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魔女の宅急便 | |
---|---|
監督 | 宮崎駿 |
脚本 | 宮崎駿 |
製作 | 徳間康快(徳間書店) 都築幹彦(ヤマト運輸) 高木盛久(日本テレビ) |
出演者 | 高山みなみ 佐久間レイ 戸田恵子 山口勝平 加藤治子 |
音楽 | 久石譲 |
撮影 | 杉村重郎 |
編集 | 瀬山武司 |
配給 | 東映 |
公開 | テンプレート:Jdate |
上映時間 | 102分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
AllRovi | |
IMDb | |
表・話・編・歴 |
『魔女の宅急便』(まじょのたっきゅうびん、Kiki's Delivery Service)は、スタジオジブリ制作の日本の長編アニメーション作品である。アニメーション映画として1989年7月29日から東映系で公開された。
原作は角野栄子の児童書(児童文学)『魔女の宅急便(第1巻)』。監督は宮崎駿。
宮崎駿が監督を務めたスタジオジブリの長編映画としては史上初の他者原作作品であり、宮崎が『ハウルの動く城』の監督に就くまで15年間にわたって唯一の他者原作作品であった。
これまでジブリを支えてきた徳間書店に加え、ヤマト運輸、日本テレビがスポンサーに付き、テレビCMなど広告宣伝面にも力が入れられた結果、配給収入21.5億円と前作『となりのトトロ』の3倍以上を記録した。主題歌には荒井由実の楽曲を採用した。
また、1978年公開の『さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち』の記録を抜いて日本の劇場用アニメ映画の興行記録を更新した。英語版作品名は"Kiki's Delivery Service"。
日本テレビで2年に1回ほどの割合で『金曜ロードショー』で放映されている。
タイトルがテンプレート:要出典範囲その原因は原作者の角野栄子が第1作刊行時に宅急便はヤマト運輸の登録商標である事を知らなかったためである。映画化に至って、1989年夏の映画公開告知ではヤマト運輸の企業広告と組み合わせたCMも制作された(BGMは久石譲の『海の見える街』)。なお同映画をもとにした登録商標をスタジオジブリが取得している[1]。
魔女の娘は13歳になると家を出て、よその町で一年修行するという掟があった。13歳になった魔女の娘・キキは、掟にならい黒猫・ジジと共にコリコの街に降り立った。パン屋の女主人に気に入られ、店先を借りて宅急便を開業することにしたキキ。そこには新しい生活と喜び、失敗と挫折、人力飛行機に熱中する少年トンボとの出会いが待っていた。
1985年12月、映画プロダクション風土舎は角野栄子の児童文学『魔女の宅急便』の長編アニメーション化の企画を立ち上げた。「宅急便」がヤマト運輸の登録商標であったことから、真っ先に同社にスポンサーを要請した。当初ヤマト運輸は難色を示したが、同社のトレードマークである黒猫が偶然にも物語に登場することから次第に前向きになりスポンサーになることを了承した[2]。
1987年春ごろ、風土舎とヤマト運輸は電通を通じて徳間書店に協力を申し込み本作はスタジオジブリで制作されることとなった。
風土舎は、「監督またはプロデューサーに宮崎駿か高畑勲を」と意向を示した。『となりのトトロ』『火垂るの墓』の制作を開始したばかりでもあり当初監督は有望な若手を起用することとし、宮崎はプロデューサーのみを請けることになった。しかし実際には宮崎が脚本と絵コンテも担当することになり、制作が進むうちに当初の70〜80分の構想が100分を越える本格的長編となってしまった。監督は片渕須直を起用することになっていたが、スポンサー企業の意向をうけて降板[3]。結局、宮崎が監督も務めることになった。
長編アニメーション映画としては制作期間が短く、作画が困難な群集シーンも後半に多くスタッフは非常に苦慮した。音楽監督を高畑が受け持ったのも、宮崎に余裕がなくなったためである。さらに作曲者である久石譲も自身のアルバム制作とスケジュールが重なり、作曲打ち合わせから演奏録音までが公開間際になるという状態だった。
原作をかなり自由に脚色し背景にはスタッフがロケハンしたスウェーデンのストックホルム及びゴットランド島のヴィスビュー、宮崎自身が1988年5月に個人的に旅行したアイルランド、その他サンフランシスコ、リスボン、パリ、ナポリなどの風景を織り交ぜて使っている[4]。街の名前は、劇場公開時のパンフレットによれば原作のまま「コリコ」の街とされている。この街では白黒テレビが普及している一方でボンネットバスや大きな飛行船が使われているなど、現代ではなく過去の時代を舞台にしているものとみられる(宮崎によれば「第二次世界大戦を経験しなかったヨーロッパ」という設定)。ちなみにストックホルムとヴィスビューは宮崎がAプロダクション(シンエイ動画)時代の1971年に幻の映画企画『長くつ下のピッピ』のロケハンで訪れた場所でもある。
原作者の角野は映画化に際し、当初は唯一の注文として「キキが旅立つ時にキキの故郷の木に付けられていた鈴を鳴らすこと」のみを求めていた。その後制作が進むに連れ内容が大きく変わることに否定的になったが、宮崎と角野が数回対談し解決した[2]。
キキとウルスラの主役級の2人を当時声優3年目の高山みなみが1人で担当している。高山は元々はウルスラ役のみ演じる予定だったがキキ役に適任者がいなかった為、オーディションを受けた上でキキ役に選ばれたが今度はウルスラ役に適任者がいなくなりキキとウルスラの一人二役を演じる事になった。
英語版は2種類存在する。日本盤DVDには日本語オリジナル音声とディズニー版音声が収録されている。
キャラクター | 日本語版 | 英語版(ディズニー版) | 英語版(ストリームライン版) |
---|---|---|---|
キキ | 高山みなみ | キルスティン・ダンスト | リサ・マイケルソン |
ウルスラ | ジャニーン・ガラファロ | ヨランダ・マテオス | |
ジジ | 佐久間レイ | フィル・ハートマン | ケリガン・メイハン |
おソノ | 戸田恵子 | トレス・マクニール | アレクサンドラ・ケンウォーシー |
トンボ(コポリ) | 山口勝平 | マシュー・ローレンス | エディ・フライアーソン |
コキリ | 信沢三恵子 | キャス・スーシー | バーバラ・グッドソン |
老婦人 | 加藤治子 | デビー・レイノルズ | メラニー・マックィーン |
バーサ | 関弘子 | エディ・マックラーグ | エディ・マーマン |
オキノ | 三浦浩一 | ジェフ・ベネット | ジョン・ダントナ |
フクオ | 山寺宏一 | ? | グレゴリー・スニーゴフ |
マキ | 井上喜久子 | ? | |
ケット | 渕崎ゆり子 | パメラ・シーガル | ララ・コーディー |
ケットの母 | 土井美加 | ジュリア・フレッチャー | ダイアナ・ミッシェル |
ケットの父 | 土師孝也 | ? | |
ケットの祖母 | 浅井淑子 | ジュリア・フレッチャー | マイク・レイノルズ |
ドーラ | 斎藤昌 | ? | ダイアン・ミッチェル |
時計塔の番人 | 西村知道 | グレゴリー・スニーゴフ | |
先輩魔女 | 小林優子 | デビ・デリベリー | ウェンディー・リー |
トラックの運転手 | 池水通洋 | ? | |
ホテルのフロント係 | 辻親八 | マット・K・ミラー | ダグ・ストーン |
飛行船「自由の冒険」号の船長 | 大塚明夫 | ジョン・ホステッター | デイヴ・マロウ |
赤ん坊 | 坂本千夏 | ? | |
警官 | 山寺宏一 | マット・K・ミラー | スティーブ・クレイマー |
アナウンサー | コーリー・バートン | カール・メイセック | |
デッキブラシを持っていたおじさん | 田口昂 | ? | スティーブ・クレイマー |
パイを届けられる少女(老婦人の孫娘) | 鍵本景子 | ジュリー・リン | ウェンディー・リー |
パイを届けられる少女の仲間 | 津賀有子 亀井芳子 | ? | ? |
キキが町に降りたったとき話すおばさん | 丸山裕子 | メラニー・マックイーン | |
「ナンパかよ」とトンボに話しかける少年 | ? |
主題歌にはユーミンこと荒井由実が歌う既存の楽曲「ルージュの伝言」(オープニング、アルバム「COBALT HOUR」に収録)と「やさしさに包まれたなら」(エンディング)が採用され、映画公開当時リバイバルヒットとなった。主題歌を決定する際、プロデューサーを務める鈴木敏夫が会議直前に行った松任谷由実のコンサートに触発を受け荒井の採用を監督の宮崎駿に提案した。もともと宮崎は若い頃に荒井の楽曲を聴いていたため、それがこの時の採用につながった、と鈴木は発言している。当初は同じ荒井でも「ルージュの伝言」の他に「中央フリーウェイ」も候補に挙がっていたが、東京都下の具体的な地名が歌詞に入っているために取りやめたという。
尚、「やさしさに包まれたなら」はシングルとアルバムでアレンジが異なり本作で使用されたバージョンは荒井のセカンドアルバムである「MISSLIM」、近年のバラードベストアルバム「sweet,bitter sweet〜YUMING BALLAD BEST」に収録されている。
英語版の主題歌は日本版と異なり、別の英語の歌が用いられている。
(日本国内)
内容 | 記録 | 補足 |
---|---|---|
興行収入 | 約43億円[5] | 推測 |
配給収入 | 21.7億円[5] | |
動員 | 264万619人[5] | |
『イメージアルバム』 | 4万本出荷(1989年発売のCA)[6] 7.5万枚出荷(1989年発売のCD)[6] 1万枚出荷(1996年発売の再発CD)[6] 0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[6] | |
『サントラ音楽集』 | 0.5万枚出荷(1989年発売のLP)[6] 10万本出荷(1989年発売のCA)[6] 24万枚出荷(1989年発売のCD)[6] 6万枚出荷(1996年発売の再発CD)[6] 1万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[6] | |
『ドラマ編』 | 1.5万本出荷(1989年発売のCA)[6] 3万枚出荷(1989年発売のCD)[6] 0.5万枚(1996年発売の再発CD)[6] | |
『ヴォーカルアルバム』 | 2万本出荷(1989年発売のCA)[6] 6万枚出荷(1989年発売のCD)[6] 1万枚出荷(1996年発売の再発CD)[6] 0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[6] | |
『ハイテックシリーズ』 | 1.5万本出荷(1989年発売のCA)[6] 4万枚出荷(1989年発売のCD)[6] 0.5万枚出荷(1996年発売の再発CD)[6] 0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[6] | |
『ヴォーカル編&カラオケ』 | 0.5万本出荷(1990年発売のCA)[6] 1万枚出荷(1990年発売のCD)[6] 1万枚出荷(1996年発売の再発CD)[6] | |
イメージソング『めぐる季節』 | 1万本出荷(1990年発売のシングルCA)[6] 1.5万枚出荷(1990年発売のシングルCD)[6] | |
VHS・ベータ(徳間版) | 15万本出荷[7] | 1995年9月時点 |
VHS(ブエナビスタ版) | 100万本出荷[7] | 2003年6月現在 |
DVD(ブエナビスタ版、2枚組・特典付) | 30万枚出荷[7] | 2003年6月現在 |
放送日 | 視聴率 |
---|---|
1990年10月5日(金) | 24.4% |
1992年4月3日(金) | 21.5% |
1995年7月14日(金) | 19.2% |
1997年7月11日(金) | 21.6% |
1999年7月16日(金) | 19.4% |
2001年7月6日(金) | 20.0% |
2003年7月25日(金) | 22.8% |
2005年9月16日(金) | 14.7% |
2007年7月13日(金) | 14.9% |
2009年7月31日(金) | 13.7% |
2011年7月8日(金) | 13.5% |
スタジオジブリが劇場映画をもとに『魔女の宅急便』の商標(第2462634号,第4405430号,第4700078号)を取得しているが、主にキャラクタービジネスを意図して刊行物や様々な商品につけられる商標である。これは完成した映画名がもとになって登録が認められたもので、日本では「映画の題名」自体には商標権を設定できない。ヤマト運輸の宅急便とは、指定商品又は指定役務(サービス)の範囲が異なる。
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