ストーリーテキスト/雲海照らす御来光

ページ名:ストーリーテキスト/雲海照らす御来光

目次

雲海照らす御来光[]

雲海照らす御来光 -序-

年の瀬が近づき、どこもかしこも正月に向けて
色めき立つ中……どこか不満げな表情のやくも。
彼女の提案を発端に一行が向かった場所とは……。

前半

――所領。

年の瀬が近づき、
各地で正月に向けた準備が始まる中……。

一人、浮かない表情を浮かべる者が居た――

やくも
だにぃ……。

千狐
……どうしたの、やくも?
ここ数日、元気がないようだけど?

やくも
雪は……雪はまだだに……?
今年は随分、初雪が遅いがや……。

柳川城
そうですね。例年であれば、
積もっていてもおかしくはない時期ですが……。

殿
…………。

千狐
今年は雪が降らないのかも……。
残念だけど、時にはそういう年もあるでしょうし――

やくも
ゆ、雪が降らない!? そいつは困るがや!
うちはずーっと前から、この時期が来るのを心待ちにしてたんだに!

やくも
積もった雪は好きな形に整えられるし、
固めればそれなりの強度にもなるがや……。

やくも
その上、勝手に溶けるから片付けもしなくていい!
くりえいてぃぶなうちの才能を発揮する最高の機会なんだに……!

千狐
そうは言うけど……空を眺めていたって仕方ないじゃない。
空模様なんて、千狐たちにはどうしようもできないんだから……。

やくも
だにぃ……そうかもしれんけどぉ……。
雪が積もった時に備えて、色んな案を溜め込んできたんだに。
それを一つも試せないなんて――

やくも
…………。

やくも
――そうだに! 良いことを思いついたがやっ!

殿
…………?

やくも
『雪が降らない年もある』……。
確かにその通り! 千狐の言う通りがや♪

やくも
やったら潔く、所領で雪遊びすることは諦めるだに!

千狐
そ、そう……やくもにしては物分かりがいいわね……?

柳川城
(ですが、やくもさんのことです。
 あっさり引き下がるとは、とても思えないのですが……)

殿
…………。

やくも
ふふふ……そこで一つ、千狐にお願いがあるんやけど――

――――

やくも
ゆき、ゆきゆきゆき! 一面真っ白だにぃ~!

やくも
すごいだに~! 綺麗だにぃ~!

柳川城
あちこち走り回って……ふふ。
やくもさん、此地へ連れて来てもらえたのが、
よほど嬉しいようですね。

殿
…………!

柳川城
……それにしても、少々意外でした。
雪の積もった場所への転移……というやくもさんのお願いを、
千狐さんがすんなりと聞き入れるなんて。

柳川城
いつも通り、
千狐さんがやくもさんを嗜めるのかと思っていましたが……。

千狐
初めは、そのつもりでした。
ですが考えてみて……ふと気付いたのです。
千狐の力でやくもを喜ばせる機会というのは、それ程多くないのかも……と。

千狐
殿や城娘たちのために尽力することこそが、
千狐の役目……ですが時には、
やくもを笑顔にするために使っても良いのでは……と考えました。

千狐
何かの形で、あの子に一年のお礼をしたかったのです。

柳川城
千狐さん……。

千狐
ですから、お礼を言わせてください。
……殿、柳川城さん。
やくもと千狐の頼みを聞いてくださって、本当にありがとうなの。

殿
…………!

柳川城
ええ。私たちも楽しませてもらっていますし……なにより、
日頃お二人には多大な助力をいただいています。
ですから、気遣うことなく、いくらでも――

やくも
――隙あり、だにぃ~!!

(ひゅるるるるる……ばこー!)

柳川城
――ひゃあぁっ!? つ、冷たいですぅ……!

やくも
命中~♪ どうだに、柳川城!
今日のために鍛え上げた投擲の腕が、火を吹いたがや!

やくも
今のうちは、どんな相手であろうと百発百中!
雪上の合戦の厳しさ、その身に教え込んでやるがや!

柳川城
や、やりましたねやくもさん。
それならお望み通り、私も……!

柳川城
こうして、こうして……えいっ! えい、えいっ!

(ひゅるるるる――)

殿
…………。

殿
…………!?

(ばこっ!ばこっ、ばこーん!!)

殿
…………。

千狐
柳川城さんの雪玉が、殿のお顔に……!

やくも
全弾命中っ!?
流石は柳川城、侮れんだに♪

柳川城
――はっ!? 申し訳ありません、殿!
今お顔を拭きますので……!

殿
…………。

――――

同じ頃。殿一行からほど近い場所にて――

???
――はぁ、はぁ……。

???
修行のつもりだったのに……まずいなぁ。
これじゃ修験者じゃなくて遭難者だよ……。

???
――ん?

???
これは、人の声……かな?
どこか聞き覚えがあるような……。

???
助かったぁ。あぁ、でも……もう体力が……。

???
それなら……よし。
この法螺貝で、私の居場所を――

――――

ぶおぉ、ぶぉお……ぶおおおおぉぉぉ――

やくも
……んん? 今の音は……?

やくも
こっちの方から……聞こえてきたような……?

千狐
こら、どこへ行くのやくも!
一人で行動したら危ないでしょう!

やくも
そんなに遠くはなかっただに……この辺りのはず――だにっ!?

(ぐにぃ)

やくも
な、なんか……柔らかいもんを踏んづけたような……?

???
いふぁいよぉ……ほっぺた、ふまないれ……。

やくも
……こ、これはっ!?

大宝寺城
あれぇ……やくもちゃん?
そっかぁ。神娘が私のお迎えに来てくれたんだねぇ……。

やくも
……千狐っ! 大変だに、一大事だにー!

――――

大宝寺城
はあぁ……かまくらって、
こんなにあったかかったんだねぇ……。

大宝寺城
でも、びっくりしちゃった。
こんなところで殿たちに会えるなんて。

千狐
それは千狐の台詞なの……。
どうしてこんな場所で行き倒れていたのですか?

大宝寺城
あ、えっとね。もうすぐ今年も終わりでしょ?
だから、来年の福徳祈願のために修行してたの。

大宝寺城
お山を登ったり……尾根づたいに進んだり、
自然の厳しさを肌で感じながら、
ひたすら歩き続けてたんだよ。

やくも
それって……遭難してるのと、
大差ない気がするんやけど……。

千狐
事実、行き倒れていましたからね……。

殿
…………。

大宝寺城
うぅ……それには返す言葉もないよ。
ありがと、みんな……お陰で九死に一生を得ました……。

柳川城
ですが、元気になったようで安心しました。
最初はどうなることかと……。

殿
…………!

千狐
あ、そうですね。せっかくですし、
千狐の転移で大宝寺城さんを送り届けてさしあげましょう。

やくも
そうした方が良いだに!
大宝寺城の身体が心配やし、
また遭難するかも分からんがや!

大宝寺城
重ね重ね、ありがとう……このお礼はいつか――

大宝寺城
――あっ、そうだ。お礼! お礼させて!

大宝寺城
私の御城まで来てくれるんだもん、
すぐにお別れなんて勿体ないでしょ。
しばらくゆっくりしていってよ! 歓迎の宴も開くしさ!

やくも
おお、それは名案だにっ!
時期は年の瀬やし、一年の最後を宴で締めくくるがや!

千狐
宴って……やくも、
雪遊びをするためにここまで転移したんじゃないの……?

やくも
それはそれ、これはこれ、だに♪
雪遊びは宴の後でもできるがや! 

千狐
もう、調子が良いんだから……。

柳川城
それでは……準備を整えて、
大宝寺城さんの御城へと出立いたしましょうか、殿。

殿
…………!

後半

大宝寺城
わぁ……すごいね、千狐ちゃん……。
本当にひとっ飛びで、ここまで……!
力だって限りがあるはずなのに……ありがとね。

千狐
いいえ♪
大宝寺城さんの無事と引き換えと思えば、
大した苦労ではありませんよ。

大宝寺城
ふふっ、それじゃ早速宴の準備を始めるね♪
助けてもらったお礼と、送り届けてもらったお礼をしなきゃ!

宇和島城
ええ、そうですね! 飛び切り賑やかな宴を開きましょう♪

やくも
だに~! うちもお手伝いするがや!

柳川城
ふふ……楽しみですね。

殿
…………。

殿
…………?

柳川城
あ、あれ……? 貴方は……。

宇和島城
え……どうしたのですか、みんな?
『どうしてお前がここに?』みたいな顔をして?

千狐
正に今、そう尋ねようとしていたのですが……。

宇和島城
やだなー千狐ちゃん。
それじゃまるで私がここに居るのが、
おかしなことみたいじゃないですか。

千狐
で、ですから……正にそう思っていたのですが……。

宇和島城
ふふふ……いいでしょう。
それでは、語ってさしあげます!

宇和島城
どうして私が、故郷から遠く離れた此地に居るのか。
そこに至るまでの波乱万丈、紆余曲折な物語を……!

雲海照らす御来光 -破-

相も変わらず、口を開けば冗談ばかりの宇和島城。
そんな彼女に半ば呆れつつ経緯を尋ねると、
その口から、壮絶な背景が語られる――?

前半

宇和島城
……ずずーーっ。

宇和島城
……ふふ、お茶が美味しいです。
こっちの地方は寒いですからねぇ。
温かいものは一層美味しく感じられます。

殿
…………。

やくも
…………。

宇和島城
あれ……どうしたのですか、皆さん? そんな怪訝な顔をして。

宇和島城
ほらほら、皆さんもご一緒に。お茶しましょうよ、お茶!

大宝寺城
えっと……宇和島城ちゃんの話が、
まだ途中だったと思うんだけど……。

宇和島城
あれっ、そうでしたっけ?

やくも
波乱万丈、紆余曲折な物語って言うとったのに……。

宇和島城
あーほら、こういうのってヒキが大切じゃないですか。
『何かあるかも』って思わせればもう、勝ったようなもんでしょ?

柳川城
なんというか……、
相変わらずなのですね。宇和島城さんは……。

宇和島城
えっと……それで、ここに来た経緯でしたよね?

宇和島城
実は……、
大宝寺城ちゃんとは以前から知り合いでして。
交流を重ねていたんですよ。

宇和島城
で、気まぐれに足を運んでみたらお留守だったので、
帰りを待っていたという次第です!

千狐
なるほど、そうだったのですね……。

やくも
ゆ……油断しちゃいかんだに、千狐。
うちは宇和島城がどういう城娘だったか、はっきり覚えとるがや……。

やくも
隙さえあれば、嘘や悪戯……。
宇和島城の言うことは、そう簡単に信じちゃいかんだに!

宇和島城
もー、そんなに疑わないでくださいよ。
最近私は、心を入れ替えたんですから。

宇和島城
大宝寺城ちゃんと知り合いだってことも本当ですよ。
ね、大宝寺城ちゃん?

大宝寺城
あ、うん……それは本当だよ!

大宝寺城
時々私、山伏に縁ある御城として、
日の本各地のお山を行脚しててね。
四国に赴いたこともあったんだ!

大宝寺城
宇和島城ちゃんとは、その時に知り合いになったの!

宇和島城
……ね、嘘じゃなかったでしょ?

柳川城
ほ、本当ですね……驚きました。

殿
…………。

宇和島城
はぁ……嘘をつかなかっただけで、
ここまで驚かれちゃうんですね、私。

宇和島城
こんな感じで、最近はみんな私のことを警戒しちゃって、
全然騙されてくれないんですよね……。

宇和島城
お陰で、ここのところは冗談を言う機会も減っちゃって。
面白くもなんともありません!

宇和島城
おまけに鶴島城ちゃんや板島丸串城ちゃんからは、
『キレが落ちたね』みたいなことを言われちゃって!
どうすりゃいいんですか、私は!

やくも
自業自得としか言いようがないだに……。

宇和島城
と言っても……私から冗談を除いたら、何が残るんでしょう。
なんの面白みも無い城娘になってしまいますよ!

千狐
じ、自分で言ってしまうんですね……。

宇和島城
だってぇ……仕方ないじゃないですか。
誰も彼も、みーんな揃って似たようなことを言うんですから……。

宇和島城
でも、いいんです。
これも『宇和島城』という名を帯びるがゆえの定め。
私はどんな扱いだって受け入れて生きていきますよ……ぐすん。

大宝寺城
宇和島城ちゃん……。

大宝寺城
そっかぁ……。
誰にも信じてもらえなくて辛かったんだね……。(なでなで)

大宝寺城
けど、もう大丈夫。
私は宇和島城ちゃんのこと、疑ったりしないよ。
だから、ここで好きなだけゆっくりしていって。ね♪

宇和島城
うう、大宝寺城ちゃん……ありがとうございます。

宇和島城
私……大好きですよ。
大宝寺城ちゃんのそういう……、
優しくて、純粋で、真っ直ぐなところ。(ニヤリ)

やくも
…………!

やくも
騙すつもりだに……きっと宇和島城は、
大宝寺城のことも騙すつもりなんだに……。

殿
…………。

大宝寺城
ほらほら、立って宇和島城ちゃん!
じぃっとしてると、気持ちも落ち込んじゃう。
せっかくのお正月なんだから、楽しく遊ばなきゃ♪

宇和島城
お正月の……遊び、ですか……。

宇和島城
ふふ……ふふふ……。

宇和島城
時に、大宝寺城ちゃんは、
羽つきという遊びをご存知ですか?

大宝寺城
……羽つき?
どこかで聞いたことがあるような……どんな遊びだったっけ?

宇和島城
こちらの羽子板を使って羽根を打ち、応酬する遊びなのですが……。
最も面白いのは、勝敗が決まった後です。

大宝寺城
勝敗が決まった後……?

宇和島城
ええ。勝った方は、
墨汁を使って好きなだけお絵かきをしていい、
という決まりがありましてね……。

大宝寺城
なにそれ、面白そう! もっと詳しく教えて♪

殿
…………。

千狐
な、なんだか……、
事態が不味い方向に転がっているような気がするのですが……!

宇和島城
細かい説明は、遊びながら教えることにしましょう!
兎にも角にも、表に出て勝負開始です!
それでは出発~♪

後半

――宇和島城と大宝寺城の羽つき勝負が始まってから、しばらく……。

宇和島城の一方的な勝利を想像していた一同は、
思いもよらぬ展開に言葉を失っていた――

大宝寺城
そこだっ! はあああぁぁぁぁぁぁーーーー!!

こーん!

柳川城
お見事! 大宝寺城さん、一点追加です!

千狐
……決着まであと一点。
大宝寺城さんが終始優勢……一方的な展開になりましたね。

やくも
お、驚いただに。まさか大宝寺城が、
こんな才能を隠していたなんて……!

宇和島城
はぁ、はぁ……はぁ……。

宇和島城
し、信じられない……どうしてこんなことに……。

大宝寺城
これでトドメだよ、宇和島城ちゃん!

大宝寺城
喰らえぇぇぇぇぇーーーーーー!

宇和島城
く、こんなハズじゃ……こんなハズじゃ、
無かったのにいぃぃぃぃ~~~!!

こぉーーーんっ!

柳川城
勝負あり! 大宝寺城さんの勝ちです!

大宝寺城
やったぁ~! 大勝利!

千狐
凄いです、大宝寺城さん♪
初めての羽つきとは、とても思えない動きだったの!

大宝寺城
えへへ♪ 修験道の修行で鍛えた足が、役立ったみたい♪

やくも
やっぱり悪は滅びる定めだったんだに! 正義の勝利だに~!

大宝寺城
あ、悪……っていうのはどういうことだろ……?

宇和島城
いいでしょう……敗北した以上、無駄な抵抗はしません。

宇和島城
ここにたっぷりと墨汁を用意しておきました。
大宝寺城さんの望むまま、私の全身に好きなように塗りたくって――

???
ごめん……くださーい……。

???
どなたかぁ、いらっしゃいませんかぁ~……?

???
誰でも構いません……から、どうかお水を一杯……だけでもぉ……。

大宝寺城
……ん、この声は……?

大宝寺城
誰か来たみたい……来客の予定は無かったと思うけど……?

千狐
か細くかすれた、力の無い声だったの……。

大宝寺城
そうだね……何かあったのかもしれない!
急いで様子を見に行ってみよう!

大宝寺城
遊んでくれてありがとう、宇和島城ちゃん!
とっても楽しかったよ♪ また一緒に羽つきしようね~♪

宇和島城
…………。

柳川城
……て、手を貸しましょうか、宇和島城さん?

宇和島城
……大丈夫です。一人で立てますので。

雲海照らす御来光 -急-

本日二人目の遭難者……錦城。
彼女の口から明かされる、此地に至るまでの経緯。
それは正に……語るも涙、聞くも涙……?

前半

錦城
はあぁ……助かったぁ。

錦城
ありがとう、大宝寺城ちゃん。それに殿たちも……。

殿
…………。

柳川城
それで……錦城さんは、どうしてこんなところに?

錦城
うん……ちょっと前のことだけどね、東北の方でライブがあったの。

錦城
……とっても良いライブだったなぁ。
みんな盛り上がってくれて、アンコールまでしてくれて……。

錦城
あんなに楽しい気分になったのは、久しぶりだったかも。
……って、そもそもライブ自体ご無沙汰だったんだけど。あはは。

殿
…………。

錦城
あ、ごめんごめん。
どうして遭難しちゃったか、だよね……。

錦城
でね、ライブが終わった後、
良い気分で自分の御城に向かってたんだけど……、
途中で吹雪に遭っちゃったの。

大宝寺城
わ……それは大変だったね。
こっちの地方のは勢いも凄いし、
一度降り出すとなかなか止まないから……。

錦城
うん……どっちが前で、
どっちが後ろかも分からなくなるくらいで……。
それで――

柳川城
遭難してしまったのですね……。

千狐
今日はやたらと遭難者に出くわす日なの……。

錦城
人里に降りれば、降りれば……って、
ひたすら前に進み続けたわ。
途中で意識が虚ろになって……何度か川を渡りそうになったけど。

やくも
真顔で危ないことを言っとるがや……。

錦城
……あ、でもこの経験を歌にすれば、
良いパフォーマンスができるかも。
忘れないうちに書き起こしておかなきゃ……。

柳川城
…………。

柳川城
(宇和島城さん……宇和島城さん)

宇和島城
(ん……何ですか?)

柳川城
(錦城さんへの悪戯は、控えてくださいね?
 だいぶ疲れておいでのようですから……)

宇和島城
(んなっ!? 心外ですね!
 私だって、冗談の使いどころくらい弁えてますよ!)

宇和島城
(こんなに落ち込んでる子を相手に、
 追い打ちを掛けるような真似しませんってば!)

柳川城
(……とは思いましたが、
 宇和島城さんのことなので一応……。)

殿
…………。

錦城
それにしても……大宝寺城ちゃんの御城は素敵ね。

錦城
御城自体はもちろん……周りは自然に囲まれていて……。

大宝寺城
ふふ、どうもありがとう♪
でもね、ここから見える場所以外にも、
見どころはいっぱいあるんだよ!

錦城
あら、そうなの?
それじゃ少し……見て回ってもいいかしら?

大宝寺城
うん、もちろんっ!
喜んで案内するよっ♪ それじゃ付いてきて!

後半

錦城
……はぁ。自然と触れ合ってると……、
心が洗われていくみたい。

錦城
ありがとね……みんな。
助けてもらっただけじゃなくて、
こんなに手厚くもてなしてもらって……。

大宝寺城
ううん、大したことじゃないよ!
私にできる限りのことをやっただけ!

大宝寺城
それに錦城ちゃんは、普段あいどる城娘として、
みんなを元気付けてくれてるんだもん!

大宝寺城
だから今日は……そのお返し♪
元気をもらってばっかりじゃ申し訳ないでしょ?

錦城
……大宝寺城ちゃん。なんて優しい子なの……。

錦城
(つー……)

大宝寺城
……な、泣いてる!? どうしたの錦城ちゃん! 

錦城
ううん……なんでもないわ。
私の渇いた心が、大宝寺城ちゃんの慈悲で満たされただけ。

錦城
綺麗……大宝寺城ちゃんが輝いてみえるわ。
まるで後光が差してるみたい……。

大宝寺城
(だ、大丈夫じゃないっぽい……)

大宝寺城
……と、とにかく!
あいどるのお役目のことは一旦忘れて、
思いっきり羽を伸ばしてみてもいいんじゃないかな!

大宝寺城
私の御城で良かったら、好きなだけ寛いでいっていいからさ♪

錦城
うん……そうね。そうさせてもらおうかしら。

錦城
本当にありがとう……このお礼は、いつかさせてもらうからね。

千狐
錦城さん……元気になったみたいで良かったの。

やくも
はぇー……あいどる城娘も、
楽しいことばっかりじゃないんやね……。

殿
…………。

宇和島城
…………。

宇和島城
ところで、錦城ちゃんは羽つきって知ってますか?
勝った方は、この墨汁を使って――

柳川城
……!
宇和島城さん控えて……控えて……!

雲海照らす御来光 -絶壱-

すっかり元気を取り戻した錦城を交え、
皆で和やかな時間を楽しむ中……とある城娘が、
銀色の虎と共に、風を切りながら颯爽と現れる。

前半

一行は錦城を仲間に加え、
思うがままに遊び……歌い、
長閑なひと時を楽しんでいた。

宇和島城
どうして……どうして勝てないんですかぁ~!

宇和島城
みんなの顔を真っ黒にするために、羽つきを覚えたのに!
これじゃ商売あがったりですよー!

やくも
どんな商売だに……。

錦城
はぁ~、遊んだ遊んだ♪
こんなにのんびり年末を過ごすのなんて、いつ以来かしら。

錦城
――とか、よく考えてみたら去年の年末も暇だったわね。
年末ライブの予定が入らなくなったのは、いつからだったか……。

大宝寺城
ちょっとちょっと、錦城ちゃん! また暗~くなってるよ!

大宝寺城
心と身体を休めるのもお役目の一つだと思って、
今はあいどる活動のことは忘れちゃお!

錦城
ええ、そうね……それじゃ、
宇和島城ちゃんと羽つきでもう一戦……。

宇和島城
お断りですっ!
勝てないのは分かりきってますから!

???
――がお……がおっ……がおおおぉっ……!

宇和島城
――ん? 何か今、声が聞こえませんでしたか……?

虎臥城
走れ、走れ走れぇぇっ♪ いいぞー相棒!
その調子でどこまでも駆け抜けるんだ~♪

大宝寺城
はっ……! そんな、見間違いじゃないよね……!?

大宝寺城
もしかして……もしかして!
あそこにいらっしゃるのは……虎臥城様っ!?

虎臥城
――ぉよ? 誰か、あたしの名前を呼んでる……?

虎臥城
……お、おお? おおおっ!?

虎臥城
殿っち~! そこに居るのは殿っちだね!?
それに柳川城っちに千狐っち、やくもっちも!

虎臥城
わ~、奇遇だねぇ! こんなところで会うなんて!

大宝寺城
す、凄い……虎臥城様が目の前に……!

宇和島城
大宝寺城ちゃん、虎臥城ちゃんのことを知ってるのですか?

大宝寺城
と……虎臥城様といえば、
ご姉妹の竹田城様や備中松山城様、越前大野城様たちと並んで、
『天空の城』として知られる城娘……!

大宝寺城
山岳信仰を尊ぶ私にとっては……憧れのような存在で、
ずっと前から一度お会いしたいと思ってたんだ~!

虎臥城
えっと~……君とは、初めましてかな?

大宝寺城
は、はい……大宝寺城って言います、虎臥城様……!

虎臥城
えへへ、『様』だなんてかたっ苦しい呼び方は止めてよぉ。
そんな呼び方されたら、肩が凝ってきちゃう!

大宝寺城
で、でも……!

虎臥城
もっと気安い喋り方の方が、すぐに仲良くなれる気がするんだ!
あたしからのお願い……ね、いいでしょ大宝寺っち♪

大宝寺城
だ、大宝寺っち……!?

大宝寺城
…………。

大宝寺城
ぶお~ん!! ぶおぉ~ん!!

殿
…………。

やくも
それで……どうして虎臥城は、こんなところに居ったんだに?

虎臥城
んー? 特に理由は無いよ?

虎臥城
年の瀬が近づくにつれて、ふっしー君の元気がギンッギンに漲ってきてね。
身体を動かしたいって言い出したから、
自由に走らせてあげてたんだ! ねー、相棒♪

ふっしー君
がお、がおぉっ♪ がぉ――

ふっしー君
――ぐるるっ!?

ふっしー君
ぐる、ぐるるるるる……!!

虎臥城
お……相棒? どしたー? 急に唸り始めて……?

虎臥城
どうどう……落ち着いてー。ほら、周りをみてごらん?
なんにも怖いものなんてないでしょ?

ふっしー君
ぐるる……ぐるるるる……!

錦城
あ、あれ……?

錦城
なんか睨まれてる……私?

殿
…………?

千狐
これは、いったい……?

宇和島城
ま、不味いですよ……これ。

柳川城
宇和島城さん、何かご存知なのですか?

宇和島城
私の記憶が確かなら……虎臥城ちゃんって昔、
豊臣秀吉公に攻め立てられたことがあるはずです。

宇和島城
だからあの虎ちゃんは多分、
秀吉公と縁の深い錦城ちゃんを見て……。

柳川城
敵意をむき出しにしている……と?

虎臥城
珍しいなぁ……相棒がこんなに興奮するなんて。
普段は猫みたいに大人しいんだけど――

虎臥城
あれ……錦城っち? そこに居るの、錦城っちだよね?

ふっしー君
ぐるるるるる……!

錦城
(平常心よ……錦城。
 ステージの上に居るつもりで、スマイルスマイル……)

錦城
…………。(にっこー)

錦城
(ち、近づいてくる……!
 虎……大きな口、鋭い牙……!)

錦城
…………。

錦城
わ、私……ちょっと裏で休憩させてもらうねっ! それじゃ~!

虎臥城
あっ……待ってよ錦城っち! どうして逃げるの~?

ふっしー君
ぐるるるるるるっ!!

千狐
虎臥城さんと相棒の虎さんが、錦城さんの後を……!

殿
…………!

やくも
ただ事じゃない空気だったがや……うちらも後を追うだに!

宇和島城
ですね、急ぎましょう!
錦城ちゃんの頭が噛み砕かれる前に!

柳川城
やめてください、縁起でもない!

後半

ふっしー君
ぐるるる……!

錦城
(お、追い詰められた……)

錦城
ふ……ここが年貢の納め時、というわけね。

錦城
考えてみれば、幸運だったのかも。
生涯アイドル城娘を貫いたまま、幕を引くことができるんだもの。

錦城
大丈夫よ、頼れる後輩もいっぱい居るんだから……。
後のことは彼女たちに任せて、私は潔く――

錦城
…………うぅ。

錦城
……やだ、やっぱりまだ死にたくないぃ!
まだまだアイドルでいたいよぉっ!

錦城
どうか……どうかお助けを!
神様仏様、ファンの皆様ぁぁぁぁっ!!

ふっしー君
ぐるるる……ぐるる、ぐるるるっ!
がぁおおおぉぉぉぉっ!!

錦城
ぎゃあああぁぁぁぁぁっ!?

やくも
き、錦城……。

やくも
きんじょーーーーーーーーっ!!!

――――

宇和島城
……こうして錦城は、
とてもあいどるとは思えない叫びを残しつつ、
人生の最期を迎えた……。

宇和島城
その壮絶な様を前に……、
城娘は皆、口をつぐんだまま静かに涙を――

柳川城
ま、待って下さい……!
どうやら、錦城さんは無事なようですよっ!?

ふっしー君
ぺろ、ぺろぺろぺろっ♪

錦城
あは、あはははっ!?
やめてやめてっ、そこは舐めちゃだめえぇぇっ!?

殿
…………?

千狐
これは……懐かれてる?

宇和島城
あれ……おかしいですね。
てっきり躊躇いなく噛み砕くものかと……。

錦城
怖いこと言わないでよぉっ!?

虎臥城
あはは、そんなことしないよぉ。

虎臥城
確かに、秀吉公とは色々あったけど……。
負けて配下に下った後は、沢山お世話にもなったんだ。

虎臥城
斎村政広様の時代には善政が布かれてね、
民からも慕われてたんだよ。養蚕とか漆器とか、
竹田自慢の文化もその頃に生まれたし!

虎臥城
もちろん……敗北の悲しみは忘れられるものじゃないよ。
けど、お姉ちゃんと約束したんだ……。
『どうせなら、前を向いて笑ってたいよね』って。

虎臥城
だから錦城っちには、御恩への感謝を伝えたいの!
相棒もそう思ってるんじゃないかな♪ ね、相棒っ♪

ふっしー君
ぐるるるるっ♪

錦城
……虎臥城ちゃん。そっか、そんなことが……。

錦城
分かったわ。それなら私も抵抗はしない。
この拷問にも等しいくすぐりにだって、
た……堪えて、堪えて――

錦城
――あはは、あははははははっ!!
だめだめやっぱ無理!
ごめんなさいすぐに止めてくださいぃ!

錦城
誰か、誰か助けを~っ!! このままだと、
アイドルが見せちゃいけない顔になっちゃうからぁぁっ!

虎臥城
ふふっ♪ 仲良くなれて良かったね、相棒♪

虎臥城
――とと、いけないいけない!
そろそろ備中国に向けて出発しなきゃ!

宇和島城
……備中?
そちらに何か用事でもあるのですか。
こんな年の瀬に?

虎臥城
年の瀬だからこそ、だよ♪
今年は備中の松山っちの御城で、
一緒に年越しすることになってるんだ♪

虎臥城
あの子、あんまり他の城娘と交流しないからね。
この機会に仲を深めておきたいって――

虎臥城
――おおっ! そうだ、良いこと思いついた!

殿
…………?

虎臥城
ねぇ殿っち!
ここで出くわしたのも何かの縁だし、
殿っちたちも一緒に来なよ!

大宝寺城
び、備中松山城さん……!
虎臥城さんたちに並ぶ、伝説の『天空の御城』……!

大宝寺城
絶景と名高い臥牛山の頂から望む、
日の出――御来光で最初の朝を迎えるなんて、
これ以上ない新年だよ!

大宝寺城
い、行くべきだよ! というか、私は絶対行きたいっ!!

殿
…………。

柳川城
天空の城から臨む初日の出……ですか。
きっと、素敵な思い出になるはず。
私もぜひ、お目にかかりたいです♪

やくも
だにー、うちも見てみたいだに♪

殿
…………!

千狐
はい……承知しました!
それでは……準備が整い次第、
千狐の転移術で備中国へと出立いたしましょう!

雲海照らす御来光 -離-

彼は誰時の闇の中。一同は雲海を見下ろす絶景を
見据えながら夜明けの訪れを待っていた。そして、
差し込んだ一筋の光が、新年の訪れを告げる……。

前半

大宝寺城の許を発った一行は、
虎臥城と共に、年越しの宴に参加することとなった。

宴の会場は……備中国に名高き、臥牛山。
日の本でも指折りの絶景で知られる、天空の城――

そして――

やくも
…………お?

やくも
おぉ……おおお?

千狐
どうしたの、やくも。急に変な声をあげて……?

やくも
おぉ……。

千狐
ため息だけじゃ分からないの……。

やくも
……いや、
日の出の光がやっと差し込んだと思ったんやけど。
気のせいだったみたいだに。

千狐
もう、紛らわしい真似をして……。
さっきから落ち着きがないんだから。

宇和島城
いやいや、そりゃそうでしょう。
だってさっきからやくもちゃんが見てるのは……西。
日が昇ってくるのとは、まったく反対の方角なんですから。

やくも
なっ!? そうだったんだに!?

柳川城
よく考えてください、やくもさん。
相手は宇和島城さんですよ?

宇和島城
柳川城ちゃん、なんか私の扱いがひどくないっ!?

柳川城
しぃっ……お静かに。

柳川城
……大宝寺城さんを見習ってください。
先程から水平線をじっと見つめて、
身じろぎもしていません。

大宝寺城
…………。

大宝寺城
――来た。

大宝寺城
来た、来たよ……光だっ!

――――

錦城
見渡す限り広がる雲海の中から、日の出が……!

大宝寺城
なんて神々しいんだろ……。

大宝寺城
私がこれまで見てきた中でも、とびっきりの御来光だよぉ……!

千狐
この壮大な景色……。
昔の人々が太陽や山といった存在の背景に、
神様を感じたことにも頷けるの。

やくも
だにぃ……。
此世がとっても広くて大きいってことを実感するがやぁ……。

宇和島城
板島丸串城ちゃんや、
鶴島城ちゃんにも見せてあげたかったですねぇ。

錦城
……最近ちょっと落ち込んじゃってたけど、
悪いことばかりでもないわね。

錦城
後輩たちの新春ライブにもお呼ばれしてるし、
好機は逃せないわ。ここから、
錦城の逆襲が始まるのよ。ふふふ……。

殿
…………。

柳川城
……皆さん、
この絶景に感じ入っているようですね。

柳川城
此度のご招待……本当にありがとうございます、虎臥城さん。

殿
…………!

虎臥城
にししっ♪
あたしはみんなに喜んでもらいたかっただけだよ!
お礼なら松山っちに言って♪

虎臥城
――って、あれ? 松山っちの姿が見えないな……?

――――

同じ頃、殿たちから少し離れた場所にて――

七飯台場
わぁ……すごい景色でしょ……♪

七飯台場
噂に聞いてた臥牛山の日の出が、
こんなに綺麗だなんて――びっくりでしょ!

備中松山城
……ええ。この景色だけは、
飽きることも、慣れることもありません。

備中松山城
日の出を迎える度……私は、
この絶景に胸を打たれてしまうのです。

七飯台場
うんうんっ。こんなに綺麗なんだもん!
そんな風に思っちゃうのも仕方ないでしょ♪

七飯台場
……あ、そうだ。
改めまして……備中松山城ちゃん、ボナネ♪
今年もよろしく、でしょ!

備中松山城
あ……はい。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。

七飯台場
本当に……最高の年越しになったでしょ。

七飯台場
声を掛けてくれた虎臥城ちゃんには、
今年一年を使って、いっぱいお礼をしなきゃ割にあわないでしょ♪

備中松山城
確か、七飯台場さんと縁の深い方が、
但馬国の出身だった……のですよね?

七飯台場
そうなの!
虎臥城ちゃんの御城がある但馬国は、
わたしの御城で戦った偉い軍人さんの故郷でしょ。

七飯台場
ここ最近はお手紙だけのやり取りだったんだけど、
虎臥城ちゃんがこの宴に誘ってくれたの!

備中松山城
ふふ……そうだったのですね。

七飯台場
あ、それから……もちろん!
わたしの参加を受け入れてくれた備中松山城ちゃんにも、
お礼を言いたいでしょ!

備中松山城
え……私、ですか?

七飯台場
とーぜんでしょっ! こんな景色が見られたのも、
備中松山城ちゃんが宴を開いてくれたお陰。
本当に……本当に、ありがとうでしょ!

七飯台場
わたしの住んでる蝦夷地は、
総裁の住んでるところから遠く離れた場所。
しかもわたしは、普段山奥に籠もりっきりの暮らしでしょ。

七飯台場
……こんな機会でもなかったら、
きっと見ることのできない景色だったでしょ!

七飯台場
だから……備中松山城ちゃん!
ほんっとーにありがとうでしょ♪

備中松山城
七飯台場さん……。

七飯台場
――と……ついつい、
備中松山城ちゃんとのお喋りに熱中しちゃったでしょ。

七飯台場
せっかく総裁に会えたんだから、
もっともっと話し掛けて仲を深めなきゃ、でしょ!

七飯台場
備中松山城ちゃんも、
わたしと一緒に総裁の胸に飛び込むでしょ♪

備中松山城
ええと……そうですね……。

備中松山城
嬉しいお誘いなのですが……私は、遠慮しておきます。

七飯台場
え……どして? もしかして、
備中松山城ちゃんは総裁のこと……好きじゃないでしょ?

備中松山城
い、いえ……そんなことはありません!

備中松山城
私も、多くの城娘たちと同じように、
殿を慕い……同じ道を歩みたいと思っています。

備中松山城
…………。

備中松山城
(でも……だからこそ、私は皆と……)

七飯台場
……備中松山城ちゃん?

七飯台場
わ……わたし、何かイヤなこと言っちゃったかな?
ご、ごめんね? 謝るでしょ……。

備中松山城
謝ることなど……七飯台場さんは何も悪くありませんよ。

備中松山城
ただ、私……少々疲れてしまったようで。
昨晩から日をまたいで今に至るまで……、
ずっと騒ぎっぱなしですから。

七飯台場
確かに……虎臥城ちゃんが、
他の城娘を連れてきてくれたお陰で、
賑やかな宴になったでしょ。

備中松山城
ですから……私はしばらく、ここで休ませてもらいますね。

備中松山城
……殿には後ほどご挨拶しますので、
七飯台場さんは、どうぞ……殿の許へ。

七飯台場
……う、うん。分かったでしょ。
それじゃわたしは、一足お先にボナネしてくるでしょ!

七飯台場
また後でね、備中松山城ちゃん!

備中松山城
…………。

備中松山城
…………ふぅ。

備中松山城
これでいいのですよね……これで。

――――

七飯台場
そーさい! そーさいそーさい!

殿
…………!

七飯台場
総裁、ボナネ!
ボナネ~!! ボナネでしょ~♪

やくも
な、なんだに、このちっこいのは!?

千狐
何を言ってるのやくも……七飯台場さんでしょう?
千狐たちより先に到着して、
昨晩の宴からずっと一緒に居たじゃない……。

柳川城
やくもさんはずっと、お料理に夢中でしたからね……。

殿
…………?

七飯台場
あ……そうだった。
わたしったら、またおっちょこちょいしちゃったでしょ……。

七飯台場
ボナネっていうのはね、明けましておめでと~って意味なの!
蝦夷地の城娘たちの間で、絶賛流行中でしょ!

千狐
確かに、いつだったか五稜郭さんも仰っていたような……。

殿
…………。

七飯台場
えへへ、総裁♪ 何して遊ぶ?

殿
…………?

七飯台場
そう! 知り合った記念に、お正月遊びで仲を深めるの!
蝦夷地に帰るまで、できるだけ沢山思い出を作るでしょ♪

七飯台場
ほらほらっ、みんなも集まって♪
輪になって仲良しこよし、でしょ♪

後半

七飯台場
独楽回し、凧あげ、福笑い……。
お正月遊びは数え上げたらキリがないでしょ!

七飯台場
休んでる暇なんてないでしょ! もっともっと遊ぶでしょ♪

錦城
元気な子ねぇ……。
私も、普段のレッスンで体力には自信あるけど、
流石に徹夜明けの朝は……ふわぁ……。

宇和島城
厳しいですよねぇ、ベテランには……。

錦城
そうそう、私みたいなベテランに夜ふかしは厳禁。
そういうイベントは後輩たちに任せて――

錦城
――って誰がベテランよ誰がっ!!
レジェンドって呼びなさい、そういう時は!

宇和島城
おお……お見事……。

雲海照らす御来光 -結-

主催にあたる備中松山城の姿を求め、辺りを
彷徨う虎臥城。ようやく見つけて喜ぶのも束の間
彼女の口からは沈んだ声が紡がれる……。

前半

七飯台場
は~、楽しかった♪

柳川城
ふふ、元気ですね……七飯台場さん。

七飯台場
うんっ! ちょっと疲れは溜まってるけど、
立ち止まってる場合じゃないでしょ!

七飯台場
わたし……蝦夷地の山奥で暮らしてきたから、
なかなかお友達も増えなかったでしょ。

七飯台場
五稜郭ちゃんに、四稜郭ちゃん、亀ちゃんたち……。
星友のみんなが良くしてくれたから、
寂しい思いをすることはなかったでしょ。けど――

七飯台場
もっと色んな城娘と仲良くなれたらって、ずっと願ってたでしょ。

七飯台場
だからわたし、ここに居るみんなに感謝したいでしょ♪

大宝寺城
ふふっ♪ それじゃ、
もっともっと思い出を作らなきゃね?

七飯台場
うんっ!
みんなにとっても良い思い出になるように、
わたしも張り切っちゃうでしょ♪

虎臥城
…………。

虎臥城
ところで、七飯台場っち?
松山っちの姿が見えないんだけど……、
どこに居るか知らないかな?

七飯台場
あ、備中松山城ちゃんならね、
ちょっと疲れちゃったーって言ってたでしょ!
あっちの方で休んでるでしょ!

虎臥城
そっか、ありがと!

虎臥城
…………。

虎臥城
松山っち……。

――――

備中松山城
……素敵ですね。
七飯台場さんは……。

備中松山城
弾けるような笑顔。
胸の内をそのまま言葉にする、素直さ……。

備中松山城
躊躇うことなく殿に話しかけたり、抱きついたり。
私もそんな風に振る舞えたら……。

備中松山城
……いえ、ダメです。ダメなんです、そんなことは!

備中松山城
自分の身に起こった出来事を忘れたのですか、備中松山城。
此地で幾度も起きた……争いの数々を。

備中松山城
要衝にあたる臥牛山を巡って、
命を奪い合う人々。その度に変わる主……。

備中松山城
誰かと関われば……私はきっとまた、周りを不幸にしてしまう。

備中松山城
そんなことになる前に、私は――

???
なるほど。やっぱりそういうことだったんだね……。

備中松山城
…………!

虎臥城
賑やかなのは嫌いかな? 松山っち?

備中松山城
……虎臥城さん。

備中松山城
意地悪なことをしますね……貴方も。
私に何も告げずに、殿たちを連れてくるなんて。

虎臥城
仕方ないじゃん♪
だって、その場で思いついたんだもん!

備中松山城
そもそも……私、反対していたではありませんか。
此地で宴を開くのは、止めた方がいいって……。

備中松山城
なのに虎臥城さんは私の言うことも聞かず、
トントン拍子でことを進めてしまうんですから……。

虎臥城
…………。

虎臥城
でも……ちゃんと分かってるつもりだよ。
松山っちのことは……。

虎臥城
松山っちが心から嫌がってて、遠ざけようとしてるなら……、
あたしだってこんなことはしなかったよ。

虎臥城
でも実際は……そうじゃないでしょ?

備中松山城
…………。

虎臥城
それにさ、もうジタバタしても仕方ないじゃん。
みんな集まって、宴も始まってるんだもん!

虎臥城
ってことで……松山っちも一緒に、殿っちと遊ぼ?
みんなの輪の中に入ろうよ?

備中松山城
…………ぅ。

備中松山城
ご、ごめんなさい虎臥城さん……。

備中松山城
……私、まだどうしても、踏ん切りがつかないんですっ!

備中松山城
なので……し、失礼します。……さようならっ!

虎臥城
あ、逃げたっ!? ふっしー君、追いかけるよっ!

ふっしー君
がぅっ!!

虎臥城
待ぁてー! こんにゃろおぉぉ~!

後半

虎臥城
ふっふっふ。どうだ、追い詰めたぞー……!

備中松山城
なんという体力ですか……。
夜通し騒いだ後……それも山道だというのに。

虎臥城
ふふんっ♪
相棒の散歩に毎日付き合ってるからね!
自然と体力も付くってもんさ♪

虎臥城
何より……あたしは必死なんだよ。

虎臥城
だって……ここで松山っちを逃しちゃったら、
また一人ぼっちになっちゃうでしょ……?

備中松山城
…………。

備中松山城
余計なお世話……と言っても、
貴方は止めてくれないのでしょうね。

虎臥城
そのとーり♪ あたしはお節介だからね!

備中松山城
その上、頑固です……。

虎臥城
にしし♪ それはお互い様でしょ?

備中松山城
…………。

備中松山城
分かって……いますよ。
意固地になっても仕方ない、ということは。

備中松山城
『関わる者を皆、不幸にする』など……。
私の杞憂に過ぎない可能性の方が、よほど高いということも。

虎臥城
…………。

備中松山城
でも、私が一人になる意味は……あります。

備中松山城
そもそも出会うことがなければ……解決するのですから、
事実であろうと、杞憂であろうと、
私と関わって不幸になる人は……生まれないのですから。

虎臥城
…………っ!

虎臥城
……松山っちのばか!
どうしてそんな悲しいこと言うのっ!

虎臥城
誰も不幸にしなかったとしても!
それじゃきみが幸せになれないって、あたしは言ってるんだよ!

備中松山城
…………!

虎臥城
気持ちは分かるよ。
負けた戦も……失ったものも、あたしはずっと覚えてる。

虎臥城
だけどあたしは……何度でも言うよ。

虎臥城
明日の不幸を避けるためなら、
今日が不幸でも構わないなんて……。
そんな考え方は間違ってる!

虎臥城
今日が楽しくて、笑顔で溢れてたらさ……、
きっと明日も良い日になるよ。
そう思えるから、あたしも相棒も元気いっぱい笑えるんだ!

備中松山城
虎臥城さん……。

虎臥城
……ごめんね。ばかなんて言って。
松山っちも悩んでるんだよね。
そう簡単に納得することなんて、できないと思う……。

備中松山城
…………。

虎臥城
だからさ……松山っち。あたしから一つお願い!
ここは一回、あたしに騙されてみてくんないかな?

備中松山城
騙される……?

虎臥城
一度だけでもいいから……、
みんなの輪に入って、一緒にお正月を楽しんでみてよ。

虎臥城
もしも松山っちの不安が的中して、
不幸がみんなを襲うようなことがあったら……、
あたしがちゃんと責任を取るよ!

虎臥城
その不幸が奪ったものは全部、あたしが取り返してみせるから!

備中松山城
…………。

備中松山城
どうして貴方は……私のためにそこまで……。

虎臥城
言ったでしょ、あたしはお節介だって!
決めたの……あたしの目が黒いうちは、
松山っちを一人ぼっちにはさせないんだ、ってね♪

備中松山城
…………。

備中松山城
(同じ天空の城として、
 可愛いらしい妹分のような存在だと思っていましたが……)

備中松山城
(いつの間にか、
 こんなに大きくなっていたのですね……)

備中松山城
……承知しました。

備中松山城
提案通り……貴方に騙されることにします。

虎臥城
おおっ!? ほんとにっ?

備中松山城
はい……意地の張り合いでは、敵いそうにありませんから。

備中松山城
虎臥城さん……ありがとう。

雲海照らす御来光 -絶弐-

過去の出来事に縛られ、葛藤に苦しんでいた
備中松山城だが、虎臥城の説得に後押しされて、
ようやく次の一歩を踏み出し始める……。

前半

大宝寺城
ああっ!? 居た居たっ!
こっちだよ、備中松山城ちゃ~ん!

備中松山城
皆さんお集まりで……こ、これは何事でしょうか?

宇和島城
何事も何も、備中松山城ちゃんを探してたんですよ。

備中松山城
……え、私をですか?

柳川城
皆、備中松山城さんにお礼が言いたかったのですよ。

錦城
そうよ! こんな素敵な景色を見せてくれてありがとーってね♪

千狐
なのに、全然姿が見えないものですから、
皆で探していたのですよ!

大宝寺城
私の故郷から持ってきた材料で、お料理も作ったよ♪
備中松山城ちゃんが用意してくれたのは、
もうみんな平らげちゃってたからね!

千狐
まぁ、殆どはやくもの仕業なのですが……。

宇和島城
私も故郷自慢の鯛めしをご用意しましたよ!
めでたい新年を飾るには最高の料理です!

虎臥城
うぉ~、凄いっ!
美味しそうな料理だねぇ、松山っち♪

備中松山城
ですが私は……一応、この宴の主催者です。
皆さんからもてなしていただくわけには……。

七飯台場
もー、備中松山城ちゃんは謙虚過ぎるでしょ!
そんな細かいことは、気にしなくていいでしょ!

やくも
だに!
みんながありがとーって思っとるんやから、
受け取っとけばいいんだに!

備中松山城
と、虎臥城ちゃん……。

虎臥城
何を不安げな顔してるの♪ 遠慮しないで、
みんなのお言葉に甘えちゃえばいいんだよ!

虎臥城
……言ってくれたでしょ?
あたしに騙されてあげる、ってさ。

備中松山城
…………。

備中松山城
……そうですね。それでは、遠慮なく……。

後半

備中松山城
…………。

備中松山城
……ふぅ。

虎臥城
ふふっ、お疲れかな?

備中松山城
虎臥城さん……。

虎臥城
楽しんでたみたいだね。周りのみんなも……松山っちも。

虎臥城
みんな……ここで過ごしたことを良い思い出として、
覚えておいてくれるんじゃないかな……きっと。

備中松山城
……はい。そうであってくれると……嬉しいですね。

備中松山城
…………。

備中松山城
その……ありがとう、ございました。

虎臥城
ん、お礼? 急にどしたの?

備中松山城
あそこまで強く迫られでもしなければ、
私はやはり……一人で居続けることを選んでいたと思います。

備中松山城
これほど賑やかで楽しいお正月を過ごせるのは、虎臥城さんのお陰。
ですから……お礼が言いたかったのです。

虎臥城
不安はもう……晴れたのかな?

備中松山城
晴れてはいませんが……気づきました。
余計なことは考えなくてもいいのだな、と。

備中松山城
私と関わる者が、不幸に見舞われるというのなら……、
真っ先に虎臥城さんを襲うはず。
お正月をここで過ごすべく、ずっと私に働き掛けていたのですから。

備中松山城
ですが……今の虎臥城さんは、とても幸せそうです。
誰よりも笑い、誰よりも元気にこの山を駆け回っていました。

虎臥城
なるほど、確かに!
あたしが元気で居続けることが証左になるんだね!
松山っちは誰も不幸になんかしないんだぞー、って♪

備中松山城
はい。なので、私は……虎臥城さんの幸福を願い、
そのために尽力しようと思います。
ひとまず今は、そのことだけを考えようと。

虎臥城
そっかそっか、それは光栄だなぁ♪

備中松山城
ですから……、
願いや悩みがあったら、いつでも言ってくださいね。
此度のお礼もしたいですし。

虎臥城
ん~、願いねぇ……。
とにかく今は、お正月を楽しく過ごしたい、ってだけかなぁ。
他のみんなもそう思ってると思うよ!

備中松山城
お正月を楽しく……ですか。
――はっ! でしたら、これが役立つかも……!

虎臥城
ん? それは……お手紙かな? お友達から?

備中松山城
指月伏見城さんからです。
お友達、と呼ぶには少々恐れ多いですが……。

虎臥城
おお、指月伏見っち!? 大物が出てきたねっ!

備中松山城
私の城主、小堀政一様は伏見奉行を務めていました。
その縁で以前から……。

虎臥城
で、その子がなんだって? えーと、なになに――

指月伏見城
ひまならこい。
それなりにもてなす。
              指月伏見城

虎臥城
それなりに……。

虎臥城
なんと言うか……、
指月伏見城ちゃんらしいお手紙だね……とっても。

備中松山城
毎年、年の瀬が近づくと誘ってくださるのです。
返事をしなくなってからもう、何年も経つというのに……。

備中松山城
…………。

備中松山城
虎臥城さん。私……このお誘いに応えようと思います。
もちろん、皆さんにもお声がけして。

備中松山城
宴を好む、指月伏見城さんのことですから……、
殿たちをお連れすれば、喜んでくださるはず。

虎臥城
そ、それは素敵な案だと思うけど……だいじょぶ?
松山っち、無理してない?

備中松山城
も、もちろん……多少緊張はしています。
ですが……それよりも、
虎臥城さんがくださったこの機会を逃したくないのです。

備中松山城
そして何より、
このお正月をより素晴らしい思い出にしたいのです……!

虎臥城
ま、松山っちぃ……!

虎臥城
……よし、合点承知だっ!
それならあたしも手伝うよっ!
すぐに殿っちたちに声を掛けよう!

備中松山城
は、はいっ! 分かりました!



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[花嫁衣装]春日山城

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[花嫁衣装]新田金山城

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