ストーリーテキスト/青く気高く涼やかに!

ページ名:ストーリーテキスト/青く気高く涼やかに!

目次

青く気高く涼やかに![]

青く気高く涼やかに! -前-

下総国の某所。人気の無い林道にて声を響かせつつ
歩みを進めるとある城娘。迷子になってしまった
彼女は母との再会を果たせるのか、それとも――

前半

――下総国、某所。

???
ママぁ~……どーこぉー?

烏城
……ぐす。
やっぱりはぐれちゃったのかしら。

烏城
深志城母様の姿も見えなくなって、
御城の場所も分かんなくなっちゃって……。

烏城
最高の夏になると思ったら、
踏んだり蹴ったりじゃない……も~!

烏城
せっかく夏に向けて、
新しい浴衣と水着を用意したのに――

がさ、がさがさ……。

烏城
――っ!?

???
……、……。…………っ!

烏城
今のは……誰かの話し声?

烏城
――ってことは、深志城母様だわ!
私のことを探してくれたのね!

烏城
良かった……やっと見つけられたぁ……!
恋しかったよぉ、ママぁ――!!

千狐
――コンッ!?

殿
…………?

栗橋城
……まま?

烏城
…………。

烏城
…………あら?

やくも
……いつの間に千狐は、ままになったがや?

千狐
記憶にございません、なの……。

烏城
……こほん。

烏城
う、うぅ……ぐううぅぅっ!?
頭が、頭がぁ~~~っ!

殿
…………!?

柳川城
あ、頭……!?

烏城
何者かの悪しき念が、
私の精神に干渉しているぅぅ……!
静まれ、静まれぇぇぇっ!

殿
…………。

栗橋城
これは……今のは見なかったことにして、
ということかしら……。

立花山城
そうでしょうね、おそらく……。

栗橋城
貴方は確か……信濃国の烏城さん、でしたわね?
此地まではそれなりの距離がありますけど……どうしてここに?

立花山城
聞くまでもないことだと思うのは、私だけかしら……。

千狐
コン……どうみても迷子の城娘なの。

烏城
あ、頭が……頭がぁぁ~~~……!!

柳川城
あ、あの……分かりましたから、
一旦落ち着きましょう、烏城さん……。

烏城
(ま、不味いわ……!)

烏城
(このままじゃ殿たちが私のことを、
 『ママとはぐれて泣きべそをかいていた迷子』
 で記憶してしまうじゃない……!)

烏城
(どこかで巻き返すきっかけを掴まなきゃ――!)

???
ン~ン~、ン~ンン~♪

殿
…………?

がさ、がさがさ――がさっ!

桃形兜
……ン?

殿
…………!

桃形兜
シ、城娘ェッ! ドウシテココニ!?

栗橋城
兜……!?
わたくしの御城の傍に潜んでいたなんて……!

烏城
あ、あぁっ……あれだわ!
私の頭痛には、あの兜が関係しているに違いないわ!

やくも
す、すごいがや……うちはてっきり、
また厄介な城娘に出会ってしまったんかと……。

千狐
本気にしない方が良いと思うわよ、やくも……。

烏城
すぐに倒しにいかなきゃ!
さぁ付いてきなさい、殿!

合戦中

烏城
恥ずかしいところを見られちゃったけど、
ただでは起き上がらないのが烏城よ

烏城
兜との遭遇は、汚名返上の好機!
私の実力を殿に見せつけてやるんだから……!

柳川城
兜の気配は全て消え失せました。
……どうにか、乗り切れたようですね。

烏城
はぁ……これで、
少しは格好良いところを見せられたかしら。

後半

烏城
それで……どうしてこんな所にいたのよ、貴方たちは?

やくも
うちらは栗橋城に招待してもらったがや!
久々の再会と、連日の大宴会だに♪

栗橋城
以前の騒動で助けていただいてから、
お顔を拝見できずにいましたから。
一度わたくしの御城にて、ゆっくりとお話がしたかったんですの。

烏城
ふーん……そうなの。

烏城
…………。

烏城
……ところで、ここはどこなのかしら?

立花山城
やっぱり迷子だったのね、貴方……。

烏城
ふ……迷子?
上手いことを言うじゃない、貴方。

烏城
確かに……人も城娘も皆、
過去と未来の狭間をさまよう迷子。……そういう意味では、
私たちは同志といえるかもね?

やくも
よー分からんのやけど……どうなんだに、柳川城?

柳川城
……すみません。
私もよく分からないです……。

栗橋城
……行く宛が無いなら、わたくしの御城に来ますか?
ここまでさまよっていたのなら、お疲れでしょうし。

烏城
…………。

烏城
よ、よろしくお願いしますぅ……。

青く気高く涼やかに! -後-

『白亜の名城』で知られる二人の城娘たち。
水着をまとった妹と浜辺の散歩を楽しむ姫路城だが、
目を離した一瞬の隙に事件が……。

前半

白鷺城
う、うう……。

白鷺城
勧められるがままに、水着をまとってみましたが……。
これで良いのでしょうか……姉様?

姫路城
ええ。とってもお似合いですわよ、白鷺城。
新調した水着が、貴方の白い肌に映えますわ。

白鷺城
そ、それはとても嬉しいです……けど、
こんなに肌を晒すなんて恥ずかしすぎます。
どうにかならないのですか、姉様ぁ……!

姫路城
ふふ、気にすることはありません。
浜に集まる城娘たちも皆、そうやって肌を晒すもの。
その装いは海辺の正装なのですわ。

白鷺城
そうなのですか……?
姉様が仰るのなら、そうなのでしょうけど……。

姫路城
しばらく辺りを散歩いたしましょうか?
直にその格好にも慣れることでしょう。

白鷺城
は、はい……分かりました。
姉様が一緒なら大丈夫、だと思います……。

姫路城
…………。

姫路城
(これをきっかけに、あの子ももう少し、
 自信を持ってくれれば良いのですが……)

姫路城
(いえ、欲をかいてはいけませんわね。
 あの子が心に宿した業は、
 御城が背負った過去によるもの……無理強いは禁物です)

姫路城
(こうして表に出て、
 季節の行楽に参加するようになっただけでも、
 大きな進歩……そう考えるべきでしょう)

姫路城
……さて。今日のところはこの辺で切り上げて、
そろそろ御城に帰りましょうか。ねぇ、白鷺城――

姫路城
……あら?

姫路城
白鷺城の姿が……見えませんわね?

――

――――

――――

ざざー……ざざー……。

白鷺城
――はっ。

白鷺城
…………ぁ、あら? あらぁ?

白鷺城
ここはいったい……どこなのでしょう?

白鷺城
気まぐれに海に浸かり、海水浴を楽しもうと思ったら、
ぷかぷか浮かぶのが、思った以上に楽しくて……。

白鷺城
気付いたら岸がどちらか分からなくなって、それで――

白鷺城
…………。

白鷺城
こ、これってもしかして、遭難……?

白鷺城
い、いけません……弱気になっては!

白鷺城
頼れる姫路城姉様は、ここには居ないのです……。
一人でどうにかしなければなりません。

白鷺城
き、きっと大丈夫……!
最近は、シャンティイ城さんとお手紙のやり取りをして、
姉様以外とも、多少はお喋りできるようになっていますもの……!

白鷺城
ひとまず、陸に上がれただけでも僥倖。
そう考えることもできます……よね。

白鷺城
とりあえず人を……城娘を探しましょう。
じ、事情を説明すれば、きっと助けになってくれるはず……!

――――

やくも
ひぃ、ひぃ、ふぅ……。

やくも
栗橋城の御城はまだ見えんがや?
うちの足は、もー限界だにぃ……!

栗橋城
もう少しの辛抱ですわ、やくもさん。
到着したら、美味しいご飯が待っていますからね。

烏城
――ところで、今更すぎる突っ込みかもしれないけど……。

烏城
……私たち、どうして水着姿なのかしら?

烏城
皆につられてつい、この格好になっちゃったけど……、
ここって海からはだいぶ離れていたはずよね?

柳川城
わ、私は……ええと……。
烏城さんと同じく、皆さんにつられてつい――

立花山城
――分かりきったことを聞くのね、烏城?
そんなの、殿にこの姿を見せつけるために決まってるじゃない。

柳川城
…………!?

栗橋城
ふふ、そうですわね。

栗橋城
もちろん、海を楽しむために拵えたものではありますが、
殿から褒めていただくことを期待していなかった、
と言うのは嘘になってしまいます。

殿
…………!

柳川城
――て、訂正します!
実は私も、この水着を殿にお見せしようと――!

???
――ぉお……ぉおぉぉ……。

???
と――との……ぉお、ぉぉぉおお――

???
ぉぉぉおおお……おおおぉぉぉん――

殿
…………!?

やくも
――な、なんだに……今の?
地の底から響くような、おどろおどろしい声は……!

柳川城
殿を呼んでいるように聞こえましたが……気のせいでしょうか。

千狐
千狐の耳にもそう聞こえたの……。

立花山城
なら……殿を囮にして、敵の出方を伺うことにしましょうか。

殿
…………!?

立花山城
――なんて冗談はさておき、
今の気配を見過ごすわけにはいかないわよね、栗橋城?

殿
…………。(ほっ)

栗橋城
ええ……先程の兜の残党が、
潜んでいる可能性もあり得ますもの。

栗橋城
宴の前に憂いは晴らしておかなければ。
せっかく殿を招いたのです……邪魔をさせるわけにはいきません。

柳川城
私たちも想いは同じ……。
ご招待いただいた以上は、最高の宴にしたいものです。

立花山城
……それじゃ、
さっき聞こえた怪しい声の主を突き止めましょうか。
準備は良いわね……殿?

合戦中

やくも
――だ、だにぃっ!?
でっかい鎌を持った女の怨霊がおっただにっ!?
うちは確かに、この目で見たがや!

立花山城
鎌、ね……。
とにかく、引き続き周囲の警戒にあたりましょう。
霊かどうかはさておき、正体を掴まなければ話は始まらないもの。

白鷺城
あ、あら……?
そちらにいらっしゃるのは、お殿さま……ですか?

やくも
ぎゃああぁぁぁぁ!?
悪霊退散! 悪霊退散だにぃ~~~!

栗橋城
……落ち着いてください、やくもさん。
霊でも敵でもありません……彼女は城娘ですわ。

後半

白鷺城
下総国……ですか?
いつの間にかわたくし、
そんなところまで流れてしまっていたのですね……。

栗橋城
今日は迷子とよく遭遇しますわね……。

烏城
そうね……まったく、困ったものだわ。

立花山城
……私の記憶違いかしら?
貴方もさっきまで迷子だったと思うんだけど。

烏城
――と、とにかく!
貴方も答えを求めてさすらう迷い人ということね!?

白鷺城
え……は、はい?
そう、なのでしょうか……?

烏城
ならば共に歩むとしましょう!
旅は道連れ、世は情け!
互いに支え合うことで、貴方はさらなる光を掴めるはずよ!

白鷺城
え、ええと……ありがとうございます……?

青く気高く涼やかに! -絶-

無事に栗橋城の御城に到着した、翌朝のこと。
殿一行に先んじて布団をでた烏城と栗橋城は
ぶつぶつと呟く何者かの声を耳にする……。

前半

――下総国、栗橋城。

一行が栗橋城に到着した、翌朝のこと――

烏城
ふわぁぁ……よく寝たぁ。

烏城
昨日は調子に乗ってつい、夜更かししてしまったわ。
あぁ、またあくびが……ふわ、ぁ――

烏城
――くちゅんっ。

栗橋城
――ふふ。
変わったあくびをしますのね、烏城さんは。

烏城
……あら、栗橋城。貴方も起きてたのね。

栗橋城
此度の宴の主催ですからね……。
皆さんをおもてなしすることを、第一に考えなければなりません。

烏城
ああ……朝餉の用意をしていたのね。
それじゃ、私もお手伝いしようかしら――

???
ぶつぶつ……ぶつ……ぶつぶつ……。

栗橋城
……あら? なんでしょう、
どこからか声が聞こえますが……?

――――

白鷺城
はぁぁ……。
だめです……わたくしは、本当にだめ……。

白鷺城
せっかくお殿様のご一行とお会いできたのに。
昨晩の宴も話の輪に入れず、おろおろしてばかり……。

白鷺城
こういう場には不慣れとはいえ、
皆さんに楽しんでいただくために、もっとできることが――

烏城
――おはよ、白鷺城ちゃん。

栗橋城
おはようございます、白鷺城さん。
良い朝ですわね。

白鷺城
――っ!?
烏城さん、栗橋城さん……!

烏城
一人で何か、呟いていたようだけど……どうしたの?

白鷺城
はい……少々、昨晩の反省会を……。

栗橋城
反省会……。

栗橋城
そんなに気を遣うことはないのですよ、白鷺城さん?

烏城
んー、そうねぇ……確かに、
もう少し、自分の想いに素直になってみても良いかもね。

白鷺城
わ、わたくしの想い……ですか?

烏城
ふふっ……その反応、秘めてる願いがあるって感じね?

栗橋城
せっかくの機会です。
ここで打ち明けていってはいかがでしょう?
わたくしたちも、力になれるかもしれませんし。

白鷺城
…………。

白鷺城
……ここだけの秘密に、していただけますか?

烏城
もちろん!
言いふらしたりなんてしないわ。約束よ!

栗橋城
わたくしも誓いますわ。
決して口外はいたしません。

白鷺城
ありがとうございます……。
そ、それでは……お話しさせていただきます……。

白鷺城
あの、わたくし……。
お殿様ともっとお話がしてみたいのです。
叶うなら、もっともっと仲良くなりたい、とも……!

白鷺城
柳川城さんや、立花山城さんにも負けないくらいに……!

烏城
(あー……それは、なんというか……)

栗橋城
(なかなかに険しそうな道のりですわね……)

白鷺城
お殿様のことは、姉様から話は聞いていて、
ずっとお会いしたいと願っていました……。

白鷺城
ですが、前回お会いした際は、
お殿様も忙しくて、言葉を交わすことができなくて……!

白鷺城
ですから……。
今回、偶然お会いできたこの好機を、
逃したくないと思っていまして……!

白鷺城
それから、それから……!

白鷺城
…………。

白鷺城
(がたっ!)

栗橋城
ど、どうしたのですか……白鷺城さん?

白鷺城
……わたくし、行かなければ。

烏城
……ど、どこにかしら?

白鷺城
お殿様のところに決まっています!

白鷺城
善は急げ、思い立ったが吉日です!
すぐにお殿様の許に赴いて、この想いを伝えなければ!

白鷺城
では、わたくしはこれにて……失礼しますっ!

烏城
…………。

栗橋城
……行ってしまいましたわね。

烏城
ええ……そうね……。

烏城
――って! ぼさっとしている場合じゃないわよ!?

烏城
白鷺城ちゃんの様子、ただ事じゃなかったわ……!
放っておいたら、大変なことになりそうな気がするんだけど!

栗橋城
そ、そうですわね!
わたくしたちも後を追いましょう!

合戦中

烏城
み、見つけたわ!
白鷺城ちゃんはあそこよ、栗橋城!

白鷺城
お殿様、お殿様……。
少しでも早く、お殿様の許へ……!

栗橋城
不味いですわ……!
あの子を殿の許へたどり着かせることは、
絶対に回避しなければ!

白鷺城
はぁ、はぁ……。
あら……わたくしはいったい……?

烏城
間一髪ぅ……どうにか食い止められたみたいね……!

後半

白鷺城
申し訳ありません、お二人とも。
ご迷惑をお掛けしてしまって……。

烏城
し、知らなかったわ……。
白鷺城ちゃんにこんな一面があったなんて。

白鷺城
わたくし……以前から、
好きな人や物に対する執着が強くて。
自分でも止められなくなることが、度々あったんです……。

白鷺城
姫路城姉様に、力づくで止めていただくこともあるほどで……。

栗橋城
そ、そうだったのですね……意外な一面ですわ。

烏城
……まぁ、何事もなくて良かったじゃない。
焚きつけるようなことを言った私たちにも、責任はあるし――

白鷺城
うぅ……うぅぅ……。

白鷺城
ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……!

烏城
ち、ちょっと白鷺城ちゃん。
そんなに落ち込むことないってば……。
私も栗橋城も元気だし……ね?

白鷺城
……いつもいつも、わたくしは失敗ばかり。
至らないところを数え上げたら、キリがありません。

栗橋城
(白鷺城さん……)

白鷺城
烏城さんも栗橋城さんも、こんなに良くしてくれて。
迷惑を掛けることなんて、あってはならないのに……!

烏城
――それは違うわ、白鷺城ちゃん!

白鷺城
……えっ?

烏城
迷惑なんて掛けて当たり前。
もらった迷惑を笑って受け止める、それが友達なのよ。

白鷺城
…………!

烏城
多少の違いはあれど、
私たち城娘は皆……御城の業を背負ってる。

烏城
それが暗い歴史に由来するものであれば……。
本人にとって好ましくないものを背負うことも、
時にはあるでしょう。

烏城
偏っていたり至らなかったりなんて、当然なの。
支え合ってようやく一人前……それでいいじゃない。ね?

白鷺城
烏城さん……。

栗橋城
ふふっ。烏城さんが仰ると説得力がありますわね。

烏城
どういう意味よっ!?

栗橋城
ですが……烏城さんの意見にはわたくしも同意です。

栗橋城
……わたくし栗橋城は、
北条を守る五色備の一角として、此地を任されました。

栗橋城
五色備の城娘は、いずれも癖の強い者ばかり。
反りが合わないことや、
自身の想いにそぐわないことなど日常茶飯事です。

栗橋城
ですが、それでも……わたくし、
五色備の青を担うことに、
疑問を持ったことは、一度としてありませんわ。

栗橋城
どの色が欠けても、わたくしたちは成り立たない。
そして自分も青備えとして、北条を守り続けていたい。
この気持ちはいつまでも……変わらないと思いますわ。

栗橋城
そして……白鷺城さん。
貴方との関係もそのような、掛け替えの無いものになれば……。
わたくし、そう願っていますのよ。

白鷺城
…………。

烏城
……そういうこと!
だから『ごめんなさい』は無しにしましょ?

烏城
そんなことより私は『ありがとう』って、
言ってもらえた方が嬉しいもの。
笑顔も添えてもらえたら言う事なしね♪

栗橋城
不思議な方ですわね、烏城さんって。
まともだったり、まともじゃなかったり……。

烏城
失礼ね!? 私は最初っから、
まともなことしか言ってないわよ!?

白鷺城
…………。

白鷺城
(『私の周りは……私が思っているより、
 ずっと多くの優しさで溢れている』……かつて、
 シャンティイ城さんがそんなことを仰っていました)

白鷺城
(……長い時間が掛かってしまいましたが、
 ようやく、その意味が理解できたような気がします……)

白鷺城
ありがとうございます……。
栗橋城さん、烏城さん……。

それから――

栗橋城
……肥前国?
唐津城さんの御城へ……ですか?

やくも
――だに!
一緒に夏を楽しむがやーって、
招待の手紙が届いたんだに!

千狐
同じ時期に、
栗橋城さんからも招待を頂いていたので、
順番に回ることになったんです。

烏城
慌ただしいわね……。
宴が終わったら、すぐ次の地へ……なんて。

栗橋城
とはいえ、仕方のないことですわね。
殿とお会いしたい方は、沢山いらっしゃるはず。
こうしてお時間を頂けただけでも、感謝しなくては。

白鷺城
…………。

白鷺城
……あ、あのっ!

殿
…………?

白鷺城
わたくしもっと、
皆さんと一緒に夏を楽しみたいです……。
だから……!

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
ええ、もちろんです。
白鷺城さんの都合がよろしければ、ぜひ。
引き続き、一緒に夏を楽しみましょう!

立花山城
……ふふっ。というより私は、
貴方たちも当然ついてくるものと思っていたけど?

やくも
賑やかな方が楽しいに決まってるがや!
みんなで唐津城の御城へ向かうだにー!

白鷺城
は、はい……お願いしますっ!

烏城
ふ、ふふ……ふふふふ……!

烏城
……となれば、この烏城も沈黙を貫くわけにはいくまい。
灼熱の浜にて黒き翼を広げ、朋友たちと希望を掴むべく――

栗橋城
――ということですから、
わたくしと烏城さんもご一緒させていただきます。
よろしくお願いしますね♪

烏城
ちょっと! まだ私が話してる最中よっ!?

殿
…………。

――こうして一行は、
千狐の転移術により舞台を肥前国へと変え、
引き続き、夏の暇を楽しむのだった……。



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