コクリコ坂から

ページ名:コクリコ坂から
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コクリコ坂から
From Up On Poppy Hill
監督宮崎吾朗
脚本宮崎駿
丹羽圭子
出演者長澤まさみ、他
音楽武部聡志
主題歌手嶌葵
『さよならの夏 〜コクリコ坂から〜』
製作会社スタジオジブリ
配給東宝
公開image:テンプレート:Country flag alias Japan|border|25x20px|テンプレート:Country alias Japanの旗

テンプレート:漫画『コクリコ坂から』(コクリコざかから、英題:From Up On Poppy Hill)は、高橋千鶴(作画)・佐山哲郎(原作)による日本の漫画作品、およびそれを原作としたスタジオジブリ製作の劇場版アニメ作品である[1]

原作は『なかよし』(講談社)にて1980年1月号から同年8月号まで連載された。全8話。単行本は同社より全2巻が刊行された。また、2010年に角川書店より新装版、2011年に同社より文庫版が発売された。

タイトルの「コクリコ」はフランス語で「ヒナゲシ」を意味する。

あらすじ[]

船が遭難し、行方不明となった船乗りの父と、仕事のためにアメリカに渡ったカメラマンの母を持つ小松崎海は、母の留守中、小松崎家を懸命に切り盛りしていた。

そのころ、海たちが通う港南学園では、新聞部部長の風間俊と生徒会長の水沼が起こす騒動によって、生徒と教師が翻弄されていた。突如として新聞部によって発表される「ミスター・ミス港南」、物理法則をめぐる風間と水沼の賭け、制服廃止運動をめぐる風間と水沼の対立…。こうした一連の騒動を海は冷ややかに見つめていたが、制服廃止運動の敗北の責任を風間が一身に負わされるのを見て、いつしか海は風間を擁護する声を上げるようになる。風間もまたひたむきな海にひかれ、2人は交際を始める。しかし、ある日、水沼は風間に海と交際しないよう忠告する。

テンプレート:ネタバレ

主な登場人物[]

小松崎家[]

ファイル:ICS Uniform.svg

U旗

ファイル:ICS Whiskey.svg

W旗

小松崎海(こまつざき うみ)港南学園高等部1年(初登場時)。空・陸の姉。経済観念のない母に代わって、小松崎家を切り盛りするしっかり者の少女。真面目な性格で、次々と騒動を起こす風間を当初は嫌っていたが、次第に風間にひかれていく。下宿人の北斗を慕っていたが、次第に彼に対する思いを妹が兄を慕うような気持と自覚するようになる。風間と交際を始めるが、一方的に風間に別れを告げられ、苦悩する。北斗に「海をフランス語に訳すと、ラ・メールになる」と教えられ、北斗や友人からはメールがつまってメルと呼ばれている。父が帰ってきても家が分かるように、毎朝、英ユニオンジャックや米星条旗、あるいは仏トリコロールと思しき国旗を掲揚し、家族や下宿人と共に朝礼をするのが日課となっている。なお、劇場版ではU旗とW旗(国際信号旗)が掲揚されている。この掲揚は「御安航を祈る」という意味である。小松崎空(こまつざき そら)海の妹・陸の姉。港南学園生徒。学年を示す具体的な説明はないが、海が2年生に進級した際海の級友から、「空ちゃんも(高等部)1年生になったんだっけ」と言われる描写があるので、海とはひとつ違いの初登場時中等部3年と考えられる。異性やダイエットに興味津々ないまどきの女の子。風間を慕っていたが、海と風間の気持ちを察し、身をひいた。小松崎陸(こまつざき りく)海・空の弟。港南学園中等部1年(初登場時)。制服廃止運動の際に風間に傾倒し、以後、海と共に最後まで風間を擁護した。小松崎虹江(こまつざき にじえ)海・空・陸の母。カメラマン。経済観念ゼロで、無造作に大金をつかってしまい、海を困らせる。ストーリー開始時点では、仕事のためにアメリカに渡っていたが、やがて帰国する。近所では美人として有名。小松崎花(こまつざき はな)海・空・陸の母方の祖母。魚嫌いで、海が家計を切り詰めるためにいわしばかりを食卓に出すのに不満を持っている。ウォッカが好き。小松崎島太郎(こまつざき しまたろう)海・空・陸の母方の祖父。虹江が海たちの父親と交際するのに反対したため、花と対立して家を追い出され(家が花名義だったため)、現在は海たちと別居している。北見北斗(きたみ ほくと)松崎家に下宿する獣医の卵。海の思いに気づくことなく、帯広の牧場に就職し、海のもとを離れた。

港南学園[]

風間俊(かざま しゅん)港南学園高等部2年(初登場時)。新聞部部長。金太との賭けマージャンで公費を使いこみ、新聞の売り上げでそれを穴埋めするため、水沼と組んで、様々な騒動を起こし、新聞の売り上げを伸ばそうとした。かねてから海に好意を抱いており、海が自分を擁護するようになってからはその思いをさらに強くして、海と正式に交際を始める。しかし、水沼からある事実を知らされ、苦悩する。写真屋の子どもだが、商船大学への進学を希望している。水沼史郎(みずぬま しろう)港南学園生徒会長。港南学園一の秀才。風間の親友。風間とともに金太との賭けマージャンで公費を使いこみ、風間と共に様々な騒動を起こす。虹江の手伝いをしたときにある事実に気付き、苦悩する。実家は料亭。広瀬真(ひろせ まこと)港南学園高等部3年。不良学生で、風間に対して遺恨を持ち、風間に対するあてつけから海を落とそうとする。

その他[]

金太(きんた)英薫女子大学学生。水沼の実家で芸者のアルバイトをしている。港南学園在学中に制服廃止運動を起こし、退学処分となった。海と風間の恋路を応援する。無類の動物好きで家でたくさんのペットを飼っている。本名は安藤響子。

テンプレート:ネタバレ終了

書誌情報[]

高橋千鶴(作画)・佐山哲郎(原作) 『コクリコ坂から』 講談社〈講談社コミックスなかよし〉、全2巻

  1. 1980年9月5日第1刷発行、ISBN 978-4-06-108363-9
  2. 1980年12月5日第1刷発行、ISBN 978-4-06-108369-1
    • 第2巻には、1975年なかよし5月号増刊に掲載の「ルーディの誕生日」となかよし1980年9月号に掲載の「ばくばくカバンと可愛ちゃん」が同時収録されている。
※角川書店より2010年7月10日に新装版発行・ISBN 978-4-04-854514-3、2011年6月25日に文庫版発行・ISBN 978-4-04-394444-6

劇場版アニメ[ 2011年7月16日

上映時間91分
製作国 日本
言語日本語
allcinema
キネマ旬報
 ・話・編・歴 

2011年7月16日より、全国東宝系にて公開。『ゲド戦記』に続く宮崎吾朗監督作品第2作。キャストは過去にもジブリ作品で声を当てたものが多く起用されている。

2011年8月9日にNHK総合で映画製作裏側を取り扱ったドキュメンタリー『ふたり『コクリコ坂・父と子の300日戦争〜宮崎駿×宮崎吾朗〜』を放送[2]

全国457スクリーンで公開され、2011年7月16-18日の初日3日間で興収約5億8700万円、動員約45万人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位となった[3]

制作に至るまでの経緯[]

制作発表から何十年も前に宮崎駿の山小屋に彼の姪や甥が遊びにきていて少女漫画雑誌が置いてあり、その中に載っていた原作漫画を気に入った駿が長年映画化を検討していた[4][5]。そして前作『借りぐらしのアリエッティ』制作中に正式に映画化されることが決定した。

スタジオジブリ経営5ヵ年計画における若手の登用を目的とした『借りぐらしのアリエッティ』に次ぐ第二作目であり[6]、本作の監督は駿の長男・宮崎吾朗が起用された。宮崎駿、高畑勲以外の人物が、スタジオジブリの映画として二作目の監督作品を製作するのは、本作が初めてとなった。『ゲド戦記』で吾朗が監督に起用されたことに反対していた駿は「1本作ったら、もう映画監督。どうしていくかは自分次第だ」と発言している。

原作からの主な変更点[]

  • 映画版のオリジナル要素として、高校の文化部部室塔「カルチェラタン」が登場。俊と水沼は、取り壊しが予定されているカルチェラタンを守るために奔走している。海はカルチェラタンの良さを生徒達に伝えるための大掃除を提案し、それを通じて俊と接近するなど、映画版のストーリーはこの保存運動を軸として、大きく再構成されている。
  • 映画版の時代設定は1963年5月となっている。そのため、学年をまたがないので、俊は最初から高3、海は高2、空は高1である。
  • 主人公の姓を「小松崎」から「松崎」に変更。
  • 「北見北斗」の名前が「北斗美樹」に、性別が男から女に、職業も「獣医師」から「医師」に変更。
  • 主人公の母の名前「小松崎虹江」が「松崎良子」に、職業も「カメラマン」から「大学助教授(英米文学者)」に変更。
  • 賭け麻雀の設定はカット。
  • 出生に関する疑惑は、父親の写真として海が見せた写真が、俊の持っているものと同じだったことから発覚する。
  • 祖父の島太郎は死亡している設定となっているほか、登場人物がかなり整理されている。

キャッチコピー[]

  • 上を向いて歩こう。

スタッフ[]

  • 原作 - 高橋千鶴、佐山哲郎「コクリコ坂から」(角川書店刊)
  • 企画 - 宮崎駿
  • 監督 - 宮崎吾朗
  • 脚本 - 宮崎駿、丹羽圭子
  • プロデューサー - 鈴木敏夫
  • 音楽 - 武部聡志(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
  • 提携 - スタジオジブリ、日本テレビ放送網、電通、博報堂DYメディアパートナーズ、ディズニー、三菱商事、東宝
  • 特別協賛 - KDDI
  • 特別協力 - ローソン、読売新聞
  • 配給 - 東宝
  • アニメーション制作 - スタジオジブリ

キャスト[]

  • 松崎海 - 長澤まさみ[7]
  • 風間俊 - 岡田准一
  • 松崎花 - 竹下景子
  • 北斗美樹 - 石田ゆり子
  • 広小路幸子 - 柊瑠美
  • 松崎良子 - 風吹ジュン
  • 小野寺善雄 - 内藤剛志
  • 水沼史郎 - 風間俊介
  • 風間明雄 - 大森南朋
  • 徳丸理事長 - 香川照之
  • 松崎空 - 白石晴香
  • 松崎陸 - 小林翼

主題歌[]

「さよならの夏 〜コクリコ坂から〜」作詞 - 万里村ゆき子 / 作曲 - 坂田晃一 / 編曲 - 武部聡志 / 歌 - 手嶌葵(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)オリジナルは、森山良子が歌った1976年4月から6月に読売テレビ・日本テレビ系で放送された同名のタイトルのテレビドラマの主題歌である[8]。挿入歌[]「上を向いて歩こう」作詞 - 永六輔 / 作曲 - 中村八大 / 歌 - 坂本九(EMIミュージック・ジャパン)「朝ごはんの歌」作詞 - 宮崎吾朗・谷山浩子 / 作曲 - 谷山浩子 / 編曲 - 武部聡志 / 歌 - 手嶌葵「初恋の頃」作詞 - 宮崎吾朗・谷山浩子 / 作曲 - 谷山浩子 / 編曲 - 武部聡志 / 歌 - 手嶌葵「紺色のうねりが」原案 - 宮沢賢治 / 作詞 - 宮崎駿・宮崎吾朗 / 作曲 - 谷山浩子 / 編曲 - 武部聡志 / 歌 - 手嶌葵

関連項目[]

  • カルチエ・ラタン

脚注[]

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. ジブリ新作は少女漫画原作の「コクリコ坂から」監督は宮崎吾朗 - MSN産経ニュース(2010年12月16日閲覧)
  2. 父・宮崎駿と息子・宮崎吾朗の激闘!10か月にわたる父子の戦いを追う『コクリコ坂から』制作の裏側に密着!シネマトゥデイ 2011年7月21日
  3. 映画興行成績 : 「ハリー・ポッター」完結編が堂々の初登場首位2位は「ポケモン」最新2作毎日新聞デジタル 2011年7月20日
  4. 宮崎駿監督、「コクリコ坂から」吾朗監督に「映画監督は2本目が大事」 - 映画.com(2011年7月10日閲覧)
  5. ジブリ最新作『コクリコ坂から』、実は『耳をすませば』の対抗馬だった! - Walkerplus(2011年6月13日閲覧)
  6. http://eiga.com/news/20101216/1/
  7. 長澤は鈴木敏夫からの要請により、初日舞台挨拶の司会進行も担当。前作『借りぐらしのアリエッティ』までは初日舞台挨拶の司会進行は日本テレビアナウンサーが担当していた。
  8. さよならの夏 - ドラマ詳細データ - ◇テレビドラマデータベース◇(2011年5月13日閲覧)

外部リンク[]

  • 劇場版公式サイト
  • 『コクリコ坂から × KDDI 〜私を、あなたに伝えたい。〜』キャンペーンサイト - KDDI
・話・編・歴
スタジオジブリ
アニメーション
長編作品
アニメーション
短編作品
ゲーム作品
ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国 - 二ノ国
実写作品
式日 - サトラレ
関連項目
トップクラフト - 風の谷のナウシカ - 三鷹の森ジブリ美術館 - サツキとメイの家 - 豚屋 - 草屋 - 徳間記念アニメーション文化財団 - マンマユート団 - 日本テレビ放送網 - 徳間書店 - ウォルト・ディズニー・ジャパン - 徳間ジャパンコミュニケーションズ - ヤマハミュージックコミュニケーションズ - 金曜ロードショー
経営者
監督経験者
宮崎駿 - 高畑勲 - 望月智充 - 近藤喜文 - 百瀬義行 - 庵野秀明 - 本広克行 - 森田宏幸 - 宮崎吾朗 - 山下明彦 - 米林宏昌


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