ストーリーテキスト/静けき夜に瞬いて

ページ名:ストーリーテキスト/静けき夜に瞬いて

目次

静けき夜に瞬いて[]

静けき夜に瞬いて -序-

冬が深まり、年の瀬も近づいた頃。
聖なる夜を祝して宴を開催する、と報せを受けて
殿一行は一路、越後国へと向かった……。

前半

――冬が深まり、年の瀬も近づいた頃。

殿一行はある城娘の招待に応じ、
越後国へと向かっていた――

柳川城
――くしゅんっ。

柳川城
うぅ……寒いですね。
もう少し、着込んできた方が良かったでしょうか……。

やくも
うちは全然へっちゃらがや!
もう一、二枚脱いでも構わんくらいだに♪

千狐
やくもがそれ以上脱いだら、殆どすっぽんぽんじゃない……。

殿
…………。

殿
…………?

千狐
あ、はい。こちらで間違いないはずです。
招待状が帯びていた気を辿ってきましたから――

坂戸城
――おお、もう到着したのか。早かったな。

千狐
坂戸城さん!
お出迎えに来てくださったのですか?

坂戸城
ああ、聞き馴染みのある声が聞こえてきたのでな。

坂戸城
よく来てくれたな、長旅ご苦労だった。
私の招待に応えてくれたこと、感謝する。

やくも
なんのなんの! ご苦労なんてことはないがや!
転移術でスイーッと楽ちんだに♪

千狐
コンッ! そういうのは、
術を行使してる千狐にだけ許される台詞なの!
転移術で消費する力だって馬鹿にならないのよ?

千狐
苦労じゃないって言うなら、
帰り道は自分の足で帰ってくれてもいいのよ?

やくも
ご、ごめんなさいだに……堪忍してほしいだにぃ~……!

坂戸城
(清々しいほどの手のひら返し……)

???
ふふ……やくもさんと千狐さんは、相変わらずですね。

殿
…………?

殿
…………!

レーヴェンブルク城
お久しぶりです、王様。
……そして柳川城さん、千狐さん、やくもさん♪

レーヴェンブルク城
この聖夜という特別な日を、
皆様と共に過ごせるなんて……夢のようですわ。

柳川城
貴方は……レーヴェンブルク城さん!

やくも
他にも招待客が居る……って手紙に書いとったけど、
レーヴェンブルク城のことやったんやね。

殿
…………!

柳川城
それから、そちらの方は――?

冬宮殿
……ズドラーストヴィチェ。わたくしは冬宮殿と申します。
猫と美術品をこよなく愛する、ロシアの城娘ですわ♪

冬宮殿
わたくしのかつての城主・エカテリーナ2世は、
ドイツ出身の方でして……レーヴェンブルク城さんとはその縁で、
以前から仲良くさせていただいていましたの。

レーヴェンブルク城
そうなのですわ。
一緒に紅茶を飲んだり……読書に耽ったりね。

レーヴェンブルク城
そこにちょうど、先日の騒動をきっかけに仲良くなった、
石垣山城さんからご招待をいただきまして。
冬宮殿さんをお誘いして、日の本巡りの旅行にきましたの。

冬宮殿
わたくし、二つ返事で了承しましたわ。
ペテルゴフ宮殿から、日の本や陛下のお話は以前から耳にしておりまして……。
一度、お会いしてみたいと思っていましたから。

殿
…………!

レーヴェンブルク城
しばらくは、石垣山城さんの御城に滞在していたのですが、
坂戸城さんの御城で行われるパーティーの話を耳にしまして。

レーヴェンブルク城
石垣山城さんは、諸用で故郷を離れることができなかったのですが、
その代わりに……とわたくしたちが、
参加させていただくことになったのです。

坂戸城
私も、石垣山城とは知己の仲だったのでな。
異国の城娘と仲を深める、貴重な機会だと思ったのだ。

レーヴェンブルク城
ええ……飾り付けに、料理の用意に……。
準備は大変でしたけど、この数日ですっかり仲良しになりましたわ。

冬宮殿
陛下を出迎えるために、皆で力を合わせましたの。
きっと、楽しんでいただけることと思いますわ。

殿
…………!

千狐
確かに……とっても素敵なの。この会場の飾り付け……。

やくも
だに! 随分手がこんどるがや!

柳川城
ええ……皆さんの努力が垣間見えますね。

坂戸城
うむ……。
レーヴェンブルク城と冬宮殿の二人には、
感謝しなければならんな。

坂戸城
こうした祝祭は、
私のような堅物にとって不慣れなものだったのでな。
二人の協力は、非常に心強かった。

坂戸城
と、すまぬ……つい長話になってしまった。

坂戸城
少々早いが、宴を始めることにしようか。
どの道、夜更けまで話すことになるのだからな。

冬宮殿
しかし、坂戸城さん……まだあの方が到着していませんが……。

坂戸城
む……そうだったな。

坂戸城
しかし、期待するだけ無駄だろう……。
参加する旨の返事も、結局届かなかったからな。
おそらく奴は、私の誘いなど――

パン……パァン、パァン!

殿
…………!

柳川城
今のは……発砲音? 鉄砲の……?

兜軍団
ギャアアアアアァァァァァ!?

???
待ちなさーい!!

やくも
……えらい速度で突っ走る、兜さん。それから――

霞城
さぁ、観念しなさい!
宴の邪魔だけは、絶対に許しませんよ!

やくも
あの耳と尻尾は……千狐!?

千狐
違うの、千狐ならここに居るのー! まさかやくも、
千狐のことを耳と尻尾だけで判断してるわけじゃないわよね!?

坂戸城
…………。

坂戸城
(来たのか……霞城)

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
はい、私たちも加勢いたしましょう!
兜たちに、此地を荒らされてしまう前に……!

後半

霞城
はああぁぁぁっ!!

千狐
すごいです……兜の軍勢が、一気に……!

霞城
……ふぅ。

霞城
これで……辺りの兜は一掃されましたか。

殿
…………。

霞城
申し訳ありません、ご挨拶が遅れました。
……お初にお目にかかります、お殿様。
出羽国、最上家の主城……霞城と申します。

霞城
姉の山形城から、お噂はかねがね。
お会いできて光栄です♪

殿
…………!

柳川城
なるほど、山形城さんの妹さんでしたか……。

霞城
本当なら……土産の鮭を肴に、
一杯酌み交わしたいところなのですが……まだ、気は抜けません。

冬宮殿
そうですわね……あれだけの兜が居たのですもの。
まだ、どこかに潜んでいる可能性は考えられますわ。

レーヴェンブルク城
それでは、皆で会場の周囲を見回ることにいたしましょう。

やくも
兜さんめ……うちの料理や、
くりすますけーきに手は出させんだに!

霞城
…………。

霞城
あなたも力を貸してくれますね……坂戸城?

坂戸城
…………。

坂戸城
ああ……分かった。協力しよう。

静けき夜に瞬いて -破-

聖夜の宴を守るべく、兜の影を追って周辺を
捜索する一行。だがそんな中、
剣呑な雰囲気を漂わせる城娘が、二人……。

前半

やくも
兜さん……兜さんは~、どこだに~……?

冬宮殿
……先程倒した者たちで、全てだったのかしら。

レーヴェンブルク城
もうしばらく探してみましょう。
尻尾が掴めるかもしれませんわ。

レーヴェンブルク城
王様たちや霞城さんには……長旅で疲れたところに、
ご苦労を強いてしまいますが……。

霞城
ご苦労だなんて、とんでもないです。
越後国とはお隣ですし、大した距離ではありませんもの。

霞城
とはいえ……坂戸城の不用心さには、
一言申し上げたい気持ちはありますけど。

坂戸城
む、不用心だと……?

霞城
小高い山の頂という恵まれた立地にありながら、
兜の接近を許すなんて……言語道断。

霞城
まったく……あなたには、
我が城の守りの堅さを見習ってほしいものです。

坂戸城
……言ってくれるな、霞城。

坂戸城
しかし、幾ら守りが堅くとも……、
身内の結束に難があっては、元も子もないだろう。
お前のそれは、不用心と言わないのか?

霞城
なっ……あなたがそれを言いますかっ!?
謙信公亡き後の世で、上杉家の結束が盤石だったとでも?

坂戸城
私は違う……意見の相違を武でもって治めたまでのこと。
改易されるまで争い続けた最上家とは訳が違う!

霞城
また言いましたね……。
それ以上私の主を貶めたら、
この鉄砲が火を吹きますよ!

坂戸城
いい度胸だ……引き金を引く前に、叩き斬ってやる。

殿
…………。

柳川城
こ、これは……?

千狐
き、急に口喧嘩が始まってしまったの……。

冬宮殿
やっぱり、こうなってしまいましたわね……。

レーヴェンブルク城
聞けば、霞城さんのかつての城主・最上義光様は、
坂戸城さんの主として活躍した上杉景勝様とは、宿敵の間柄。

レーヴェンブルク城
事あるごとに言い争いをして……、
とは、事前に聞いていたのですが。

やくも
……それなら坂戸城は、
どうして今回の宴に霞城を呼んだりなんかしたんだに?

レーヴェンブルク城
それは――

坂戸城
相変わらず、譲らないな……。

霞城
それはこっちの台詞です……!

坂戸城
…………。

坂戸城
(これも私の帯びる業というものか。難儀なものだ……)

坂戸城
これ以上は平行線だな……。
しばらく、頭を冷やしてこよう。

霞城
待ちなさい……どこへ行くのですっ?

坂戸城
……固まって動いていても効率が悪い。
一度二手に別れ、別行動を取ろう。

坂戸城
何かあったら知らせてくれ……では。

冬宮殿
あ、坂戸城さん……っ!

霞城
…………。

霞城
はぁ……また言いすぎてしまいました……。

霞城
あの子を相手にしていると、
つい……思ったことをそのまま口にしてしまうんですよね。

千狐
(『つい』と言える程度を、
 遥かに越えていたように見えたの……)

やくも
はは~ん、なるほど。……要するに、
『喧嘩するほど仲が良い』ってことやね?

霞城
それは断じて違います!
私はいつでも、討つべき仇として坂戸城の――!

霞城
――こと、を…………。

やくも
…………。

霞城
……と、このような感じで、
坂戸城が絡むとすぐにカッとなってしまう始末で……。

やくも
な、なるほど……。

霞城
とはいえ、
兜や妖怪といった脅威も跋扈する中、
お殿様の下で無様を晒し続けるわけにはまいりません。

殿
…………。

霞城
ここ……越後国は、
私たちの出羽国からほど近い場所にありますし、
状況によっては連携を求められる場面もあることでしょう。

霞城
ですから、以前より考えてはいたのです。
理解……することは難しくとも、
互いを認め合うくらいの仲にはなっておきたい、と。

柳川城
ちなみに姉の山形城さんは、何と……?

霞城
……『細かいことは任せた。わらわは鮭で忙しい』と。

霞城
今の姉様に私の言葉は届きません。
……秋から冬に掛けては、鮭の旬に当たりますから。

千狐
山形城さん……相変わらずですね。

霞城
私だって、姉様と一緒にお腹いっぱい鮭を食べたいのに……。

冬宮殿
坂戸城さんも同じことを考えているのですよ。
『霞城さんと少しでも近づければ』……と。

霞城
分かっている……つもりです。
あの子から招待状が届いたのは……そういうことだと。

レーヴェンブルク城
そして同様に……坂戸城さんも理解しているはずです。
招待に応え、霞城さんがここに姿を現したのですから。

レーヴェンブルク城
……理屈ではないのですね。
互いに歩み寄りたいという気持ちを、理解していても、
体現するのは容易いことではない……。

やくも
なーんだ。ってことはやっぱり、
喧嘩するほど仲が――もがっ!?

千狐
(余計なことを言っちゃだめ!
 また霞城さんに火がついてしまうの……!)

霞城
…………。

霞城
ごめんなさい。聖夜の宴というめでたい席で、こんなこと……。

柳川城
焦ることはありませんよ、霞城さん。
貴方も……もちろん坂戸城さんも、何も間違ってはいません。

霞城
柳川城さん……。

柳川城
過去のしがらみを前に思い悩むのは、城娘だからこそ。
ですが同時に……過去のしがらみに囚われてしまうのもまた、
城娘だからこそなのです。

柳川城
ですから……ご自身の感情を、
無理に否定することはありません。
霞城さんらしく、あるがままでいればいいのですよ。

霞城
あるがまま……?

霞城
なるほど……私、分かったような気がします。

柳川城
霞城さん……。

霞城
つまり、私はあるがまま……鉄砲の引き金を引いて――

柳川城
――はいけません!
落ち着いてもう一度、私の話を聞いてください!

柳川城
もちろん、進んでいがみ合う必要はありません。
ですが、無理やり感情を押し込める必要もないのです。

霞城
…………。

柳川城
仮にお二人が手を取り合う日が来たとしても、
どちらかが苦痛を抱えていたら……意味がないですよね。

柳川城
ですから私は……、
互いが安心できる適切な距離を見つけることが大事……。
そう考えるのです。

霞城
適切な、距離……。

柳川城
……すみません。考えてみたら、
私なんてお二人からすれば余所者なのに、
こんなお節介を……。

霞城
いいえ。ありがとうございます。
私のために、親身に考えてくださって……。

霞城
話が横道に逸れてしまいました。
……今は、兜を探しているのでしたね。

やくも
だに! 兜さんをやっつけて、
美ん味いけーきを頂くがや!

霞城
そうですね……今はとにかく、
聖夜の宴を無事に開催まで導かなければ――

???
ギャアアアァァァァァ!!

冬宮殿
――今のは……兜の声?

レーヴェンブルク城
間違いありません、確かに聞こえましたわ!

霞城
(それも、坂戸城が向かった方から……)

霞城
お殿様、声が聞こえた方へと向かいましょう! すぐに!

殿
…………!

後半

霞城
そちらがお留守になってますよ、坂戸城っ!

――ドォンッ!ドン、ドォン!

坂戸城
指図は無用だ! 言われずとも承知している!

――ザシュッ!!

冬宮殿
素晴らしい連携ではありませんか……。
いがみ合っていたのが、嘘のようですわ。

レーヴェンブルク城
宿敵として幾度も戦ってきただけに、手の内は知れたもの。
互いの動きも容易に把握できる、といったところでしょうか。

坂戸城
……無事に乗り越えられたようだな。
お前に足を引っ張られないかとヒヤヒヤしたが。

霞城
また仕方のない憎まれ口を……。
私が撃ち漏らしていたら、貴方だってただでは済まなかったのですよ?

霞城
……まぁ、いいでしょう。
私も招待客の一人として、此地を守るために力を注ぐことにします。

霞城
坂戸城の御城を守るなど、不本意極まりないですが……、
兜の侵略を見過ごしては、お殿様を始めとする皆様に面目が立ちませんからね。

坂戸城
む……そうか。それは、く――

レーヴェンブルク城
(……『く』? もしや……『苦労を掛ける』と労ったり?)

坂戸城
――くれぐれも、背中には気をつけることだ。
戦の最中、私の手が滑ってしまうことも無いとは言い切れないからな。

レーヴェンブルク城
…………。

レーヴェンブルク城
はぁ……。

静けき夜に瞬いて -急-

平穏を取り戻したと安堵したのも束の間。
突如、坂戸城が何処かへと駆け出してしまう。
彼女の後を追った一行が目にしたものとは……。

前半

レーヴェンブルク城
周辺の巡回は、これで完了しましたね。

冬宮殿
これで、会場の安全は保たれましたか……。
大事に至らなくて良かったですわ。

坂戸城
そうだな……それでは改めて、宴の開催を――

坂戸城
――…………っ!

坂戸城
待て……あちらの方はまだ、
安全を確認できていないじゃないか……!
会場が無事だったからといって、安心はできない。

坂戸城
私としたことが迂闊だった。
すぐに向かわなければ……手遅れになる前にっ!

殿
…………!?

霞城
――ちょっと、どちらへ行くのですか、坂戸城っ!?

やくも
き、急に血相変えてどうしたんだにっ!?

レーヴェンブルク城
何か、急を要する問題が起こったのでしょうか……?

殿
…………!

柳川城
承知しました! 私たちも坂戸城さんの後を追いましょう!

後半

坂戸城
はぁ、はぁ、はぁ……。
刀は……刀は無事か?

坂戸城
…………。

坂戸城
うむ……良かった。
兜たちも、ここまで踏み込んではいなかったようだ。

やくも
はひぃ、はひぃ……やっと追いついたがや……。

殿
…………。

レーヴェンブルク城
こちらのお部屋に並んでいるのは刀……ですね?

坂戸城
……そうだ。
刀をこよなく愛し、収集に明け暮れた景勝公は、
とりわけ優れたものを『三十五腰』と称し台帳にまとめていたのだが……。

坂戸城
その縁で私も、刀には目がなくてな。
気に入った刀を見つけては、ここに所蔵しているのだ。

やくも
……凄いがや。どれも手入れが行き届いてるだに……!

やくも
どの刀からも『大事にしてくれてたんだんね!』って、
喜んどる声が聞こえてくるみたいがや!

冬宮殿
……一つ、じっくり拝見させていただいてもよろしいでしょうか?

坂戸城
ああ、ぜひ手にとって検めてみてくれ。

冬宮殿
ありがとうございます。では――

冬宮殿
これは……!
素晴らしいです……見事と言う他ありませんわ。

冬宮殿
対象を斬るという目的のため……洗練され続けた技術……。

冬宮殿
日の本に伝わる鍛冶の精巧さは、
耳にしておりましたが、これほどのものだったとは……。

冬宮殿
一切の無駄を許すことなく、
研ぎ澄まされたこの刀には……美しさが宿っています。
眺めていると……これが武器であることを忘れてしまうほど。

レーヴェンブルク城
これらは、坂戸城さんの宝物だったのですね。
無事が確認できて良かったです……。

霞城
……だったら、先に説明してください。
何かあったのかと驚いてしまったじゃないですか……。

坂戸城
すまない……先に伝えておくべきだった。
刀たちに危機が迫っていると思ったら、
先に身体が動いてしまったのだ。

冬宮殿
蒐集品を愛する気持ちは、よく分かります……。

冬宮殿
わたくしも、もし自分のコレクションに兜の魔の手が、と考えたら、
とても冷静ではいられませんもの。

冬宮殿
とにかくこの刀は……本当に素晴らしいです。

千狐
冬宮殿さん、目がキラキラしてるの……。

レーヴェンブルク城
冬宮殿さんはご自身の御城に、
多くの美術品を所蔵されているのですよ。

冬宮殿
武器の知識は心もとないですが……、
良い品に心を惹かれることには違いありませんわ。
見るものを惹きつける魅力が宿っていますから。

霞城
多くの美術品を……なんと。
それは興味を惹かれてしまいますね。

冬宮殿
あら、霞城さんも美術品に興味がお有りなのですか?

霞城
はい……我が城主・最上義光様も、美術品に執心しておりまして。
私も少なからず、その影響を受けているのです。

冬宮殿
なんと、そうだったのですね♪

霞城
異国の美術品ですか……。
機会があれば、一度お目にかかりたいものですね。
海を越えた先となると、そう簡単な話ではありませんが……。

冬宮殿
そうですわね。足を運んでくだされば、いつでも歓迎――

冬宮殿
…………!

冬宮殿
……そうです、閃きましたわ!

柳川城
ひ、閃いた……?

冬宮殿
……失礼。心の声が漏れましたわ。

冬宮殿
……こほん。時に皆さん。無事に兜を退け、
心置きなくパーティーを開けることになったわけですが……、
その後のご予定は如何ですか?

坂戸城
この後の予定……?

冬宮殿
霞城さんが、私の美術品に興味を示されているのを見て、
これを次の機会に先送りしてしまうのは、あまりに惜しいと感じました。

冬宮殿
そしてこのクリスマスという祝祭を、より長く楽しみたい……とも思いましたの。

冬宮殿
ですから……陛下たちも含め、
この場に居る皆さんを我が御城にご招待しようかと♪

殿
…………!

霞城
なるほど。聖夜の宴の延長戦……といったところですか。

霞城
それではお言葉に甘えて……お邪魔させていただけますでしょうか。
異国の美術品には、以前から興味があったのです。

冬宮殿
はい、喜んで♪

やくも
冬宮殿で延長戦……ちゅーことは、
くりすますの料理やけーきも、二度味わえるってことがや!?

冬宮殿
ええ、もちろん。
わたくしの御城でも、厚く歓迎させていただきますわ♪

千狐
でしたら、移動については千狐にお任せください。
千狐の力で、皆さんを冬宮殿さんの御城までお連れいたしましょう!

殿
…………!

冬宮殿
ありがとうございます……千狐さん♪

冬宮殿
ということなのですが……如何でしょう、坂戸城さん?

坂戸城
…………。

坂戸城
(そうか……冬宮殿は、私と霞城を思って……)

坂戸城
……もちろん、喜んで同行しよう。
招待してくれたこと、心より感謝する。

レーヴェンブルク城
(やりましたね……冬宮殿さん)

冬宮殿
(とっさの思いつきでしたが、快くご承諾いただけましたわ♪)

冬宮殿
(刀と美術品……趣向は違えど、
 収集家という共通点をお持ちのお二方。
 これを利用しない手はないと思いましたの)

レーヴェンブルク城
(ええ。これなら二人が距離を近づけるきっかけも、必ず……!)

やくも
…………!

やくも
みんな、待つだに!

やくも
もちろん、冬宮殿の御城に行くことは楽しみだに。
うちもわくわくしとるけど……大事なものを見失っちゃいかんがや。

柳川城
大事なもの……ですか?

やくも
遠くの宴よりも、まずは近くの宴……。
坂戸城の御城での宴も、冬宮殿のとこでの宴も!
どっちも手を抜くわけにはいかんだに!

やくも
やからまずは……今夜の宴を楽しむことに、全力を注ぐがや!

千狐
この子はもう……こういうことになると、
人一倍元気になるんだから。

坂戸城
……だが、やくもの言う通りだ。

坂戸城
まずは、この宴の主催として成すべきことを成さなければな。

坂戸城
予定よりも遅れてしまったが、準備はとうに整っている。
皆をもてなし、助力してくれたことを労おうじゃないか。

坂戸城
さぁ、それでは宴の会場へ向かおうか!

殿
…………♪

その後一行はやくもの宣言通り、
次に控えるパーティーへの余力などまるで考えず、
夜が更けるまで騒ぎ続けたのだった……。

静けき夜に瞬いて -絶壱-

殿一行の到着から遡ること数週間前。宴の準備を
着々と進めていた坂戸城は、知人の紹介により
来訪した、レーヴェンブルク城たちを出迎える。

前半

――越後国、某所。

招待を受けた殿一行が到着する、数週間前――

坂戸城
……よし、準備は順調だ。

坂戸城
この調子なら、宴の当日には十分間に合いそうだな――

冬宮殿
見えてきましたよ、レーヴェンブルク城さん……。

レーヴェンブルク城
はぁ、はぁ……ようやく、ですか。
話には聞いていましたが、
本当に山が多いのですね。日の本は……。

坂戸城
……む。其方らはもしや、
石垣山城からの手紙にあった異国の――?

レーヴェンブルク城
はい、その通りですわ。
わたくしはレーヴェンブルク城……そしてこちらは冬宮殿さんです。

冬宮殿
石垣山城さんの紹介で、お伺いしました。
此度は、何の由縁も無いわたくしたちを受け入れてくださり、
ありがとうございます。

坂戸城
大したことではない……。
以前、異国へ赴いた折……手厚い歓迎を受けたのでな。

坂戸城
もしこの先、異国から来客があれば、
同じようにもてなしたいと思っていたのだ。

坂戸城
其方らが一つでも多くの思い出を持ち帰ってくれれば、幸いだ。

冬宮殿
ご厚意、感謝いたしますわ。
……それにしてもこの御城。素敵な飾り付けですね。

レーヴェンブルク城
クリスマスパーティーの準備をしていたのですよね?
石垣山城さんからお伺いしました。

坂戸城
うむ。城娘同士の交流を経て、
日の本でも異国の催事を楽しむ者が増えていると聞いてな。

坂戸城
そこで私も、景勝公が異国の文化に寛容だったことを見習い、
進んで取り入れてみようと考えた次第だ。

冬宮殿
そうだったのですね……でしたら、
わたくしたちにもお手伝いできることがありそうですわ。

レーヴェンブルク城
ええ。パーティーに参加させていただくお礼として、
この知識をお貸しいたしましょう。

坂戸城
……助かる。実は、私なりに調べてみたものの、
異国の祝い事ということで、
どうしても不安が拭えないところがあったのだ。

坂戸城
その上、浮かれたり騒いだりが苦手な性分でな。
今も、何か間違いを犯している可能性もある。

坂戸城
だから……気付いたことがあれば、
遠慮なく意見してくれると嬉しい。

レーヴェンブルク城
承知しました。それでは早速、
城内を見て回ることにいたしましょう♪

後半

――数日後。

宴の当日が近づく中……聖夜の準備は、着々と進んでいた。

坂戸城
…………。

坂戸城
……レーヴェンブルク城、冬宮殿。

レーヴェンブルク城
はい、どうかしましたか?

坂戸城
とりあえず、言われたままに着替えてみたが……。
この衣装は本当に必要なのだろうか?

レーヴェンブルク城
もちろんですわ!
主催者だからといって肩肘を張る必要はありません!

冬宮殿
むしろ、主催者だからこそ、
このイベントを心から楽しまなければ!
聖夜に装いに身を包めば、自然とその気持ちも高まるはずですわ。

冬宮殿
パーティーの準備も、この数日で随分捗りました。
これならきっと、陛下たちにも喜んでもらえることでしょう。

レーヴェンブルク城
楽しみですね……あとは招待客の到着を待つばかりですわ。

坂戸城
殿に柳川城、千狐、やくも。
そして……奴からは、まだ……返事が届いていなかったが。

レーヴェンブルク城
お手紙の返事?
……他にも、お友達をお呼びしているのですね?

坂戸城
うむ……出羽国を統べる当主の一角……霞城。
彼女にも声を掛けたのだ。

坂戸城
だが……城主の縁もあって、奴とは難しい間柄でな。
景勝公と最上義光が長らく、争いを続けてきた影響だ。

坂戸城
隣国ということもあって、
顔を合わせる機会も少なくないが、
その度に憎まれ口を叩き合っていた。

冬宮殿
そんな仲にある子を招待とは……いったい、どうして?

坂戸城
霞城のことは……無論、認めている。

坂戸城
義光公譲りの頭脳、
鉄砲の腕に加えて……支城たちを従える統率力。
姉の山形城と並んで、出羽国の守りに不可欠な存在と言えるだろう。

坂戸城
だが考えてみると……私は霞城のことをまるで知らない。
知っているのは『敵軍の主城』という役目を通したもののみ。

坂戸城
民のため、忠義のため、野心のため。
誰もが各々に、譲れぬ正義を掲げている。
立場の違いで衝突することはあれど、それを否定することはできない。

坂戸城
それは霞城から見た私も同じこと。
ならばこの仲……進展する余地はあるのではないか。
そう考えたのだ。

レーヴェンブルク城
その霞城さんという城娘と、仲良しになりたい……と?

坂戸城
仲良しか……そんなことが可能なのかは、検討もつかない。
だが、今の関係に甘んじているわけにもいかない。

坂戸城
だから私は……聖夜の宴が、
変化のきっかけになればいいと……そして、
その変化が互いにとって喜ばしいものであれば、と。そう考えたのだ。

レーヴェンブルク城
そうだったのですね。
クリスマスパーティーの開催に、そのような背景があったとは……。

冬宮殿
何をするにも、相手のことを知らなければ始まりませんものね。

冬宮殿
……きっと大丈夫です。
霞城さんにも、その思いは伝わるはずですわ。

レーヴェンブルク城
ええ……そしてそれは、
お二人が理解を深め合うことにもつながるはず。
わたくしも冬宮殿さんと共に、お力添えいたしましょう。

坂戸城
二人とも……感謝する。

坂戸城
……せっかく機会を作れたのだ。
上手く思いを伝えられるかはわからないが……、
悔いを残さぬよう、力を尽くすことにしよう。

静けき夜に瞬いて -離-

越後国を離れ、冬宮殿の許へ転移した
一行は、彼女の案内により、所蔵された
美術品の数々を目の当たりにすることとなる。

前半

――越後国にて催された聖夜の宴から……数日後。

宴の後片付けを終えた一行は……、
千狐の力による転移の後、
冬宮殿の案内に従って、彼女の故郷を進んでいた――

やくも
――くしゅん。

やくも
さ、ささ……さむ……寒いだにぃ……。

やくも
すまんがや、殿さん……。
多分うちは……もう、長くは保たんだに。

殿
…………。

やくも
後のことはよろしくって、所領のみんなに――

千狐
また大げさなことを言って……。
ほら、こっちに来なさい?
千狐が暖めてあげるから……。

やくも
だにぃ……?

やくも
おお、おおお……これは!

やくも
千狐のもふもふ尻尾が、
うちを蘇らせてくれたがや……!

千狐
寒さでやくもがおかしくなってしまったの……。

やくも
堪らんだに……! 千狐!
もっともっと、おしくらまんじゅうするがやー!

千狐
――コンッ!? やめてなのっ!
そこはそんなに強く引っ張っちゃダメなの~!

殿
…………。

柳川城
(殿も……寒いようでしたら、もう少しこちらへ……)

柳川城
(――なんて申し出ても、不自然ではない……ですよね?)

柳川城
(……ええ! ごくごく自然です!
 千狐さんとやくもさんだって、
 あのようにくっついているのですから!)

殿
…………。

柳川城
(ごくり)

柳川城
殿も……寒いようでしたら、もう少し――

冬宮殿
さぁ、わたくし自慢の品はもう目前です!
急いでください♪ 霞城さん、坂戸城さん!

霞城
冬宮殿さん、引っ張らないで……!

坂戸城
そ、そんなに急ぐことは無いだろう……?

冬宮殿
いいえ、急がなければなりません。
できる限り早く……たくさん!
見て、知ってほしいのです!

冬宮殿
陛下たちも、ささ……遅れないようについてきてくださいっ!

レーヴェンブルク城
ふふ……冬宮殿さんったら。
皆さんをご招待できたことが、そんなに嬉しいのですね♪

殿
…………。

殿
…………?

柳川城
あ、ええと……いえ! 何でもありません!

柳川城
わ、私たちも後に続きましょう!
冬宮殿さんもお急ぎの様子ですから!

殿
…………!

柳川城
うう……私の馬鹿ぁ……。

――――

冬宮殿
到着しました! こちらが、
我が御城の蒐集品を飾った展示室です!

冬宮殿
わたくしのかつての主・エカテリーナ2世の美術品たちを、
どうぞ遠慮なく楽しんでいってください!

やくも
おお……!

霞城
確かにこれは、素晴らしいです……言葉も出ません……。

坂戸城
うむ、見事なものだな……。

坂戸城
私の知恵は、刀にまつわるものばかりだが、
魂の込められた品に、心を引きつける魅力が宿ることは同じ。

坂戸城
(この美しさを前に争うのは、無粋が過ぎるというものだ……)

冬宮殿
――ふふっ、いかがですか。
……いかがですか? 楽しんでいただけてますか?

霞城
ご機嫌ですね、冬宮殿さん。
日の本に居た時とは、別人のようです。

冬宮殿
ええ、わたくしご機嫌なんですの♪
だって、大好きな女王様が愛した品々を、
皆様に紹介できたのですから!

冬宮殿
愛する物の素晴らしさを、
誰かと共有できるというのは……本当に嬉しいものです。

冬宮殿
わたくしの好きな物が……、
貴方にとっても、好きな物になる。
『好き』と『好き』がつながって……もっと大きな『好き』になるのですわ♪

冬宮殿
そんなつながりを、海を隔てた遥か遠くの国に生きる皆様と、
共有できたことが……嬉しくて嬉しくて、たまりませんの♪

冬宮殿
ですから、皆様。改めてお礼を言わせてください。

冬宮殿
ここまで来てくださって……、
女王様の愛した品々を見に来てくれて、
本当に……本当に、ありがとうございます。

殿
…………!

霞城
…………。

坂戸城
…………。

坂戸城
(そうか……この品々の美しさが与えてくれる感銘を……)

霞城
(今、坂戸城も同じように……感じているのですね)

レーヴェンブルク城
…………!

レーヴェンブルク城
見てください、王様。
二人が肩を並べて、美術品に魅入っています……。

殿
…………!

レーヴェンブルク城
心底疎ましく思っているのなら、
進んで言葉を交わそうなどとはしないはず。

レーヴェンブルク城
自らの思いをぶつける背景には……、
少なからず、関係を進展させたいという思いがあるはずなのです。

やくも
やけど、うち……二人が仲良しになってる図が全然見えてこないがや。

やくも
あの二人が……たとえば、
手をつないだり、ぎゅーって抱き合ったりするとか……。

レーヴェンブルク城
ふふ、それを言ったら、
千狐さんとやくもさんはどうなるのですか?

やくも
……へ?

レーヴェンブルク城
千狐さんとやくもさんは、長い付き合いですが……。
普段はそんなにスキンシップをとったりはしませんよね。
しばしば言い争いもするほどです。

レーヴェンブルク城
でも今はこうして……寄り添い、暖めあっています。
ひと目で『仲良しだ』と分かるほど。

千狐
そ、それは……!

レーヴェンブルク城
誰もが認める仲良しになんて、なれなくてもいいのですよ。
適切な付き合い方を見つけられれば、それが一番。

レーヴェンブルク城
そして今は、一つの美しさを前に同じ思いを共有した。
……それだけでも、素晴らしいことだと思います。

――――

霞城
…………。

???
――ゃ~……みゃー……

霞城
ん……今、何か聞こえたような……?


にゃ~……にゃ~、にゃ~……♪


にゃぁにゃぁ……にゃぁ……。

柳川城
にゃぁにゃぁ……ふふ、可愛い。
いつの間にか、あたり一面猫だらけですね……。

殿
…………♪

坂戸城
これだけの数、いったいどこから……?

冬宮殿
……あら。来客の気配に気付いて、
集まってしまったようですね♪

冬宮殿
皆様、ご紹介しますわ。
この猫たちは……わたくしのお友達にして、
我が御城きっての衛兵ですわ。

千狐
……衛兵? この可愛らしい猫たちが?

冬宮殿
今ご紹介した通り、こちらの展示物は美術品をこよなく愛した、
わたくしの主・エカテリーナ2世が蒐集したもの。
いずれも負けず劣らずの一級品ですわ。

冬宮殿
ですが……恐ろしいことにこの御城には、
貴重な品々を傷つける侵入者が潜んでいますの。

霞城
侵入者……ですか?

冬宮殿
はい。鋭利な前歯に、
すばしっこさを備えた忌々しい『アレ』が……。

やくも
前歯……すばしっこい……?
……なるほど! アレっていうのは、つまりネズ――

冬宮殿
――ネズミ! そう、ネズミですわ!

冬宮殿
放っておくと、奴らはすぐに数を増やします。
猫たちには絶えず巡回してもらい、
城内の平穏を保ってもらわねばなりません。

冬宮殿
我が城の価値ある品々に、噛み跡でも付けられたら、
わたくし、正気を保てる自信が――

冬宮殿
――……ッ!

坂戸城
ん、どうした冬宮殿? 急に難しい表情をして……?

冬宮殿
我が御城の品々に惹きつけられるのは……ネズミだけに限りません。

冬宮殿
猫たちでは到底太刀打ちできない相手が現れることも、
……時折、ございます。たとえば……。

殿
…………。

レーヴェンブルク城
ネズミ以外の、侵入者……。

千狐
…………。

千狐
――コンッ!? この気配は!

???
コソコソ……。

冬宮殿
――そこですっ! 止まりなさい!


――ヒィッ!?

殿
…………!


…………。


メリー、クリスマァス……。

千狐
殿……あちらに兜が!
いつの間にか、この御城に忍び込んでいたようです!

殿
…………!

霞城
やけに陽気な格好ですが……、
わたくしたちのお祭り気分に誘われたのでしょうか。

坂戸城
聖夜の祝祭を目前に控えていると知って、
その隙を突くことを目論んだ……というのが実際の所だろう。

冬宮殿
いずれにしても、見逃してあげる理由はありませんね。

冬宮殿
ネズミと同様、丁重におもてなししてあげましょう。
ここに足を踏み入れるという考えが、二度と浮かばないように……。

後半

兜軍団
メリー……クリスマス……。
   メリー……クリスマス……。
      メリー……クリスマス……。

レーヴェンブルク城
兜の勢いが、思っていたよりも遥かに強い……不味いですわね。

霞城
ですが、退くことは許されません……。
この奥には、冬宮殿さんの美術品が収められているのですから……!

殿
…………。

坂戸城
(状況を打破するために成すべきことは……。だが、しかし……!)

静けき夜に瞬いて -結-

城娘たちの応戦も構わず、更に侵攻を続ける
兜の軍勢。その最中、坂戸城と霞城が一行から
分断され、殿たちとはぐれてしまう……!

前半

兜軍団
メリー……クリスマス……。
   メリー……クリスマス……。
      メリー……クリスマス……。

殿
…………。

柳川城
……っ! 皆さん、お気をつけて!
複数の方向から、兜の軍勢が――!

霞城
きゃ、きゃあああぁぁぁっ!?

坂戸城
霞城……霞城ッ!!

やくも
ああっ、霞城と坂戸城がっ!

――――

坂戸城
く、しまった……。
殿たちと分断されてしまったか……!

兜軍団
メリー……クリスマス……。
   メリー……クリスマス……。
      メリー……クリスマス……。

霞城
その上、よりによって坂戸城と二人きり。しくじりましたね……。

坂戸城
(この兜たち、個々の力は恐れる程ではない。
 目前の兜を斬り伏せるだけならば、容易い。
 だが……使える力には限りがある)

坂戸城
(問題となるのは、力の配分。
 戦況を見渡し、私に適切な指示を下す者が居れば……!)

霞城
…………。

霞城
(戦力は充分、戦況は見えている。
 勝利までの道筋も……険しいものの、
 無謀と言うほどではありません)

霞城
(だが私一人だけではどうしても……その実現が難しい)

霞城
(撃ち漏らしが一つでも生じ、
 懐に入られれば……途端に勝ち目は薄くなります)

霞城
(もし彼女が、私の指示に耳を傾けてくれれば……。
 あの剣技を、自らの手足のように操ることができたら……!)

坂戸城
…………。

霞城
…………。

坂戸城
霞城……私が何を考えているか……分かるな?

霞城
そのような言葉を口にするということは……、
貴方も、私の考えを見抜いておいでですね?

坂戸城
……ここに収められた品は、冬宮殿の宝。
美術品としての価値もさることながら、
かつての主との絆を示す物でもある。

霞城
私たちを案内する際の……楽しげなお顔。
あの表情を、曇らせるわけにはいかないですよね。

坂戸城
ああ……何があろうと、守らねばなるまい。

霞城
……道は違えど思いは同じ。
小憎たらしい相手ですが……目的が一致しているなら、
わざわざ遠回りを選ぶ理由もありません。

坂戸城
お前とは幾度も争い……。
その計算高さを、嫌というほど思い知らされてきた。

坂戸城
お前のことだ……私の上手な遣い方を、
すでに思いついているのだろう?

霞城
…………。

霞城
私の指示に、一から十まで従うと……誓えますか?

坂戸城
誓おう。守るべきものを守り抜くと、其方が誓うならば。

霞城
……私も誓いましょう。
この御城のすべてを守り抜いてみせます。

坂戸城
承知した。ならば……これ以上語ることはあるまい。

坂戸城
行くぞ……出陣だ。
この戦に限り……この坂戸城は其方の手足となろう!

――――

冬宮殿
霞城さんと坂戸城さんが共闘している。
……わたくしの御城を守るために。

冬宮殿
これは……心強い応援を得ましたね。
わたくしも負けてはいられません。

冬宮殿
さぁ、陛下……共に戦いましょう。
ご命令をお願いします。

殿
…………!

冬宮殿
この御城の主たるわたくしが、
皆様に頼り切りになるわけにはまいりません!

冬宮殿
わたくしの力を、勝利のために……存分に使ってください!

後半

レーヴェンブルク城
兜はこれで全て……討ち倒しましたか。

冬宮殿
御城にも被害は無し。
……はぁぁ、これで一安心ですわ。

殿
…………!

坂戸城
――殿、冬宮殿……無事かっ!

霞城
こちらの兜は、片付きましたか!?

柳川城
お二人とも……無事だったのですね!

千狐
良かったです。
分断されてしまった時は、
どうなることかと思ったの……。

やくも
にしても、驚きだに……。
二人揃って怪我もなく、ってことは……、
力を合わせて兜さんを倒したってことがや?

坂戸城
む……まぁ、そういうことになる。
知略と剣技、どちらが欠けても共倒れの状況だったのでな。

霞城
はい……確かに、坂戸城の剣技無くして、
あの場を乗り切ることは……困難だったでしょう。

霞城
ですから彼女の実力を、
認めてあげないことも……ない。
かもしれない……と思います。

坂戸城
相変わらず素直じゃないな……お前は。

霞城
貴方に言われたくないです……どっちもどっちでしょう。

坂戸城
ふ、そうだな……どっちもどっちだ。

坂戸城
私も霞城も、仲良しとは程遠い。
いがみあって、ぶつかり合うくらいがちょうど良いのだろう。

霞城
…………。

坂戸城
だから……お前にはいつまでも、
しぶとく生き延びてもらわないとな。

坂戸城
『喧嘩するほど仲がいい』という言葉には到底頷けないが……。
喧嘩する相手が居なくなるのは……やはり、寂しいものだからな。

霞城
……坂戸城。

霞城
……今の言葉、腑に落ちました。
貴方も、たまには良いことを言いますね。

坂戸城
文句を言いたくなったら、
いつでも遠慮なく足を運ぶがいい。
受けて立ってやろう。

霞城
望むところです。ぼっこぼこにしてあげますよ♪

冬宮殿
…………。

レーヴェンブルク城
坂戸城さんと霞城さんの心が少しだけ……近づいたように見えます。
良かったですね。冬宮殿さん。

冬宮殿
……ですが、本番はこれからです。
平穏を取り戻したこの御城にて、
クリスマスパーティーの続きを催すのですから♪

レーヴェンブルク城
ええ、そうですね♪

レーヴェンブルク城
あの二人のことですから、
ぶつかり合うこともあるでしょうが……、
それも一つのご愛嬌。

レーヴェンブルク城
これ以上はお膳立てなどしなくとも、
お互いに納得できる関係を築くことでしょう。

冬宮殿
そうですね。それではわたくしたちは、
この場の誰もが楽しめるよう力を尽くすことにいたしましょう♪

こうして、この夜……、
兜を討って平穏を取り戻した冬宮殿の御城にて、
盛大なパーティーが催されることになるのだった――

静けき夜に瞬いて -絶弐-

クリスマスパーティーが終わってから数日。
冬宮殿を訪ねたエカテリーナ宮殿は、
そこで思わぬ者と出くわすことに……!

前半

――聖夜を祝うパーティーが終わってから数日。

殿一行や城娘たちが帰った後、
冬宮殿の元には新たな来客が訪れていた――

びゅおおおぉぉぉぉ――

エカテリーナ宮殿
今日はかなり吹雪いてるわね。
お陰で、到着が遅れてしまったわ。

エカテリーナ宮殿
ふふっ……ペテルゴフちゃんはもう到着してるのかしら。
三人が揃うのなんて、本当に久しぶり。

エカテリーナ宮殿
ただ、ペテルゴフちゃんと冬宮殿ちゃんが揃うと、
お決まりのアレが始まっちゃうのよね。

エカテリーナ宮殿
はぁ……今日のはいつもよりも、
穏便に済んでくれたら嬉しいんだけど――

???
(がたがたがたがたがたがたがた)

エカテリーナ宮殿
――ん? 何かしら、今の音は?

???
(がたがたがたがたがたがたがた)

エカテリーナ宮殿
何かが小刻みに震えてる……?
少し探ってみましょうか。ネズミの類だったら、
冬宮殿ちゃんにとっては大事件だもの。

エカテリーナ宮殿
音は確か、こっちの方から――

ペテルゴフ宮殿
(がたがたがたがたがたがたがた)

エカテリーナ宮殿
えぇぇっ!? ペテルゴフちゃんっ!?

エカテリーナ宮殿
ねぇ、ペテルゴフちゃんよね?
私が分かる? エカテリーナ宮殿よ!?

ペテルゴフ宮殿
(こく……こくこく……!)

エカテリーナ宮殿
可哀そうに……どうしてこんな吹雪の中で……?
とにかく、御城の中に運ばなきゃ――

――――

ペテルゴフ宮殿
(ずずー……)

ペテルゴフ宮殿
いやー……。

ペテルゴフ宮殿
流石に死ぬかと思ったわ……あはは。

エカテリーナ宮殿
全然、笑い事じゃないんだけど……。

冬宮殿
同感ですわ。
どれだけ心配したと思っているのですか。

エカテリーナ宮殿
それで……ペテルゴフちゃんは、
どうしてあんなところに居たの?

ペテルゴフ宮殿
…………。

ペテルゴフ宮殿
だって……冬宮殿の様子がおかしかったんだもの。

エカテリーナ宮殿
冬宮殿ちゃんの様子が……?

ペテルゴフ宮殿
そうなの。
いつもより穏やか……というか、
やけに優しくて……。

エカテリーナ宮殿
……そりゃ優しくするでしょう。
凍えて死に掛けてるんだから……。

ペテルゴフ宮殿
そういうことじゃなくて!
私がこの御城に着いてから、ずっとなの!

ペテルゴフ宮殿
私ね、この御城や美術品とか……色んな品に対して、
正直な感想を述べてたのよ。いつもと同じように。

エカテリーナ宮殿
ああ、ペテルゴフちゃん恒例のアレね……。

エカテリーナ宮殿
(冬宮殿ちゃんとの言い争いの火種になってる、いつもの……)

ペテルゴフ宮殿
なのに冬宮殿ったら……ロクに言い返そうともしないのよ!?
『そんな考え方もあるわよね』とかニッコリ笑っちゃったりして!

ペテルゴフ宮殿
居心地の悪さに堪えきれず、
逃げ出したくなるのも当然……でしょ?

ペテルゴフ宮殿
絶対おかしいでしょ、こんなの!
貴方もそう思うわよね、エカテリーナ宮殿!?

エカテリーナ宮殿
…………。

エカテリーナ宮殿
それは……ちょっと言いにくいんだけど……。

エカテリーナ宮殿
ペテルゴフちゃんが、
冬宮殿ちゃんに突っかかるのをやめれば、
解決するんじゃないの……?

ペテルゴフ宮殿
違~う! これは私と冬宮殿の間では日常!
当たり前のスキンシップなの! 貴方だって知ってるでしょ?

ペテルゴフ宮殿
なのにこの子ったら、
借りてきた子猫みたいに大人しくなっちゃって!
これじゃ全然張り合いがないじゃない!

冬宮殿
…………はぁ。

冬宮殿
分かった……ちゃんと話しますから、聞いてちょうだい。
これにはちゃんとした理由があるんですわ。

――――

冬宮殿
――というようなことがあったのですわ。

エカテリーナ宮殿
坂戸城さんと……霞城さん。
なるほど、そんなことが……。

ペテルゴフ宮殿
ふぅん。
その二人を見て……私たちの関係にも、
進展の余地があるんじゃないか、と……。

冬宮殿
ええ……思えば、
私とペテルゴフ宮殿は幾度も、
言い争いを繰り返してきましたから。

ペテルゴフ宮殿
まぁ、確かにね。

ペテルゴフ宮殿
でもそれって……。
『変化しない』っていう答えに至ることだって、
あり得るわけよね?

冬宮殿
え……?

ペテルゴフ宮殿
だって私……これまで、
冬宮殿との関係に不満を覚えたことは、
一度も無かったわ。

ペテルゴフ宮殿
議論の的になっているのが、芸術だもの。
……熱くなってしまうのも、無理のないことよ。

ペテルゴフ宮殿
……というより、それが芸術の本質とも言えるわ。

ペテルゴフ宮殿
他の流派や、過去の自分と削り合いながら……絶えず変化していく。
芸術って、そういうものじゃない?
衝突することを止めた芸術に、未来なんてないもの。

冬宮殿
…………。

冬宮殿
本当に、貴方という子は……。

冬宮殿
何も考えていないような顔で、
時折、核を突いたようなことを言うのですね。

ペテルゴフ宮殿
……つまり、何が言いたいかと言うとね?
冬宮殿が優しくなっちゃったら、
私の方にも悪影響なのよ!

ペテルゴフ宮殿
だからほら! 心優しい冬宮殿はもうおしまい。
分かったら、今すぐ私の芸術を否定してみせなさいって! ほらほら!

冬宮殿
笑みを浮かべながら言う台詞かしら、それは……。

冬宮殿
でも……貴方の言いたいことはよく理解しましたわ。

冬宮殿
議論を交わしたいというのなら、わたくしも望むところ。

冬宮殿
テーブルを囲んで温かい料理を食べながら、
満足するまで言い争うことといたしましょう。

エカテリーナ宮殿
ふぅ……ようやくパーティーの始まりね。

エカテリーナ宮殿
せっかくここまで飾り立てているんだもの。
私たち三人だけのパーティーでも、盛大に祝わないと。

冬宮殿
それもそうですわね。
神妙な空気のままなんて、
綺麗に彩られた御城が可哀そう――

冬宮殿
――…………?

エカテリーナ宮殿
……どうしたの、冬宮殿ちゃん……?

冬宮殿
今更気付いたのだけど……ペテルゴフ宮殿。

冬宮殿
この御城の飾り付け……しばらく見ないうちに、
少々様子が変わっているようですね?

ペテルゴフ宮殿
え……?

ペテルゴフ宮殿
そ……そう?
私はそんな風に感じなかったけど……?

エカテリーナ宮殿
…………。

エカテリーナ宮殿
(これは、なんだか雲行きが……)

冬宮殿
もしかして、貴方……。
わたくしの御城の飾り付けに、手を加えたの?

ペテルゴフ宮殿
え、えーと……。
そんなこともあったような、無かったような……?

冬宮殿
しらばっくれないでください、犯人は貴方でしょう!
こんなこと、エカテリーナ宮殿がするはずありませんもの!

ペテルゴフ宮殿
えー…………。

ペテルゴフ宮殿
…………。

ペテルゴフ宮殿
(――だっ!)

冬宮殿
あ、待ちなさい! 許しませんよ……こらー!

後半

冬宮殿
まったく……信じられませんわ!
わたくしの手で用意した飾り付けを、
貴方のセンスで勝手に上書きしてしまうなんて!

ペテルゴフ宮殿
だ、だって見てたらウズウズしてきちゃって、
止まらなくなっちゃったんだもの……!

ペテルゴフ宮殿
冬宮殿ならこの気持ち……分かるでしょ?

冬宮殿
分かりますけど、分かりません!

ペテルゴフ宮殿
ど、どっちなのよそれは……!?

冬宮殿
…………はぁ。

冬宮殿
ふ……ふふふ……ふふ。

ペテルゴフ宮殿
ど、どうしたの……急に笑いだして……?
……壊れちゃった?

冬宮殿
相変わらず……怒ったり、追いかけ回したり……。

冬宮殿
わたくしたちは、いつもこの調子ですわね。

冬宮殿
貴方の言う通り……わたくしたちの場合は、
変化なんてする必要はないのかもしれません。

エカテリーナ宮殿
(よく分かんないけど、一件落着……なのかしら?)

冬宮殿
……さ、御城に戻りましょうか。
追いかけっこでくたびれました。
お料理やケーキでお腹を満たしたいです。

ペテルゴフ宮殿
え、ええ……そうね! 晩ごはんにしましょう!

冬宮殿
あ……でも、飾り付けのことは忘れないでくださいね。

冬宮殿
ちゃんと後で、元通りに直してもらいますから。

ペテルゴフ宮殿
え゛っ……あ、はい……わかりました……。



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]春日山城うーん……。……うーん? ……うん?……殿?すみません! お越しいただいていたのに、今の今まで気づかずにいて!実は先日、坂戸城と謙信公の昔話をしてたのですが、その際、跡継ぎの話題が出たのです...

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