ストーリーテキスト/1-5_暗雲を散らすべく

1-5 暗雲を散らすべく

殿たちの前に現れた琉球王国の城娘・三重城。
新たな仲間を加えた一行は、再び船に乗り込み、
兜の気配を追って次の島へと出航する。

前半
三重城 ……初めまして、国王。 三重城 みーの名前は三重城。 ……首里城ちゃんのお友達だよ。 三重城 （ぺこり） 殿 …………！ 安宅船 日本丸 首里城の友達……ってことは、あんたも琉球の城娘なのか？ 三重城 …………！ 三重城 …………。 三重城 ……うん。 安宅船 日本丸 あれ……なんか凄い距離を感じるんだが、 あたし、何か悪いことしちまったか……？ 首里城 あはは……気にしないで。 みーちゃんは感情が表に出づらい子なんだ。 首里城 お喋りを嫌がってるわけじゃないから、 気にしないでいいさー。 三重城 …………。（ぺこり） 安宅船 日本丸 そ、そうか……なら良いけどよ……。 黒船の城娘 ……おい、貴様ら。 黒船の城娘 立ち話を楽しんでいるようだが、 悠長に構えていて良いのか？ まだ全ての脅威が払われたわけではあるまい。 殿 …………！ 安宅船 日本丸 そうだったぜ！ 日の本周辺の島々や琉球を巡って、 兜どもをギッタギタにのしてやらねーと！ 安宅船 日本丸 あんたもそのためにこの島に上陸したんだよな、三重城？ 三重城 うん……そーだよ。 海と島を荒らす悪い子たちを、懲らしめにきたの。 安宅船 日本丸 それなら話は早い、あたしの船と一緒に来な！ 次の島へ連れてってやるよ♪ 三重城 『あたしの船』……？ 三重城 あー……なるほど。 ということは……あなたが日本丸ちゃん？ 安宅船 日本丸 お？　なんだ、あたしのこと知ってんのか？ 三重城 うん……噂はかねがね。 みーの友達にも、軍船の城娘がいるんだよ。 安宅船 日本丸 ――軍船の城娘だとっ！？ 安宅船 日本丸 あたしを知ってるってことは、九鬼水軍の奴か？ あいつが来てくれるなら、海上の守りは盤石なんだが―― 三重城 ――今はお喋りよりも、次の島。 早く出航の準備をしようよ。 三重城 さっきから、そっちの黒い子がジト～って睨みつけてるさー。 黒船の城娘 …………。 安宅船 日本丸 そ、そうだったな！　すぐに出立しようぜ、次の島へっ！
合戦中
安宅船 日本丸 ……到着早々、兜のお出ましとはな。 話が早くて助かるぜ。 三重城 待って……なんだか雲行きが怪しい。 てぃーだを覆うように、雨雲が近づいてきてる。 強い雨が降り出すかもしれないよ……。 首里城 それだけじゃないさー。 敵の陣に、見覚えのない兜が居るよ。 ビリビリ～って言ってて気味が悪いねー……。 安宅船 日本丸 ありゃ……電気鯰だろ。 外敵を電気でやっつけちまう、恐ろしい奴だ……。 おまけに奴自身は電気を食らっても梨の礫ときたもんだ。 立花山城 土砂降りに電気鯰……一筋縄ではいかなさそうね。 充分に注意を払った上で応じましょう、殿。 三重城 ――くしゅんっ。 兜は倒せたけど、ずぶ濡れになっちゃった。。 三重城 みーの手ぬぐい、みんなに貸してあげる。 国王も、みんなも……はい。遠慮せずに使って。 殿 …………！
後半
甘崎城 はひぃ、はひぃ……。 甘崎城 て、手強い奴らでしたが、 わたしの敵ではなかったですね……。 安宅船 日本丸 そ、その割には随分息が上がってるな……。 立花山城 …………。 殿 …………？ 柳川城 どうしたのですか、立花山城さん？ 何か考え事ですか？ 立花山城 ……違和感があるのよね。 立花山城 兜の主は片付いて、残る者は残党だけ。 その残党も無秩序な攻撃を繰り返すのみで、 城娘の脅威にはなり得ない……そうよね？ 柳川城 ……その通りです。 事実、日の本では大きな騒動も無く、 城娘たちによる統治が行き届いていますから……。 柳川城 黒船さんは『過去の情報』とは言っていましたが……。 安宅船 日本丸 ……そこに何か、疑問でもあるのか？ 立花山城 確たる証拠は無いの。 ただ、嫌な想像が脳裏をよぎってね……。 黒船の城娘 …………。 黒船の城娘 （……ほう） 三重城 …………。 三重城 ……あ。 三重城 （とててててて……） 首里城 あ、どうしたのみーちゃん？ あんまり離れちゃだめだよー？ 三重城 見て……この欠片。 すっごく強い力を発してるさー……。 殿 …………！ 柳川城 ……それは！ 足利義昭を討った後に拾った珠の欠片……！ 千狐 江戸城さんから受け取ったものとも、酷似しています……！ 甘崎城 これが兜たちに力を与えてた……ってことです？ 安宅船 日本丸 だろうな……。 兜の主が抱えていたもんなら、 そんなことになってても不思議はねぇ。 首里城 兜が力を強めているのも、その影響なのかなー……？ 千狐 分かりません……とにかく、次の島へ向かいましょう。 そこでまた、新たな手がかりが見つかるかもしれません。

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