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風の谷のナウシカ | |
---|---|
ジャンル | SF・ファンタジー |
漫画 | |
作者 | 宮崎駿 |
出版社 | 徳間書店 |
掲載誌 | アニメージュ |
レーベル | アニメージュコミックス ワイド判 |
発表号 | 1982年2月号 - 1994年3月号 |
巻数 | 全7巻 |
話数 | 全59話 |
映画:風の谷のナウシカ | |
監督 | 宮崎駿 |
制作 | トップクラフト |
封切日 | 1984年3月11日 |
上映時間 | 116分 |
コピーライト表記 | ©1984 二馬力・徳間書店・博報堂 |
■テンプレート使用方法 ■ノート | |
ウィキプロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『風の谷のナウシカ』(かぜのたにのナウシカ)は、宮崎駿による日本の漫画作品。第23回日本漫画家協会賞大賞、第26回星雲賞コミック部門を受賞した。
アニメーション監督・演出家の宮崎駿が、徳間書店のアニメ情報誌『アニメージュ』誌上にて発表したSF・ファンタジー作品。科学文明の崩壊後、異形の生態系に覆われた終末世界を舞台に、人と自然の歩むべき道を求める少女ナウシカの姿を描く。
『アニメージュ』1982年2月号にて連載を開始し、映画制作などのため4度の中断期間[1]を挟み、1994年3月号にて完結した。単行本の発行部数は累計1,200万部[2]。海外でも8ヶ国語で翻訳・出版されている。
1984年には劇場版アニメ『風の谷のナウシカ』が公開された。
『ルパン三世 カリオストロの城』の公開後、宮崎はテレコム・アニメーションフィルムの海外合作『名探偵ホームズ』『リトル・ニモ』の制作準備に関わりながら、次回作の構想を練るために多数のイメージボードを描いた。その中には『となりのトトロ』や『もののけ姫』の原案のほか、「グールの王女ナウシカ」「風使いの娘ヤラ」「サンド王蟲(オーム)」といった本作のモチーフも描かれている[3]。しかし、『カリオストロの城』の興業成績の不振により「企画が古臭い」というレッテルを貼られ、アニメ業界では不遇の地位に甘んじていた[4]。
アニメージュ編集部は『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』を通じて宮崎の才能に着目しており、1981年8月号において「宮崎駿特集」を掲載した。また、宮崎から『戦国魔城』と『ロルフ』 という2本の映画企画を預かり、徳間グループの映像会議に提出したが、原作が存在しないことを理由のひとつとして採用されなかった[5]。そこで、編集部はアニメ化への布石と誌面の話題作りを兼ねて、宮崎に連載漫画の執筆を依頼した。担当編集者の鈴木敏夫に口説かれた宮崎は、「漫画として描くならアニメーションで絶対できないような作品を」[5]という条件で受諾。『ロルフ』にSF的な「腐海」という設定を加え[5]、『風の谷のナウシカ』の題名で執筆を開始した。
連載開始時には『名探偵ホームズ』との掛け持ちで多忙を極めたため、第2話以降しばらくは鉛筆原稿のまま掲載された。宮崎は映画化の際には原作も終わらせることを考えたが、アニメーション作家として地位を確立した後も執筆を続け、12年かけて完結に導いた。
極限まで発達した人類文明が「火の7日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こし、瘴気(有毒ガス)が充満する腐海と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから1000年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。
腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアと土鬼(ドルク)の領土紛争に巻き込まれる。風使いの少女ナウシカはトルメキアの皇女クシャナ率いる部隊に従軍して戦地に赴き、戦乱の中でさまざまな人々と出会う。腐海誕生の秘密、伝説の巨神兵の復活、土鬼の聖都シュワに隠された謎…ナウシカは自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして人類と自然の共生の道を探っていく。
詳細は風の谷のナウシカの登場人物を参照
テンプレート:ネタバレ
産業文明の勃興から1000年を経て極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてから1000年余りが経過した未来の地球が舞台。以下、第1話の冒頭分を引用する。テンプレート:Quotation
陸地の大部分は菌類の森「腐海」に覆われ、人類の子孫は腐海の毒が及ばない地域を中心に暮らしている。風の谷は潮風が胞子の侵入を拒み、豊かな森や水源、田畑が残っているが、それ以外の土地は不毛な荒地が多い。また、海は「この星の汚染物質が最後にたどり着くところ」とされ、生物が生息できる環境ではなくなっている。最終戦争以前の高度産業文明は旧世界と呼ばれ、エンジンなどの遺物が発掘、利用されているが、その技術は失われ人々の生活様式は中世から近世にかけての水準まで退行している。「火の7日間」は半ば伝説となっており、世界を正しい道へと導く救世主の伝説が語り継がれている。
種の存亡の危機に瀕しても人類同士の勢力抗争は続いており、作中ではトルメキアと土鬼の間で勃発した「トルメキア戦役」の模様が描かれる。居住可能な土地を巡る争いは、腐海の拡大を招くという悪循環を繰り返しても止むことはない。また、同族内でも王位(皇位)継承権を巡り権力闘争が続けられている。
物語の終盤では、文明を衰退に追いやった諸々の事象が、世界を再建するための遠大な計画であったという真実が語られる。「火の7日間」は兵器としての巨神兵を使い世界を焼き尽くした戦争と伝えられてきたが、巨神兵の本当の役目である裁定により、人類社会の荒廃を正すためには一度すべてを無に帰す他ないと、世界破壊が選択されたことが示唆されている。
腐海に関しても、汚染された大地を浄化するために自然発生した新たな生態系であるとの仮説が否定され、自らの過ちを悟った旧世界によって人工的に創り出された一種の浄化装置(バイオレメディエーション)であることが判明する。世界が有毒物質に覆われる前に、生物は毒への耐性を持つように作り直されており、浄化後の環境では生存することができない。劇中の人類は体を元に戻す必要があり、これらの知識と技術は、墓所の主や庭の主など、かつて作られた人工神により守られている。
風の谷を始め、砂の谷やペジテ市など、腐海のほとりにある小国群。トルメキアを盟主として同盟を結んでいる。毎年多くの都市が腐海に飲み込まれ、人が住める土地が減っている。人口は少なく風の谷で500人程度。農耕を生業とする風の谷のような国もあれば、地下の遺跡となった旧文明の遺物を発掘して成り立っているペジテ市のような国もある。
この地には「火の七日間」を経てもなお、産業文明の技術を伝えるエフタルという巨大王国が栄えていたが、王位継承戦争やそれが引き金になって起こった3度目の大海嘯により、ナウシカの時代から300年前に滅亡した。国土の大半は腐海に没し、残った土地も以後小国に分裂し、トルメキアの宗主権下に入ったとされる。その名残で辺境の人々は、国に関係なく自らをエフタルの民と称しており、風の谷の場合「エフタル風の谷の民」となる。
エフタル時代の遺物である高性能戦闘機、ガンシップを所有している国が多いため、盟主であるトルメキアにとって貴重な兵力調達元となっていた。トルメキアの南下作戦に際してクシャナらによって徴兵されたが、土鬼軍の罠によりトルメキア軍はクシャナの乗るコルベット単艦を残し全滅。自ら志願したナウシカを除く全ガンシップは、土鬼が辺境の地を狙っている事を知り、再びトルメキアに徴兵されることを嫌ってトルメキアとの同盟を破棄し、土鬼の襲来に備え再びエフタルの旗の下に集い連合を組んだ。
風の谷[]主人公ナウシカの故郷である辺境の小国。人口は500人程度。海から吹き付ける風を風車で動力としながら、中世レベルの農業と採取活動により成り立っている。「海から吹く風様」と形容される潮風で腐海の胞子による侵蝕から守られているが、わずかに届く腐海の毒は人々を確実に蝕んでおり、死産や四肢硬化を引き起こしている。族長の住む城の大風車で地下500メルテ(作中における長さの単位)から水を汲み上げ、それを貯水池に引いて寝かせてから沸かし、飲料水や農業に用いている(貯水池に引いて寝かす理由が物語終盤で明らかになる)。
付近の砂漠には旧世界の廃船があり、風の谷の人々が篭城するために使われた。この廃船は旧世界の宇宙船とされており、「火の七日間の前、星へ行っていたらしい」と言われている。周りにはセラミックを切り出すための鉱山町が造られている。
自治権の保証と引き替えに、族長が召集に応じてガンシップで参戦するという盟約をトルメキアと結んでいる。トルメキア戦役には余命僅かな族長ジルに代わり、娘のナウシカと城オジらが参戦した。
ペジテ市[]トルメキアと同盟を結んでいる辺境諸都市国家の一つ。「火の7日間」以前の遺跡からエンジンやセラミック装甲等を発掘しては加工供給する工房都市。巨神兵の骨格が発掘され、それを狙ったトルメキアの侵攻を受けた事が物語の発端となる。クシャナ率いるトルメキア親衛隊に滅ぼされ、避難民船も蟲に襲われ墜落し、アスベルを残し全滅してしまう。
トルメキア[]風の谷の東方に存在する王国で、辺境の族単位の小国群を従えている。都のトラスは、かつての巨大都市に寄生しており、数多くの超高層ビルが立ち並ぶが、いずれも廃墟である。高速道路跡らしきものも見える。国王はヴ王と称し、子は3人の皇子と末娘の皇女クシャナ。ヴ王の居城はエレベーターも存在する空中宮殿。人々は現在のヨーロッパ系を思わせる風貌と文化をもっている。
王族による過酷な王位継承争いが古くから続いている。ヴ王は自身の血筋を「我が血は最も古く、しかして常に新しい」と誇っているが、これはトルメキア王家の歴史はもっとも古くから伝わっているものの、その地位は常に簒奪(さんだつ)され続けてきたことを表している。クシャナの母である王妃は「正統なトルメキア王家の血を引くのはクシャナのみ」としており、「正統な王家の血を引いていない」3皇子はヴ王の連れ子ということになる。第3皇子とクシャナの対立は激しく、クシャナの軍事力を削ごうとして、彼女の軍団(第3軍)をわざと不利な戦線へ派遣したり、無謀な作戦を実行させたりしている。敵に情報を漏洩するなど兄弟同士の争いも描かれており、トルメキア王家の紋章である「互いに争う双頭の蛇」は、これらの王家代々の骨肉の争いを象徴していると皮肉られている。
3皇子が行方不明になっていたため、王位は崩御寸前のヴ王からクシャナに譲られたが、クシャナは「すでに新しい王を持っている」として生涯「代王」を名乗り、以後トルメキアは「王を持たぬ王国」になったとされる[6]。
土鬼(ドルク)諸侯連合[]トルメキアと拮抗する国家連合。皇帝領、7つの大侯国、20余の小侯国と23の小部族国家での計51ヶ国から成り立つ。人々は現在のアジア系を思わせる風貌と文化をもっている。土鬼の皇帝貨はトルメキアの貨幣よりも質が良く、土鬼諸侯国領外で通用する事もある。
神聖皇帝と、その下の官僚機構である僧会が国政を担っている。政教一致が強く、各侯国の族長が僧侶であったり、国政を儀式化している部分もある。先代に即位した神聖皇帝より、超常能力を持つ神聖皇帝の息子に統治権が受け継がれた。現神聖皇帝は皇兄ナムリスであるが、超常の力がなかったために皇弟ミラルパに実権を奪われていた。ミラルパは土民を支配しやすいように宗教を利用していたが、無神論者のナムリスは、弟を謀殺して実権を奪回すると、苛烈な宗教弾圧を行った。国内でも種族・部族間の揉め事が絶えず、内紛の火種を抱えた状態にある。その為、国の統治は僧会と神聖皇帝家に対する畏怖と崇拝、力への恐怖と尊崇による恐怖政治を行っていた。
以前は「土王」と呼ばれるクルバルカ家が治めていたが、時代が下るごとに圧政と狂気に満ちた政治になり、先代の神聖皇帝により追放された。土鬼諸国の庶民の間には、未だにクルバルカ家に対する崇敬や、先代神聖皇帝と僧会によって禁止されたはずの土着宗教の信仰が密かに残っており、僧会の布教と土着信仰が混同されているところもある。
材料こそ木製や土製が主流だが、歴代の王が聖都シュワにある墓所の主と契約を結び、墓所の技術を利用している。この為、科学的にはトルメキアに対して優位に立っており、戦争でも墓所の持つ古代の技術を利用し、腐海の植物を人為的に強毒化させたり、巨神兵を蘇生させるなどして戦争を有利に導くはずだったが、逆に自らの放った大海嘯に国土を飲み込まれ、沿岸部を残し消滅した。
墓所[]聖都シュワの中心部にある旧世界の遺跡。深さ300メルテの堀と超硬度セラミック以上の硬さを誇る黒い外壁に守られている。歴代の土鬼王朝はこの地を征服すると必ずこの地に都を築いてきた。王朝のごく上層部の人間に対しては開放されているが、一度王が封印を命令すると、再び王が封印の解除を命じるか、新王が現れるまで開放される事は無いとされる。
中枢部である肉塊は「墓所の主」と呼ばれ、「火の七日間」で焼き尽くされる以前の高度な技術を保存している。「教団」と名乗る科学者達は来たるべき浄化の時の再建の光となるべく、墓所の主から提供された情報の解析・解読を行っている。彼らは人間の王を選定し、王が協力者である限り、技術提供をするという契約を結んでいる。外部の権力に従うことを良しとせず、相手の武装解除を交渉の条件としている。
滅亡した過去の文明に汚染され不毛と化した大地に生まれた、新しい生態系の世界[7]。「火の七日間」直後に地上に出現したと語られており、その後は徐々に面積を拡大し、従来の生態系や人間の生存を脅かす存在となっている。
腐海のほとんどは巨大な菌類がはびこる広大な樹海で、蟲(むし)と呼ばれる異形の動物達が棲んでいる。蟲や植物、粘菌といった種の枠すら超えた生物群集をなし、腐海ではいかなる菌類も単独では存在せず互いに共生・寄生しあって複雑な生態系を構成しているとされる。
外部からの刺激により、蟲たち、特に王蟲の大群が腐海の外へと暴走し、津波のように押し寄せる現象を大海嘯と呼ぶ。大海嘯後は、命果てた王蟲の死骸を苗床として新たな腐海が誕生する。現実における「海嘯」とは、ポロロッカのように河川が猛烈な勢いで逆流する現象をさす。
植物[]腐海の植物は菌糸を体の構成単位とする糸状菌が主だが、植物体の構造や生態は従来の菌類とは大きく異なっている。顕微鏡サイズの微小な種から種子植物並みかそれ以上に巨大に生長する種まで、その大きさは多種多様で、大型の種は一般に、地中深く張った菌糸の根と幹、枝、葉に分化した地上部をもつ巨大な樹木となる。
一般に「胞子」と呼ばれる物を空中に飛ばして繁殖する。成木がつける「花」と呼ばれる胞子嚢のほか、発芽時にも無数の胞子を放出するが、世代交代や生活環の詳細については明らかになっていない。胞子から発芽してしばらくは動植物の遺体を苗床として養分を得る従属栄養性であるが、生長後は葉緑素を持つ葉を展開し光合成によって養分を得る独立栄養生活を営むようになるものもある。
腐海植物は「瘴気」と呼ばれる猛毒の物質を大気中に放出する。そのため腐海では従来の動植物は一切生息できず、瘴気は腐海の周辺に住む人間の健康や作物の生育にも深刻な影響を及ぼしている。人間や家畜が腐海に分け入る際は瘴気マスクと呼ばれる器具を身につけなければならない。胞子の生命力は強く、腐海ではない場所に僅かでも胞子が入り込めばたちまち繁殖して、一帯は腐海に飲み込まれてしまう。このため、腐海周辺の人々は居住地に胞子を持ち込まないように注意を払っており、胞子は発見され次第、焼却処理される。
風の谷の城の地下室で、ナウシカが腐海の植物の胞子を育てる研究を行った際、清浄な水と空気の中で水耕栽培した場合、瘴気を出さず、また大きく育たない事が判明している。瘴気の毒素は腐海植物が地中の有毒物質を無毒化固定する過程で生じた二次代謝物で、惑星全体を覆った有毒物質の極一部であるとされる。腐海の植物群はその土地を無毒化し切ると下層から次第に枯れていき珪化して砂になっていくが、それまでには1000年前後の長い時間を要する。こうして腐海の下層には、瘴気に満ちた上層部(樹冠)とは対照的な、静謐で清浄な空間ができる。腐海に墜落したナウシカとアスベルがさらに下層に落ちて目の当たりにした腐海の底の清浄な空間は、上記の作用によってできたものである。
やがて珪化を繰り返し、浄化された空間が徐々に上層へと登っていき、珪化した腐海植物群は崩壊して、浄化された土地が空の下に現れることになる。腐海植物は、最終的に自らが作り出した清浄な空気と土のもとで、後述のように瘴気を出さない小型な植物群となる(清浄な空気のもとでは死滅する描写もあり)。腐海の最奥部に形成されたこの清浄な土地のことを、「森の人」は秘密として守っている。
ヒソクサリ猛毒の腐海植物。土鬼軍が生物兵器として利用するべく墓所の技術を用いて遺伝子操作を試みたが、凍結保存されていた種苗が粘菌状に突然変異して暴走、大海嘯の引き金となった。作中ではヒソクカリとの表記もある。ムシゴヤシ代表的な腐海植物。王蟲が好んで食べることからこう呼ばれる。新しい腐海ができる時はムシゴヤシが先駆的に成長し、そのあと小型で多様な植物群がゆっくりと育って、多様な腐海の生態系を形成していく。成木は光合成を行い、最大樹高は50メルテ(作中の単位)に達する。粘菌[]ヒソクサリが土鬼軍による兵器転用を目的とした実験の過程で突然変異した姿。従来の瘴気マスクが効かず、蟲さえも死に至らしめる猛毒の瘴気をまき散らしながら巨大なアメーバ状の体(変形体)で全てを飲み込み、さらには大海嘯の直接的な引き金となったことで土鬼の国土に壊滅的被害をもたらした。最終的には飲み込んだ王蟲の群に付着していた腐海植物に苗床としてその大部分が吸収され、腐海生態系の一部として取り込まれる形で安定化した。
腐海にはもともと微小な粘菌が生息しており、ナウシカもこれを研究していた。ナウシカはその経験から大海嘯の真の意味を理解している。
蟲(むし)[]腐海に生息する動物の総称。作中における表記では「蟲」の字が用いられ、腐海以外に生息する昆虫類などは「虫」と表記され、区別されている。
王蟲のように巨大なものから微小なものまで、多種多様な大きさや形態のものが存在する。その多くは体節制をとる外骨格の体に多数の関節肢をそなえた、現生の節足動物に似た形態をしているが、顎は節足動物のような横開きではなく脊椎動物のように上下に開閉する構造を持つものもいる。
主に生息空間によって地蟲、羽蟲、管蟲などに大別され、羽蟲は2対以上の翅を持ち飛行することができる。王蟲をはじめ草食のものが多いが、他の蟲を補食する描写もある。基本的に卵生であり、脱皮によって成長するが、変態をするものと無変態のものがある。王蟲など水中で活動できるものもいる一方、瘴気の無いところでは長く生きられない。強い光や高い音に敏感で、閃光弾や蟲笛といった道具で一時的に活動を停止させたり、行動をある程度誘導することもできる。
菌類とならんで腐海生態系の主要な構成要素であるとともに、人びとが容易に腐海に踏み込めないように配置された守護者でもあり、個体や種をも越えた生物群集としての全体意識を共有している。大型の種は一般に攻撃性が強く、種類を問わず他の蟲が外敵(主に人間)によって傷付けられると群れをなして攻撃を加える為、腐海のほとりで暮らす人々の間では蟲を殺すことはタブーとされている。一方で危害さえ加えられなければ人間が腐海に侵入しても全く意に介さない。
テンプレート:Visible anchor(オーム)腐海最大の蟲。卵から孵化した数十cmほどの幼生は脱皮を繰り返して成長し、成体は体長80mに達する。十数節の体節からなる濃緑色の体に14個の眼と多数の歩脚を持つ。眼の色は普段は青いが、怒ると赤くなり、また気絶すると灰色がかる。体液の色は青。口腔内には治癒能力を有する糸状の触手が無数にある。消化管内壁からは「漿液」とよばれる液体を分泌し、人間は肺に漿液を満たすことで液体呼吸が可能となる。表皮は非常に堅牢かつ弾性に富み、抜け殻はガンシップの装甲板や刃物に加工し利用される。中でも王蟲の殻から鍛えられた刀剣は、トルメキア装甲兵のセラミック甲冑さえも貫通する切れ味を持つ。透明でドーム状の眼はガラスの代用品として、ゴーグルのレンズや航空機の風防に用いられる。古代エフタル王朝の時代でも特に武具の素材として活用されたが、王位継承権に端を発する内戦が勃発した際に増大する武器の需要に答えるため、武器商人により王蟲の捕獲方法が編み出され、大量の王蟲が乱獲された。結果として、その行いは王蟲の怒りを買い、後の大海嘯の引き金となった。ムシゴヤシを好んで食べ、食べ進んだ跡は森の中のトンネル状の空間となって残り「王蟲の道」と呼ばれる。種全体で共有する高度な知性をそなえており、思いやり、慈しみといった精神文化も持っている。その慈しみは蟲を攻撃した人間にも及ぶ為、憎しみに駆られその人間を殺してしまった事を悲しむ。念話(テレパシー)で人間と対話したり、他種の蟲に指令を与え行動を制御することもできる。怒った際の攻撃性は強く、群をなして暴走し、人間の居住地に甚大な被害をもたらす。エフタルや土鬼の土着の宗教には畏怖と畏敬の念を込めて王蟲を神聖視する思想がみられる。大王ヤンマ人の身長と同程度の体長の羽蟲で、青緑色の細身の体に同形同大の2対の翅を持つ。脚は場面によって異なるが3~4対。クチバシ状の口器を持ち、口腔内には舌のような器官がある。活動の際には、身体から軋むような音を発する。「森の見張り役」と呼ばれ、腐海に何らかの異常が起こった時、他の蟲を呼び集める働きを持つ。人間を攻撃する王蟲などに随伴することが多いが、自ら人間を襲う描写はほとんどない。ウシアブ羽蟲の一種。赤ないし紫色の丸い体に2対の翅を持ち,開長(翅を広げた幅)はメーヴェの全幅の倍ほど。縦に開く大きな顎を持ち、複眼が横一列に並んでいる。水辺に産卵し親が卵を守る性質がある。危機を感じるとスズメバチのように顎を噛み鳴らし、触角を震わせて仲間を呼ぼうとする。顎の力はセラミック装甲を噛み砕くほど強い。実在の昆虫ウシアブとは別物。ヘビケラ竜のように細長く平たい体に2対~4対の翅を持つ大型の羽蟲で、全長は数十mに達する。脚はなく、頭部に昆虫の大腮(おおあご)のような巨大な鍬状の器官をそなえ、尾端には剣状の突起がある。飛行速度は航空機であるバカガラスより速い。集団で移動する前に大量の卵を産み残す習性がある。ミノネズミ地蟲の一種で、ヘビケラの幼生[8]。名前の通り体に毛が密生している。腐海の住人[]蟲使い蟲を操り遺跡や墓所を探索して宝物を探し当てるのを生業にしている。強烈な悪臭と、死体を好んでまさぐり金品を盗る事、探索用の蟲を連れている事から、一般の人々には忌み嫌われており、ナウシカも当初は差別的な発言をした。腐海内の換気装置を備えた岩穴に住んでいる。発祥はかつての王国、エフタルの武器商人の末裔であると言われているが、ユパは森の人が蟲使いの祖であるとの伝承も伝えている。300年前、エフタルの王位継承をめぐり戦争が起こり、武器の材料とするために武器商人たちが大量に王蟲狩りをしたため大海嘯が起こった。以後、帰る場所を失った武器商人たちは蟲使いとして腐海を彷徨うようになったという。11の部族が存在したらしいが、長年の間に3つの血が絶え、8つになっている。子孫を残すため、自分達の子供だけでなく戦災孤児を育てている。トルメキア戦役では、トルメキア・クシャナ軍に秘石の探索用に、土鬼側には囮用王蟲確保のためにそれぞれ雇われている。終盤では、各部族から1人ずつ選ばれた屈強な若者達がシュワに向かうナウシカと行動を共にした。森の人火を使わず、蟲の腸を衣とし、卵を食べ、体液で作った泡を住処とする。また、地上で暮らす人々が使っているよりも高性能な瘴気遮断マスクを持ち、蟲の体液のテントも腐海の瘴気に耐えられる。素性は謎に包まれており、多くは語られていないが、ユパは、エフタルが滅びた際に腐海に入ったエフタルの民(王族)では無いかとの説を挙げている。森の人の一人セルムが「私の祖父と母は蟲使いの出です」とも語っている。蟲使い達は「森の人」を恐れ敬っており、作中では「森の人」に対して住居の森に勝手に入った事を謝罪し、普段はなりふり構わず持っていく廃船のエンジンすら置いて帰った。博識のユパさえも実在したことに驚いたほど外界と接触を持たず、ある種の伝説とされてきたが、ナウシカの考えとは繋がるものがあり、セルムは彼女を孤独の淵から救い、「森の人」しか知らない腐海の秘密を教えた。「火の七日間」で世界を焼き払ったとされる伝説の巨大人工生命体。死滅したと思われていたが、ペジテ市の地下で発見された一個体が復活し、ナウシカから「オーマ」の名を授けられた。詳細は「巨神兵」を参照。
ヒドラ[]土鬼が使用する不死身の人造人間で、かつて神聖皇帝が土鬼の地を征服した時に従えていたと伝えられている。物語終盤には、「庭の主」や「墓所の主」も人工の不老不死生物(ヒドラ)であることが明らかになる。ここでは庭の主や墓所の主は除く一般のヒドラについて扱う。
皮膚がサボテンのようで首がなく、コップを逆さにしたような頭には唯一確認できる受容機関である小さな赤い三つの目が三角形を形作っている。唯一の弱点である頭部への攻撃を防ぐ為、顔面に食い込む様に頑丈に作られた鉄仮面と、その上に一つ目を模した神聖皇帝の紋章が入った面布を着用しており、専門の調教師である「ヒドラ使い」も同様の布面を着用している。
作中で使用されているヒドラは、先の神聖皇帝であるミラルパとナムリスの父親が、庭の主の元で農耕用に使用されていたものを持ち出し、墓所の技術で培養したもの。200年前に先の神聖皇帝は禁令として使用を禁じていたが、息子のナムリスの手によって秘密裏に量産と調教が進められ、ナムリス出陣の際に200年ぶりに実戦投入された。
歯に細工をしたヒドラ使いが出す「チッチッ」という音で制御する。餌は漏斗状の器具を頭頂部に挿し、流し込む形で与える。墓所で培養されたヒドラは凶暴で、制御されなければ共食いをすることもあるが、庭の主の下で農夫として働いていたヒドラにはその凶暴性は見られない。
人間も手術(肉体移植)をすることで、ヒドラと同じ不死身の体を得ることができる。原作では、皇帝ナムリスが不老不死を得るためにその手術を行った。その場合、記憶や知能はベースとなった人間のものが受け継がれる。頭部を破壊されない限り死ぬことは無いが、苦痛は人間だったころと同様に感じる。
一部の人間や蟲、巨神兵、ヒドラに備わった超能力のような力。使用できるものは少ないが一般にも認知されている能力でもあり、その能力は遺伝的なものであることが示唆されている。
念話超常の力としては最も基本的な部類で、自分の心を相手の心に直接流す。読心術を併用することで互いに心に思うだけで相手と言葉の壁を越えたコミュニケーションをとることが可能となる。ナウシカは中盤にこの能力に覚醒し、当初は言葉の通じなかったチヤルカやチククと意思の疎通を行うことができるようになった。使用者:ナウシカ、王蟲、マニ族僧正、神聖皇弟、チクク、巨神兵、ヒドラ念動手を触れずに相手を動かす、衝撃を与えるなどの攻撃を行う。使用者:マニ族僧正、神聖皇弟読心術心を読み取り嘘を見抜く。使用者:神聖皇弟、巨神兵幽体離脱心と肉体を切り離す。幽体はかなりの距離を瞬間的に移動できる。心臓を握りつぶすなどの物理的な介入が可能。使用者:神聖皇弟念写心を映像化し他人の心に流し込む。使用者:神聖皇弟、チクク、巨神兵憑依死後、生きた人間に憑りつく。使用者:マニ族僧正、神聖皇弟文明の滅亡によって多くの科学技術が失われており、電気や電子機器、水道などは使われていない。乗り物は旧世界の技術の名残りである高性能な「船」と呼ばれる飛行機が盛んに利用されているが、陸上では映画版におけるトルメキア軍の突撃砲以外、トリウマなどの動物を利用する程度の移動手段しか残っていない。電話や無線等の通信技術も失われており、船上では信号旗や探照灯によるモールス信号のようなもの、伝声管を使ってコミュニケーションをとっている。旧世界の名残から、硬化セラミックが金属に代わる一般的な素材として刃物や航空機に使われている。また、シリウスなどの星の名前や方角、バルハラなどの神話に関する言葉は残されており、活版印刷も使われている。
道具[]瘴気マスク腐海の瘴気を防ぐ防毒マスクで、ある種の水草から作られる活性炭で防ぐ構造となっている。形状は様々だが、いずれも鼻から口を覆う形で装着する。トルメキア王国においては、緊急時に使用する簡易マスクと、マスクを装着したまま飲料水が飲めて、長期間の使用に耐える重マスクの2種類が確認されている。終盤でマスクだけで腐海の全ての瘴気を完全に防ぐ事は不可能である事が判明した。蟲笛・鏑弾(かぶらだま)・ストロボ光弾蟲を制御するための小道具。蟲笛は気流に当てると音を発し、蟲の怒りを鎮める。鏑弾は長銃から発射されると、蟲の感覚を麻痺させる音を発しながら飛ぶ。ストロボ光弾は衝撃を与えると閃光を放ち、蟲の目くらましに使われる。船(航空機)[]作中で「船」と言えば一般的には航空機を指す。動力となるエンジンを造る技術は失われており、現存するエンジンを回収、再利用して船を建造している。腐海においても、瘴気が届かなくなる高度を保てばマスク無しでの移動が可能であり、貴重かつ重要な輸送、移動手段とされている。なお海上を航行する船舶に関しては、トルメキア軍が海上から強襲揚陸艦型の船で揚陸作戦を行う描写があるのみ。
メーヴェ辺境の風使いが用いる小型軽量飛行機。強力なエンジンを1基備えており、小柄な成人2名程度なら乗せて飛行することが可能。詳しくは「メーヴェ」を参照。ガンシップ小型の戦闘機。風の谷とペジテの2機種が登場する。詳しくは、「ガンシップ (風の谷のナウシカ)」を参照。バージエンジンを持たない輸送用グライダーで、ガンシップなどがワイヤーで曳航する。現実におけるバージとは艀(はしけ)。ブリッグ輸送機。トルメキア戦役に参戦した辺境諸国の機体や、蟲使いの所有する機体などが登場する。映画版ではペジテの生き残りが使用。戦列艦トルメキアの大型輸送機で、正式名称は戦列艦だが、バカガラスと通称されている。詳しくは「バカガラス」を参照。装甲コルベットトルメキアの大型戦闘機。通称コルベット。機体の前後に主翼を持つタンデム翼機で、映画版にも登場したクシャナ戦隊の小型の機体や、三皇子が使用した重コルベットなどが存在する。詳細は「コルベット (風の谷のナウシカ)」を参照。大型船トルメキアの大型輸送機。バカガラスを2機繋げてコルベットと似た形にしたようなタンデム翼機。映画版では巨神兵を輸送するという重要な役割を負っていたが、その重さに耐えきれず墜落してしまう。ケッチトルメキアの戦闘艦。タンデム翼のコルベットより小型の単翼機。先尾翼形式のものとV字尾翼形式のものが描かれ、前者はバムケッチと呼ばれている。後者はクシャナらも搭乗した。現実におけるケッチは帆船の種別である。浮砲台土鬼の各侯国が所有する戦闘兼輸送艦。巨大な艦体にいくつもの砲を装備する。土鬼軍では浮砲台が諸侯国の輸送と戦闘の役割を兼任している。攻撃力は大きいが木製であるため防御力は低く、動きも鈍い。戦艦土鬼僧会が保有する大型戦闘艦。浮砲台に数倍する大きさの船体に多数の砲を備える。浮砲台と異なり防御力も高く、消火設備や防火扉を艦内の随所に設ける等ダメージコントロールも考慮されている。艦内には神聖皇帝専用の小型連絡艇を搭載しているほか、ヒドラの飼育施設なども完備する。操縦席下部に位置する大窓の部分がナムリスの専用室となっていた。飛行ガメ(飛行ポッド)土鬼の小型偵察機。高さ2m、直径1mほどの甕の形状をし、浮遊しながら移動する。側面にロケット砲、上部に機銃を備える。映画版ではペジテが運用している。テンプレート:ネタバレ終了
宮崎駿 『風の谷のナウシカ』 徳間書店〈ANIMEGE COMICS ワイド判〉、全7巻
第1巻のみ、表紙が三種類ある。
特製ボックスケース入り7巻セット。
風の谷のナウシカ 豪華装幀本、全2巻
愛蔵版。上巻がワイド判1〜4巻を収録し、それぞれ第1章「風の谷」、第2章「酸の湖」、第3章「土鬼戦没」、第4章「破局へ」と命名している。下巻はワイド判5〜7巻を収録し、それぞれ第5章「大海嘯」、第6章「青き地」、第7章「墓所」と命名。
いくつかの宮崎作品に見られる、自然と科学文明の対立、文明の破壊と再生がテーマとされ、公害や自然破壊などの環境問題や族内紛争、戦争への批判という側面がある。
宮崎は少年時代に読んだ『マクベス』の「森が動く」という台詞に驚き、植物のことを扱いたいという意識を持っていた[9]。漫画家志望だった学生時代には革命ものの習作を描いていたが、本作では「人間がいる世界というか、自然物というか、そういうものとの関係を語らないと、生産と分配の問題だけを論じてもくだらないことになると思ったんですよ」[10]と述べている。
物語序盤に提示されていた自然と科学技術の対立という構図は、後半では世界の浄化を巡るより複雑な構図に変化していく。宮崎は、この作品を結ぶにあたり影響を受けた事件としてユーゴスラビア内戦を挙げ、「あれだけひどいことをやってきた場所だから、もう飽きているだろうと思ったら、飽きてないんですね」「戦争というのは、正義みたいなものがあっても、ひとたび始めると、どんな戦争でも腐ってゆく」[11]と述べており、これを物語終盤に反映させた。
宮崎は風の谷のイメージを「中央アジアの乾燥地帯なんです」と発言し[12]、腐海のモデルはウクライナ、クリミア半島のシュワージュ[13]としている[14]。オーストラリアのオルガ山(カタ・ジュタ)には風の谷 (Valley of the Winds) という場所があるが、スタジオジブリによれば関連はない[15]。宮崎の初連載漫画『砂漠の民』[16]も中央アジアを舞台としており、主人公の属するソクート族の王都「ペジテ」が登場している。「古エフタル王国」は言語などが謎に包まれたエフタルと呼ばれる中央アジアの遊牧民、「トルメキア第四皇女クシャナ」はインド北部に生まれたクシャーナ朝との関連が指摘される[17]。旧世界の産業文明が発生した場所はユーラシア大陸の西、つまりイギリス周辺としている。
ベースになった映画企画『ロルフ』は、アメリカの漫画家リチャード・コーベン (Richard Corben) のコミック"Rowlf"(1971年)をもとに、「小国の運命を背負うお姫様」という着想を得たもの[18]。宮崎は東京ムービー新社に対して"Rowlf"の版権取得を提案してもいる[19]。
主人公ナウシカのモデルとして、宮崎は日本の古典文学『堤中納言物語』に登場する「虫愛づる姫君」を挙げている[20]。名前はギリシア神話に登場する王女ナウシカアに由来する[20](オデュッセウスの項目を参照)。
ルネ・ラルーのアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』(1973年)や、漫画家の手塚治虫、諸星大二郎の影響も指摘される[21][22]。なかでもフランスの漫画家メビウス[23]の『アルザック』(1975年)には強い影響を受け、宮崎自身メビウスと対談した際に「『ナウシカ』という作品は、明らかにメビウスに影響されつくられたものです」と語っている[24]。また、腐海と人間との関連性には、中尾佐助の唱えた照葉樹林文化論も影響している[25]。『赤目』などエコロジー(生態系)をテーマに描く白土三平の影響も指摘されている。他に『パステル都市』『地球の長い午後』『デューン/砂の惑星』等のSF小説の影響を指摘する論者もいる[26]。また、腐海の森については「マルクスの社会進化論を森林生態系に置き換えた発想」という分析がある[27]。切通理作によれば、「映画『モスラ』の影響がある」という。
テンプレート:宮崎駿テンプレート:星雲賞コミック部門
ar:ناوسيكا أميرة وادي الرياحcs:Naušika z Větrného údolífa:ناوسیکا از دره بادko:바람 계곡의 나우시카simple:Nausicaä of the Valley of the Windsv:Nausicaä från Vindarnas dalth:มหาสงครามหุบเขาแห่งสายลมuk:Навсікая з Долини Вітрівzh-min-nan:Hong-kok ê Nausika
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