ストーリーテキスト/討伐武将大兜！石田三成

討伐武将大兜！石田三成[]

討伐武将大兜!石田三成-前-

遠方の地で、とてつもない邪気が生じた……。
その正体は、兜軍団を率いる凶悪な巨大兜。
襲い来る武将大兜を、直ちに討伐せよ！

前半
――戌の刻、所領。 やくも お待たせだにー！ 今日はうちが夕餉（ゆうげ）を作ったけん、 たっぷり食べてほしいがやぁ！ 千狐 見た目は……意外と悪くないわね。 千狐 って、やくもが料理をするなんて、 珍しいこともあるものね。 明日は雨でも降るのかしら……？ やくも むぅ……千狐がうちをいじめるだに……。 千狐 もぉ、冗談だから怒らないでやくも。 でも、本当にどういう風の吹き回しなの？ やくも いっつも千狐や他の城娘に作らせてるけん、 たまにはうちも作らんと罰があたると思っただにぃ……。 やくも それに、うちもちゃ～んと料理できるってとこ 殿さんに見せとかんと面子が立たんね！ 千狐 ふふ、そういうことだったのね。 千狐 偉いわ、やくも。 ちょっと見直しちゃったわ！ やくも えへへ、褒められるとこそばゆいだにぃ。 やくも それじゃあ、冷める前に食べるだに。 殿さんも遠慮せんで、えっぱい食べてほしいがや！ 千狐 それではいただきましょう、殿！ まずはこの……、 千狐 ――――っ！？ やくも ど、どうしたがや千狐？ 急に怖い顔して……？ 千狐 …………不味いわ……。 やくも ……え？ 千狐 殿……不味いことになってますわ！ 殿 …………！？ やくも ま、不味いって……。 やくも 食べる前から不味いとか言うなやー！ やくも せっかく頑張って作ったのに……ひどいだにぃ……。 ……うわ～んっ！！ 千狐 ご、ごめんなさい、やくも！ あなたの料理のことを言ったんじゃないの。 千狐 そうじゃないの……そうじゃなくてね、 巨大兜の邪気を感じ取ったのよ……。 やくも 巨大兜……？ 千狐 ええ。ここからずっと遠くの地だけど、 間違いないと思うわ……。 千狐 殿……このまま放っておくには、 あまりにも危険だと思います。 現地への進軍を進言させていただきますわ。 殿 ……。 殿の首肯を合図とし、 今、巨大兜征伐の遠征が決したのであった。 ――明朝。 千狐 殿、ここです！ この付近に邪悪な力を感じますわ……。 周囲を捜索しましょう！ やくも うぅ……結局、昨晩は戦いの準備をするからって うちが作った食事を殿さんに 食べてもらえなかっただにぃ……。 千狐 仕方ないでしょう？ 急に決まった遠征なんだから。 やくも むぅぅっ……結局ほとんどうちが 食べるはめになったがやぁ……。 それもこれも、ぜーんぶ兜さんのせいだに……！ やくも 巨大兜さんでも何でもいいだに！ ここらにいーなら、さっさと出てこいやぁー！ 石田三成 ウグォォオオオ――――ッッッ！！ やくも ――ひぃぃぃぃっ！？ ほ、ほほ、本当に出てきよったにぃ！ 千狐 やはり、この地に感じた強大な力は 巨大兜のものだったのですね……。 石田三成 ……我は孤狼……。 義を捨テ約を違えタ誅すベキ餓鬼共を目セバ、 只滅するのみ……只滅するノミィィィイイッ――！！ 千狐 巨大兜が戦闘態勢に入りました！ 殿、ヤツをこれ以上のさばらせておく訳にはいきません！ 何としてもここで倒しましょう！
後半
やくも 殿さん、さすがだにー！ 巨大兜を倒したがやぁ！ 千狐 やくも、喜ぶのはまだ早いわ！ よく見て、まだ巨大兜には意識があるみたい……。 石田三成 我が覇道を……阻むな……グァッ……ガぁあッ……！ 我は……未だ戦エル……我は……未だ敗北した訳では、なイ……ッ！ やくも 息も絶え絶えで強がり言ったって無駄や！ もう殿さんの攻撃を受け止めきれないのははっきりしてるだに！ 千狐 やくもの言うとおりですわ、殿！ 回復する間を与えず追撃し、巨大兜を討伐しましょう！

討伐武将大兜!石田三成-後-

巨大兜の心身は未だ屈してはいなかった……。
真の力を解放した敵が、今再び立ちはだかる。
全身全霊を以て、今こそ巨大兜を討伐せよ！

前半
千狐 さあ、殿！ 今が巨大兜を倒すまたとない好機ですわ！ 一気に攻め込んで、完全に掃滅してしまいましょう！ 石田三成 ……クク……笑止……。 何も解しておらぬ餓鬼ドモの……何と滑稽なことか……ッ！ やくも ――な、なんや！？ 巨大兜さんが武器を掲げ始めたがやぁっ！ 石田三成 今こそ……暴かん……、 孤狼ガ顎門……真ノ飢……臣タル忠義……、 ウォォォオオオオオ―――ッ！！ 千狐 そんな……先ほどまで風前の灯火だった 巨大兜の霊力が一気に跳ね上がったわ……！ 石田三成 是ガ我ノ戦い……是が我ノ真の力……ッ！ 兜軍団 ――ザザッ！！ やくも 殿さん！ 他の兜さん達も集まって来たがや！ 千狐 巨大兜以外の兜まで強烈な覇気に満ちてるわ……。 これが、ヤツらの本気ということなのね……。 石田三成 ……時ハ、満ちた……。 石田三成 今こそ……今コソだ……。 太閤ノ恩を忘レた、全てノ餓鬼共ヲ滅シてやる……。 貴様らノ全てヲ……呑み込んでやるぞぉぉオオオ――ッ！ 千狐 殿、ここで退くわけにはいきません！ 全身全霊を賭けて、今こそ巨大兜を討ち果たしましょう！
後半
やくも やったがやーっ！ またまた殿さんが巨大兜を倒しただにぃ！！ 千狐 再び回復されては厄介ですわ！ 殿、今度こそきっちりとトドメをさしましょう！ 石田三成 我は……負けたのでは……ナイ……。 負けたワケ、では……ナイ……。 石田三成 豊臣の御為以外に我ガ死ぬなど…… 在ってはならぬのだぁぁアアアッ――！！ 千狐 巨大兜の武具から眩しい光が……っ！？ 千狐 強力な銃撃だけでなく、 こんな目眩ましの術を備えているなんて……！？ やくも うっ……くぅぅっ……眩しくて何も見えんだにぃ……！？ 石田三成 ……次こそは……必ズ、我ガ勝つ……さらばだ……。 やくも ……………………。 …………はぁ、ようやく辺りが見えるようになっただにぃ……。 やくも でも、とっくに巨大兜さんには 逃げられてしまったがやぁ……。 千狐 気にすることないわ。 あれほどの力を持った敵を 退けられただけでも奇跡なんだから……。 やくも それでも後ちょっとのとこまで 追い詰めてたけん、悔しいがやぁ……。 やくも 今度会ったら絶対に倒してやるだに！ 千狐 ……や、やくも？ やくも でも、うちじゃどうしようもないのは分かってるだに……。 やくも だけん、殿さんにはもっと 精をつけてもらって頑張ってもらうだに！ 千狐 精をつけるって、何をするつもりなの？ やくも 元気の源はやっぱりご飯だに！ やくも 殿さんが元気になるような美味しいご飯を うちらが食べさせてあげれば どんな強い兜さんがきたって大丈夫がや！ やくも ということで、今日もうちが夕餉を作るけん、 殿さん、楽しみにしててほしいだにぃ！ 千狐 いろいろ言ってるけど、 要するに自分の料理を食べてもらうことが 目的なんでしょう？ やくも そ、それは言いっこなしだに……。 千狐 でも昨日はやくもの料理をちゃんと 堪能できなかったのは確かだもの。 今日は千狐もいっぱい食べさせてもらうからね？ やくも まっかせるだにぃ！ 殿さんも千狐も城娘も、 みーんな満足させちゃるけんね！ 千狐 ふふ、やくもの料理、楽しみですね殿？ それでは所領に戻るとしましょう！

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