ストーリーテキスト/討伐武将大兜!長宗我部元親

ページ名:ストーリーテキスト/討伐武将大兜!長宗我部元親

目次

討伐武将大兜!長宗我部元親[]

討伐武将大兜!長宗我部元親-前-

涼しき風の吹き渡る平穏な所領に、突然の報せも
舞い込んできた。見知らぬ兵士が一人、千狐に案内
され、殿へと何かを差し出してきたが……。

前半
――所領。


殿、お初にお目にかかります!
此度は火急の用件のため、土佐国より参りました!

殿
…………?

千狐
土佐国……いったい、何があったのでしょう?


はい……。それが、私の地元の村が兜の襲撃に遭いまして……。

柳川城
そんな……!


……幸い、向こうも本気ではなかったらしく、被害はそれほどではなかったのですが、
兜が撤退する際に、これを残していきました。


見たところ、どうやら殿宛の書状のようだったので、
こうしてお持ちいたした次第です。

殿
…………?

柳川城
兜から殿への書状……?

殿
…………。

やくも
どれどれ、うちにも見せてほしいだに。

やくも
えーと、何々……。

やくも
…………。

柳川城
(やくもさん、あんなに真剣な顔で……)

やくも
うーむ……。

やくも
難しくて全然読めんがや……。

千狐
……そんな気がしてたわ。

柳川城
殿、書状にはなんと……?

殿
…………。

長宗我部元親
――俺ァ、再び四国ノ支配を目指スゼ。

長宗我部元親
嘗テ出来テタコトが出来ねぇようジャ、最強ニハ程遠イ……。

長宗我部元親
手始メニちっせぇ村ヲ脅シたガ、次ハこんなモンじゃ済まサネェ。

長宗我部元親
もしテメェが俺ヲ止メルってんナラ、
俺の魂ガ以前土佐の統一を果タシタ、アノ合戦場に来い。

長宗我部元親
暫くノ間ハ待ッテヤル。
ダガいつマデ経ッテも来ナけれバ、どんな事情ガあろうトモ俺ァ、殺ル。

長宗我部元親
願ワクバ、今まで幾度モ俺の邪魔ヲしてきたテメェが
応ジルことを願ッテルぜ……。

殿
…………!

柳川城
つまり……これはれっきとした宣戦布告の書状なのですね。

千狐
しかし、『以前土佐の統一を果たした、あの合戦場』とは……?


あ、それでしたら、おそらく村の近くにある場所だと思います。
私が案内いたしましょう。

やくも
良かった、助かるだにぃ。

千狐
……ですが、敵はあの長宗我部元親の名を冠する巨大兜です。
この誘いには、何か裏があるに違いありませんわ。

柳川城
ええ、確実に罠を張っていると見て間違いないでしょう……。

柳川城
しかし、兜たちの暴虐に苦しむ民を捨て置けません!
殿、出陣のご判断を……!

殿
…………。

殿
…………!

やくも
決まりやね!
殿さんならそう言うと思っただにぃ!

千狐
では、準備が整い次第出発といたしましょう。

殿
…………!

――数刻後、土佐国。

千狐
殿、無事に転移術は成功ですわ!


……では、私はご相談いただいた通り、
近くの人々を避難させて参ります。

柳川城
ええ、よろしくお願いいたします。


では。殿、ご武運を……!

殿
…………!

やくも
……さて、兜さんたちはどこに――、

やくも
――って、目の前に堂々とおるがや!

柳川城
……殿、どうかお気を付けください。

殿
…………。

長宗我部元親
……来タナ、待ッテたぜ。

長宗我部元親
テメェのことダ。他所の国トハいえ、人間ドモを
見捨テルはずがネェだろうトハ思ッテタガ、予想通リダッタな。

殿
…………。

長宗我部元親
アァ、勿論テメェとダラダラお喋りナンザする気はネェヨ。

長宗我部元親
――仮ニモ武士ナラ、戦で語んな!

殿
…………!

長宗我部元親
サァ! 早速仕合オウぜ!!

柳川城
迎撃します!
殿、どうか聡明なるご下知を!!

後半
長宗我部元親

ククッ……相変ワラズいい戦振リじゃネェカ。

長宗我部元親
――ソレに、その愚直サも変ワラネェなぁ。

殿
…………?

柳川城
(何でしょう……? 窮地に追い詰められているのは向こうのはずなのに……?)

千狐
……この霊気は!?

やくも
せ、千狐? どうしたがや?

千狐
殿、大変ですわ!
我らの陣の脇に大量の霊気が近づいてきております!

長宗我部元親
チッ、気づくノガチョットばかし早ェんだよ。
慌てフタメク無様な姿ヲ拝ンデやろうと思ッテタのに。

長宗我部元親
マァいい。ドッチニしろ、俺たちと向かい合ッテやりあいナガラじゃ
よそ見ナンザ出来ネェのに変ワリはないしな。

柳川城
くっ……!
このような計略に陥るとは、なんと迂闊な……!

長宗我部元親
迂をモッテ直とナス……。

長宗我部元親
嘗て一条の野郎ニかました戦法ダガ、
テメェにも通ジルとはお笑いダナ。

長宗我部元親
……ソレトモ、俺ガここにいるから、
引き連レテイルのが本隊ダト思ッタカ?

殿
…………!

やくも
むーっ、あんだけ威勢のいいこと言っといて
やることがこすっからいがや!

長宗我部元親
オイオイ、これは立派ナ戦術ダゼ?
恨むんナラ策ニハマった勉強不足の自分を恨ミナ。

長宗我部元親
テメェも仮にも武士の端クレだってんナラ、
この戦局に臨機応変に対応シテミセロヤ!

殿
…………!

柳川城
(とはいえ……相手との戦力差はどうにもしがたい……)

柳川城
(ですが……何に変えても、殿だけはお守りします……!)

千狐
敵の本隊、いよいよ来ます!

殿
…………!


――ザッ!

兜軍団
――ザザザザッ!!

長宗我部元親
ヨシ、これで……。

千狐
(……あら? 敵軍の中から何か、違う霊気が……?)

長宗我部元親
…………?

長宗我部元親
……ン? オイ、これで全部カ?
もっとイタ気ガスルが……。


――ホ、報告シマス!


我ラガ隊、何トカ此地ニハ至レマシタガ、
先程カラ、最後尾ヨリ城娘ノ襲撃ヲ受ケテオリ、ソノ勢イ止マリマセン!

長宗我部元親
アンだとぉ!?

千狐
えっ……じゃあ、敵軍の中より感じていた霊気は……!

兜軍団
ウ、ウワァァァァァァ!!


キ、来タ! 奴ガ来タァァァァァ!!

???
アーッハッハッハッハッハッハ!!

討伐武将大兜!長宗我部元親-後-

兜の大軍を勢いよく蹴散らしながら姿を現したのは、
薩摩の城娘、鶴丸城だった。驚く巨大兜を尻目に
涼しい顔をしている彼女に助太刀せよ!

前半
???

アーッハッハッハッハッハッハ!!

長宗我部元親
何ナンダ、貴様は!

???
……あら? いつの間に一番後ろから先まで出てきてしまいましたのね。

長宗我部元親
俺の部隊ヲ荒ラスとは、ふざけたコトしやガッテ……!

???
嫌ですわ。
そちらがとっても弱いからいけないんじゃありませんこと?

???
……時に、そちらの方はもしや、殿ですの?

殿
…………?

鶴丸城
貴方のお噂はかねがね伺っておりますわ。
わたくし、鶴丸城と申しますの。

殿
…………。

やくも
…………。(ぽかーん)

千狐
……そっくりそのまま……でも、そんなはず……。

鶴丸城
はい、わたくしが何か?

やくも
……鹿児島城にえらいそっくりだに。
まさか本人じゃないがや?

鶴丸城
まぁまぁ、うふふ。もちろん別人ですの。
鹿児島城はわたくしの姉に当たります。

やくも
じゃ、あんた妹さんかや……。
それにしても本当に似とるんやね……。

鶴丸城
よく言われますわ。でもわたくしは姉様に比べて
ちょっぴりお転婆さんですの。ご容赦くださいね。

やくも
(……ちょっぴり?)

長宗我部元親
誰カト思えば鶴丸城ダト……!?
また島津ノ野郎の城娘カ……!

鶴丸城
まぁ、わたくしをご存知なのですね?
でも貴方がどなた様なのか存じ上げませんわ。

鶴丸城
ごめんなさいね、
わたくし弱い相手には興味がまったく一切少しもありませんもので……。

長宗我部元親
知ラナイダト……!
信親ノ命ヲ奪ってオイテ……!!

千狐
ひっ……、きょ、巨大兜の霊力が、膨れあがりましたわ……!

長宗我部元親
テメェら島津ガ、俺ノ息子ヲ……!

長宗我部元親
アイツが生キテリャ、あの時の俺ノ土佐平定の夢に
続キガあったカモシレネェ……テメェらはそれを……!

鶴丸城
まぁ。戦国乱世で随分と甘いことを仰せですのね?

鶴丸城
弱い者が絶え、強い者だけが生き残る……。
それは、此世のならいでございましょうに。

鶴丸城
それとも、弱肉強食の掟も分からないのは
その身に宿した虚魂ゆえ……でしょうか?

長宗我部元親
……アァ。お前ニハ島津の戦闘狂ノ血が
タップリと染ミ込ンデいやがんダナ。

長宗我部元親
ナレバ、今更俺ガ何を言オウとも聞く耳持タネェんだろう。

長宗我部元親
……ったく、折角ノ俺ノ本隊をシロアリみてぇに食イ散ラカシやがって。

鶴丸城
……………………。

鶴丸城
今、なんと仰いましたの?

長宗我部元親
何度デモ言ってヤロウカ。
テメェの戦イ方は木材ヲ食い荒ラス、シロアリそのものダ。

鶴丸城
シロアリ…………。

鶴丸城
うふ……うふふふふふふふ…………。

柳川城
あ、あの……鶴丸城、さん?

鶴丸城
よりにもよって、わたくしが此世で最も嫌う、
あの気色悪い生き物と同列に扱うなど……。

鶴丸城
……お前、余程ぶち殺されたいようだな?

柳川城
(ひっ……)

千狐
(つ、鶴丸城さんの霊力も跳ね上がりましたわ……)

鶴丸城
雑魚ばかりで飽き飽きしていたんですもの、丁度いいですわ。
これだけ大きな兜が相手なら少しは潰しがいがあるかしら?

長宗我部元親
逆にテメェを潰シテヤルヨ、シロアリみてぇにプチッとな。

鶴丸城
その減らず口、今のうちに存分に叩いておきなさいな。
すり潰されて口がなくなってからでは負け惜しみも言えませんからね。

柳川城
いけません……!
鶴丸城さん、一人で挑んでは……!

鶴丸城
勘違いしないでくださいね。
アレはあくまでわたくしの獲物ですわ。

鶴丸城
援護してくださるなら嬉しいですけれど、
邪魔をするようなら、例えお前たちでも……。

鶴丸城
…………ぷちっ、てね。

やくも
(この城娘さん怖いだにぃ……)

殿
…………。

鶴丸城
そう、いい子ね。

長宗我部元親
ごちゃごちゃクッチャべってる暇ガあんナラ、
トットトかかってきやがれ、雑魚蟻!

鶴丸城
貴方の舌がどこまで踊るか楽しみですわ、三下さん!
潰し壊して差し上げますから覚悟なさい!

後半
鶴丸城

アーッハッハッハッハッハッハ!!
潰せ! 潰せ! 潰せぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇ!!

兜軍団
ギャアアアアアアアアアアア!!


モ、モウ無理デスゼ御頭ァッ!
コレ以上ハ……!!

長宗我部元親
ココまでコケにされて退ケってノカ!?


心中ハオ察シシマス!
シカシ、コノママムキニナッテ全滅シテハ、ソレコソ笑イモノニナリマショウヤ!


御頭、ドウカ賢明ナゴ判断ヲ……!

長宗我部元親
……………………。

長宗我部元親
(ソウカ……信親。お前も、キット……)


御頭ァ!!

長宗我部元親
……分カッタ、撤退しよう。


……ッ、御頭ヨリ、撤退命令ーーッ!!

兜軍団
――撤退、撤退!!

鶴丸城
まぁ? もう終わりですの?

鶴丸城
ちょっと地面を叩いたくらいで逃げ出すなんて、
渡川の鮎以下ですわね。

鶴丸城
きっと逃げた先には網があるのでしょうとも、うふふ。

やくも
(落ち着いたように見えてやっぱり怖いだに……)

千狐
すべての兜の撤退を確認。
撃退に成功いたしましたわ!

柳川城
何はともあれ、戦いの最中に助太刀いただいてとても助かりました。
ありがとうございます、鶴丸城さん。

鶴丸城
まぁまぁ、お礼なんていいんですのよ。
わたくしが戦いたいから加わっただけですもの。

やくも
あれ? その言い方だと、
なんだかうちらがここで戦うことを知ってたみたいだに。

千狐
確かに……。千狐たちは救援要請も出してないし、
ここから薩摩までは距離もありますのに……?

鶴丸城
いいえ、ここに貴方たちがおられることはまったく存じませんでしたわ。

鶴丸城
ですが、わたくし、大の戦好きでして。
ある程度の戦の匂いというものを感じ取れるんですの。

千狐
戦の……匂い?

鶴丸城
えぇ。戦のあのピリピリとした気配、と言い換えてもいいのかもしれませんわ。

鶴丸城
それで、気配を察知してここに来たのですが、
目の前に兜の大軍がおりましたので、つい喜び勇んで突っ込んでしまいましたの。

鶴丸城
逃げ惑う兜たち……困惑した悲鳴……。
あぁ、たまりませんでしたわぁ。

やくも
ど、どれだけ戦うのが好きなんだに……。

鶴丸城
うふふ、少々はしたなかったかしら?
ごめんあそばせ。

鶴丸城
……さて、もうこの辺りに戦の気配はいたしませんわね。
一度帰って戦の垢を落としましょうかしら?

柳川城
そうですね、私たちも避難させていた住民の方々に
戦の終わりを告げに行きませんと。

鶴丸城
では、今日はこれでお別れですわね。
またいずれ、お会いしましょう。今度は所領に遊びに行かせてくださいませ。

殿
…………!

やくも
(それはちょっと怖いだに……)

鶴丸城
それでは、ご機嫌よう……。

柳川城
はい、鶴丸城さんもお元気で。

やくも
…………。

やくも
……ぷはぁ、鶴丸城がいて息がしづらかったがや。
あの城娘さんすっごい怖いだにぃ!

千狐
で、でも味方についてくれればこれほど頼もしい方もいないかと……。

柳川城
そ、それよりも、ひとまずは住民の方々を安心させてあげに行きましょう。

殿
…………。

千狐
そうですわね。
何はともあれ、殿、此度の遠征も本当にお疲れさまでした!

千狐
住民の皆様へのお知らせが終わり次第、
所領に帰還いたしましょう!

討伐武将大兜!長宗我部元親-絶-

長宗我部元親の名を冠する巨大兜との戦から数日後。
所領へやって来た鶴丸城を応対する殿一行だったが、
彼女の口から、思いも寄らぬ言葉を聞くこととなる。

前半
――所領。

鶴丸城
ここが殿の所領なのですね……。

鶴丸城
さて、姉様はどこにいらっしゃるのかしら……。(きょろきょろ)

鹿児島城
鶴丸城~、こっちですの~。

鶴丸城
まぁぁ! 姉様!
お会いしたかったですわ~!

鹿児島城
まぁまぁ、そんなにはしゃいで。
鶴丸城は本当にお転婆さんですの~。

鶴丸城
姉様のいらっしゃらない薩摩は寂しすぎましたもの……。
たまには少しのお転婆も許してください。

鹿児島城
あらあら、仕方のない妹ね~。

柳川城
ふふ。鶴丸城さん、本日はゆっくりしていってくださいね。

鶴丸城
うーん…………。

鶴丸城
まぁ、そうですわね。
本日だけとは限らないかもしれませんけれど。

柳川城
…………?

鶴丸城
あ、そうそう。いけませんわ。

鶴丸城
これ、よろしかったら皆さまで召し上がってくださいな。
薩摩土産の『あくまき』ですの。

やくも
あくまき?

鶴丸城
ちょっぴり癖はありますけれど、
もっちりつぶつぶでさらっとしたお餅、ですわ。

鹿児島城
まぁ、久しぶりのあくまきですの~!

鶴丸城
うふふ、姉様はきなこと黒砂糖で食べるのがお好きですものね。

千狐
ということは、お菓子の一種なのでしょうか?

鶴丸城
そうですわね。
わたくしの場合はわさび醤油でいただきますけれども。

やくも
その一言でますます何なのか分からなくなっただに……。

鹿児島城
嬉しいですの~!
かるかんなんかは自分で作ることもできますけれど、こればっかりはなかなか~。

鶴丸城
うふふ、大丈夫ですよ姉様。
これからはまた薩摩にいた時のようにいくらでも食べられますからね。

柳川城
……あの、先程の言もそうでしたけれど、
もしかして、鶴丸城さん、これからも所領にいてくださるんでしょうか?

殿
…………!?

鶴丸城
え? わたくしが?

柳川城
だって、今後も所領にいるのが本日だけとは限らない、
というようなことを仰っておりましたし……。

柳川城
また、これからは薩摩のお菓子をたくさん鹿児島城さんに食べてもらえる、
のようにも仰ってましたので所領にきていただけるものかと思いましたが……。

鹿児島城
まぁ、そうなんですの?

鶴丸城
あらあら……とんだ誤解をさせてしまったようで
申し訳ないですわね……。

鶴丸城
……わたくし、今日は姉様を薩摩へ連れ帰りに来たのですわよ?

柳川城
えっ……!?

鹿児島城
鶴丸城? どういうことですの?

鶴丸城
姉様はご存知かと思われますが、先日、わたくしは巨大兜と戦いましたわ。

鹿児島城
えぇ、殿どんからも聞いておりますわ~。

鶴丸城
戦いの最中、わたくしは殿という方の実力に疑問を持ちましたの。

鶴丸城
この男は、本当にわたくしの姉様を傍に置いていられるだけの価値があるのか?

鶴丸城
……と。

柳川城
そんな! 殿は素晴らしいお方です!
いつも誰よりも人のことを考えてくださる、優しい方ですよ!?

鹿児島城
えぇ、わたくしもお世話になっておりますの~。

鹿児島城
ですから、鶴丸城。
わたくしはここにいられて幸せなんですのよ~?

殿
…………。

鶴丸城
……どうでしょうかね。
殿が姉様たちにそう言わせている可能性もありますもの。

鶴丸城
それに、姉様。無理をしなくてもいいのですよ。
こちらの水は姉様には合いませんでしょう?

鹿児島城
いいえ、魚心あれば水心、というように、
わたくしの行いに、殿どんも誠意をもって答えてくださっていますの。

鹿児島城
また、深い川は静かに流れる、と言うでしょう?
本当に思慮深い方というのはやたらと仇波を起こしたりはしません。

鶴丸城
……どうやら、わたくしと姉様の間にも深い川が流れているようですわね。

鹿児島城
大丈夫よ、その川も貴方ならすぐに渡れますの。

鶴丸城
……では、決河の勢いを以て渡らせていただきましょうか。

鹿児島城
あらあら~……。

鶴丸城
……殿。
姉様をこれまで通り傍に置きたいのでしたら、わたくしを倒してご覧なさいな。

殿
…………!

やくも
えぇっ!? ど、どういう結論がや!?

鶴丸城
あの時も言いましたわ。
此世は弱肉強食だと。

鶴丸城
わたくしは強いと認めた相手にだけ従う用意があります。
姉様を任せられるかということも同じ。

鶴丸城
故に、わたくし如き倒せない殿方に姉様は渡せませんの。

殿
…………?

鶴丸城
えぇ、通常の軍事訓練のように考えていただいても結構。

鶴丸城
ただし、わたくし、本気ですわよ。

鹿児島城
殿どん、申し訳ないですわ。
鶴丸城はこうなるとお話を聞いてくれなくなってしまいまして……。

柳川城
いいんですよ、鹿児島城さん。
実際に力を示せばいいだけの話なんですから。

柳川城
さぁ、殿。
鶴丸城さんの挑戦、お受けいたしましょう!

殿
…………!

後半
鶴丸城

クッ……どうやらわたくし、流れに足を取られたようですわね。

鹿児島城
さ、やんちゃはもうおしまいですの。

柳川城
殿の力、認めていただけますでしょうか?

鶴丸城
……えぇ、癪ですが勝ちは勝ち。
姉様を傍に置くことを許可して差し上げますわ。

殿
…………!

鹿児島城
鶴丸城。許可して差し上げる、だなんて上から物を言うのではありませんの。

鶴丸城
だって、姉様を取られてわたくしはとっても寂しいんですのよ?
帰ってもまた独り寝の日々になってしまいますわ……。

鹿児島城
言い訳は聞きませんの。

鹿児島城
それに貴方、戦場では殿どんたちと肩を並べたのでしょうけれど、
所領に来たのは初めてでしょう?

鹿児島城
初めて訪れた場所で、いきなり暴れるだなんて、
乙女としてなっておりませんわよ。

鶴丸城
でも、姉様!
わたくしは乙女である前に島津の城娘ですの!

鶴丸城
わたくしから戦を取り上げてしまったら、
在るのはただの抜け殻娘ですわ~!

やくも
(うわぁ……戦闘狂すぎるだに……)

千狐
(そ、それほどまで鶴丸城さんは戦がお好きなのですね……)

鹿児島城
……………………。

鹿児島城
そう。今日はとても聞き分けが悪いのね。

鶴丸城
ね、姉様?

鹿児島城
どうやらわたくし、久々に本気で貴方にお説教しなくてはならないようですの。

柳川城
(え? か、鹿児島城さんの本気のお説教……?)

鶴丸城
ひっ!

鹿児島城
さぁ鶴丸城。覚悟はいいですの?

鶴丸城
うっ……ご……。

鶴丸城
ごめんなさい、姉様……。
わたくしが短慮に過ぎましたわ……。

鹿児島城
まぁ、ちゃんと反省できましたね。
いい子、いい子。(なでなで)

鹿児島城
殿どん、妹も反省しているみたいですし、
どうかこれまでの御無礼をお許しいただきたいですの……。

殿
…………!

鹿児島城
まぁまぁ。そのご寛容さに感謝いたしますわ~。

やくも
(お説教、始まってすらいないがや!?)

柳川城
(鹿児島城さんって、もしかして本気で怒ったら鶴丸城さんより怖いのでしょうか……)

――未だ涙目の鶴丸城と、いつもの悠然とした微笑みのままの鹿児島城。

柳川城たちは、血気盛んだった鶴丸城の勢いを冷ます鹿児島城の本気の怒りとは
いかなるものかと想像し、各々勝手に怯えと尊敬を抱くのだった。



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