは。御召物をお取りしましょう。すぐお話に加わりますわ。
ジョンとマリヤこれは恐れいります。
トム今夜のように天気の悪いときには家の中にいるのが一番ですね。ざっくばらんに申しますが、いっしょにテレビジョンを見るようにはおすすめしません。今晩わざわざ来ていただいたのですから、たくさんの質問をしたいと思います。信心深いロイスも、すこし質問するかも知れません。家内はかなり聖書のことにくわしいのです。
ジョン:けっこうですとも、マリヤと私がお伺いしたのも、実はそのわけです。御遠慮なく、どしどしお尋ね下さい。多分奥さんはソロモン王の箴言を聖書の中で読んだかも知れません。「人の心にある計りごとは深い井戸の水のようだ、しかし、さとき人はこれをくみ出す」。それは
[二段目]
箴言二〇章五節です。
ロイス:良い励ましの聖句ですね。それを書きとめておきましょう。
トム:おほめの言葉を賜って、どうもありがとう。いったい、私はどのくらいさとい人かな。ひとつあなた方から事実の水をくみ出して、それをしらべて見よう。この国には幾十という宗教があるんですが、みなさんのは、全く変った名前ですね。エホバの証者!他の宗教でそんな名前を持つものはないと思います。なぜそんな名前を持っているのですか。その名前はどこから来たのですか。ロイスに聞いたんですが、ロイスの行く教会の牧師さんは、あなた方エホバの証者は新興宗教で、宗教的な変り者が最近始めたもので、良い背景はない、と言っていたそうです。
ロイス:そうなんですよ。牧師はそう言っていました。そして、侮べつの気持ちをたくさんこめて話していましたわ!
ジョン:それを聞いてもマリヤと私は別段おどろきません。キリスト教国のたくさんの宗教家たちから、そのような言葉を聞いています。ところが、そういう非難の言葉とは反対に、エホバの証者は真の神を崇拝した人々のうちでいちばん古い宗教的な群れである、のをご存知ですか。エホバの証者の歴史はキリスト教国のどの宗派よりも、またユダヤ教よりもずっと古い昔にさかのぼるのです。
トム:ふむ、ロイス、聞きましたか。その牧師はここにきて、そのことを聞くべきだね。そして、この街角にいるユダヤ教のラビも聞くべきだね。
トム:でも、十分納得のいく説明を聞かなければ、私には信ぜられませんわ。
ジョン:あなたの聖書から、私の言ったことが間ちがいないと御説明しましょう。エホバの証者の歴史は、約六千年も古いもので、最初の人間アダムの生存中に始まりました。アダムの息子のひとりは証者と言われています。ロイスさん、ヘブル書一一章四節をどうぞ読んで下さい。欽定訳(英文)をお持ちですね。
ロイス:はい。(読む)「信仰によってアベルはカインよりもまされる犠牲を神にささげ、義なる者と証せられた。神はその供え物についてあかしされたのである。彼は死んだが、信仰によって今でも語る。」
[338]
ジョン:どうもありがとう。創世記四章十節で、アベルの「血の声地より我に叫べり」と言われた神の言葉をご存知でしょう。しかし、アベルは連綿とつづく証者の列の最初にすぎません。(イ)ノアは、当時の人々に警告の言葉を発した後、大洪水にもこの列をつづけさせました。どうぞヘブル書一一章七節を読んで下さい。
ロイス:(読む)「信仰によって、ノアはまだ見ていない事柄について御告げを受け、恐れかしこみつつ、その家族を救うために箱舟を作り、その信仰によって世の罪をさばき、そして、信仰による義を受け継ぐ者となった」。ノアは箱舟をつくっただけで証者でしたか。
ジョン:それだけではありません。ノアはまた伝道しました。ペテロ後書二章五節を読んで下さい。
ロイス: [読む]「また、古い世界をそのままにしておかないで、その不信仰な世界に洪水をきたらせ、ただ、義の宣伝者ノアたち八人の者だけを保護された。」それは知りませんでした。ノアは何を伝道したのですか。洪水の来ることを伝道したのですか。
ジョン:そうです。彼は神の来るべきさばきを当時の人々に警告したのです。聖書の歴史中、どの時代でも神はさばきの時には特別な警告を与えるために証者たちをおこしました。モーセは、パロとエジプト人にのぞむ神の来るべき刑罰をエジプトに警告しました。それはヘブル書一一章二十四-二十九節です。また、むかしのイスラエルの国民であるユダヤ人たちは、イザヤ書四十三章一〇-一二節で預言的にエホバの証者と述べられています。
ロイス:その聖句もここに出ていますわ。[読む]「主は言われる、『あなたがたはわが証人、わたしが選んだわがしもべである。それゆえ、あなたがたは知って、わたしを信じ、わたしが主であることを悟ることができる。わたしより前につくられた神はなく、わたしより後にもいない。ただわたしのみ主である。わたしのほかに救う者はいない。わたしはさきに告げかつ救い、かつ聞かせた。あなた方のうちには、ほかの神はなかった。あなたがたはわが証人である』と主は
言われる」。
ジョン:アメリカ標準訳(英文)では、原文のヘブル語に合わせて、「主」は「エホバ」と訳されています。それで、彼らはエホバの証者でした。
ロイス:なるほどわかりました。でも、エホバの証者と言われた人々はユダヤ人ですね。あなた方はクリスチャンではありませんか。
ジョン:そうです。しかし、イエス自身もむかしのユダヤ人国民の一員で、エホバの証者の一人でした。
ロイス:聖書はそう述べていますか。
ジョン:イエス自身そう述べています。ヨハネ伝一八章三七節を読んで下さい。
ロイス: [読む]「そこでピラトはイエスに言った、『それでは、あなたは王なのだな』。イエスは答えられた、『あなたの言うとおり、わたしは王である。わたしは真理についてあかしをするために生まれ、また、そのためにこの世にきたのである。だれでも真理につくものは、わたしの声に耳を傾ける』」。イエスは、証をしたと、たしかに言っていますね。
ジョン:イエスよりも偉大な証者は、この地上に現われませんでした。イエスの使徒のうちのひとりは、イエスを特に証者と呼んでいました。
ロイス:是非そのところを知りたいですわ。
ジョン:そうですか。どうぞ黙示録一章五節を読んで下さい。
ロイス: [読む]「また、忠実な証人……イエス・キリストから」まあまあ!すると、イエスの弟子たちもみなエホバの証者だった、というのですか。
ジョン:そうです。クリスチャンは、アベルまでにさかのぼる昔の証者たちにならうようすすめられています。パウロは、ちょっと前にお読みになったヘブル書の中で、証者たちの全系列を書いています。ヘブル書の一一章の中では、パウロはアベル、ノア、モーセ以外の、他の大ぜいの名前をあげています。そしてヘブル書一二章一-三節で、そして彼らの模範、特に最も偉大な証者である主イエス・キリストの模範にならうようすすめられています。
ロイス: ヘブル書一二章一-三節の聖句を開きました。[読む]「こういうわけで、わたしたちは、このような多くの証人に雲のように囲まれているのであるから、いっさいの重荷と、からみつく罪とをかなぐり捨てて、わたしたちの参加すべき競争を、耐え忍んで走りぬこうではないか。信仰の導き手であり、またその完成者であるイエスを仰ぎ見つつ、走ろうではないか。彼は、自分の前におかれている喜びゆえに、恥をもいとわないで十字架を忍び、神のみ座の右に座するに至ったのである。あなたがたは、弱り果てて意気そそうしないために、罪人らのこのような反抗を耐え忍んだかたのことを思いみるべきである」。
ジョン:それですから、一世紀の会衆にいたクリスチャンはみなエホバの証者だった、ということになります。西暦九六年頃に黙示録を書いた使徒ヨハネのようなユダヤ人もその中に入っていました。使徒ヨハネは黙示録の本の最初の節のところで、その事実を明白に示しています。おぼえておられるでしょう。ヨハネはイエスもエホバの忠実な証者である、と示しました。どうぞ黙示録一章一、ニ節を読んで下さい。
ロイス: [読む]「イエス・キリストの黙示。この黙示は、神が、すぐにも起るべきことをその僕たちに示すためキリストに与え、そして、キリストが、御使を使わして、僕ヨハネに伝えられたものである。ヨハネは、神の言[葉]とイエス・キリス[ト]のあかしと、すなわち自分が見たすべてのことをあかしした」。
ジョン:お分かりのように、使徒ヨハネはイエスのあかしを繰り返していたにすぎません。イエス自身はそのあかしをエホバ神からいただいたのです。それで両人ともエホバの証者として共同の働きをしました。
背教は最初に来る
ロイス:そうかも知れませんね。でも初期のクリスチャンと私たちの時代のあいだには大きなへだたりがありますわ。
ジョン:たしかにそうです。次の第二世紀になると自称クリスチャンたちは背教してエホバの証者としての奉仕を止めるにいたりました。そして、ついには宗教牧師の教職制度を持つローマ・カトリック教会が
[339]
出現して、エホバとその書かれた御言葉を、盲目にされた民から遠ざけたのです。新教徒(プロテスタント)がカトリック教会から分離したときでも、彼らはエホバの証者にならずイエス・キリストや彼以前の人々がしたように、神の御言葉の真理について証をしませんでした。その結果、エホバは御自分の預言を成就させるため、この現代においてご自分の証者を起こすことが必要になりました。それは新しい宗教をつくることではありません。むしろずっと昔のアベルにいたるまでの過去幾千年にわたって連綿としてつづいてきた証者の列の最高潮としてなされるのです。実際のところ、それはイエス・キリストの再臨の目的の一部です。つまり、キリスト教国とこの悪い世全部が終わる前に、最後の証言をさせるため、ご自分の仲間であるエホバの証者をみちびくことです。
ロイス:どうしてそうですか。イエスは去られた時、世の終わりまで弟子たちとともにいる、と言われませんでしたか。
ジョン:たしかに言われました。それはマタイ伝二八章二〇節に在ります。
ロイス:[中断する]それでは、なぜ彼が再び来て現代の証者を起こすと言われるのですか。
ジョン:最初に聖句を読んでみましょう。マリア、聖書がありますか。
マリヤ:はい。これはクリスチャン・ギリシャ語聖書の新世界訳です。[読む]「見よ、私はこの世の組織制度の終わりまでいつもあなた方と共にいるであろう」。
ジョン:ありがとう。ロイスさん、いつそしてなぜイエスが再び来るかという御質問について、使徒のいた時代から聖書研究家たちはいろいろと考えてきました。テサロニケの初期クリスチャンたちの中のある人々は、キリストがすでにパウロの時代に再臨したと教えていました。しかし、パウロは彼らに次のように書いたのです、「だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、滅びの子が現れるにちがいない」。(ロ)[原註:テサロニケ後書、ニノ三。]
トム:「不法の者」とは誰ですか。
ジョン:パウロは、キリストが再び来る以前に表われて繁栄すると私がお話しした大きな背教に、その言葉を適用していました。ロイスさん、あなたの使用している「欽定訳」では「罪の子」と訳されています。ものみの塔聖書冊子協会が初期に出版したものを持ってきましたが、いまちょっと読んでみたいと思います。
この本は古いむかしの1889年に出版されたものですが、次のように説明しています。すなわち、主の日は「多数の人がそのことを知らないときに始まり、それを示すものが現れないなら、来ない」(ハ)[同原註:「聖書研究」(英文)第二巻(1889年)270頁(1905年版)。]ということにパウロは同意していたというのです。しかし、主の日の前に背教は来るにちがいない、とパウロは論じていました。それですから、イエスが天にのぼったときにキリストの御国は建てられないでしょう。
ロイス:背教は、二世紀頃に始まったと言われましたね。
ジョン:そうです。使徒たちが生存していたときでも、背教のきざしは見えました。しかし、聖霊の力の支持をうけた使徒たちは、背教を抑えて会衆の汚されることを止めていました。使徒たちが死んでいなくなってから、偽りの教えがたくさん紹介されて、聖書の意味と神の目的がすっかり変ってしまいました。この背教の状態は、幾世期という期間中に発展し、第四世紀のローマ皇帝コンスタンチンの支配中に絶頂に達しました。私共の本は、これについて次のような註の言葉を述べています。
コンスタンチンの支配中、いままでキリスト教に反対していた帝国は、キリスト教を擁護するようになった。そして、皇帝ポンチフェクス・マキシマス(ローマ皇帝であるコンスタンチンの称号)は、自称のキリスト教会、実際には背教のキリスト教会を援助した。そして帝国はこの教会に援助の手をさしのべることによって、教会は人気と栄誉を持つようになった。それであるから、後日になって帝国の力が弱まるにつれて、教会はその代表者を、最高の宗教支配者ポンチフェクス・マキシマスとして世界の宗教的王座につけることができた。(この称号は、いま法王が使用している。)(ニ)[同書290,291頁。]にせものの支配中でも真のクリスチャンは立場を守る
これは実際にはローマ・カトリック教会の始まりでした。現在の多くの行事は、のちになってつけ加えられたものです。キリストの再臨前に、現われるにちがいないと使徒パウロが示したものは、この背教です。キリストが再臨する一つの理由は、その背教をばくろして、それを滅ぼすことであるとパウロは指摘しました。イエスが自分の真の弟子たちといつでも共にいるという意味は何か、本の説明に注意してみましょう。
真実のキリスト教会が、この腐敗した時に消滅してしまったとか、見えなくなったなどと考えてはならない。いつの時代でも、どんな状態の下であっても、「主は御自分のものを知り給う」。麦のごとき彼らは、毒麦の生いしげる畠の中で成長することが許された。あたかも炉の中にいるがごとく、彼らは試みをうけて清められ、「光の聖徒たちの相続を受けるにふさわしいものにされる」。たしかに、多数の自称クリスチャンは、歴史の頁の上できわめて顕著な場所を占めている。しかし、どんな迫害をも耐え忍んだ少数の忠実な者たちは、あらゆる悪の欺瞞の術策の只中で、その高い召しにふさわしく歩いた。それからの者たちは、横たわって休息し、朽ちることがなく、天で彼らのために備えられている王冠を相続する者として、神より記録されている。(ホ)「聖書研究」、第二巻(1889年)298頁(1905年版)
それで、マタイ伝一三章二四-三〇、三六-四三節にある「麦と毒麦」のたとえ話を用いられたイエスは、彼が再臨したときに、当時生存している忠実な者たちを再び集めて、仲間のエホバの証者にいたします。彼は偽りの背教のクリスチャンたちから彼らを分けて、6,000年にわたるエホバの証者の系統の最高潮に彼らを立てることによってこのことをいたします。
一方、偽りのクリスチャンたちは、神の御国の代わり
[340]
ににせものを立てることにより、偽りのエホバの証者であると示しました。本の次の言葉に気をつけてごらんなさい。
それで、歴史の頁の示すごとく、事実は次の通りである。すなわち、この罪の人である反キリストは、ローマで生まれた……霊的な帝国は、この霊的な権威により、地の国々を支配すると主張しなければならぬ。それで、それは反対者であるだけでなく、にせものであって、キリストの御国を悪く代表し、キリストの御国の振りをしている。そして、神の予定の時に真のキリスト、すなわち唯一つの真の神にして主なる頭の下に栄光を受けて完成した教会の権威を行使した(へ)[同書298,299頁。]このにせの国は、西暦800年頃に始まり、西暦1800年頃に衰微しました。[:個人注:すなわち神聖ローマ帝国??!800年のクリスマスにイタリヤ王を自称していたオットー大帝は西ローマ皇帝としてローマに於いて戴冠せられ、1806年ハプスブルク皇帝家のフランツ2世皇帝はフランス皇帝ナポレオンの故に、神聖ローマ帝国に対する忠節の義務を、同帝国内領邦国の領邦国各州に対して解消させて、1006年を経て、当時、有名無実の神聖ローマ帝国は無くなった。フランツ2世王はハプスブルク=オーストリヤ(:後(のち)の)-ハンガリーの自国政府の地的部分に戻った…ダニエル11:28!!「(必ず)自分の土地に戻る…」2回書かれていると??!「御心が地に成るように」の本参照?!興味がある人は??!:今日のアメリカ合衆国(United-States)が各州(each-States:ステイツ(州):状態??!と言う意味の英語??!)という単位で、有名無実神聖ローマ帝国主義に似ていると??!或る霊感??!]
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