ストーリーテキスト/舟守は早瀬に揺蕩う

ページ名:ストーリーテキスト/舟守は早瀬に揺蕩う

目次

舟守は早瀬に揺蕩う[]

舟守は早瀬に揺蕩う -序-

所領にて、平和な時間を享受する殿たち。
しかしその時一行は、自分たちの中に見知らぬ
城娘が混ざっていることに気が付く……。

前半
やくも

ふわぁ……。

やくも
お陽様がさんさんと輝く、平和な所領……。

やくも
少し暑いけど、昼寝をするにはぴったりだに……。

多気城
そうですね……。

柳川城
えぇ、本当に……。

千狐
たまにはこんな日があっても、悪くありませんね……。

殿
…………?

千狐
……ん?

千狐
……何だか、一人多くありませんか?

多気城
え……?

千狐
あなたです、あなた!
いつの間に……というより、どちらさまですか!?

多気城
あ……そういえば、自己紹介がまだでした。

多気城
お初にお目に掛かります……私の名は多気城。
常陸国の城娘です……。

多気城
…………。

やくも
それだけだに!?

柳川城
えぇと……今日は、どのようなご用で……?

多気城
用……用は、特にないのですが……。

多気城
以前から、お友達と集まると、
決まって皆さんの話題になって……。

多気城
取り残されるのも悔しいので、
足を運んだ次第です……。

やくも
お邪魔しま~す、くらい言ったらどうだに……。

多気城
皆さん、のんびりとされていたので……。
お邪魔をしないように息を潜めていました。

千狐
気を遣っていたのですね……驚きました。

殿
…………。

???
あのー……ごめんくださ~い……。

千狐
あら……またお客さんが来たようですね……?

城塞都市ニュールンベルク
ここで合ってるのかなぁ……合ってるよね……?

城塞都市ニュールンベルク
あっ、もしかしてあなたが王様ですかっ!?

殿
…………!

城塞都市ニュールンベルク
は、はじめまして……私、
城塞都市ニュールンベルクと申します。

やくも
異国の城娘さんだに……。

城塞都市ニュールンベルク
はい、異国……ドイツから、
救援のお願いでお邪魔したのですが……。

柳川城
救援? ……兜が現れたのですか?

城塞都市ニュールンベルク
その通りです。兜たちが我が故郷に侵攻し……、
現在、多くの御城が被害を受けています。

千狐
多くの御城が……。

城塞都市ニュールンベルク
中でも今、その戦火の中心にあるのが、
ライン渓谷の中流上部……プファルツ城、という御城の近辺となります。

城塞都市ニュールンベルク
彼女一人で守り切るにはあまりに厳しく、
戦況は徐々に劣勢へと傾いていっています。

柳川城
ドイツ各地の城娘たちが侵攻を受けているということは、
近隣の御城から、プファルツ城さんへの応援を出すことは難しそうですね……。

城塞都市ニュールンベルク
仰る通りです……。

城塞都市ニュールンベルク
これは推測に過ぎませんが、軍勢の規模から考えて、
背景に巨大兜の意図が絡んでいる可能性は高いかと……。

千狐
巨大兜……。

城塞都市ニュールンベルク
不躾な依頼であるとは承知の上で、お願いします。
王様……どうか、私たちに力を貸していただけないでしょうか……。

殿
…………。

殿
…………!

千狐
そうですね。断る理由などありません!

千狐
遠く離れた異国といえど、
困った時はお互い様です!

やくも
だに! 巨大兜が現れたとなれば、
なおさらほっとく訳にはいかんがや!

城塞都市ニュールンベルク
ありがとうございます! 皆さん……!

やくも
そういえば……プファルツ城って、
どっかで聞いた気がするけど……気のせいだに?

柳川城
先日、レーヴェンブルク城さんの御城に行った時に聞いた名前ですね。
結局お顔を拝見することは叶いませんでしたが。

やくも
おぉーそうだに!
ちっちゃくて可愛い城娘、って言ってたがや!

城塞都市ニュールンベルク
はい。仰るとおり、可愛らしい容姿をした子なのですが……。

千狐
……何か、難点でも?

城塞都市ニュールンベルク
……あ、いえ。
難点という程ではないのですが……って、あれ?

多気城
じー…………。

城塞都市ニュールンベルク
な、なんだかすごく見られています……。

多気城
あのー……少し、よろしいですか……。

多気城
そのドイツという国への遠征って……、
私もご一緒して良いのでしょうか?

千狐
多気城さんも?

多気城
こうした問題に居合わせたのも、何かの巡り合わせ。
放って帰るのは、あまりに冷たすぎると思いまして……。

柳川城
もちろん、力を貸していただけるのは非常に助かります。ですが……

柳川城
プファルツ城さんの御城は戦の中心とのこと。
危険を伴うものになることは間違いありません。……それでも、よろしいですか?

多気城
……構いません。

多気城
危ないというなら、手助けしたいですし、
行ってもいいというなら、行きたいです。
……困った時はお互い様、ですから。

多気城
という訳で、私も同行いたします。
よろしくお願いしますね、ニュールンベルクさん。

城塞都市ニュールンベルク
お力添え、感謝します!
よろしくお願いします、多気城さん!

千狐
それでは準備が整い次第、出立とまいりましょう!

――――

兜軍団
城娘……討伐セヨ……。
   城娘……討伐セヨ……。
      城娘……討伐セヨ……。

プファルツ城
くっ、この数……どれだけ倒せばいいのですか……!

プファルツ城
まだ敵の底は見えないというのに……こちらの力は、もう……。

プファルツ城
これはいよいよ……。
覚悟を決めるべき時が来てしまった、ということかしら……。

プファルツ城
申し訳ありません、ハイデルベルク様。
私はまた、役目を果たせずに散ることになりそうです……。

プファルツ城
……ん? なんでしょう、あの光は?

――――。

千狐
皆さん、到着しました! 転移成功です!

多気城
あら……?

多気城
小さな御城は見えますが……川、というのはどこに……?

城塞都市ニュールンベルク
……え?

城塞都市ニュールンベルク
そんな、これは……兜たち、なんて恐ろしいことを……!

城塞都市ニュールンベルク
あの美しいライン川を……干上がらせてしまうなんて……。

やくも
川が干上がってしまっただに!?

城塞都市ニュールンベルク
プファルツ城ちゃん!
無事ですか? ニュールンベルクが来ましたよー!

プファルツ城
ニュールンベルク様!? どうしてあなた様がここに?

城塞都市ニュールンベルク
日の本から応援を呼んできたんです。
プファルツ城ちゃんの御城に、危機が迫っていると聞いたものですから。

プファルツ城
応援? ここは私一人にお任せください、
と以前申し上げたはずですが……!

兜軍団
城娘……討伐セヨ……。
   城娘……討伐セヨ……。
      城娘……討伐セヨ……。

プファルツ城
……っ! 兜がもうこんなところまで!?

城塞都市ニュールンベルク
兎に角、今はこの場を乗り切ることだけ考えましょう。
お話はその後に。よろしいですね?

プファルツ城
……承知しました。

城塞都市ニュールンベルク
では王様!
到着して早々にはなりますが、ご命令をお願いいたします!

殿
…………!

城塞都市ニュールンベルク
ドイツの誇り……ライン川を汚した罪、償ってもらいますっ!

後半
城塞都市ニュールンベルク

てやあぁぁぁ!


ギャアアアアァァァ!

多気城
……ふぅ。見える限りは、全て片付けました……。

城塞都市ニュールンベルク
これでようやく、ご挨拶ができますね。

城塞都市ニュールンベルク
プファルツ城ちゃん、こちらは日の本の王様です。
それから側近の方々も……。

殿
…………。

プファルツ城
……始めまして、王様。

プファルツ城
……力を貸していただいたことには、感謝しております。

プファルツ城
ですが、ご心配には及びません。
今この国には、助けを求めている城娘が他にもいるはず……。

プファルツ城
応援なら、我が国の、
他の城娘の許へ――

プファルツ城
――くぅっ!?

城塞都市ニュールンベルク
プファルツ城ちゃんっ!?

千狐
あぁ、プファルツ城さんの変身が……!

プファルツ城
そんな……ひとりでに変身が解けてしまうなんて……!

城塞都市ニュールンベルク
やっぱり無理をしてたんじゃないですか……。
ここは一度、身体を休めて……。

プファルツ城
そんなことをしている猶予はありません!
いつまた、兜の軍勢が現れるかわからないのに……!

千狐
プファルツ城さんに縁のある品を集めれば、
身体を休めるよりも早く、力を取り戻せるかと思いますが……。

城塞都市ニュールンベルク
縁のある品……それなら、葡萄がぴったりです!

城塞都市ニュールンベルク
ライン川のほとりには葡萄園が広がり、
古くからワインの名産地として知られているんです!

プファルツ城
ニュールンベルク様、勝手に話を……!

城塞都市ニュールンベルク
お願い、プファルツ城ちゃん……。
これ以上無理をするのは止めてください。

城塞都市ニュールンベルク
葡萄を集めるにしても、兜からこの御城を守るにしても……、
あなた一人で成し遂げられないことは明白です。

城塞都市ニュールンベルク
一度冷静になって……成すべきことを成しましょう。ね?

プファルツ城
…………。

プファルツ城
……そうですよね。
意地を張ってる場合じゃ、ないですよね……。

プファルツ城
申し訳ありません。
ニュールンベルク様ほどのお方に、お言葉を返すような真似を……。

城塞都市ニュールンベルク
いいんですよ、プファルツ城ちゃん。
この御城の守りに掛けるあなたの思いは……分かっているつもりですから。

城塞都市ニュールンベルク
悔しいとは思いますが……ここは王様の力を借りることにしましょう。

城塞都市ニュールンベルク
もう二度と、悲しい思いをしないためにも……。

プファルツ城
はい、承知しました……。

千狐
では、プファルツ城さんの力を取り戻すため、
葡萄集め、頑張りましょう!

やくも
おぉ~!

舟守は早瀬に揺蕩う -破-

失った霊気を取り戻すため、葡萄園へと向かう
二人の城娘。そんな中プファルツ城は多気城に、
自身が背負った使命について語り始める……。

前半
城塞都市ニュールンベルク

……それでは私は一旦、
失礼いたしますね。プファルツ城ちゃん。

城塞都市ニュールンベルク
心強い味方も来てくれたことですし……一度私は、
自分の御城の無事を確認しに戻りたいと思います。

プファルツ城
ありがとうございました。
ドイツ各地の御城が兜の脅威に晒されているというのに……。

城塞都市ニュールンベルク
大丈夫、この国には頼れる城娘が揃っていますから。
私の働きも、ただのお節介に終わると信じていますよ。

城塞都市ニュールンベルク
ただ、プファルツ城ちゃん……。
あなたのことは、ちょっぴり心配です。

プファルツ城
…………。

城塞都市ニュールンベルク
かつての敗戦のことは……残念な事件だと思います。
ですが、あなたがそれほどまでに苦しむことはないのですよ。

プファルツ城
…………。

プファルツ城
苦しめられているなどとは、思っていません……。

プファルツ城
あのような後悔をもう繰り返したくない……ただ、それだけです。

城塞都市ニュールンベルク
……団結しましょう。

城塞都市ニュールンベルク
敵軍の目的は、未だ不明ですが……大軍を投入して、
ライン川の流れをせき止めるなんて、ただ事ではありません。

城塞都市ニュールンベルク
この度の戦は、私たちの力を一つに結集することが必須となるでしょう。

城塞都市ニュールンベルク
ドイツの城娘たちの……それから、
王様を始めとする日の本の皆さんの力も……。

プファルツ城
……はい。

城塞都市ニュールンベルク
各地の戦火を収め次第、必ず応援を連れて戻ってきます。
だから……それまで持ちこたえてくださいね。

城塞都市ニュールンベルク
……笑顔で再会できることを祈っていますよ。それでは。

プファルツ城
はい……ニュールンベルク様も、どうかご無事で。

プファルツ城
…………。

プファルツ城
さて、と。ゆっくりしている余裕はありませんね。
葡萄を集めなきゃ……ん?

多気城
…………。

プファルツ城
(あそこに見えるのは……多気城さん、と言いましたか?)

プファルツ城
(当てもなくうろうろしているようですが……どうかしたのでしょうか)

プファルツ城
…………。

プファルツ城
多気城さん? こんにちは。

多気城
プファルツ城さん……。

多気城
お体は、もうよろしいのですか?

プファルツ城
はい……皆さんが葡萄集めを手伝ってくれたお陰で、
力はだいぶ回復してきました。

プファルツ城
この調子なら、兜と戦う力を取り戻すまで、
そう時間は掛からないかと思います。

多気城
そうですか。それは良かったです。

プファルツ城
ところで、きょろきょろと辺りを見回していたようですが……、
お困りのことでも?

多気城
それは、勿論……葡萄を探すために、
どちらに行こうか考えていました。

多気城
プファルツ城近辺の収集は、皆さんに任せて、
私は……少し離れた場所へ足を運ぼうかと。

プファルツ城
多気城さん……。

プファルツ城
……では、協力をお願いできますか?

プファルツ城
あちらに、葡萄園があります。
私のお気に入りで、美味しい葡萄がいっぱいなっているんです。

多気城
葡萄がいっぱい……それは素晴らしいです。
プファルツ城さんの力も一気に取り戻すことができますね。

プファルツ城
その通りです♪
それでは、一緒に伺いましょうか。

――――。

多気城
ところで……一つ気になることがあったのですが。

プファルツ城
はい? なんでしょうか?

多気城
……先ほど仰っていた、
かつての敗戦……とはいったい何のことですか?

プファルツ城
……え?

多気城
ニュールンベルクさんとお話ししているのが、聞こえてしまって……。

多気城
無理に聞き出したいわけではなかったのですが、
プファルツ城さんの戦う理由が気になったので……ごめんなさい。

プファルツ城
…………。

プファルツ城
謝ることはありません。
隠し事というわけではないんです。

プファルツ城
……確かに、私が無理を押してでも前線に立つことを望んだのは、
過去の出来事が深く関わっています。

プファルツ城
大同盟戦争……プファルツ略奪の名でも知られる争いです。

多気城
大同盟戦争……。

プファルツ城
あの戦で、私の故郷は……敵軍によって蹂躙されました。

プファルツ城
特にハイデルベルク様は、徹底的な破壊を受けて……。

多気城
…………。

プファルツ城
とはいえ、私が軍事面で活躍することなんて、
きっと……誰も期待していなかったと思います。

プファルツ城
川の往来を見張り、関税を徴収する。
……それが私に与えられた役割ですから。

プファルツ城
実際、ハイデルベルク様や他の支城たちは、
私を責めるようなことは、決して言いませんでした。

プファルツ城
でも私にとってはそれが何より……辛かった。

プファルツ城
小さくたって、軍備が充分でなくたって……、
主のために戦いたいという気持ちに、変わりはありません。

プファルツ城
もっと、何かできることがあったんじゃないか。
そう思わずにはいられませんでした。

プファルツ城
だから私は誓ったんです。

プファルツ城
もしまた、誰かが攻め込んでくるようなことがあれば、
ハイデルベルク様を守る御城の一員として、
胸を張れるような戦いをしよう……と。

多気城
同じ後悔を、繰り返さないように……。

プファルツ城
そうです……。

多気城
…………。

多気城
急ぎましょう……。
少しでも早く、力を取り戻さなければなりません。

プファルツ城
ありがとうございます、多気城さん。
このまま進めば、まもなく――。

プファルツ城
――っ!?

プファルツ城
……多気城さん、感じましたか?

多気城
兜の軍勢……ですね。

多気城
葡萄園に行くのは、
後回しになってしまいそうです。

プファルツ城
急いで、御城に戻りましょう。
殿の許に戻って、指示を仰がなければ……!

後半
柳川城

はああぁぁぁっ!!


ギャアアアアァァァァ!

プファルツ城
お見事です、柳川城さん!

柳川城
プファルツ城さんの的確な指示があったからこそです。
危ないところを何度も助けていただきました。

プファルツ城
そんな、大したことではありません。
力を失った私にでもできることを、と思ったまでで……。

プファルツ城
それで、残存している兜は?
ひとまず兜は――。

千狐
待ってください……!

千狐
あちらの方角から、何かが近づいてきています……。
邪で、強大な力が……!

多気城
……親玉の登場、というわけですか。

リチャード1世
オヤオヤ……誰かと思エバ、
いつぞやの田舎武者ではナイカ……。

舟守は早瀬に揺蕩う -急-

リチャード1世の名を冠する巨大兜が姿を現す。
兜たちの手から、失われたラインの清流を
取り戻すため、城娘たちを連れていざ出陣せよ!

前半
リチャード1世

オヤオヤ……誰かと思エバ、
いつぞやの田舎武者ではナイカ……。

千狐
あの巨大兜は、確か……以前もこの国で戦った……!

やくも
よーわからん理由で、
レーヴェンブルク城に求婚してた巨大兜だに……!

リチャード1世
嗚呼、ツイに戻ってきた……因縁の地、ドイツ……。

リチャード1世
この国にオイテ味わった、長きに渡る幽閉生活。
……あの屈辱は、未ダ色濃く記憶に残ッテイル。

リチャード1世
そして私は……この器ト、
強大な力を得た時、誓ッタノダ……。

リチャード1世
偉大ナル騎士王・リチャード1世の物語にいつか、
ドイツへの圧倒的ナ勝利を刻ム、と……。

柳川城
ではやはり、
兜によるこの国への侵攻は、あの巨大兜によるもの……!

殿
…………。

リチャード1世
奴ラと共に歴史ヲ刻ンデきたライン川を閉ザシ、
誇りと希望の全てヲ奪った上で、徹底的ニ破壊する……。

リチャード1世
その夢ノ実現がモウ、目前にマデ迫ってきている……!

プファルツ城
…………。

プファルツ城
あれがドイツを危機に陥れた、巨大兜……!

リチャード1世
フム……。

リチャード1世
お前がこの御城を守る城娘……プファルツ城か。
その戦いぶりについては、報告を受けテイル。

リチャード1世
聞ケバ、お前も主ニ忠誠を捧ゲ、
戦いに身ヲ尽くすことを誓ッタ城娘だという。

リチャード1世
お前もまた、一人の騎士……というコトカ。
フフ、素晴ラシイ。

リチャード1世
好敵手と相まみえることもマタ、
戦の醍醐味……良イ戦イをしようジャナイカ。

プファルツ城
好敵手? 良い戦い?
冗談ではありません!

プファルツ城
私が願うのはただ一つ。
私自身の手で、あなたを討ち果たすことです。

プファルツ城
絶対に、許さないんだから……!

リチャード1世
オヤオヤ、嫌ワレテしまったヨウダ……。

柳川城
落ち着いてください、プファルツ城さん。
貴方の力はまだ、充分に回復していないはずです……。

やくも
このまま戦いを挑んで、大怪我したら大変だに!

プファルツ城
そうかもしれないけど……。
敵が目の前に居るというのに、何もできないなんて……!

プファルツ城
ライン川の清流を侵し、
私の国と仲間たちを傷つけている敵を前に……!

多気城
プファルツ城さん……。

多気城
ここは……私たちに任せてください。

プファルツ城
多気城さん……。

多気城
私は……あなたが少し、羨ましかった。

多気城
私には……誰かに語って聞かせるような過去が、残っていないから。

多気城
冗談交じりに『謎の城』を自称してきたけれど……。
自分でも何をしたいのか、するべきか……ずっと分からずに生きてきました。

多気城
ですが、先ほど……貴方の話を聞いて、強く思ったのです。

多気城
……貴方とこの御城を守りたい。
貴方が使命を果たす、お手伝いがしたい……と。

プファルツ城
…………。

多気城
……約束します。
必ずあの巨大兜を退けて、この御城を守ってみせる、と。

多気城
だから……お願いです。
私たちのことを信じて、この場を任せてください。

プファルツ城
…………。

プファルツ城
ありがとう、多気城さん。
また私、頭に血がのぼってしまって……。

多気城
大丈夫ですよ。
それも貴方の良いところです。

プファルツ城
ぅ、どういたしまして……?

リチャード1世
……素晴ラシイ。

リチャード1世
様々ナ感情が交錯し……、
幾つモノ物語が生まれる。それもマタ、戦が見せる表情の一つ。

リチャード1世
その尊さニハ、敵も味方も変わりはナイ。
……が、シカシ!

リチャード1世
悲シイ哉、私はお前タチを打ち倒サネバならない!

リチャード1世
モハヤ雌雄を決する以外、
コノ場を収メル術はないのダカラ!

リチャード1世
そして、最後に立ッテいるのは我々に違イナイ!

リチャード1世
コノ戦が、我々の勝利にヨッテ終結するという筋書キは、
決して揺るがないノダ!

千狐
……巨大兜の力が膨れ上がりました!

殿
…………!

リチャード1世
さぁ始めるぞ、田舎武者ヨ!
お前ノ実力ヲ見せてみるがいい!

多気城
守り抜いてみせる。なんとしてでも……!

後半
多気城

はああぁぁぁっ!

リチャード1世
グウウウぉぉぉおおおっ!?

やくも
多気城の矢が巨大兜を捉えただにっ!

千狐
戦況は優位……このまま行けば、きっと……!

リチャード1世
…………。

リチャード1世
ここが潮時、カ……。

リチャード1世
目先ノことに拘ッテ機を逃せば、
ソの先に在るのは敗北ノミ……。

リチャード1世
……お前タチ、ここは一度撤退スルゾ。


エッ?

リチャード1世
ソレカラ……川の水ヲせき止メルのは、モウ終わりにしていい。


エェッ!? 川ノ水、モウ戻シチャウンデスカ?

リチャード1世
奴ラの誇りヲ奪い、意気を削ぐことガ、
我々の利ニ繋ガルと見ていたガ、失敗だった。

リチャード1世
驕りカ、陶酔か……私ノ瞳ガ曇っていたヨウダ。

リチャード1世
城娘同士ノ団結に加エテ、
それらを見事に統率スル田舎武者……イヤ、日の本の王、ト呼ブべきか。

殿
…………。

リチャード1世
勝利ヲ収メルためには、一度撤退し、
充分にチカラヲ蓄える必要がアルだろう。

リチャード1世
そして奴らを殲滅サセルのだ。全軍をもってな。

リチャード1世
さぁ、撤退ダッ!


御意ッ!!

兜軍団
撤退ッ!
撤退ッ!
撤退ッ!

千狐
…………。

千狐
兜の撤退を確認……。

プファルツ城
お見事でした、多気城さん!

多気城
プファルツ城、さん……見てくれました……?

プファルツ城
はい……ちゃんと見てましたよ。
素晴らしい戦いぶりでした……!

多気城
久しぶりに頑張ったから……少し疲れた、かも……。

プファルツ城
肩を貸しますから、身を預けてください。
……御城に戻ったら、一休みしましょう。

多気城
そうさせて、もらいます……。

千狐
ですが巨大兜は……いずれまた、
戦力を整えて戻ってくるでしょう……。

柳川城
えぇ……それまでの間にプファルツ城さんの力を取り戻し、
万全の体勢で迎え撃てるようにしたいところです。

やくも
だに! みんなで葡萄をえっぱい集めるがや!

殿
…………!

舟守は早瀬に揺蕩う -絶壱-

巨大兜を退け束の間の平穏を得た一行は、
次なる戦いに備え、プファルツ城の力を
取り戻さんと、葡萄集めに精を出していた。

前半
リチャード1世の侵攻を退けてから数日……。

一行は次なる戦に備え、
プファルツ城の力を取り戻すために奔走していた――。

プファルツ城
多気城さ~ん!

多気城
……プファルツ城さん。

多気城
そんなに慌てて……何かあったんですか?

プファルツ城
多気城さんですよ!
気づいたら姿を消していて、探していたんです!

多気城
プファルツ城さん、何だか忙しそうにしてたので……。
葡萄園には一人で向かおうかと。

プファルツ城
なるほど……。

プファルツ城
多気城さんを探していたのは……、
葡萄園にご案内する約束を、果たそうと思って……。

多気城
……なんと。

多気城
では私たち……お互いに、
すれ違ってしまっていたのですね……。

プファルツ城
ふふ、そのようです。
では早速……向かうことにしましょうか。

プファルツ城
お互い、準備もできているようですし。ね?

多気城
はい。よろしくお願いします。

――――

プファルツ城
ところで……前から気になっていたのですが、
多気城さんってどんな御城なんですか?

多気城
……私ですか?

プファルツ城
多気城さん……この前、戦いの中で自分のことを、
『謎の城』と仰っていましたよね。

プファルツ城
それから、『語って聞かせるような過去はない』とも……。

多気城
ええ、その通りです。

多気城
城娘として生を受けた時から……使命感や目的意識というものが薄く、
そんな自分に疑問を抱いたこともありませんでした。

プファルツ城
……なるほど。
私とはまるで正反対……ですね。

多気城
……ただ、ある時を境に、
『他の城娘とは違うのかも』と……そう思うようになりました。

プファルツ城
何か、きっかけがあったんですか?

多気城
……以前、友人が私の部屋を訪問した時のことです。

多気城
友人は、ひどく驚いていました。私の部屋に……、
生活を送る上で最低限必要な品以外、何も置かれていないことに……。

多気城
その時、気づきました。
私の心は、あの部屋と同じ……空っぽだったんだと。

多気城
以降、私は『きっと普通の城娘ならこうするのだろう』……。
そう考えながら、自分の行動を決めるようになりました。

プファルツ城
…………。

多気城
ですが……それも少しずつ、
良い方向へと変わってる……かもしれません。

多気城
プファルツ城さんと出会ったことがきっかけです。

プファルツ城
私と……?

多気城
プファルツ城さんは……私には無いものを、沢山持っていました。

多気城
後悔と未来への意志、それから与えられた使命……。

多気城
それらを全うしようとする姿を見て、私は……胸が熱くなりました。

多気城
その影響で……私の中では、
色々と……やりたい、と思うことが浮かんできました。

プファルツ城
やりたい、と思うこと……?

多気城
プファルツ城さんのために戦う、ということです。

プファルツ城
多気城さん……。

多気城
プファルツ城さんのために戦って、この国が平和になる……。
そんな未来を想像すると私は……なんだか、嬉しい気持ちになるんです。

多気城
こんな気持ち……初めてでした。

多気城
だから私は、葡萄を集めて……兜と戦うんです。
私の中に生まれた、この気持ちを……大切にしたいから。

多気城
すべては……プファルツ城さんと出会えたお陰。
本当に、ありがとうございます。

プファルツ城
ど、どういたしまして……。

多気城
……と。少しお喋りが過ぎてしまいました。

多気城
……急ぎましょう、プファルツ城さん。
少しでも早く葡萄園に向かわないと。

プファルツ城
ちょっと!? 急にどうしたんですか、走り出したりして?

多気城
なぜか、突然……ゆっくりと歩いているのが、
勿体ないことだと思えてきたんです。

多気城
葡萄園の方向は、こちらで合っていますか?

プファルツ城
合ってます、けど……。
多気城さんだけ先に到着したって、意味ないじゃないですかっ……!

多気城
そうですね……でも、仕方ありません。
急に走り出したくなってしまったんです。

多気城
ほら、プファルツ城さんも急ぎましょう。

プファルツ城
あぁ、ちょっと……待ってくださいってば~!

後半
プファルツ城

意外と、体力ありますね。
多気城さん……。

多気城
いえ、そんなことは……。
はぁ……私も、少しはしゃぎ過ぎました……。

プファルツ城
…………。

プファルツ城
多気城さんは……ちゃんと変われてます。
空っぽなんかじゃ、ありませんよ。

多気城
え……?

プファルツ城
出会ったばかりですが、私……。
多気城さんから、色々なものをもらっています。

プファルツ城
思えば、誰かから『ありがとう』なんて言葉を言われたのは、
本当に久しぶりのことでした。

プファルツ城
自分にとって当たり前だと思っていたものが、尊いものなんだって……、
多気城さんのお陰で、気づけたんです。

プファルツ城
だから、私からも多気城さんに……ありがとう、です。

多気城
…………。

多気城
それでは私も……どういたしまして、ですね。
……ふふっ。

プファルツ城
そうですね……。

プファルツ城
多気城さん……この戦いが終わったら、
お礼も兼ねて、ドイツ案内をさせてください。

多気城
案内……良いのですか?

プファルツ城
もちろんです♪
せっかくいらっしゃったのに観光もできず終いでは、あまりに勿体ないです。

プファルツ城
ドイツの素敵な場所を、
思う存分堪能していってもらいますよ♪

プファルツ城
ライン川も、その頃には……、
美しい景観が楽しめるようになっているはずですから。

多気城
そうですか……。
そんなご褒美があると聞いたら、頑張らない訳にはいかないですね。

多気城
……と、お喋りよりも今は葡萄狩りですね。
始めましょうか、プファルツ城さん。

プファルツ城
えぇ、始めましょう♪

舟守は早瀬に揺蕩う -離-

皆の団結によって集まった葡萄の山を見つめ、
互いを称え合う一行。更には、干上がっていた
ライン川の様子にも変化が訪れて――。

前半
やくも

ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、ん~……。

やくも
数え切れんがやっ!
よくもこんなに集めたもんだに!?

千狐
事前に伺った通り、この辺り一帯は葡萄の名産地……。
お陰様で、収集が捗りましたね♪

柳川城
これだけ集まれば、
プファルツ城さんの力も充分に戻っていることでしょう。

多気城
うん。本当に良かった……ん?

多気城
それで、そのプファルツ城さんはいったいどこに……?

プファルツ城
みなさ~ん!

やくも
プファルツ城の声だに!

プファルツ城
皆さん、私の御城を……ライン川の景色を見てみてください!

プファルツ城
早く、こちらへ!

千狐
なんでしょう……。

柳川城
とにかく、私たちもプファルツ城さんの後に続きましょう!

――――

多気城
この景色は……!

プファルツ城
ご覧ください!
これがドイツを育んだ父なる流れ、ライン川の清流です!

やくも
おぉ~! 川が元に戻ってるだに!

多気城
綺麗……。

千狐
ですが、水が帰ってきたということは……。

柳川城
水をせき止めるのに要していた兵力も含めた、
全ての戦力が今こちらに……。

多気城
…………。

プファルツ城
皆さん。ここでもう一つ良い報せです。

多気城
良い報せ……?

プファルツ城
多分、大丈夫だと思うのですが……。
見ていてくださいね。

プファルツ城
変……身っ……!

やくも
おぉ……!

プファルツ城
……できた。

プファルツ城
できた、できました!
次の戦いは私も出陣できますよ、皆さん!

千狐
良かったですね、プファルツ城さん!

柳川城
これでこの御城を守るため、共に戦うことができます!

プファルツ城
そうですね……この御城を、守るために……。

プファルツ城
…………。

多気城
プファルツ城さん……どうかしたんですか?

プファルツ城
皆さんに……改めてお願いいたします。

プファルツ城
この戦いを乗り切るため、どうか……皆さんの力を貸してください。

プファルツ城
皆さんの助力により、力を取り戻すことができましたが、
兜たちを討伐するには、私一人では到底及びません。

プファルツ城
ですから、何卒……。

柳川城
プファルツ城さん……。

多気城
何を今更……私は当然、
この戦が終わるまでこの御城に居座るつもりでしたよ。

柳川城
無論、私もです。

殿
…………!

プファルツ城
皆さん……!

やくも
むしろ安心しただに。力を取り戻したら、
また一人で突っ走るんじゃないか、って心配してたがや。

千狐
こらやくも、失礼でしょ……。

千狐
と言いつつ、
実は千狐も同じ心配をしていました……。

プファルツ城
そう思われるのも、もっともだと思います……。

プファルツ城
皆さんとお会いするまでは私、
ただ戦うことに必死で……周りが見えていなかったんです。

プファルツ城
本当は私が……最前線に立って、
敵を次々斬り伏せるような城娘だったら良かったのですが、
実際はそうではありません。

プファルツ城
長きに渡って務め続けた見張り役。
……その中で培ったこの眼と、砲撃の腕。

プファルツ城
どちらにしても私は、
皆さんを後衛から支える役目が適切……。

プファルツ城
ですから改めて、お願いを申し上げた次第です。

プファルツ城
皆さんを前線……、
危険な場所に立たせてしまいますが、何卒お願いします、と……。

多気城
…………。

多気城
危険なことなどありませんよ。

多気城
プファルツ城さんが後ろに控えているなら、
私は安心して戦うことができます。

柳川城
多気城さんの仰る通りです。

柳川城
私たちはプファルツ城さんに背中を預け、
御城を守ることに全霊を注ぎましょう。

プファルツ城
……よろしくお願いします。

千狐
プファルツ城さんの力も戻りましたし、
これならいつ兜が攻めてきても安――

千狐
――コンッ!?

やくも
まさか千狐……兜さんが、もう……?

千狐
えぇ……まだ距離はありますが、向こうの方に……!


――ザザッ!

兜軍団
ザザッ! ザザザッ!

多気城
こちらへ向かってきていますね……。

殿
…………!

柳川城
はい、承知しました。

柳川城
では皆さん、
兜を迎え撃つ準備を整えてください!

後半
プファルツ城

多気城さん、右手後方に敵です!

多気城
はい……!

プファルツ城
柳川城さんは左手側の敵を!
他は私が片付けます!

柳川城
はいっ!!

プファルツ城
やああああぁぁっ!!


ギャアアアアァァァァ!!

プファルツ城
…………。

プファルツ城
……ひとまずはこれまで、ですか。

千狐
…………。

千狐
……すごい。

千狐
お見事です、プファルツ城さん!
的確な指示と砲撃で、敵を次々と!

プファルツ城
大したことはありません。
今日は何だか、敵の動きがよく見えたので……。

やくも
プファルツ城の活躍のお陰で、
殿さんの出番が殆どなかっただに……。

殿
…………。

柳川城
(はっ、殿の笑みに影が差して……!?)

柳川城
そ、そんなことはありませんよ?
殿の采配も実に見事なものでした!

殿
…………。

千狐
とにかく、プファルツ城さんのお陰で、
こちらの戦力は以前とは段違いです!

プファルツ城
そうですね。
これなら、きっと――

リチャード1世
舞台は整ッタ……そろそろフィナーレといこうじゃナイカ……。

舟守は早瀬に揺蕩う -結-

殿一行はリチャード1世の名を冠する巨大兜と
再び相対する。ドイツに平穏を取り戻すため、
巨大兜の打倒に全霊をもって尽力せよ!

前半
リチャード1世

舞台は整ッタ……そろそろフィナーレといこうじゃナイカ……。

リチャード1世
圧倒的な勝利も、
ドイツの占拠モ……最早、興味はナイ。

リチャード1世
遠き東ノ果ての……島国ヲ治メル王よ……。

リチャード1世
……私が欲スルはタダ、勝利のみ。
全力ヲ以テ、オ前を討ち滅ボスこと、ソレダケ……。

リチャード1世
筋書キは……モウ不要だ。
この勝利ノ先ニ、私の求める栄誉がアルことは間違いないのダカラ。

リチャード1世
この偉大ナル騎士王・リチャード1世の歩ミに、勝利を刻むノダ……!

リチャード1世
ハアアアァァァァァっ!!

千狐
コンッ!?

千狐
そんな、この力は……!

やくも
どうしたんだに、千狐?

千狐
巨大兜の力が高まっています。
先刻とは、比べ物にならないほどに……!

柳川城
その上、引き連れている兜の数は……。

多気城
私たちを相手するにはちょうどいい……。

多気城
……と、言えたらよかったのですが。
贔屓目に見ても、我々が劣勢にあることは間違いありませんね……。

プファルツ城
…………。

プファルツ城
退却、しますか……。

多気城
えっ?

殿
…………。

プファルツ城
ここで戦いを始めても、私たちに活路はありません。
そうでしょう、王様?

殿
…………。

多気城
…………っ!

多気城
なりません!
御城を明け渡してしまうなんて……。

多気城
この御城は、プファルツ城さん……、
貴方の誇り、そのものではないですか。

多気城
それを守るために貴方は、
ここまで戦ってきたのに……!

プファルツ城
ここで退くことになったって、
私の誇りには何の傷もつきません。

プファルツ城
最後に私たちが勝利して、
兜たちを討伐できれば、それで良いんです。

プファルツ城
誇りに囚われ、この城に留まっていては、
被害が増えていく一方です。

プファルツ城
ですから、一度この御城を離れて、機を――

???
ちょーっと待ったぁ~!

プファルツ城
っ!?

プファルツ城
あちらに見える姿は、まさか……!?

ハイデルベルク城
やっほ~、プファルツ城ちゃん。無事で何よりだわ。

ホーエンツォレルン城
私も居りますよ、プファルツ城さん。
こうして顔を合わせるのは、お久しぶりですね。

プファルツ城
ハイデルベルク様に、
ホーエンツォレルン様まで……!

やくも
…………。

やくも
さ……さ、さ……!

やくも
酒瓶持ったねーちゃんが乱入してきただに……!

ハイデルベルク城
ちょっとぉ、聞こえたわよ?
酔っぱらいみたいに言わないでほしいんだけど?

ハイデルベルク城
私たち、プファルツ城ちゃんがピンチって聞いて、
慌てて駆けつけたのよ~?

ホーエンツォレルン城
酔っ払いであることは、
的を射ていると思うのですが……。

ハイデルベルク城
なぁに? もしかして貴方、
あたしの空き瓶の威力を味わってみたい人?

ホーエンツォレルン城
絡むならあちらの兜にしてください。
……敵はもう目の前まで来てるのですよ?

ハイデルベルク城
っと……そうだった。ふざけるのは後回しね……。

ハイデルベルク城
……で、貴方が日の本の王様ね?
ニュールンベルク様から話は聞いてるわよ。

ハイデルベルク城
私はハイデルベルク城。
ドイツのために戦ってくれたこと、感謝してるわ。ありがとね♪

ホーエンツォレルン城
私はホーエンツォレルン城と申します。
以後お見知りおきを♪

殿
…………!

ハイデルベルク城
横入りすることになっちゃうけど……あそこのでっかい兜には、
私からも一発入れないと、気がすまないのよねぇ。

ホーエンツォレルン城
ええ、まったくです。
どうにか間に合ったみたいで、安心しましたわ。

柳川城
とんでもございません。
今はちょうど……苦境に悩まされていたところでして……。

ホーエンツォレルン城
あら、そうだったのですか……?

プファルツ城
はい。退却もやむを得ない……と考えていた程の状況で……。

ハイデルベルク城
退却? プファルツ城ちゃんがこの御城から?
……ふぅん、そうだったの。

ハイデルベルク城
それじゃ私たち、王様のピンチを救ったってことになるのね♪
それなら――

ホーエンツォレルン城
お礼にお酒をねだる、なんてことは止めてくださいよ?

ハイデルベルク城
なんでよぉ!?
がんばって戦ったご褒美があったっていいじゃないっ!

プファルツ城
この人はもう、本当に……。

プファルツ城
申し訳ありません、王様。
私の主が混乱を招いてしまって……。

ハイデルベルク城
混乱? そんなの招いた覚えはないわよ!?

ホーエンツォレルン城
ほら、もう騒がないの。
戦の準備を整えてくださいな。

プファルツ城
ご安心ください、王様。
二人共、この国では知らぬものが居ない程の名城です。

プファルツ城
ですから、戦いにおける働きについては信頼してください……。

殿
…………!

リチャード1世
他の地方カラモ、城娘ガ続々と。
マァ良い、これも想定していたコト……。

柳川城
それでは、改めて……皆さん、準備は良いですね?

多気城
(こくり)

プファルツ城
この戦が最後……!
ドイツの平穏を、取り戻してみせます……!

後半
プファルツ城

喰らえぇぇぇぇぇっ!!

リチャード1世
ぐううううぅぅぅぅっ!?

リチャード1世
ぐ、ぅお……なんと……。

リチャード1世
マ・ダムとの邂逅ヲ阻み……、
果テは、我ガ悲願まで挫クとは。

リチャード1世
ふふ、フフフ……。

リチャード1世
ソウカ、そうだったノカ……そうだったノダナ……!

リチャード1世
日の本の王ヨ……お前を倒すコトで、
『騎士王・リチャード1世』の物語ハ完成スル。ソウイウことだな……?

やくも
なんか一人で納得してるだに……。

リチャード1世
お前コソが、この器トシテの生に宿命ヅケられた、
好敵手というワケカ……!

リチャード1世
ココは一度退く……ダガ、
お前とはマタ相まみえることにナルだろう。

リチャード1世
私はその時ヲ……楽シミに待ツことにシヨウ! さらばだ!

リチャード1世
ハッハッハ……!

兜軍団
撤退ッ!
撤退ッ!
撤退ッ!

千狐
…………。

千狐
兜の撤退を確認しました……。

多気城
では、これで……!

柳川城
はい! 戦いは終わり、
これでドイツには平和が……!

プファルツ城
はぁ、良かった……皆が無事で……。

ハイデルベルク城
ちょっと!
プファルツ城ちゃん、プファルツ城ちゃん!

プファルツ城
ハ、ハイデルベルク様……? どうかされましたか?

ハイデルベルク城
聞いたわよぉ、あんな恐ろしい巨大兜を相手に貴方、
ずっとこの御城を守ってくれてたのよね?

ハイデルベルク城
よく戦ってくれたわ……大変だったでしょう。

ハイデルベルク城
自分の支城がこれだけの奮戦を見せてくれたなんて、
……私も誇らしいわ。本当にお疲れ様♪

ハイデルベルク城
この国を守ってくれて、ありがとね。プファルツ城ちゃん。

プファルツ城
……っ!!

プファルツ城
…………ぅ。

ハイデルベルク城
ん? どうしたのプファルツ城ちゃん? お腹でも痛い?

ハイデルベルク城
ちょうどいいわ……ここに、腹痛によく効く薬があるのよ。
赤ワインっていうんだけど――

プファルツ城
……うぅ。

プファルツ城
うぅぅ~……。(ぼろぼろぼろ)

ハイデルベルク城
号泣っ!?

ハイデルベルク城
どうしたのよ、急に……?

プファルツ城
なんでもないんです、なんでも。うぅ……!

ハイデルベルク城
なんでもないって言われても、そんな……。

ハイデルベルク城
ん~、それじゃ……ワイン、飲む?

プファルツ城
飲まないです~……!

ホーエンツォレルン城
はぁ……ハイデルベルク城はほんとに、無神経なのですから……。

ハイデルベルク城
えぇっ! 私が悪いの、これ!?

ホーエンツォレルン城
(プファルツ城さん……)

ホーエンツォレルン城
(貴方はずっと……ハイデルベルク城から、
 その言葉をもらうために、戦い続けてきたんだものね……)

ホーエンツォレルン城
良かったわね……プファルツ城さん……。

ハイデルベルク城
まーいいわ!
いずれにしても、勝利がめでたいことに間違いないんだから!

ハイデルベルク城
長い戦に終止符が打たれ、私たちは大勝利!
そうなったら何をするか……決まってるわよね、王様?

殿
…………!

ハイデルベルク城
ふふっ! 話が分かるじゃない、貴方!

ハイデルベルク城
それじゃみんな……宴の準備を始めるわよぉ~!!

やくも
おぉ~!

この後、殿一行は、
ハイデルベルク城の酌に夜通し付き合わされることになるのだが……、
それはまた、別の話――。

舟守は早瀬に揺蕩う -絶弐-

平和を取り戻したプファルツ城に充満する、
芳醇なワインの香り。城娘たちが酒盛りを
満喫するが……その時、鋭い怒声が響き渡る。

前半
巨大兜を撃退してから数日……。

殿一行が去った後、ドイツの城娘たちは、
久々に訪れた平穏を存分に満喫していた――。

ハイデルベルク城
ぐび、ぐび……ぐびぐび……。

ハイデルベルク城
あ~ぁ、平和ねぇ。
……こういう日はお酒が進んでしまうわ。

ホーエンツォレルン城
そうですわね。
天気は良いし……ワインの味が格別に感じられますわ♪

ホーエンツォレルン城
まぁ……貴方のお酒が進んでいるのは、
今日に始まったことではないと思いますが……。

ハイデルベルク城
まま、細かいこたぁ気にしないでいいのよぉ。
せっかくのワインが不味くなるわ……。

ハイデルベルク城
ぐび、ぐび……。

プファルツ城
こら~!!

ハイデルベルク城
…………。

ハイデルベルク城
……来たわね。

ホーエンツォレルン城
ハイデルベルク城、
向こうからプファルツ城さんが駆け寄ってきてますが……?

プファルツ城
なんですか、この空き瓶の山は!

プファルツ城
まーたワインですね?
飲んだんですね? 泥酔ですね?

ハイデルベルク城
泥酔じゃないわよぉ。
今日はまだ飲み始めてから四時間しか経ってないもの……。

プファルツ城
どこが『まだ』ですか!?

プファルツ城
大体、巨大兜を退けてから今日まで、
何本の瓶を開けたんです、ハイデルベルク様は?

プファルツ城
王様や日の本の城娘たちにまで付き合わせて……。

プファルツ城
多気城さんとも……本当はもっと一緒に居たかったのに……!

ハイデルベルク城
…………。

ハイデルベルク城
ぐびぐびぐび……。

プファルツ城
飲むなー!

プファルツ城
これも、これも! ワインは全部没収します!
今日は休肝日に決定です!

ハイデルベルク城
あぁ~、私のワインがぁ~……!

プファルツ城
それからはい、お水!
これを飲んで酔いを覚ますんです!

プファルツ城
もう……ようやく平和になったと思えば、すぐこれです……。

ハイデルベルク城
ふぃ~……プファルツ城ちゃんの怒声が聞こえると、
いつもの日々が戻ってきたって感じがするわねぇ。

ハイデルベルク城
ぐび、ぐびぐび……。

プファルツ城
何を呑気なことを。
毎回叱りつける方の身にもなってほしいもの――

プファルツ城
――あれっ!? ワインじゃないですか、それ?
全部取り上げたはずなのに!?

ハイデルベルク城
ふふふ……。

ハイデルベルク城
こんなこともあろうかと、
この御城やその周囲……至るところにワインを隠しておいたのよぉ。

ホーエンツォレルン城
支城の城域で何をしているのですか、貴方は……。

プファルツ城
なるほど……。

プファルツ城
反省の色は皆無、というわけですか……。

プファルツ城
私の言葉がまっっったく、あなたに届いていないということを、
改めて理解しました……。

プファルツ城
どうやら今日も……ハイデルベルク様には、
きつーい罰を与える必要があるみたいですね。

ハイデルベルク城
……ふぇ?

プファルツ城
ドイツを治める御城の一角として、
相応しい振る舞いを、と何度も何度も何度も言ってるのに……!

ハイデルベルク城
やば……本気で怒らしちゃったかも……。

ハイデルベルク城
逃げるわよ。ホーエンツォレルン城……。

ホーエンツォレルン城
え、逃げる……いったいどういうことですの?

ハイデルベルク城
んー、どういうことかっていうとねぇ……。

ハイデルベルク城
プファルツ城ちゃんの御城の地下にはね、牢屋があるのよ……。

ホーエンツォレルン城
存じ上げておりますわ。税関としての役割を担っていましたから、
……罪を犯した者を閉じ込める場所として、ですわよね?

ハイデルベルク城
そう、罪を犯せば閉じ込められる……。

ホーエンツォレルン城
…………。

ホーエンツォレルン城
……まさか。

ハイデルベルク城
お酒を飲んだお仕置きにしては、
ちょっとばかり度を越えてると思わない?

ホーエンツォレルン城
……冗談、ですわよね。

ハイデルベルク城
冗談じゃないわよ。
過去に捕まり、投獄されること37回……。

プファルツ城
37回じゃなくて47回です!
ちゃっかりサバ読まないでください!

プファルツ城
まぁ、もうすぐ48回になるんですけどね……。

プファルツ城
さぁ、牢屋の中で反省してもらいますよ!!

ハイデルベルク城
ほら、逃げるわよホーエンツォレルン城!

ホーエンツォレルン城
は、はいっ!?

プファルツ城
こらぁ~! 待ちなさーい!!

――――

プファルツ城
はぁ、はぁ……。
逃さ、ないん……だから……!

ハイデルベルク城
思ったよりもしぶといわねぇ……。

ハイデルベルク城
プファルツ城ちゃーん!
結構走ったし、そろそろ休戦にしなーい?

ハイデルベルク城
もう疲れてるでしょ?
日も暮れちゃったし、一緒にワインでも飲みましょーよー!

プファルツ城
馬鹿にして……!
今日という今日はもう、許せない……!

プファルツ城
絶対に捕まえてみせます!
叱りつけて、閉じ込めて……二人とも無期懲役です!

ホーエンツォレルン城
……罪が重くなりましたわ。

ハイデルベルク城
ふふっ♪ 追いかけっこはもう少し続きそうね?

プファルツ城
待てええぇぇ! 逃がすもんですかー!

後半
プファルツ城

はぁ、はぁ……泥酔状態でこの逃げ足って、
どういうことです……?

ハイデルベルク城
あははっ、まだまだねぇプファルツ城ちゃん!
私はまだ準備運動も終わっていないわよ?

プファルツ城
あぁ、いけない……なんだか、目眩がしてきました。

ハイデルベルク城
自分の身体を顧みずに追っかけ回すからよぉ。

ハイデルベルク城
私と今のプファルツ城ちゃんを見比べたら、
そっちの方が酔っぱらいに見えるんじゃない? あははっ!

プファルツ城
ぐ……必ず捕まえてやる……。

ホーエンツォレルン城
プファルツ城さん……ハイデルベルク城のことよりも、
今は自分の身体をいたわるべきですわ。

ホーエンツォレルン城
どうしましょうか……。
冷たい水などがあればいいのだけど……。

ハイデルベルク城
水なんてないわよぉ。ここにはワインしか――

ハイデルベルク城
いや、あったわ……水。
そこのゴブレット、水が注がれてるんじゃない?

ハイデルベルク城
ほら、さっきプファルツ城ちゃんからもらったやつ。

ホーエンツォレルン城
あぁ、これですわね?
……はいどうぞ、プファルツ城さん。

プファルツ城
ありがとうございます、ホーエンツォレルン様……。

プファルツ城
んく、んく……んく――んんっ!?

ホーエンツォレルン城
どうかしましたの? プファルツ城さん?

プファルツ城
これ、水じゃありません!
ワインです……!

ホーエンツォレルン城
なっ、そんな……! どうして?

プファルツ城
決まってます……逃げてる最中に中身をすり替えたのでしょう。
ハイデルベルク様が……!

ハイデルベルク城
ふふ、ふふふふ……。

ハイデルベルク城
まさかこんなに上手くいくとは思わなかったわ……。

ホーエンツォレルン城
…………。

ホーエンツォレルン城
私も……貴方のような悪党は、
牢屋に閉じ込めておいた方が良い気がしてきましたわ……。

プファルツ城
そうです……ハイデルベルク様は、牢屋がお似合い……。

プファルツ城
ほんとに……あなたという人は、どうして……。

プファルツ城
どうして……ぐす、
そう、わからずやなんですかぁ……うぅ、うえぇぇぇん……。

ホーエンツォレルン城
ちょ、プファルツ城さん……?

プファルツ城
ひどい、ひどいですぅ。
ぐす、ハイデルベルク様が、私に意地悪ばっかりしますぅ……。

ホーエンツォレルン城
まさか、泣き上戸……。

ハイデルベルク城
あぁ~、泣き出しちゃった。

ハイデルベルク城
こうなると、色々都合が良いのよねぇ。
無害だし、可愛いし。

ホーエンツォレルン城
ハイデルベルク城、あなた……、
やって良いことと悪いことがありますわよ……。

ハイデルベルク城
待って待って!
大丈夫だから……ちょっと耳を貸しなさい。

ホーエンツォレルン城
ん……?

ハイデルベルク城
私があの子に無理やりお酒を飲ませるわけないじゃない。
これ以上ワインを敵対視されたら、余計に面倒でしょ。

ホーエンツォレルン城
それじゃ、プファルツ城さんのあれはいったい……?

ハイデルベルク城
あの子が飲んだのは、葡萄ジュース。
もちろんノンアルコールよ。

ホーエンツォレルン城
ではプファルツ城さんは……、
自分がワインを飲んでしまったと勘違いしてしまっている、と?

ハイデルベルク城
その通り! ワインを飲んでしまった、
っていう思い込みが、この子を酔わせてるってわけ♪

ホーエンツォレルン城
なるほど、上手くやりましたわね……。

ホーエンツォレルン城
……って納得しかけてしまいましたけど、
悪どい手段であることには、変わりがないような気がしますわ……。

プファルツ城
うぅぅ……ハイデルベルク様はぁ、
どうして私に意地悪するんですか……?

プファルツ城
私のこと、嫌いになっちゃったんですか……?

ハイデルベルク城
(きゅん)

ハイデルベルク城
嫌いになんかなるわけないじゃない。
今までもこれからも、プファルツ城ちゃんが大好きよ~♪

プファルツ城
ほんと……?

ハイデルベルク城
ほんとほんと。ほら、こっちおいで?
抱っこしてあげる♪

プファルツ城
うん……。

プファルツ城
……ハイデルベルク様の身体、あったかい。

ハイデルベルク城
ふふっ、そうでしょう♪ もっとくっついていいのよ♪

ホーエンツォレルン城
葡萄ジュース一口で、こうも豹変するなんて……。

ハイデルベルク城
ほんとに面白い子よねぇ……プファルツ城ちゃんって。

ハイデルベルク城
私は、この子に追いかけられたくて、
毎日ワインを飲んでるのかもしれないわねぇ……。

ハイデルベルク城
ぐび、ぐび……。

プファルツ城
ぐす、ワイン飲まないでって言ってるのにぃ~……。

ハイデルベルク城
そうよねぇ……ほんとは飲んじゃだめなのにねぇ。
ワインって罪な飲み物だわ~。

ハイデルベルク城
プファルツ城ちゃんも、もう一口……飲む?

プファルツ城
…………。

プファルツ城
……飲む。

プファルツ城
ぐび、ぐび、ぐび……。
(※葡萄ジュースです)

ハイデルベルク城
いい飲みっぷりじゃない。
将来は私を越える酒豪になるかもしれないわねぇ♪

プファルツ城
ならないもん!
ハイデルベルク様みたいには、絶対ならないもん!

ホーエンツォレルン城
…………。

ホーエンツォレルン城
……はぁ。
本当に良いものですわね、平和って。

ぐずるプファルツ城をあやすハイデルベルク城……。
そんな二人のやり取りを眺めつつ、
ホーエンツォレルン城は口元に寄せたグラスを、ゆっくりと傾けた。



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