ストーリーテキスト/2-3_琉球の守護者

2-3 琉球の守護者

奄美大島を後にして、隣の徳之島へと
やってきた一行。マジムンの正体が気になる
首里城は島の長老に話を聞くことにするが……

前半
今帰仁城 はぁい！　せいっ！！ マジムン …………！ 今帰仁城 英雄の拳……受けてみよ！ マジムン …………！？ 安宅船 日本丸 よっしゃ、着岸できたぜ！ 助かった助かった！ 今帰仁城 はいたい！ ようこそ徳之島へ♪ 首里城 なっきー、ありがとう！ まさか、海岸でマジムンたちが待ち構えてるなんて……。 今帰仁城 スイちゃんのためなら、当然だよぉ。 今帰仁城 こくおー様は、はじめましてぇ。 今帰仁城です。 なっきーって呼んでくださいねぇ♪ 殿 …………♪ 黒船 サスケハナ 我々の上陸に対して的確に仕掛けてきた…… 数だけで知性のない化け物と侮っていたが、 まさか、軍隊のような指揮系統があるのか？ 黒船 ミシシッピ 知性があると？ 確かに、たまたま居合わせたようには、 感じられませんでしたが。 黒船 サスケハナ 獣とて、群れを成して狩りをすることもある。 そういう類のものかもしれん。 三重城 なっきー、やーちゃんは一緒じゃなかった……？ 今帰仁城 やーちゃんは今、隣の島にいるさぁ。 何かあったらすぐ笛で教えてくれるって。 今帰仁城 喉をごろごろしたかったにゃー。 やーちゃんって、なんか猫っぽくない？ 三重城 どっちかっていうと、犬っぽい気がするけど……。 柳川城 その、やーちゃんという方も城娘なのですか？ 三重城 やーちゃん……屋良座森城は、みーの友達だよ。 いつも一緒に琉球の海岸線を守っていたんだけど、 今は別々だから心配で…… 三重城 ……ちょっと危なっかしいところがあるから。 首里城 なっきー、実はお願いがあるんだけど…… マジムンたちのことで、何か知ってること、ない？ 今帰仁城 うーん……少なくとも、 顔見知りのご近所さんではないかにゃー？ 首里城 シーサーたちがマジムンに力を貸しているのが気になってて。 あの子たちが何者なのか、スイは知りたいのさー。 今帰仁城 そういうことなら、 島の長老たちに尋ねてみるのが良いさーね。 今帰仁城 ここは琉球が誇る長寿の島。 きっと、生き字引さんたちがいっぱい居るはずさー。 首里城 そうだね……うん、そうしてみよう！ こくおーも、それで大丈夫？ 殿 …………。 首里城 うん……ありがとぉ。 マジムン …………！！ 甘崎城 ぎょえー！ またマジムンが来やがりましたです！ 立花山城 さっきよりも数が多い…… これが本当の上陸戦ってわけね。 鉄甲船 大宮丸 向かってくるならお相手をするまでです。 ここで船を失うわけにはいきません。 安宅船 日本丸 気張って行けよ！ 本島まではまだまだあるんだからな！
合戦中
千狐 岩におっきな穴が開いているの！ 首里城 徳之島の『めがね岩』さー。 『犬の門蓋』っても呼ばれているの。 柳川城 めがね岩からも敵が出てくるようですね。 気を付けて対処しましょう。 やくも マジムンが襲ってこなくなっただに！ 柳川城 徳之島のマジムンは、ほとんど退治したということでしょうか？ 黒船 サスケハナ 島の全戦力をあげて上陸を阻止しに来たというのか。 まるで統率が取れているようには見えないが…… 何かしらの意思をもっているのは確かかもしれないな。
後半
襲撃を警戒して日本丸たち船の城娘に 海岸に残ってもらい、 殿と琉球の城娘一行は島の集落を訪れていた。 徳之島のはーめー ――ありゃあ悪霊ではない。 首里城 マジムンじゃない……？ はーめー（おばあさん）、どういうこと……？ 徳之島のはーめー その逆……古来から琉球を守ってきた、 うやふぁーふじ（ご先祖様）の守護霊たちさぁ。 三重城 守護霊……シーサーたちと同じっていうこと？ 今帰仁城 だとしたら、シーサーちゃんたちが力を貸すのも、 分かるような気がするさーね。 柳川城 待ってください。 守護霊なら、どうして私たちに攻撃を……？ もちろん、琉球を脅かすつもりなどないのですが。 徳之島のはーめー それは分からん……分からんが、 彼奴ら己の役目を見失っておるように思える。 立花山城 守護霊が守るべき里を荒らしたり、 それこそ琉球を守る城娘たちを襲っているわけだものね。 徳之島のはーめー あるいは、わったー（私たち）が何か、 うやふぁーふじの怒りに触れることを してしまったのかもしれんさ。 首里城 うやふぁーふじの怒り……。 徳之島のはーめー わんが知っているのは昔話だけ。 守護霊のことを知りたければ、 与論島へ向かうと良いさーね。 徳之島のはーめー あそこに、仲ようしてるユタがおる。 彼女ならば、守護霊たちの怒りの源を 見つけ出すことができるかもしれんさぁ。 柳川城 ユタというのは、その方の名前でしょうか？ 千狐 ユタは、琉球に根付く霊媒師（シャーマン）ですわ。 琉球の信仰は、先祖の霊を祀るものですから、 神官や僧侶よりも、霊媒師が里の助言者なのです。 徳之島のはーめー 全ては『ゆいまーる』によるものさぁ。 里や島そのものがひとつの家族。 徳之島のはーめー だから、それぞれの家の祖先も、子孫も、 わったーの祖先であり、子孫なのさぁ。 今帰仁城 みんなで敬い、みんなで育てるんですよぉ。 そして子々孫々に『ゆい（結）』が『まーる（回る）』。 これが琉球の流儀さーね。 柳川城 琉球の城娘さんたちが、 どこか分かりあっているように感じるのは、 そのためなのですね。 ――ズドォン！！ 千狐 きゃっ！？ 今のって爆発音……？ 立花山城 遠くから聞こえてきたようだけど……。 甘崎城 殿さまぁああああ！！ 一大事ですぅううう！！ 殿 …………！？ 甘崎城 隣の島から、すっごいモクモク煙が！！ 潮に交じって戦の香りがします！ 首里城 隣って……沖永良部島？ 三重城 だったらやーちゃんがいるはず……大丈夫かな。 今帰仁城 みんな、行ってあげてください！ こくおー様たちのおかげで、 徳之島は落ち着いたみたいだし……。 今帰仁城 はーめーたちには、 わたしがついてるから大丈夫！ 殿 …………！ 柳川城 はい！ 行きましょう……沖永良部島へ！ 安宅船 日本丸 な、なんだぁ、今の爆発音は！？ 鉄甲船 大宮丸 爆発っていうより、 あれは大砲の音ですねぇ。 黒船 ミシシッピ 大砲……まさか軍艦！？ 黒船 サスケハナ 馬鹿な……！ 既に遅かったというのか！？ 黒船 ミシシッピ そうと決まったわけじゃありませんわ。 きっとすぐに船長さんたちが戻ってくる。 わたくしたちは出航の準備を。 鉄甲船 大宮丸 もしかして艦隊戦ですか？ この装甲板が役に立つ時が来たんでしょうかぁ。 安宅船 日本丸 乗りかかったどころか、もう乗り込んだ船だ！ ここまで来たら、なんだってやってやるぜ！

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