ストーリーテキスト/1-6_黒き企み

1-6 黒き企み

離島を巡る殿たちはその最中、力を強めつつ
ある兜たちの企みの一端を垣間見る。それは
何者かの思惑によるものなのか、あるいは――

前半
安宅船 日本丸 ……よし、次の島に到着したぞ。 早速、兜探しを始めようぜ。 千狐 ……コン。 やっぱり転移術は使えないまま、なのぉ……。 柳川城 おかしいですね……。 今までは何の問題も無かったのに、 突然使えなくなってしまうなんて……。 立花山城 ……他の力に影響はないの？ 兜の霊気を感知する力とか……。 千狐 コン……少々お待ち下さい！　試してみるの！ 千狐 むぅ……むむむ……！ 柳川城 ……如何ですか、千狐さん？ 兜の気配を感じますか？ 千狐 …………。 千狐 ……はい。 やはりここにも、兜の手が及んでいるようなの……。 甘崎城 ぃよーし！ それならこの島も、さくっと片付けるです！ ものども、わたしの後についてくるですよー！ 黒船の城娘 …………。 立花山城 やけに大人しいけど……お疲れかしら、黒船さん？ 立花山城 それとも、貴方の企みは順調に進んでいる……ということかしら。 黒船の城娘 ……企み？　心当たりが無いな。 黒船の城娘 現状、兜の掃討は順調に進んでいる。 貴様らの働きに不足が無ければ、 私が口を挟む必要もない……それだけのことだ。 立花山城 そう……それなら、 そういうことにしておきましょう。 ―――― 殿 …………。 三重城 （じーー） 殿 …………。 三重城 （じぃーーーーー） 殿 …………。 殿 …………？ 首里城 み、みーちゃん？ そんなにじーっと見つめたら、 国王が落ち着かないさー……。 三重城 ぁ……ごめんなさい。 つい気になっちゃって……。 殿 …………？ 三重城 ……国王の話は、色んな子から聞いてたんだ。 三重城 強い、かっこいい、優しい……可愛い……。 褒めてることに変わりはないけど、 城娘によって全然違うことを言ってた。 三重城 だから、みーも……ずっと気になってたの。 国王がどんな人なのかなーって。 三重城 みーも国王のこと……知りたいな。 それから、もっと仲良くなれたら……嬉しい。 殿 …………。 千狐 ――コンッ！　殿、お気をつけください！ 兜の霊気が近づいています！ こちらに向かってきているようです……！ 殿 …………！ 三重城 お喋りの続きはまた後で……だね。 大丈夫だよ……国王の無事は、みーが約束する。
合戦中
首里城 ……見て、あの場所。 大地が赤々と、燃えるような色を……。 千狐 あの一点から強い力が発せられているのを感じます。 兜にも、何らかの影響を与えるかもしれません……！ 三重城 敵が侵攻する経路から、 目をはなさないようにしなきゃ。 国王も気をつけてね……！ 安宅船 日本丸 よし……うまく乗り切れたみたいだな。 早いとこ次の島に向かって―― 黒船の城娘 馬鹿め……白い歯を見せるのが早過ぎる。 あそこに取り逃しが居るのが見えないのか？ 早く手を打たないと、手遅れになるぞ？ 殿 …………！？
後半
三重城 ふー……一安心。 この島もこれで平和に―― 突撃式トッパイ形兜 ――ク……城娘ドモ……！ セメテ一人デモ、道連レニ……！ 殿 …………！ 首里城 ――あぁっ！？　危ない、みーちゃん！ 突撃式トッパイ形兜 喰ラエェェエエエエエッ！！ 殿 …………！！ 三重城 きゃっ――国王っ！？ 安宅船 日本丸 おおっ！？ お頭が割って入ったお陰で、 上手く回避できたみたいだぜ！ 甘崎城 ぐっじょぶです、殿さま！ 突撃式トッパイ形兜 ――ク、避ケラレタカッ！ 突撃式トッパイ形兜 コレ以上ハモタナイ……撤退ダッ！ 提督ノ本隊ト合流シナケレバ！ 兜軍団 御意ッ！　御意ッ！　御意ッ！ 立花山城 ていとく……今、提督って言ったわよね……？ 柳川城 はい……確かにそう聞こえましたが……！ 黒船の城娘 …………。 黒船の城娘 （無能め、余計なことを……） 黒船の城娘 ――はあぁぁっ！！ ――ドン、ドン！！ドォンッ！！ 殿 …………！ 突撃式トッパイ形兜 ――グゥッ！？　ゥグゥアァァアアアアア！？ 首里城 黒船ちゃんの砲弾が兜を捉えたよっ！ 柳川城 今の砲撃……なんという威力でしょう……。 安宅船 日本丸 ――兜のとこへ行ってみようぜ！ また逃走を試みるかもしれねぇ！ ―――― 突撃式トッパイ形兜 グ、ゥ……ガ、ァア……。 突撃式トッパイ形兜 マサカ……スデニ殿ガ、 我々ノ動キヲ察知シテイタトハナ……。 突撃式トッパイ形兜 シ、シカシ……我ガ軍ハスデニ、 他ノ島々ニモ侵攻ヲ開始シテイル……。 突撃式トッパイ形兜 ソレラヲ足ガカリニ琉球ヘ……ソシテ本州ヘ。 貴様ラガ勝利ノ余韻ニ浸ッテイルウチニ、着々ト……！ 殿 …………！ 突撃式トッパイ形兜 計画ハ……スデニ動キ出シテイル。 今、ニ……思イ知ルハズ……提督ノ、恐ロシサヲ―― 突撃式トッパイ形兜 フ、フフフ……フフフフ……。 突撃式トッパイ形兜 ――…………。 突撃式トッパイ形兜 ……………………。 立花山城 合点がいったわ……そういうことだったのね。 千狐 立花山城さん……何か分かったのですか？ 立花山城 おかしいとは思っていたのよ。 日の本周辺の島々への同時侵攻……、 それも、琉球王国と同時にだなんて。 柳川城 確かに、雑兵兜の動きとしては、 あまりに統率がとれすぎていました……。 安宅船 日本丸 ……『提督』ね。そいつが裏で糸を引いていたわけか。 甘崎城 な、なるほどですねぇ……。 首里城 あ、甘崎城ちゃん……ほんとに分かってる？ 甘崎城 まぁ……おーむね理解はしたですよ……？ 殿 …………！ 安宅船 日本丸 ……だな。 その提督って奴の足取りを掴むことも、 今回の旅の目的に加わったわけだ。 三重城 ……とにかく、 まずは海に出て次の島へ向かわなきゃだね。 立花山城 兜の気配を追って……遭遇し次第、討伐。 それを繰り返しながら琉球へと向かう……ということね。 殿 …………！ 柳川城 ……黒船さんも、それでよろしいですか？ 黒船の城娘 ……ん？　ああ、異存は無い。 黒船の城娘 ……問題があればこちらから意見する。 それまでは好きにするがいい。 黒船の城娘 （と言っても……気づく頃には、 　手遅れになっているかもしれないがな……） ？？？ クク……クククク……。 ――小笠原諸島が一つ、とある島。 ここに、今……。 雌伏の時が終わりを告げることを、 待ちかねている者が居た……。 ？？？ 開国、開国……開国開国開国。 ？？？ 極東に座スル、美シキ島国……日の本。 この国を固キ鎖から解き放ツのは……誰ナノカ。 ？？？ ……邂逅の時は近ヅイテいる。 もう間もなく、我が配下ガ彼奴らヲこの島へ連レテくる。 ？？？ さすレバこの武力で、殿たちヲ……。 クク、クククク……♪

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