ストーリーテキスト/選ばれし城娘と秘伝武具_壱の陣

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目次

選ばれし城娘と秘伝武具 壱の陣[]

秘伝武具 亘理来国光

――真夜中に所領を抜け出すやくも。
夜ごと密かに作っていたあるモノが、
思いも寄らぬ事態を引き起こす……。

前半
――夜・所領。

寝静まる所領内に、
不審な動きをみせる人影があった――――。

やくも
…………ふふふ。

やくも
右よし!

やくも
左よし!

やくも
どーやら、千狐や殿さんには見つかっていないみたいだに。
これなら今日もこっそり所領を抜け出せるがや……!

やくも
……というわけで、いざ出陣だに!!

――半刻後・所領付近某所。

やくも
んぉりゃぁあああっ――――!!

――かちーん!

やくも
とぉりゃぁあああっ――――!!

――かちーん!

やくも
もひとつオマケにぃーーーー!!

――かちーん!

やくも
はぁ、はぁ…………。

やくも
――んぁっ!?

やくも
……ついに……ついに完成したがや……。

やくも
これさえあれば…………。

やくも
…………ふふ。

やくも
ふぁっはっはっはっは~♪

やくも
――っと、ひとりで笑ってる場合じゃないだに。
そろそろ所領に戻らないと千狐に気づかれるがや。

やくも
とは言っても……さすがに完成したコレらを
誰にも見られずに今日持って帰るのは難しそうだに。

やくも
てことで、とりあえず完成したもんは、
此処らに隠して後日取りに来ることにするだに!

やくも
……よいしょ……よいしょ……っと…………。

やくも
よし! 
これで誰にも取られる心配はないだに!
それじゃあ、急いで所領に戻るがやー!!

……………………。


…………(じぃ~)


アノ神娘……イッタイ何ヲ土ノ中ニ隠シタノダ……?


…………(ゴソゴソゴソ)


――コ、コレハッ!?


……奴メ、何テモノヲ……………………!


…………直チニ仲間ヘ報セナケレバ…………!

――翌朝・所領。

やくも
ふんふふ~ん♪
おはようだにぃ、殿さーん!

殿
…………。

柳川城
…………。

千狐
…………。

やくも
……あれ? みんな思い詰めたような顔してどうしただに?
悩み事があーならうちに遠慮なく相談して――――

千狐
――やくも。ちょっと、ここに座りなさい。

やくも
……え? 
でもうち、これから顔を洗いに――。

千狐
そんなのいいから、さっさと座りなさい。

やくも
…………。
(千狐のやつ、笑顔なのになんだか怖いだに……)

やくも
…………はい、座っただに。

千狐
……ねえ、やくも。
怒らないから正直に答えて。

千狐
あなた最近、夜な夜な出歩いてるでしょ?

やくも
――だにっ!?
な、なんでそれを……?

柳川城
すみません、実は五日前の夜……。
やくもさんが所領を出て行くところを、たまたま私が目撃してしまって……。

柳川城
最初は見間違えかと思ったのですが、その後も、
夜毎やくもさんが所領を抜け出していたようでしたので、
殿と千狐さんに報告したのです……。

やくも
あんなに注意して抜け出してたのに……。
……柳川城おそるべし、やね……。

千狐
柳川城おそるべし――――じゃないわよ!!
殿に心配かけて、いったいどういうつもりなの!

やくも
――ひぃぃっ!?
ご、ごめんなさいだにぃ……。

千狐
さぁ、白状しなさい!
いったい真夜中に何をしてたの!

やくも
……えっと……。

やくも
…………あ、あるモノを作ってただに。

柳川城
あるモノ……?

やくも
そうがや……日頃がんばってる城娘たちの為に、
こっそりと強力な武器の開発に着手してたんだに。

千狐
そんな……どうして所領の外でやる必要があったの?

やくも
殿さんをびっくりさせたかったんだに……。

やくも
うち、千狐みたいに転移術も使えんし、
何か目に見える形で役に立ってみせたかったんだにぃ……。

千狐
…………。

千狐
まったく、やくもらしいというか何というか……。

柳川城
ですが、千狐さんが心配していたようなことが
起きてなくて良かったですね。

やくも
心配してたようなこと……?

千狐
毎晩、夕餉だけじゃ足りないからって、
食べ物を求めて、所領周辺を彷徨ってるのかと思ってたのよ。

やくも
――うちはそげに食い意地はってないだに!

やくも
(ほっ……どうやら、武器作りの前に魚釣りしたり、
木の実を集めてたことまではバレてないみたいやね……)

千狐
わ、分かったから怒らないで、やくも。

千狐
それよりも、こうして武器作りに関しては
皆が知るところとなったんだから、

千狐
今日からは黙って夜に抜け出したりせずに、
所領内で武器を作るようにしなさいね?

やくも
ん? 
ああ、それに関してはもう大丈夫だに!

やくも
もうぜーんぶ作り終えちょーけん、
後は所領に武器を持ってくるだけだに!

やくも
というわけやから、柳川城。
ちょっと運ぶの手伝ってほしいがや。

柳川城
わかりました。
そういうことであれば、是非ともお供させていただきます!

柳川城
では、行ってきますね、殿。

――数刻後。

千狐
…………二人の帰りが遅いですね、殿。
それほどまでに遠き場所で、やくもは武器を作ってたのでしょうか?

殿
…………。

殿
…………!

千狐
あ、どうやら戻ってきたようですね!
……って、あれ? 二人とも手ぶらのようですが?

やくも
うわーーーーーーーん!!

やくも
殿さーーーーーーーん!!

千狐
ど、どうして泣いてるの?
武器を取りに行ったんじゃなかったの?

やくも
それが……それがぁ……。

やくも
うわぁぁーーーーーんっ!

柳川城
実は……やくもさんが作成した武器が、
何者かに盗まれてしまったようで……。

千狐
――盗まれた!?
それは本当なの、やくも?

やくも
間違いないだに……。

やくも
箱につめて土ん中に埋めてたのに、
ぜんぶ掘り起こされてたがや……。

やくも
ぐすっ……うち、頑張って作ったのに……
こんなのってないだにぃ……。

千狐
やくも……。

千狐
――っ!?

柳川城
ど、どうしたのですか千狐さん?

千狐
ある地域にて、急激に邪悪な気が膨らんでいます!
おそらくは兜が決起したのかと……。

殿
…………!

柳川城
はい、すぐに出立の準備を整えます!

千狐
そういうわけだから、やくも。
悪いけど、武器を盗んだ犯人捜しは後回しになるわ……。

やくも
……ぐすっ。だ、大丈夫だに! 
武器はまた作ればいいだけがや……。

やくも
殿さん、すぐに千狐の転移術で、
兜さんらが悪さしてるとこに向かうだに!

殿
…………!

――数刻後・陸奥国某所。

千狐
殿、このあたりの地に兜たちの気を感じますわ。
周囲を警戒してください!

柳川城
――っ!? 
殿、向こうに何者かの姿が見えます!

柳川城
あれは………………。

千代城
――おお、城主ではないか!

千代城
その武装を見るに、
此の地の危機を知って駆け付けてくれたのじゃな。

千狐
せ、千代城さん! 

千狐
そうか、ここは陸奥国……。
千代城さんが守る地でしたね。

千代城
然りじゃ。

千代城
実は、城主の到来は予想していたのだが、
こんなにも早くきてくれるとは嬉しい誤算じゃ。


――ザザッ!

兜軍団
――ザザッ、ザザザッ!!

千代城
……っと、言ってる間に兜が姿を現しよったな。
城主よ、悪いがすぐに戦いの準備に入るのじゃ!

千代城
それまではわらわが時間を稼ぐ!
なに、案ずるな。わらわにはこの新刀があるのでな!

やくも
…………ん?

やくも
――ああっ!? 
あれ! 

やくも
あれがや、殿さん!
うちの盗まれた武器のひとつは、千代城が持ってるやつだに! 

千狐
そんなまさか……!
それじゃ千代城さんが盗んだっていうの?

やくも
わからんけど、でもあれは間違いなくうちが作った刀だに!

千代城
何をごちゃごちゃ言っておる!
早く戦いの準備をせぬか……!

兜軍団
……………………(じりじり)

千代城
くっ……兜たちが迫っておる……!
仕方ない、まずは目の前の兜をわらわが切り捨てるしか!

千代城
やぁっ――――!

殿
…………!

柳川城
――殿っ、危ない!

千代城
……え? 
な、なぜじゃ?

千代城
どうして、わらわが城主を攻撃しておるのじゃ……?

柳川城
殿に斬りかかるなんて……
気でも狂ったのですか、千代城さん!

千代城
ち、ちがう……! 
これはわらわの意思では――

千代城
――くぁっ、だめだ、刀が勝手に!
うぅっ、そんな……手放すこともできぬとは……! 

千代城
頼む、避けてくれ!
わらわは……わらわは城主を斬りたくはないのじゃ…………!

やくも
……こ、これはどういうことがや!?
千代城のやつ……もしかして、既に兜さんの瘴気で操られているがや?

千狐
いや、千代城さんの霊気はいたって正常だわ!

千狐
……ただ、あの武器から異様な禍々しさを感じる……!

やくも
え? 
うちの作った武器から……?

古桃形兜
チッ……勘ノ良イ神娘ダ。

千狐
――っ!?

千狐
貴方、何かを知ってるようね……!
答えなさい、いったいあの武器に何をしたの!?

古桃形兜
……ナァニ、チョットシタ細工ヲシタダケサ。

古桃形兜
ダガ、貴様ラガ其レヲ知ル事ハ無イ!

古桃形兜
何故ナラ、此処デ死ヌノダカラナ!

古桃形兜
――今ダ! 
千代城ト共ニ……全軍突撃ダァ!!

柳川城
殿! 
兜が戦闘態勢に移行しました!
下知をお願いします!

後半
古桃形兜

――ウグァッ!!
……マサカ、負ケル……トハ………………。

柳川城
殿、見事な采配でした!
何とか兜を退けることができましたね!

千代城
はぁ……はぁ…………
よ、ようやく……この刀を手放すことができた。

千代城
……こ、これはいったい何なのじゃ? 
妖刀の類だとでもいうのか?

古桃形兜
妖刀……? 
クク、成程タシカニソウカモシレヌナ……。

古桃形兜
其処ニ製作者ガイルノダ……訊イテミタラドウダ……?

やくも
う、うちは妖刀なんて作ってないだに!
城娘の為に、一生懸命強い武器を作っただけがや!

千狐
そうよ、やくもはそんな危険なものを作ったりしないわ! 

千狐
兜、戯言はそこまでにして、
大人しくこの武器に施したからくりを教えなさい!

古桃形兜
……イイダロウ。マァ俺モ詳シイ事ハ分カラナイガ……、
仲間ノ一人ガ其ノ武器ニ瘴気ノチカラヲ籠メタラシクテナ……。

古桃形兜
城娘タチヲ操ルノデハナク……武器自体ヲ妖刀、魔剣ノ類ニスルコトデ……、
城娘ノ自意識ハソノママニ……チカラヲ暴走サセルッテ仕組ミサ……。

柳川城
城娘の力を……武器によって暴走させるなんて……!

古桃形兜
……ダガ、其処ニ居ル千代城モ千代城ダ……。
我々ガ送リツケタ武器ヲ……何ノ疑イモ無ク手ニシタノダカラナ…………。

千代城
ああ……今回は、猛省するばかりじゃ……。

千代城
だが、それだけこの刀の出来がよかった……、
そう、あまりにも見事だったのじゃ。

やくも
そんなに褒められると照れるだにぃ。

千代城
いやいや、それだけの業物故、
自らの技量に誇りを持つといいのじゃ。

やくも
えへへ。そげに言ってもらえると、
頑張って作った甲斐があったってもんだに。

古桃形兜
……フッ。緊張感ノ無イ奴ラダ……。
……貴様ラ、是デ全テガ終ワッタトデモ思ッテイルノカ?

千狐
ど、どういうことよ!?

古桃形兜
……武器ヲ作ッタ神娘ヨ……。
貴様ガ生ミ出シタ物ハ、此ノ刀ダケデハナカロウ?

やくも
――っ!?
そ、そうだに……うちは、全部で六つの武器を作っただに。

柳川城
……ということは、他にも千代城さんのように
危険な武器を手にしてしまう城娘がいるということですね。

古桃形兜
……フッ、漸ク気付イタカ。
ダガ時既ニ遅シ…………。

古桃形兜
我々ハ盗ンダ武器ヲ……日ノ本各地ニ点在スル城娘ラニ……
……送リ……届ケタノ……ダカラ……ナ………………。

古桃形兜
…………是カラ、起コル……異事……ヲ……、
見届ケ……ラレヌノガ………………残念…………ダ……………………。

千代城
…………どうやら、息絶えたようじゃな。

千代城
それにしても、何ということを思いつくのだ。
これはかなり危険な状況じゃ。

千代城
ともすれば、城娘が人々を襲う辻斬と化しかねん……。
すぐに武器の行方を追わなくては――!

柳川城
ですが、場所が分からないことには……。
日の本中を駆け回っていては時間が足りません。

千狐
……それについては、何とかなるかもしれませんわ。

やくも
どういうことがや!?

千狐
先刻、日の本各地で兜の邪気が急激に
膨れあがった地が同時に五箇所確認できたの……。

千代城
五箇所か……やくもが作った武器の数と一致するな。
そこに武器と城娘もいると考えるのが妥当じゃろう。

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
はい、殿! 
何としても、奪われた武器をすべて回収しましょう!

千狐
それでは、準備が整い次第、
次の地へと向かいましょう、殿!

秘伝武具 両刃櫃槍

武器の暴走によって岩櫃城が兜と共に
攻め込んでくる。彼女の繰り出す鋭い
二連続攻撃を警戒しつつ戦いに勝利せよ!

前半
千狐

――殿、兜の邪気が密集する地に到着しましたわ!

千代城
すぐに警戒態勢をとるのじゃ、城主。
兜だけでなく、やくもの作った武器を所持した城娘も――――

岩櫃城
――とぉ~のぉ~♪

殿
――っ!?

岩櫃城
んふぅ~~~っ♪ やっぱり本物の殿です!
もぉー。すっごくすっご~く会いたかったんですからねぇ!

岩櫃城
それにしても、私が少し前に送った恋文を読んで
こうして会いに来てくださるなんて、感激です!

柳川城
――こ、恋文!?

千狐
本当ですか、殿!?

殿
…………。

殿
…………?

岩櫃城
え? 
何故そのような、拙者しらねーけど、みたいなお顔をなさるのですか?

岩櫃城
あっ、もしかして恥ずかしがってらっしゃるのですか?
もぉ、ヘンなとこで照れ屋さんなんですからぁ。

殿
…………?

岩櫃城
ふふっ、知らないふりしたって無駄ですよ?

岩櫃城
だって、私の恋文に対する返事と一緒に、
こんな素敵な武器も送ってくださったじゃないですか。

岩櫃城
ほーら見てください! 
殿が私の為に選んでくださっただけあって
バッチリ手に馴染んじゃってます!

岩櫃城
お~、み~なぎってきたぁ~! 
って感じです!

やくも
――あ、あれは……!?
うちが作った武器の一つだに!

柳川城
と、いうことは……!

兜軍団
――ザザッ!!

千狐
やっぱり、兜たちが現れました!
殿、注意してください!

岩櫃城
ななっ!? 
こんなところに兜が出るとは、
せっかく殿と会えたっていうのに、無粋すぎます!

岩櫃城
こうなったらぁ…………攻め弾正いっきまーす!

殿
――っ!?

柳川城
殿、お下がりください!
ここは、私が……防ぎ、ますからぁ!!

岩櫃城
…………え? 
あ、あれ?
なんで私、大好きな殿に斬りかかってるの?

岩櫃城
うわ~~~ん、これじゃ嫌われちゃうよぉ……!
誰かぁ、止めてくださいぃぃ~~~~!!


オイオイ、ナーニ泣イテンダ岩櫃城?
俺タチト一緒ニ殿ヲ切リ刻ミニ行コウゼ!!

蟹形兜
ヒャッハーーーーッ!!
ミ~ナギッテキタァ~!

岩櫃城
私の台詞をとらないでくださいぃぃ!!
殿ぉ、こんなのやですぅ! 
助けてくださいぃぃ~~~~!!

千狐
殿、すぐに岩櫃城さんの暴走を止めに行きましょう!
いざ、出陣ですわ!

後半
岩櫃城

……はぅぅぅ……よ、ようやく武器を手放せましたぁ…………。

岩櫃城
いったい、どうしてこんなことに……。

岩櫃城
――はっ!?

岩櫃城
まさかこれが、殺したいほど愛しているという、例のアレですか!?

岩櫃城
ついに私の殿愛はそんな危険領域にまで達してしまったと……、
そういうことなのですね、殿!

千代城
――惚けるのもいい加減にするのじゃ!

岩櫃城
あたっ! 
もぉ、千代城ちゃん……、
背伸びして私の頭ぽこってしないでくださいよぉ……。

千代城
おぬしが妄言を大量生産してるのが悪い。
そもそもおぬしが城主を攻撃したのはだな……(中略)……なのじゃ!

岩櫃城
おおっ! 
分かりやすい説明ありがとうだよ、千代城ちゃん!
さすが、のじゃってるだけあるね!

千代城
むっ、何だか馬鹿にされたような気が……。

千狐
お、落ち着いてください、千代城さん。

千狐
それよりも岩櫃城さん。
先ほどその武器を殿からもらったと言ってましたが……。

岩櫃城
え? 
ああ、はい! 

岩櫃城
言いました!
これ、殿から岩櫃城へ、って文付きで送っていただいたのです!

岩櫃城
だから嬉しくてさっそく使ってみたのですが、
まさか兜のわるーい気で細工されてたなんて……。

岩櫃城
……って、あれ?
兜が細工してた……?

岩櫃城
それじゃあ、もしかして……。
この武器を送ってきたのは、殿じゃないのですか?

殿
…………。

殿
…………!

岩櫃城
ええっ!?
じゃ、じゃあ……。

岩櫃城
この前、私が送った恋文の返事をしたのは…………。

蟹形兜
――ヘヘ、残念オレデシター!
ンジャ、アバヨ岩櫃城!
暫シノ文通マジ楽シカッタゼ!

岩櫃城
…………。

岩櫃城
…………うぅぅ。

岩櫃城
ふぇ~~~~ん! 
手紙を兜に横取りされて
あまつさえ文通しちゃってたとか、何ですかそれぇ……!

岩櫃城
ていうか! 
そもそも最初から何かおかしかったんですよー!

岩櫃城
……やたら返事が早かったし!
殿にしてはやけに甘々情緒あふれる文体と内容だったし!

岩櫃城
……うわーーーん!
兜の手紙にときめいていた過去を誰か滅してー!

千代城
…………。

千代城
…………城主よ。
彼奴は暫くあんな感じじゃろうから、
放っておいて次の地へと急がぬか?

千狐
そ、そうですね。
今はそっとしておいてあげましょう……。

柳川城
い、岩櫃城さーん。
あの、この武器は返していただきますね?

やくも
聞こえてないみたいだに……。
まぁ、あれだけ泣き喚く元気があるなら心配はいらないと思うに。

千狐
それでは殿、次の地へと参りましょう!

秘伝武具 古天明平蜘蛛砲

暴走する武器の所持者となった信貴山城が
兜と共に攻撃をしかけてくる。彼女の大砲が
放つ強力な遠距離範囲拡散攻撃に注意せよ!

前半
三十二間星形兜

ククク……コレデ準備完了ダ……。
後ハ、アノ城娘ガ此ノ武器ヲ使エバ……。

三十二間星形兜
……ットイケナイ、スグニ隠レナクテハ……。
見ツカッテハ元モ子モナイカラナ…………。

……………………。

信貴山城
……ん?

信貴山城
おやおや? 
こんなところに、さも新品でございなピカピカ大砲が
これでもかってくらい怪しく置いてありますね。

三十二間星形兜
(――――ギクッ!?)

信貴山城
……しかも張り紙付きで、
兜と戦う今話題の殿から愛する信貴山城へ(はーと)、と来ましたか。

信貴山城
其処らのふんわりほわほわ城娘ならば
きゃるるーんって驚喜するのでしょうが……。

信貴山城
ハァ……これで私を騙せると考えるとか、
ほんとに兜というのは何ていうかえーっと……。

信貴山城
あーだめです。綺麗な言葉を選んでみようと思いましたが、
馬鹿か阿呆くらいしか思いつかなかったです。ふふふ。

三十二間星形兜
(…………グヌヌ……言ワセテオケバ……!!)

信貴山城
ふむふむ……しかも大砲のまわりに足跡も残ってますねぇ。

信貴山城
これは……そう、あれです。
三十二間星形兜。

三十二間星形兜
(――ナッ!? 足跡ダケデ断ズルトハ!
信貴山城……奴ハバケモノカ!?)

信貴山城
何言ってるんですか、バケモノは貴方たちでしょう?

三十二間星形兜
――ッ!?
ド、ドウシテ此処ニイルノガ分カッタ!

信貴山城
こんなので驚かないでください。私は信貴山城ですよ?
騙し騙されで遅れを取るわけないじゃないですか。

信貴山城
それに……匂いでね、分かるんですよ。

信貴山城
貴方みたいに悪意を持った輩が近くにいると、
そりゃーもうぷんぷんと……ね。

三十二間星形兜
歴戦ノ猛者ノミガ至ル境地カ……
クッ、其方ヲ甘ク見テイタ……某ノ完敗ダナ……。

信貴山城
…………。

信貴山城
(なーんて。この兜の頭から、びよーんってなってるやつが
草陰からはみ出してたから分かったなんて言えませんね)

三十二間星形兜
クッ……殺セ…………某単体デハ貴様ニ敵ウハズガナイカラナ……。

信貴山城
…………潔いのは嫌いじゃないですよ。

信貴山城
けど、もう少し抗ってみせなさい。

三十二間星形兜
…………ハ?

信貴山城
巷で噂の兜特製瘴気で私をどうにかしようっていうなら、
爆殺してやろうと思ってましたが、どうやらそうでもないようですし。

信貴山城
貴方たちの企みがどんなものか聞かせてください。
ものによっては、片棒くらい担いであげてもいいですよ?

三十二間星形兜
(……コ、コノ城娘ハイッタイ…………?)

信貴山城
ふふふ……。

――数日後。

千狐
殿、ご覧ください! 
既に此の地は兜が陣取っているようです。
十分に注意して――――

信貴山城
―――― 天罰です!

殿
…………っ!?

千代城
危ない! 
城主よ、伏せるのじゃ!

信貴山城
……っち。外しましたか。
勘の良い奴等ですね。

千狐
……あ、あれは……!
城娘です! 
殿、今のは城娘による砲撃のようですわ! 

千代城
岩櫃城や、わらわと同じ様に、
やつも武器によって暴走しているようじゃな……!

千狐
はい……まるで、
故意に殿を狙ったような……そんな感じでした。

三十二間星形兜
(オイ信貴山城! 
手筈通リニヤルトイウ約束デハ……!?
是デハ、殿タチニ警戒サレテシマウ……!)

信貴山城
あら、いけない……。

信貴山城
それでは、コホンコホン……。

信貴山城
きゃー、たすけてー、武器が勝手に動いて、
意思に反して殿とかいう人を狙ってますー。

信貴山城
兜が瘴気っぽい何かをごにょっとした武器だと
気づかなかった私かわいそ過ぎるー。

信貴山城
だれかー、だれかっていうか殿っぽい御方ー、
たすけてー、このままじゃ撃っちゃう-。

千代城
…………。

千代城
あの城娘……明らかに不自然じゃな。

やくも
だに。
困ってるような感じがぜんぜんしないに。

千狐
棒読みというか何というか……。

柳川城
で、ですがあの武器は、
やくもさんが作ったものなのですよね?

やくも
それは間違いないにぃ!
あれはかなり力をいれて作った大砲だに!

千狐
では、すぐに武器の暴走を止めなくては……!
殿、急ぎ出陣の準備をお願いします!

後半
三十二間星形兜

――ガッ、ハ…………
ヤハリ勝テナカッタ……カ…………無念……。

千代城
城主よ、どうやら兜は今ので最後のようじゃ!
素晴らしい戦いぶりだったのじゃ。

千狐
……あれ? 
武器に振り回されていた城娘の方はどうなったのでしょうか!?

柳川城
――あっ! 
殿、どうやら彼処に…………あれ?

信貴山城
よーし、次はこのとっておきの爆弾を
使ってやるとしましょうかね……ふふふ。

柳川城
…………ば、爆弾?

信貴山城
ん……あれ? 

信貴山城
おかしいですね。兜が一体もいない……。
てことはもしかして自軍、負けちゃった感じですか?

千代城
…………むむ。

信貴山城
…………。

信貴山城
きゃー、やーらーれーたー。

やくも
…………え?

信貴山城
――ということで、何とか無事に謎の武器暴走から
この信貴山城、奇跡的にさくっと助かりました。

信貴山城
本当にありがとうございます、殿。
この恩はいつかどこかで返せたら返します。

信貴山城
それでは!

千狐
――ち、ちょっとどこ行くのですか!?

信貴山城
どこって……。

信貴山城
自宅ですよ、たぶん。

千代城
それよりもおぬし、身体はなんともないのか?
武器の力に振り回されていたはずだが……。

信貴山城
……え? 

信貴山城
ああ、そうでしたね。

信貴山城
えーっと……何だか身体の節々がいたいですし、寒気もしますし
くしゃみはなみず喉の痛みやらやら、もう立ってられないくらいですぅ。

やくも
それって風邪なんじゃ……?

信貴山城
あいたたたー。痛いです、これもう戦いの傷です、完全に怪我ですねこれ。
あーもうだめです、いろいろ無理。身体の深奥から秒読み自爆しちゃいそうですぅ。

柳川城
本当ですか!? 
なら私たちの所領で手当てを――――!

信貴山城
あ、それはけっこうです。
めんどうくさいですし。

千代城
……もうわけわからんな、此奴は。

千代城
城主よ、とりあえず武器の回収は済んだのじゃ。
此奴の身が無事ならば、我々は次へと向かうべきでは?

信貴山城
そうそう、急いだ方がいいですよ。
残る武器は三つ。日の本にぱらっと散らばってるのですからね。

柳川城
……え?

信貴山城
あーいえいえ、ただの独り言ですのでお気になさらず。

殿
…………。

信貴山城
…………。

信貴山城
…………ふふ。戦いの時もそうでしたが、
実にいい顔をされてますね貴方。

信貴山城
もし縁があれば、いつの日か茶でもご一緒に……。

殿
…………。

殿
…………!

信貴山城
ええ。それではごきげんよう。

信貴山城
…………。

信貴山城
…………。

信貴山城
…………と、ようやく行きましたね。

信貴山城
あれが噂の殿一行ですか。
何というか、想像以上の方々でしたね。

信貴山城
よいしょ……っと。

信貴山城
さーってと、本来の私の武器で、
今度はどこに行きましょうかね。

信貴山城
…………。

信貴山城
あー、今になって、さっきの殿に
ついていけば良かったとかって後悔してるなぁ、自分。

信貴山城
まぁ、いいでしょう。
確たる縁が在るならば、いずれ結ばれるのが世の常。

信貴山城
それまで私は気ままに歩むのみ。
さぁ発進です、古天明平蜘蛛砲……ふふふ。

秘伝武具 夜叉彦槍

危険な武器を城娘に送りつける兜たちの
邪悪な気配が、或る地に集結し始める。
急ぎ現地へと向かい、兜の奸策を打ち砕け!

前半
古桃形兜

……サテ、此ノ瘴気漬ケニシタ武器ヲ、
次ハドノ城娘ニ送リツケテヤロウカ。

古桃形兜
――ンォッ!?
何ダ……向コウノ方カラ途轍モナイ霊気ヲ感ジルゾ!?

首里城
…………ふー、けっこう歩いたねー、彦根城ちゃん。
聚楽第ちゃんのところにはそろそろ着きそうかなー?

彦根城
そうですね。もう少し、といったところでしょうか。

彦根城
こほっこほっ…………。

首里城
あー、咳してるー。だいじょぶ?
スイが背中さすさすしてあげるね~。

彦根城
ありがとうございます、首里城さん。
……ふふっ、おかげで元気が出てきました。

彦根城
それでは、先を急ぎましょうか。

首里城
うん、しゅっぱーつ!

古桃形兜
…………。

古桃形兜
アレガ噂ノ首里城ト彦根城……。

古桃形兜
……ソシテ、聚楽第ニ会イニ行ク途次トキタカ。

古桃形兜
…………フフ。正ニ此ノ武器ヲ贈ルノニ
打ッテ付ケノ城娘ジャアナイカッ!!

古桃形兜
至急、残リノ武器ヲ持ツ仲間達ニ
此ノ地ヘ集マル様ニ伝エルトシヨウ……。

――翌日。

首里城
あー! 
見て見てー、彦根城ちゃん。

首里城
あれが聚楽第ちゃんの住んでるところじゃないかなー?

彦根城
はい、間違いなさそうですね。

彦根城
ほっ……何とか倒れずに辿り着くことができました。

首里城
あれー? 
でもどうしてスイたちは聚楽第ちゃんの所に来たんだっけー?

彦根城
え? 
お、お忘れだったのですか?

彦根城
いいですか、首里城さん?

彦根城
私たちは聚楽第さんに、
近ごろ兜たちが城娘に対して危険な武器を送りつけて、
悪いことを企んでいるということを報じに来たのです。

首里城
おー、そうだった、そうだったー!

首里城
あれ? 
でもスイはそんな危ない武器なんて見たことないよー?

首里城
ねーねー、その武器って、
送りつけられただけで危険なものなのー?

彦根城
巷説によれば、送られてきた武器を手にすると、
大変なことが起きてしまうらしいですが……。

首里城
大変なこと? 
んー。よく分からないよー。
スイが持ったらどうなっちゃうのー?

彦根城
そ、そう言われましても噂の武器が
近くにあるわけでもありませんし、私には如何とも――

古桃形兜
――武器ナラ此処ニアリマスゼ。

彦根城
あ、わざわざどうも首里城さ――

彦根城
――って、あれ?

首里城
彦根城ちゃん、それスイじゃない、兜だよー!

彦根城
ということは……今手渡されたこの武器は……!

古桃形兜
ソウサ……アンタラ城娘ガ恐レテイルアブナーイ武器ッテワケヨ。

彦根城
そんな……。

彦根城
――っ!?

彦根城
こ、これは――――くっ、うぅ……!
武器から禍々しき気が、溢れ……て…………。

彦根城
きゃぁあぁーーーーっ!!

首里城
彦根城ちゃん!

彦根城
く、ぁっ……そんな、力が……抑えきれない……!
このままでは…………っ!!

彦根城
――――ッ!!

首里城
あぅっ……!
彦根城ちゃん、スイに槍を向けないでよー。

彦根城
ごめんなさい……私の意思では、どうにも……ならないのですぅ……!!

古桃形兜
イイゾ彦根城……サァ、貴様ノ全テヲ曝ケ出セ!

千狐
――待ちなさい、兜っ!!
それ以上の狼藉は許さないわよ!

古桃形兜
ククク……漸ク来タカ。
ダガ既ニ此ノ城娘ハ我ラガ掌中。

古桃形兜
サァ、往クゾ!
奴ラヲ……憎キ殿ヲ屠ル戦イヘ!

彦根城
皆さん! 逃げて……ください……こほこほっ。
誰も……傷つけたく、ない…………。

殿
…………!

千代城
ああ、そうじゃ……。
あの状態になってしまっては戦いは避けられぬ。

千代城
一刻も早くあの城娘を解放せんと危険じゃ!
城主よ、我々城娘に下知を――!

後半
古桃形兜

……グァ、ァ……後一歩ノトコロデ…………。

彦根城
……ありがとうございます、殿。
おかげで、武器を手放すことが……できました……。

首里城
彦根城ちゃん、だいじょうぶ?
スイがどこをさすさすすれば楽になれるー?

千代城
こら、あまり動かすでない。相当な痛手じゃ。
とりあえずおぬしは近くにある井戸で水を汲んできてくれぬか?

首里城
うん! 
スイ、いっぱいお水汲んでくるー。
彦根城ちゃん、待っててねー。

彦根城
ありがとうございます、首里城さん……けほっけほ……。

千代城
いいからおぬしは、まず変身を解くのじゃ。
このままでは身が保たぬぞ?

彦根城
こほこほっ……はい。
ご迷惑をかけてしまって……申し訳ありません。

やくも
兜さんがぜーんぶいけないだに!
あんたはなーんも悪くないがや!

柳川城
殿…………大事になる前に彦根城さんを
助けることができてよかったですね……。

殿
…………。

千狐
そうですね、殿。日の本に点在していたはずの邪悪な気配が
急激に此の地に集まり始めたのを察知し、急ぎ転移してきましたが……。

千狐
こんなことになっているなんて思いもしませんでした。

やくも
それにしても、彦根城も首里城も、
どうしてこげな危険な場所に来たがや?

彦根城
それは……此の地にいる知り合いの城娘に、
兜が危険な武器を送りつけていることを報せる為です……。

千代城
此の地にいる知り合いじゃと……?
というと、まさか……聚楽第か!?

彦根城
ええ、そうですけど……ご存知なのですか?

千代城
知ってるも何も――――

???
――うわ~~~~んっ!!
こくおー、助けてーっ!!

彦根城
こ、この声は……首里城さん!?

柳川城
殿、すぐに首里城さんの場所へ向かいましょう!

秘伝武具 千代金丸

井戸の水を汲みに行った首里城は兜の巧みな
話術に騙されて、瘴気漬けの武器を手にして
しまう。首里城を救う為、いざ出陣せよ!

前半
――首里城が殿たちに助けを求める少し前。

首里城
おっみずー、おっみずー、美味しいおっみずー。

首里城
あぁー、井戸があったよぉ!

首里城
シーちゃん、サーちゃん、一緒にお水汲むの手伝ってー。

首里城
…………わー。いっぱい汲めたねー!
これなら彦根城ちゃんも元気になるよー。

首里城
よいしょー。それじゃあ急いで戻ろー。

首里城
……んー?
あれ、あそこにいるのは誰かなー?

鳥帽子形兜
…………。

首里城
あー、兜だー。

首里城
戦は好きじゃないけど、
スイが何とかしないとー!

鳥帽子形兜
マ、待ッテ首里城チャン……僕ハ悪イ兜ジャナイヨ。

首里城
んー? 悪い兜じゃないのー?

首里城
でも、色が真っ黒だよー?

鳥帽子形兜
姿ハ黒クテモ、心ハ真ッ白……。
……オネガイ、僕ヲ信ジテヨォ……。

首里城
んー。そう言われてもなー。

鳥帽子形兜
ソウダヨネ……急ニハ信ジラレナイヨネ。

鳥帽子形兜
デモ僕ハ、イツモ皆ノ為ニ頑張ッテル
首里城チャンニ、イイ物ヲ持ッテキタンダ。

首里城
わー、何これー? 
すごーい。
見たこともないような立派な刀だねー。

鳥帽子形兜
ヨカッタ……ドウヤラ気ニイッテクレタヨウダネ。

鳥帽子形兜
コレヲ、タダデ首里城チャンニアゲルヨ。
ソシタラ僕ノコト……信ジテクレルヨネ?

首里城
…………んー。

首里城
…………。

首里城
悪いけどスイはいらないかなー。

鳥帽子形兜
――ナッ!? ド、ドウシテ……?

首里城
だって彦根城ちゃんがねー、最近兜たちが危険な武器を
スイたち城娘に送りつけてるんだよーって、言ってたんだもん。

首里城
それに、シーちゃんも、サーちゃんも、
受け取っちゃだめーって言ってるし。

鳥帽子形兜
ソッカ……。

鳥帽子形兜
……ヤッパリ僕ミタイナ黒クテ汚ラシイ
ゴミカス兜ナンテ信ジラレナインダネ……。

鳥帽子形兜
コウナッタラ、コノ刀デ自害スルシカナイ……。
……首里城チャンガ振リ向イテクレナイナラ生キテル意味ナンカナイシ……。

鳥帽子形兜
ソレジャア、サヨナラ……最後ニ首里城チャンニ会エテヨカッタヨ……。

首里城
こらー! 
命を粗末にしちゃだめだよー!
刃物はスイが取り上げちゃうんだからー。

鳥帽子形兜
…………フフ、遂ニ武器ヲ握ッタナ……首里城……。

首里城
……え?

首里城
あーっ!? 
どうしよー!
兜から武器を受け取っちゃったよー。

鳥帽子形兜
モウ拒ムコトハデキナイゾ! サァ、言ウコトヲ聞ケ!
今スグニ、コイツニ乗ッテ殿タチヲ屠リニ征クンダ!

一ノ谷形兜
ブシュッブブシュゥゥゥゥゥウウウウウッーーーー!!

首里城
やだー!
スイはそんなおっきな兜になんか乗りたくないのー!

鳥帽子形兜
イイカラ、サッサト乗ルンダ!

首里城
――うわ~~~~んっ!!
こくおー、助けてーっ!!

殿
――っ!!

鳥帽子形兜
……クソ、モウ来タノカ!

鳥帽子形兜
デモ残念ダッタナ、首里城ノチカラハ此方ノモノダ!

鳥帽子形兜
今コソ憎キ殿ヲ倒スゾ!
全軍、突撃開始ダーッ!!

一ノ谷形兜
ブシュッブシュブシュッブシュゥゥゥゥゥウウウウウッーーーー!!

柳川城
…………殿! 
どうやら首里城さんも
あの危険な武器を手にしてしまったようです。

柳川城
すぐに助けに行きましょう!
出陣の準備をお願いします!

後半
首里城

助けてくれてありがと、こくおー。

首里城
でもー、彦根城ちゃんの為に汲んできたお水、
どっかにいっちゃったよー……。

彦根城
首里城さんが無事ならそれでいいのです。
……お水なら、また汲んでくればいいだけですから。

首里城
えへへ、ありがとう彦根城ちゃん。

首里城
――あれ? 
ちょっとまってー。

首里城
シーちゃんとサーちゃんが何か言ってるよー?

首里城
……うん、うんうん……え? 
ほんとにー?

首里城
わぁ、お水は安全な場所に隠しておいてくれたんだねー!

首里城
ということで、はい彦根城ちゃん!

首里城
スイが井戸から汲んできたお水だよー。
どーぞどーぞ。一気にどーぞ-。

彦根城
い、一気にはちょっと難しいですけど、
有り難く飲ませていただきますね。

やくも
いずれにせよ、何とか二人は無事に助けられたみたいやね!

やくも
残る武器は後一個やけん、最後のはどこにあるがや?

千狐
殿、付近に未だ兜の気配がありますわ!
最後の武器はおそらく……。

千代城
聚楽第のところに存在する可能性が高いというわけじゃな?

千狐
そういうことですわ!
殿、聚楽第さんのもとへ急ぎましょう!

秘伝武具 聚楽の弓

聚楽第のもとに駆け付ける殿一行だったが、
既にその手には最後の武器が握られていた。
戦いに勝利し、この騒動に終止符を打て!

前半
聚楽第

…………。

椎形兜
フヘヘヘ……ドウシタ、恐怖デ声モ出ネェッテカ?

兜軍団
デナイッ! デナイッ!

聚楽第
…………。(ぷい)

椎形兜
ッチ、オ高ク止マリヤガッテ!
少シハ悲鳴デモアゲテミタラドーナンダ、アァアンッ!!

聚楽第
……浅ましき輩ですね。
その様な醜き武威に……私は屈したりなどしません。

椎形兜
醜イダトォ! 
今、醜イト言ッタノカ!? 

兜軍団
落チ着ケッ! 落チ着ケッ!

椎形兜
ウルセェ! 
俺ハ冷静ダッ!

椎形兜
フンッ……マァイイ。
トックニ貴様ハ包囲サレテンダカラナ。

椎形兜
サァ聚楽第! 
イイ加減ニ俺タチガコシラエタ此ノ武器ヲ受ケ取リヤガレッ!!

兜軍団
受ケ取レッ! 受ケ取レッ!!

聚楽第
…………。

聚楽第
(美しく、そして精巧な弓……名工の手による逸品であることは間違い無い……)

聚楽第
(なのにどうして……?
……この武器からは禍々しき力しか感じられない)

椎形兜
何ヲチンタラシテル! 
サッサト握レッ!

兜軍団
握レッ! 握レッ!!

聚楽第
(多勢に無勢…………今は、従うしか……ないですね…………)

聚楽第
分かりました……その弓、聚楽第が頂戴しましょう……。

椎形兜
……(ニヤリ)

椎形兜
(コレデ、天下ニ名高キ聚楽第ノ弓術ガ我ガ支配下ニ……)

椎形兜
――ッテ、アレ?

聚楽第
……え? 
何でしょうか?

椎形兜
イヤ……何デショウカ、ジャナクテ……ホラ。何カコウ……、

椎形兜
フェ~ン、武器ガ勝手ニィー、キャー誰カ助ケテー、イヤーン!!

椎形兜
ミタイナ感ジニナラナイノカ?

聚楽第
…………。

聚楽第
…………。

椎形兜
ウワァ何コノ兜キモチワルイ……ミテーナ顔シテンジャネー!

聚楽第
そ、そんな顔してないです!

聚楽第
生理的に無理だな、って心の中で軽蔑してただけで……。

椎形兜
余計タチ悪イワッ!!

椎形兜
ツーカオカシイダロ! 
何故キサマハ普通デイラレル!?
ソノ武器ニハ大量ノ瘴気ガ――――。

聚楽第
だから、どうしたというのですか……?

椎形兜
ナン……ダトォッ!?

聚楽第
私は……錬磨の果てにて弓聖と称されるに至った城娘……。
……斯様な武器程度……御することは……容易い……っ!

椎形兜
――バ、馬鹿ナッ!!

椎形兜
(イヤ、慌テルナ俺……ヤツノ姿ヲヨク見ルンダ)

椎形兜
(真ッ白イ頬ニハ汗……手足ダッテ震エテヤガル……。
ヤセ我慢シテルニ決マッテル……ソウニ決マッテルンダ!)

聚楽第
……今なら、命までは取りません……。
だから……すぐに退きなさい…………くっ、うぅ……。

椎形兜
ナーニガ命マデハ取リマセン、ダァッ!

椎形兜
コウナリャ非常用ノ瘴気ヲ解放スルマデヨッ!!
後ノコトハ考エルナ、桃形共ォ! 
ヤレェッ――!!

兜軍団
御意ィッ!! 
散布ッ、散布ゥゥウッ!!

聚楽第
――くぅっ……まずい…………!
意識を保つのに精一杯で……武器の暴走まで……抑え……きれない……!

聚楽第
や、だぁ……こんなのは……いや、なのに……あっ、ぁぁぁ…………っ!!

椎形兜
フフ……ハハハハッ!!
ソウダ、ソノ武器ヲ使イ、守ルベキ人間共ヲ皆殺シニスルノダ!

聚楽第
(……誰か……助けて……このままじゃ…………私、は…………)

殿
…………!!

聚楽第
…………え? 
貴方様……は?

椎形兜
ッチ……イイトコロデ邪魔シヤガッテ!

彦根城
殿、彼女です!
彼女が、聚楽第さんです!

首里城
ねー、何だかすごく苦しそうだよー?
もしかして今持ってる弓って……。

やくも
間違いないだに! 
あれはうちが作った武器がや!

聚楽第
……皆さん、はやく……逃げて……。
これ以上は……弓を引く手を、止められません……。

椎形兜
イツマデモ抗ッテンジャネー!
サッサト殿ヲ狙ッテビュビュット撃チヤガレ!

聚楽第
――きゃっ……だ、め……やめて、ください……っ!
私の矢を……悪趣へ…………堕とさ、ない……で…………!

椎形兜
トカ言イナガラモ、既ニ矢尻ハ殿ニ向イチマッテルゼェ?

聚楽第
そん……な…………私は、こんなこと……したくない、のに……うっ、うぅぅ……。

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
はい、参りましょう、殿!
聚楽第さんを兜の魔の手から解放するのです!

彦根城
気をつけてください、殿……こほこほっ。
聚楽第さんは、弓聖と謳われる当代随一の射手です。

首里城
スイもそれ知ってるよー。聚楽第ちゃんはね、
目をつぶってても的の中心にあてられるんだよー。

千代城
なに、此処にも石弓の名手がおる。
心配することなど何もないのじゃ。

柳川城
……………………え?
わ、私のことですか!?

千代城
他に誰がおる?

柳川城
いや、でもぉ……。

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
……殿。

柳川城
……はいっ!
殿への忠義は誰にも負けません!

柳川城
必ずや、聚楽第さんを救ってみせます!

千代城
其の意気や良しなのじゃ、柳川城!

千代城
さぁ、共に征くぞ……城主よ、今こそ出陣なのじゃ!

後半
椎形兜

……グゥゥ……マズイ……ココハ、逃ゲルシカナイ、カ……。

首里城
うなー! 
逃がさないよー!

椎形兜
――ズァッ……ソン、ナ…………。

柳川城
この一撃で……終わりですっ――!

椎形兜
――ギャァァアアアアッ!!

首里城
やったねこくおー! 
悪い兜はぜーんぶ倒せたよー!
シーちゃんも、サーちゃんもお疲れさまー。

聚楽第
うっ……うぅ…………。

彦根城
聚楽第さん! 
大丈夫ですか?
私の声が聞こえますか?

聚楽第
はい……なんとか……。

やくも
だに!? 
聚楽第の変身が解けていくがや!

聚楽第
…………。

殿
…………。

聚楽第
…………え、えっと……。

聚楽第
……お殿様……危ないところを助けていただき……ありがとうございました。

聚楽第
そして……貴方様に、弓引いてしまったこと……何とお詫びすればいいのか……。

殿
…………。

殿
…………。

殿
…………。

聚楽第
許して……いただけるのですか?

殿
…………!

聚楽第
ありがとうございます、お殿様。

聚楽第
(……何故だろう……この人の笑顔を見ていると……。
とても心が安らぐ……こんなこと……初めてです……)

千代城
ふむ。さすが城主じゃな。
あの人見知りの聚楽第を笑顔にさせるとは恐れ入る。

彦根城
あの……先ほども不思議に思ったのですが、
千代城さんは聚楽第さんのことをよくご存知なのですか?

千代城
程度をはっきりと断ずることは出来ぬが、
まぁ、それなりに……な。

千代城
我が後継……仙台城の話になるが、
その本丸御殿の大広間は、聚楽第に瓜二つと言われるほどに豪華絢爛なものでな。

千代城
これは、聚楽第が備えし美術の粋に感銘を受けた伊達政宗が、
自らの国にも再現せんとして生まれたものと言われておる。

千代城
そうした縁もあってか、仙台城だけでなく、
わらわと聚楽第も古くからの友人という訳なのじゃ。

彦根城
なるほど。
これで合点がいきました。

聚楽第
……千代城様。お元気そうでなによりです。

千代城
うむ……このような再会となってしまったのはちと残念じゃがな。

首里城
でも、スイは久しぶりに聚楽第ちゃんに会えて嬉しいよー!

彦根城
当初の目的を達成することはできませんでしたが、
私も、首里城さんと同じ気持ちです。

聚楽第
当初の目的……?

首里城
うん、兜たちが危ない武器を送りつけてるーってことをね、
スイたちは報せに来たんだよー。

聚楽第
その為にわざわざ斯様なところにまで……?
ぐすっ……その心遣いだけで、私は…………今にも泣いてしまいそうです……。

首里城
え? え? 
何で泣くのー? 
もう悪い兜たちは退治したよー?

首里城
うー。聚楽第ちゃんが泣いたら、
スイも泣いちゃいそうだよー。

聚楽第
首里城さん……。

聚楽第
ごめんなさい、嬉しい時は……こうやって、笑うべきですよね?

首里城
うん、それがいいよー。
スイも嬉しいからいっぱい笑うー。

彦根城
ふふっ。お二人の笑顔を見ていると、
私も自然と頬が緩んでしまいます。

柳川城
…………。

柳川城
殿、これでようやく、今回の騒動は解決ですね?

殿
…………!

やくも
そうやね! 聚楽第の持ってた弓が最後やけん、
兜さんに盗まれた武器はぜーんぶ回収できただに!

千狐
では、殿。
そろそろ所領へと帰還しましょうか。

聚楽第
……あ、あの……お待ちください……。

殿
…………?

聚楽第
もし、よかったら……なのですが……。

聚楽第
今日のお礼を……させていただけませんか?

聚楽第
私、聚楽第は……長生不老の楽(うたまい)を聚(あつ)むる者……。

聚楽第
名に恥じぬような持て成しを……したいと考えているのですが……。

やくも
――持て成し!?
つまりは美味しいご飯がえっぱい食べられるってことがや!?

聚楽第
はい……。

やくも
わーい! 
なら、うちは聚楽第にいっぱい持て成されたいだにぃ!

聚楽第
あの、お殿様は……どう、でしょうか?

殿
…………。

殿
…………!

千代城
うむ、決まりじゃな。わらわも久しぶりに聚楽第と
話をしたいと思っておったし、ちょうどいいのじゃ!

彦根城
それでは、私たちもご一緒させてください。

首里城
スイもご馳走食べる気まんまんよー♪

柳川城
私もお邪魔でなければ……!

千狐
では、皆さん一緒にということで……よろしいでしょうか、聚楽第さん?

聚楽第
はい、勿論です……。
……食事は、大勢でしたほうが楽しいですからね。

やくも
いやー、それにしても、
武器が盗まれた時はどーなるかと思ったけど……。

やくも
こうしていろんな城娘にも出会えたし、
ご馳走も食べられるみたいやし、
結果的には、兜さんに武器を盗んでもらえて良かった――――。

千狐
――――何か言った、やくも?

やくも
あ…………いやいや、何も言ってないだに!

やくも
兜さんらのせいで大変な目にあっただにぃー!

やくも
って、言っただけがや。

千狐
嘘つかないのぉ!

やくも
ひぃぃっ! 
やっぱり聞こえてたんやねぇ……。

千狐
だいたい今回のことは、元はと言えば貴方が――――。

千代城
やれやれ。神娘たちの何とかまびすしきことか……。

千代城
だが、ああいった賑やかさを城主は気に入っているのであろう?

殿
…………!

聚楽第
……ふふ。

聚楽第
では……参りましょう、お殿様。

聚楽第
今宵は精一杯お持て成し致しますので……、
どうぞ……心行くまで楽しんでくださいね?



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[花嫁衣装]春日山城

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[花嫁衣装]新田金山城

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