ストーリーテキスト/2-2_悪霊と鬼狐

2-2 悪霊と鬼狐

琉球を襲う謎の魔物『マジムン』の脅威に
立ち向かう殿たち。その行く手に
巨大な狐の化け物（？）が現れる。

前半
安宅船 日本丸 で、そのマジムンってやつはどっから湧いて出たんだ？ 首里城 それが、良く分からないのよぉ。 いつの間にか琉球に現れては、 人里の家や畑を襲っていて。 柳川城 人々に被害は？ 玉城城 逃げる時に怪我をした人はいるけれど、 人が襲われたって話は聞いたことがないわ～。 甘崎城 つまり、略奪が目的の賊なのですね！？ 三重城 略奪……は、ちょっと違うかも。 マジムンは何も奪わない。 癇癪を起したように、目の前のものを壊すだけ。 立花山城 でも、私たちは襲われたようだけど？ 玉城城 ここ最近、そうなのよ～。 私たちのことは見つけるたびに襲い襲ってくるようになって。 マジムンたちも、あんまーを求めてるの～？ 三重城 だったら、玉城城ちゃんが襲われてそれで終わりさー。 マジムンたちは、明確にみーたちに敵意があった。 首里城 スイが琉球を離れてる間に……。 みんな……わっさいびーん。 でも、どうしてそんなことに？ 玉城城 それを知る鍵が、この奄美大島にあるかもしれないの～。 玉城城 なんでも、ここにはマジムンの親玉がいるかもしれないって話が。 鉄甲船 大宮丸 それはまた、どえらいことですねぇ。 親玉ってことは、どんなに恐ろしい姿をしているのでしょう？ 玉城城 島の人たちの話だと、 巨大な尻尾を振り回す、 狐の魔物だって噂よ～。 甘崎城 （じーーーー） 安宅船 日本丸 （じーーーー） 殿 （じーーーー） 千狐 ……どうしてみんな、千狐のことを見るの？ 千狐 千狐じゃ無いの！ どうせ九尾とかに決まってるの！ マジムン …………！？ 安宅船 日本丸 こらっ、大声出すからマジムンに見つかったじゃねぇか！ 千狐 あう、ごめんなの……！ 黒船 サスケハナ どちらにしろ、奴らを倒すことに変わりがないのなら、 自ら出てきてくれただけ、手が省けるというものだ。 柳川城 殿、迎え撃ちま―― ？？？ ちぇすとぉぉぉぉおおおおお！！！ すどぉぉぉん！！ 黒船 ミシシッピ きゃあっ！？ 何なんですの！？ 柳川城 土煙の向こうに……あれは、狐……？ ？？？ けほっ……流石に巻き上げすぎた。 ないも見ぃがならん……。 ？？？ だが、魔物相手なら根絶やしだ。 動いちょっとは全て討つのみ……！ 柳川城 狐のような影が迫ってきます！ 振り回してるのは、大きな……尻尾？ ではないような……。 玉城城 あれがマジムンの親玉なの～？ なんだかイメージと違うような……。 立花山城 とにかく応戦するわよ！ あっちは見境なしだわ！ ？？？ さあ、こん『鬼島津』を恐れん者から掛かってこい！ ちぇすとぉぉぉぉおおおおお！！！
合戦中
島津義弘 ちぇすとぉぉぉぉおおおおお！！！ 柳川城 マジムンも、巨大な狐さんも、 どっちも攻撃を仕掛けてきます！ 千狐 シーサーの力を借りながら、頑張って撃退するの！ 島津義弘 はははっ、強かね。これだけん者がおったとは。 もう少しだけ、本気ば出してよかと？ 柳川城 ま、待ってください！ 見たところ、お互いにマジムンじゃないですよね……？ 島津義弘 うん……？ もしかして、敵じゃなかとか？ 立花山城 なんだか、ややこしいやつが増えたみたいね……。
後半
鹿児島城 そこまで～！ ですわ～。 殿 …………！？ 佐土原城 やっと追いついたんだよ～。 鬼が先に行く鬼ごっこってどういうこと～？ 島津義弘 やっと来たんか。 もう終わってしもたところじゃ。 柳川城 鹿児島城さんたち！ と……お知り合いなんですか、この方は？ 岩剣城 うう……主に単騎駆けさせてしまうなんて。 私、やっぱりお山に引きこもってます……。 内城 岩剣城さん、そう言わずに。 こうして追いつくことができたのですから、 ここから巻き返しましょう。 岩剣城 は、はい……そうですね。 頑張ります……！ 千狐 城娘さんがぞろぞろ……！ 鹿児島城 お久しぶりですわ～、殿どん。 千狐ちゃんたちも～。 立花山城 ええと……これは、どういう集まりなのか説明してくれるかしら？ 鹿児島城 はい～。 ええと、こちらは島津義弘さんで～。 私たち薩摩の城娘のお頭みたいな方ですわ～。 柳川城 もしかして、兜娘さんですか？ 島津義弘 兜娘が何かは知らんが、儂ん中に宿る力が、 豪胆な『もののふ』であっことは分かる。 島津義弘 じゃっで、あえて名乗らせてもらう。 島津貴久が次男、第17代当主、 島津義弘とは儂んこっだ！ 殿 …………！ 島津義弘 なっほど。あんたが殿か。 話はよう聞いちょっと。 儂と戦場で渡り合うなら、聞いた通りんお人だ。 柳川城 それで、その薩摩の方々がどうして奄美大島に？ 鹿児島城 実はですね～、ちょっと困ったことが起こりまして。 薩摩の民の避難先を探していたのですわ～。 佐土原城 あのね！　桜島がね！　どっかーん！　しちゃってね！ あっ、桜島は時々どっかーんするんだけど、 今回のどっかーんは、いつもよりもすっごいどっかーんでね！ 内城 要領を得なくて申し訳ございません……。 要するに、桜島が噴火して、 薩摩の地は今、分厚い灰に覆われてしまっているのです。 鹿児島城 片づけるまで住むところも食べ物もないですし、 被害の少ないところにぎゅうぎゅうに集まっていて、 そろそろ限界だったのですわ～。 岩剣城 そこに主が現れたんです。 『万事、儂に任せ！』って。 その……カッコよかったです。 島津義弘 それで、こん城娘たちを連れて、 海の向こうの王国に、 助けを求めに来たちゅうわけだ。 島津義弘 ところが、島についたらいきなり、 さっきん魔物が襲うて来た。 船を壊され、共に来た民にも怪我人が出た。 島津義弘 民ん安全のためにも、 儂らは魔物退治をしちょったわけだ。 千狐 ということは、 巨大な尻尾を振り回す狐の化け物って……。 安宅船 日本丸 マジムン退治をしていた、こいつってことかよ！？ 首里城 みんな、大変だったねぇ。 琉球を頼ってくれたなら、 すぐに助けになりたいところだけど……。 島津義弘 魔物が悪さをしちょって動けんのじゃろう？ やったら目的は儂らと同じ。 事を済ませてから、ぜひ力を貸してほしか。 島津義弘 薩摩ん船を攻撃して、薩摩ん民を傷つけた。 これは薩摩への宣戦布告ぞ！ 儂らは真向から立ち向かう！ 鹿児島城 ということですわ～。 黒船 サスケハナ ……日の本の将は、 みなこうして血気盛んなのか？ 鉄甲船 大宮丸 うふふ、どうでしょうねぇ。 柳川城 マジムン退治という目的は一緒ということですね。 これは心強い味方ですね、殿♪ 殿 …………？ 玉城城 そうね。薩摩の人たちのおかげか、 この島のマジムンはだいぶ片付いたみたい～。 玉城城 でも、まだまだ被害の出ている島はいっぱいあるのよ～。 千狐 ひとつひとつ、退治していくしかないってことですね。 それこそ、親玉みたいなのが見つかれば……。 三重城 この近くなら、次は徳之島かな？ 比較的大きな島だから、 マジムンが集まっていると思う……。 安宅船 日本丸 よっしゃぁ！　決まりだな！ 黒船 ミシシッピ 海の上でのことは、 わたくしたちに任せてほしいですわ。

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