ストーリーテキスト/2-1_琉球の魔物

2-1 琉球の魔物

黒船の城娘たちと協力関係となった殿は、
琉球の島々を目指す。たどり着いた
奄美大島では、謎の魔物が暴れていた。

前半
安宅船 日本丸 おっ……島が見えてきたぞ！ なかなかのでかさだ！ 柳川城 もしかして、遠くに見えるあの小さいのですか？ よく見つけられましたね。 安宅船 日本丸 海の上じゃ頼れるのは、同じ船の仲間と、この身体ひとつだ。 これくらいのことなら朝飯前よ！ 安宅船 日本丸 よーし、チビども。 せっかくだからこの日本丸大先生が、 風や波や星の読み方を教えてやろう。 千狐 サスケハナさん！ その長い筒、千狐も覗いてみたいの！ 甘崎城 待ってください！ 私が先なのですよ！ 黒船 サスケハナ 長い筒ではなく、望遠鏡と言ってだな……。 貸すのは構わないが、少しだけ待ってくれ。 安宅船 日本丸 なんだよ、んなもんに頼らなくったって一流の船乗りならよ……。 立花山城 スネてないで、舵取りは任せたわよ。 暗礁に乗り上げたりしないで欲しいわ。 鉄甲船 大宮丸 大丈夫。任せておいてね。 サスケハナさん、何か気になるものが見えますか？ 黒船 サスケハナ ふむ……どうやら、人の住む島のようだな。 海沿いに集落のようなものが見える。 柳川城 あの島が琉球ですか？ 首里城 そうだよぉ。でも、本島じゃなくって奄美大島っていうの。 琉球は、日の本をもっと小さく『ぎゅっ！』ってした感じの、 たくさんの島の集まりなのさー。 黒船 ミシシッピ まるで濁りのない、どこまでも澄んだ美しい海ね。 三重城 奄美大島の海は、サンゴ礁の海。 ……潜っても、とっても綺麗だよ。 殿 …………。 黒船 サスケハナ ……提督のことか？ 確かに、お前には話しておかなければならないな。 黒船 サスケハナ しかし、私たちもその心中のすべてを悟っているわけではない。 せいぜい、日の本に来た目的を知っている程度だ。 立花山城 殿を探しに来たってやつかしら？ 黒船 ミシシッピ それは私たちの目的であって、 提督は、この島国そのものに興味を持っているようですわ。 黒船 サスケハナ 今回、日の本周辺の海域にやって来たのは、 単なる調査……のはずだったのだが。 直に接触を持つ羽目になるとはな。 黒船 ミシシッピ 提督は、武力による支配を、それほど重視していません。 得意とするのは、契約やその見返りを逆手に取ったパワーゲーム。 黒船 ミシシッピ そのため、日の本にも穏便な姿勢で切り込むものと、 考えていたのですが……。 黒船 サスケハナ ミシシッピが切り捨てられたとなると、 決して良い状況ではないらしい。 柳川城 では琉球が大変というのも、提督の軍勢が？ 首里城 それは―― 安宅船 日本丸 おーい、そろそろ上陸の準備だ！ 海の上じゃ、みんなでひとつの生き物だからな！ ぼーっとしてないで、キリキリ働け！ 立花山城 ……ということみたいね。 首里城 近くの村に、友達が待ってるはずだから。 詳しい話はそこでねー。 玉城城 やっほ～、首里城ちゃ～ん！ 三重城ちゃ～ん！ 首里城 たまちゃん！　きたよぉ！ 玉城城 あなたが国王クン？ めんそ～れ、玉城城だよ～。 気軽に『あんまー』って呼んででね。 柳川城 『あんまー』って、玉城城さんの雅称か何かですか？ 玉城城 琉球の言葉で、『お母さん』っていうんだよ。 私は、みんなのあんまーだから♪ 玉城城 そうそう、首里城ちゃんがいない間の、 琉球の話なんだけど～。 首里城 ちょうど国王たちに説明してほしいって、 スイも思ってたとこさー。 三重城 みんな船旅で疲れているし、 どこかでさんぴん茶でも飲みながら―― わぁぁぁあああああ！！ 柳川城 村の方から悲鳴が！？ 立花山城 提督とやらの兜がもうお出ましってわけ？ 謎の魔物 …………！ 千狐 何あれ！？ 妖……怪？ 玉城城 あれは妖怪ではなく悪霊よ。 安宅船 日本丸 悪霊！？ って……オバケってことか？ 玉城城 私たちがそう呼んでるだけだから、 実は良く分からないんだけど……。 謎の魔物 …………！？ 柳川城 こっちに気づいて向かってきます！ 黒船 サスケハナ とてもじゃないが、歓迎されているようには見えないな。 殿 …………！ 首里城 （琉球のみんな……スイは戻って来たよー！）
合戦中
千狐 わぁ！　おっきな狛犬がいるの！ 玉城城 あれは、狛犬じゃなくてシーサーだよ～。 琉球の守り神で……まあ、狛犬と似てはいるのかな～？ 首里城 いつもはスイたちを助けてくれるんだけど……何か変だよぉ。 シーサーたち、悪霊にも反応してる……？ 三重城 シーサーの近くに悪霊が集まると、乗っ取られちゃうみたい。 みーたちを攻撃してくるから、気を付けて……。 首里城 城娘が近くにいれば、きっとシーサーも大丈夫。 琉球の守り神のこと一緒に助けてあげて！ 首里城 国王、ありがとう。 いきなりなのに、村を守ってくれて。 柳川城 妖怪とも違う悪霊……彼らは一体、何者なんでしょうか？
後半
玉城城 ありがとう、あんまー助かっちゃった～。 それに、説明の手間も省けちゃったさ。 柳川城 じゃあ、琉球が大変っていうのは……。 首里城 そう。琉球は今、悪霊たちが暴れまわる、 百鬼夜行状態なのよー。 首里城 でも、スイが琉球を発った時には、 悪霊と同じくらい謎の兜軍団も見た気がしたよ？ 玉城城 琉球じゃあもう、兜の姿は見かけないわね。 代わりに悪霊が、日に日に数を増やしているみたい～。 殿 …………？ 三重城 悪霊っていうのは、彼らを見かけた町や村の人々が、 そう呼んでいたのが、いつの間にか広まったの。 三重城 だから『悪霊（マジムン）』―― みーたちも、あの魔物のことをそう呼んでる。 柳川城 マジムン……それが、琉球の危機の正体ですか。 首里城 国王、琉球の民を助けるために、力を貸してくれる？ 殿 …………！ 首里城 にふぇーでーびる！ 全部終わったら、お礼に宮殿で、 たっくさん美味しいもの御馳走するから♪ 黒船 サスケハナ ……ミシシッピ。 黒船 ミシシッピ いえ……分かりませんわ。 少なくとも兜が居ないのであれば、 提督の手によるものとは……。 黒船 サスケハナ 調査が必要か……結局、 我々にできるのはそれしかないのだな。 黒船 ミシシッピ そうは言っても脱走兵の身だから、 あまり大っぴらには動けないでしょうけれど。 立花山城 （このふたり、手放しで信用するわけにはいかないわよね） 立花山城 （せめて、私だけでも目を光らせておくわ）

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