ストーリーテキスト/聖夜を翔る夢見鳥

ページ名:ストーリーテキスト/聖夜を翔る夢見鳥

目次

聖夜を翔る夢見鳥[]

聖夜を翔る夢見鳥 -序-

四稜郭から招待を受けて、聖夜の宴に参加する
こととなった殿一行。異国情緒あふれる絢爛な
飾り付けの数々に感嘆するが、そこに兜の影が……。

前半
――聖夜、四稜郭の御城。

千狐
ここが四稜郭さんの御城……!

殿
…………!

柳川城
異国の風情を感じさせる飾り付けが、すごく素敵です……!

やくも
だに! あっちもこっちもキラキラ輝いてるがや!

四稜郭
ジュワイユー・ノエル! 総裁♪

四稜郭
今日はわたしの招待に応えてくれて、ありがとう♪

四稜郭
総裁に喜んでもらえるようにわたし、
いっぱいいっぱい頑張ったから、今日は思いっきり楽しんでいってね♪

殿
…………!

千狐
それにしても、驚きました……。
日の本の城娘から、聖夜の宴の招待があるなんて……。

柳川城
そうですね。
異国の催事を四稜郭さんの御城で行うとは、意外でした……。

四稜郭
えへへ、驚いたでしょ?

四稜郭
わたしもフランスの子たちから教えてもらったんだけどね、
日の本ではまだ知れ渡ってない催事って聞いて、
思い切ってやってみることにしたの♪

千狐
そうだったのですね……ですが、凄いです。
以前、異国の地で聖夜を祝ったことがありましたが、
この御城を彩る飾り付けは、それにも全く劣っていません♪

四稜郭
えへへ、褒めてもらえて嬉しい♪ ……だけどね、
今日のパーティーがこんなに素敵なものになったのはね、
わたしだけの力じゃないんだよ。

四稜郭
実を言うと、異国からとっても強力な助っ人を招待したの!

柳川城
助っ人……異国から、ですか?

四稜郭
うん、それじゃ紹介するね!
はいっ、フレデリクスボー城ちゃんの登場でーす!

フレデリクスボー城
ご紹介に預かりました、フレデリクスボー城ですわ。
初めまして、王様♪

四稜郭
フランスのお友達から紹介してもらったの!
パーティーを開くならこの子の力を借りてみたらどうか、って!

フレデリクスボー城
普段は結婚式のプランニングを請け負っているのですが……、
人々に幸福をもたらすという目的は、このクリスマスパーティーも同じ。

フレデリクスボー城
そのため、私にも役立てることがあるかと思い、
四稜郭さんの相談役として参加させていただくことになったのですわ♪

フレデリクスボー城
今日のパーティーでは皆様を驚かせるようなお楽しみを、
幾つも用意してますから、期待していてくださいね♪

殿
…………!

四稜郭
それからね、今回のパーティーには他にも城娘を招待してるんだよ!

四稜郭
プラハ城ちゃーん、来て来てー♪
総裁が到着したよー♪ 

プラハ城
は~い♪

プラハ城
ドブリーデン♪ お久しぶりですね、王様♪

殿
…………!

柳川城
プラハ城さん!
貴方も海の向こうからこの地まで?

プラハ城
ええ、お友達のスピシュ城ちゃんから声を掛けてもらって、
こちらのパーティーに参加することになったんです♪

千狐
こんな所でプラハ城さんにお会いできるなんて、
思ってもいませんでした!

プラハ城
ええ! 私もです♪
今年の聖夜は良い思い出になりそうです♪

四稜郭
プラハ城ちゃんはね、オーナメントを作るのが得意なの!

四稜郭
お陰で、今回のパーティーが予定してたよりも、
ずーっと魅力的なものになったんだよ!

やくも
おーなめんと……って、なんだに?

プラハ城
飾り付けのことですよ。私の故郷では、
この時期は街中が様々なオーナメントで彩られるんです♪

やくも
なるほど……いたるところにぶら下がってる、
装飾のことだったんやね!

四稜郭
プラハ城ちゃんはね、とっても手先が器用なんだよ!

四稜郭
お星さまとか、雪の結晶とか……他にも、色んな飾りがいっぱい!
御城のあちこちに飾ってあるから、総裁たちも後でじっくり見てみてね!

殿
…………!

四稜郭
それに、プラハ城ちゃんに教えてもらったお陰で、
簡単な物ならわたし一人でも作れるようになったんだ!

プラハ城
四稜郭ちゃんには色々ともてなしていただいているので、
そのお返しになればと思いまして♪
喜んでいただけたようで何よりです♪

プラハ城
それから……ほら王様、見てくださいこのお洋服♪

プラハ城
王様も招待されていると聞いて、特別に用意したんです!
如何ですか? とっても可愛いでしょう♪

殿
…………!

プラハ城
今日は私の故郷名産のビールをいっぱい用意してますから、
パーティーが始まったらじゃんじゃか飲んでいってくださいね♪

プラハ城
一緒にいっぱい楽しみましょう♪

殿
…………!

四稜郭
あーあ、わたしもビール飲みたかったなぁ。
折角プラハ城ちゃんが持ってきてくれたのにー……。

フレデリクスボー城
ふふ、四稜郭さんはもう少し大きくなってから、ですわね。

四稜郭
むぅー。わかってるけど、わたしだけ仲間外れみたいで悔しいんだもん。
プラハ城ちゃんたちと一緒にぐびぐびーってしたかったよぉ。

千狐
ふふっ。四稜郭さんとプラハ城さんは、とっても仲良しなのですね♪

四稜郭
うんっ♪ 最近はフレデリクスボー城ちゃんとプラハ城ちゃんの、
三人で一緒に過ごしてたから、仲良しになったんだ♪

フレデリクスボー城
それに、プラハ城さんとスピシュ城さんが参加してくれたお陰で、
このパーティーがより素晴らしいものになりましたわ♪

フレデリクスボー城
岩塩とビール……それぞれの名産品を取り入れることで、
日の本と異国の要素が合わさった、
唯一無二のクリスマスパーティーをプランニングできましたから♪

柳川城
確かに、びーるを飲むことは、
日の本ではそう簡単に叶うものではありませんからね……。

プラハ城
大したことではないですよ♪
スピシュ城ちゃんが岩塩をお送りするわけですし、
私も何かお手伝いをしたかったんです。

プラハ城
何より、私の国の良さを広めることができるわけですから、
協力を惜しむ理由なんてありません♪

プラハ城
……って、あら?
そういえば、スピシュ城ちゃんはまだ到着していないのですね?

四稜郭
うん、そうなの。
先に岩塩だけ送ってくれたんだけど……それから、連絡がつかなくて。

フレデリクスボー城
この時期は、各地の宴で岩塩を欲する方が多く、
忙しくされているという話を聞きましたが……。

柳川城
どこかで迷子になっている、ということも考えられますね……。

プラハ城
そうですね……。
到着があんまり遅れるようなら、探しに出かけた方が――


――ザザッ!

兜軍団
ザザッ! ザザザッ!!

千狐
コンッ! この気配は……!

四稜郭
か、兜だ……!?
嘘……あんなにいっぱい……!

やくも
兜さんめ……きっとあいつら、
うちらが楽しそうに宴をするのが気に食わなくて、邪魔しにきたんだに……!

フレデリクスボー城
彼らの真意は図りかねますが、
この会場が格好の標的であることは間違いありませんわね。
……殿と神娘、それから複数の城娘が一堂に会しているのですから。

プラハ城
こうなると、スピシュ城ちゃんの身が、
更に心配になってきてしまいますね……。

柳川城
……ひとまず、
今は目前の兜を倒すことに集中しましょう……!

殿
…………!

プラハ城
よぉーしっ! 聖夜の宴を邪魔をする兜たちは、
私がみーんな蹴散らしちゃいますよっ!

後半
プラハ城

やあぁぁっ!


ギャアァァァァ!!

プラハ城
ふー……周囲に兜の影はなし、と……。
これにてお仕置き完了、ですね♪

フレデリクスボー城
ええ、そのようですね……。

フレデリクスボー城
……突然のことに驚いてしまいましたが、
会場を守ることはできました……これで無事に――

四稜郭
…………。

四稜郭
……どうしよう。

フレデリクスボー城
……四稜郭さん?

四稜郭
どうしよ、どうしよう……パーティーの準備に夢中で、
兜のこと、全然考えてなかったよ……。

四稜郭
本当はもっと、周辺の見回りをやらなきゃいけなかったのに……!

四稜郭
……このままだと、
兜に会場がめちゃくちゃにされちゃう……!

フレデリクスボー城
四稜郭さん……一度、落ち着いて――

四稜郭
とにかく、こうしちゃいられない……!
この辺りにはまだ、兜が残ってるかもしれないもん……!

四稜郭
パーティーを成功させなきゃ……。
邪魔させたりなんか、絶対しないんだから……!

やくも
あっ……!
四稜郭が一人で駆け出していくだに!

フレデリクスボー城
待って、四稜郭さん!
今、一人で行動するのは危険ですわ!

フレデリクスボー城
ごめんなさい、王様。
……私、四稜郭さんの後を追うことにしますわ。

フレデリクスボー城
もしあの子が先程のような、
兜の軍勢に遭遇してしまったらと思うと、私……!

千狐
そうかもしれませんが……。
危ないのはフレデリクスボー城さんだって同じことじゃないですか……!

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
そうですね……この状況で孤立するのは危険です。
私たちも共に、四稜郭さんの後を追いましょう!

聖夜を翔る夢見鳥 -破-

御城を離れた四稜郭を追って、どうにか合流に
成功する一行。そんな時、どこからともなく
悲鳴のような叫びが聞こえてきて――。

前半
四稜郭

急がなきゃ、兜……兜は、どこにいるの……?

フレデリクスボー城
四稜郭さーん!

四稜郭
っ……! フレデリクスボー城さん……!

フレデリクスボー城
足を止めてください、四稜郭さん!
まずは落ち着くべきですわ。

フレデリクスボー城
もし本当に、この周辺に兜が残っているのだとしたら、
貴方一人で立ち向かうのは困難ですわ!

フレデリクスボー城
兜の軍勢を討伐するために、力を合わせるべきです!

四稜郭
でも、急がないとパーティーが――!

プラハ城
四稜郭ちゃーん! 待ってくださーい!

千狐
はぁ、はぁ……やっと、追いついたの……!

柳川城
私たちも力になりますよ、四稜郭さん。
宴を成功に導くために、兜を討伐しましょう。

殿
…………!

やくも
殿さんも力になるって言ってるがや!
こうなりゃ百人力、兜さんは全員ぼっこぼこだに!

四稜郭
みんな……。

フレデリクスボー城
……私たちの目的は、パーティーを成功させること。
そして、皆様に幸せをお届けして、クリスマスを笑顔で溢れたものにすることですわ。

フレデリクスボー城
ですが、このパーティーでお届けする幸せは、
招待客だけに限ったものではないのですよ。

フレデリクスボー城
私は……依頼者である貴方にも、幸せになっていただきたい。
このパーティーのプランニングを任された者として、
そこを譲るわけにはいかないのです。

四稜郭
フレデリクスボー城ちゃん……。

フレデリクスボー城
ですから……落ち着いてください、四稜郭さん……ね?

四稜郭
うん……わかった……。

四稜郭
ごめんね、フレデリクスボー城ちゃん。
少し頭を冷やさなきゃだめだね、わたし……。

フレデリクスボー城
良いのです。
それもパーティーに掛ける想いの熱さゆえ、なのですから。

フレデリクスボー城
四稜郭さんは思いのままに振る舞ってくだされば良いのです。
もしもの時には私が手を引きますから♪

四稜郭
わかった……ありがとね。

???
たー……すー……。

四稜郭
ん……?

四稜郭
……なんだろ、今の……?

フレデリクスボー城
どうかされましたか、四稜郭さん?

四稜郭
うん……なんか、
声、みたいなものが聞こえたような気がして……。

???
けぇー……てぇ……!

四稜郭
うん、やっぱり気のせいじゃない……!
すごく遠くから響いてる感じだけど……。

四稜郭
でも、どこから聞こえてるんだろう?
んー……?

四稜郭
……あっ!

四稜郭
みんな! うえ! 上を見てー!

千狐
上、ですか……?

やくも
あれはまさか……人影、だに……?

???
……いてー……! ……ぶない……ぉ~……!

やくも
やっぱりそうだに! 女の子が空から降りてきてるがや!
風呂敷の何倍もでっかい布を頭の上に広げてるだに!

やくも
すっごく楽しそうだに!

柳川城
楽しそう……でしょうか?
何か、悲鳴のようなものも聞こえますが……?

スピシュ城
きゃあぁーーー!
どいてー! どいてくださーい!

プラハ城
あれは……スピシュ城ちゃん!?
スピシュ城ちゃんじゃないですか!

千狐
スピシュ城さん?
スピシュ城さんって、確か……あっ!

千狐
……千狐、スピシュ城さんが到着していない件を、
今の今まで忘れていたの……。

プラハ城
私もです……兜を倒した後のドタバタで、すっかり……。

四稜郭
そんなことより、上!
なんだか大変なことになってるみたいだよー!

スピシュ城
パラグライダーの制御が効かなくなっちゃったんですー!

スピシュ城
わたしのことは良いので、とにかく逃げてくださーい!!

フレデリクスボー城
制御が効かない、と仰っていますね……。

柳川城
それに、こちら目掛けて真っ直ぐ突っ込んできています……。

千狐
…………。

千狐
に、逃げなきゃ……!
距離を取りましょう、すぐにここから離れて……!

柳川城
そうですね……あの速度でぶつかってこられたら、
無事では済みそうにありません……。

柳川城
殿、私と共にあちらの方へ……!

殿
…………!

四稜郭
わたしたちも避難しなきゃー!

やくも
…………。

やくも
……お? おぉー……。

やくも
……あの乗り物、さっきからえらい速度だに。
異国には面白い技術があるんやね……。

千狐
やくも! 何をぼーっと突っ立ってるの!?
早く逃げなさい!

やくも
…………はぇ?

スピシュ城
きゃああぁぁぁぁぁ!
よけてよけて、やくもちゃーん!

やくも
こ……こっちに向かって来てるがや……!?

やくも
(もう目と鼻の先まで……避けれんだに……!)

殿
…………!

スピシュ城
きゃああああぁぁぁぁぁぁっ!!

やくも
ぎゃあああぁぁぁぁ!!

――

――――

スピシュ城
ほんっとーに申し訳ありませんっ!

スピシュ城
パラグライダーの扱いには慣れているつもりだったのですが、
手元が狂ってしまいまして……。

千狐
いえいえ、何事もなくて良かったです……。

千狐
それにスピシュ城さんがそこまで頭を下げる必要はないんですよ?
やくもが逃げずにぼーっとしていたのも、大きな原因の一つなんですから……。

やくも
は、鼻先すれすれを、掠めてっただに……。
死ぬかと思ったがや……。

フレデリクスボー城
肝を冷やしましたわ……脳裏に一瞬、
粉砕されるやくもさんの画が浮かびました……。

やくも
ふ、粉砕って……。

千狐
それくらい危険だったのよ……本当に無事で良かったわ、やくも……。

スピシュ城
本当は、もっと鮮やかに着陸する予定だったんです。
ふわぁー、っと……。

スピシュ城
せっかくご招待いただいたので、サプライズな登場を演出したくて……。

プラハ城
一応、サプライズにはなったと思いますけど……。

スピシュ城
ごめんなさいぃ~……危うく、
パーティーを台無しにしちゃうところでした……。

四稜郭
わたしたちはともかく、スピちゃんは大丈夫なの?
どこか擦りむいたりはしてない?

スピシュ城
はい。幸い怪我は負ってないみたいです。
お尻がズキズキ痛んでますが、それくらいで――

スピシュ城
――って、あなたは……四稜郭ちゃん?
四稜郭ちゃんですよね!

四稜郭
こうして直接顔を合わせるのは久しぶりだね!
今日は来てくれてありがとう、スピちゃん!

スピシュ城
ペンフレンドの四稜郭ちゃんからの招待です!
断る理由なんかありません♪

四稜郭
美味しいお塩をいっぱい送ってくれたお礼だよ!
今日はいっぱい楽しんでいってね♪

スピシュ城
ええ、楽しいパーティーにしましょうね♪

殿
…………。

スピシュ城
……あっ、すみません王様!
ご挨拶が遅れてしまって。

スピシュ城
またお会いできて嬉しいです♪
その上、一緒にクリスマスを過ごせるだなんて!

殿
…………!

スピシュ城
はいっ!
皆で一緒に素敵な思い出を作りましょう♪

プラハ城
ですが、珍しいこともあったものですね。
スピシュ城ちゃんがパラグライダーの操縦を誤るなんて……。

スピシュ城
はい……普段は安全第一で楽しんでいるのですが、
今回はそうも言っていられない状況でしたから。

フレデリクスボー城
そうも言っていられない、
というのは……何か、急を要する事態でも?

スピシュ城
ええ……滑空してる最中に、とんでもないものを見つけてしまいまして。
少しでも早く王様のところに向かわなければ、と――

殿
…………?

スピシュ城
…………。

スピシュ城
……あー! そうでした!
わたし、王様に伝えることがあったんです!

スピシュ城
つい先程のことです、あちらの方角から四稜郭ちゃんの御城に向かって――!


――ザザッ!

兜軍団
ザザッ! ザザザッ!!

フレデリクスボー城
またしても兜の軍勢が……こんな時に鬱陶しい……!

プラハ城
スピシュ城ちゃんがパラグライダーの操作を誤ったことには、
このような理由があったのですね……。

スピシュ城
うん……上手いこと風に乗って、
王様のところに急がなきゃと思ったんだけど……手元が狂っちゃって。

スピシュ城
真っ先に王様に伝えるべきだったのに、
着陸前後のドタバタですっかり忘れてました。
重ね重ねすみません……。

プラハ城
ふふ、今日のスピシュ城ちゃんは謝ってばかりですね。

スピシュ城
だって失敗続きなんですもん。
向かい風の日には後ろ向きに飛ぶんですよ、パラグライダーは……。

プラハ城
それでも、気持ちだけは前向きでいましょうよ。
これから始まる戦いを、名誉挽回の好機と捉えるんです。

スピシュ城
前向きに……?

プラハ城
怪我だって、お尻ズキズキだけで済んだんでしょう?
いつものスピシュ城ちゃんが全力を出せばこの程度の兜、一捻りのはずです!

プラハ城
さぁ立ち上がりましょう、スピシュ城ちゃん! やっておしまい!

スピシュ城
一捻りだなんて……流石にそこまで期待されると困っちゃいますけど……、
そうですね。プラハ城ちゃんの言う通りです。

スピシュ城
王様のお役に立って大活躍……。
それくらいやってのけないと、気持ちよくパーティーを楽しめないですよね!

スピシュ城
さぁ参りましょう、王様! ご命令をお願いします!

後半
四稜郭

これで……はぁ、はぁ……。
クリスマス、パーティー……開ける、よね……?

フレデリクスボー城
ええ、これだけ兜を倒したのですから……もう……!

プラハ城
……待ってください、お二人とも。
どうやら、まだ気を緩めるわけにはいかないようです。

四稜郭
え……?

プラハ城
…………。

プラハ城
……感じますか、千狐ちゃん?

千狐
はい……まだ、
兜の霊気が感じられます……あちらの方角から……!

スピシュ城
あちら、って……それ、
四稜郭ちゃんの御城がある方向、だよね……?

やくも
それってつまり……今この時にも、
パーティー会場に兜さんが迫っている、ってことだに……?

四稜郭
別の場所にも、兜が潜んでたんだ……!

フレデリクスボー城
そんな……!

フレデリクスボー城
急ぎましょう、王様! 少しでも早く、会場に戻らなければ……!

聖夜を翔る夢見鳥 -急-

宴の会場に迫る危機に気づき、四稜郭の御城へと
急行する殿たち。だが、一行が到着した時には既に、
会場は兜の手によって荒らされてしまっていた……。

前半
やくも

ふいぃ……やっと四稜郭の御城まで戻ってこれただに……。

四稜郭
はぁ、はぁ……御城は……会場は……?

兜軍団
城娘……殲滅セヨ……。
   城娘……殲滅セヨ……。
      城娘……殲滅セヨ……。

千狐
これは……!

プラハ城
そんな……会場が、兜たちに荒らされて……!

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
(この惨状……これでは、
 たとえ兜を倒すことはできても、パーティーを再開することは……)

四稜郭
……らなきゃ。

四稜郭
守らなきゃ。兜を倒して……壊された飾りつけを直して、
お料理も作り直して……それから……。

フレデリクスボー城
四稜郭さん……。

フレデリクスボー城
そうですね……私たちのパーティー会場でこれ以上、
好き勝手することは許せません!

フレデリクスボー城
王様、ご指示をお願いいたします!

後半
――――

――兜の軍勢を討伐してから、数刻後。

プラハ城
ただいま戻りました、王様。

プラハ城
御城の東側一帯を見回りましたが、兜の気配はありませんでした。
……千狐ちゃん、そちらはいかがですか?

千狐
はい、西側も……千狐の方も、
兜の存在は感じられませんでした。

殿
…………。

やくも
じゃ、兜さんの襲撃は、
もう落ち着いたと考えて良さそうやね……。

スピシュ城
でも会場の方は、もう……。

プラハ城
…………。

プラハ城
四稜郭ちゃんは……あれから、ずっと?

フレデリクスボー城
はい。先程から、会場の修復に励んでいますわ。
ずっと……休むことなく。

千狐
戦の直後で、疲れや傷だって負ってるはずです。
……あのままでは、体が持ちません……。

柳川城
それに、会場の現状を見るに、
今から人員を可能な限り割いたとしても、おそらくは……。

殿
…………。

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
私から四稜郭さんにお話してみましょう。
皆様は、ここでお待ちください……。

プラハ城
はい、わかりました……。

スピシュ城
…………。

スピシュ城
このまま、パーティーが中止になってしまうなんて、
悲しすぎますよ……。

スピシュ城
プラハ城ちゃん、
私たちに何か、できることはないのでしょうか……。

プラハ城
私たちにできること、ですか……。

プラハ城
…………。

プラハ城
…………あっ。

プラハ城
スピシュ城ちゃん……確か貴方、
節約と貯金が趣味でしたよね?

スピシュ城
…………。

スピシュ城
…………え?

――――。

四稜郭
よいしょ……よい、しょ……っと……。

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
四稜郭さん……少し、よろしいですか?

四稜郭
なーに、フレデリクスボー城ちゃん? 大事な話?

四稜郭
今のわたしにはね、お喋りしてる余裕はないんだよ。
少しでも早く、パーティーを再開できるようにしないと……。

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
手を止めてください、四稜郭さん。

四稜郭
…………?

フレデリクスボー城
荒らされた会場の片付け、その後には料理や資材の手配。
それらが揃った後に、改めて準備……。

フレデリクスボー城
予定と同じ規模のパーティーを開く場合、
どれほど上手く進めることができても、数週間は掛かります。
下手をすれば一ヶ月……年が明けてしまうかもしれませんわ。

四稜郭
…………。

フレデリクスボー城
兜たちに荒らされた、会場の有様を見れば……。
私のようにプランニングに長けた城娘でなくとも、それくらいのことは分かります。

フレデリクスボー城
ですから四稜郭さん……あなたも本当は理解されているはずなのです。

フレデリクスボー城
思い描いていたパーティーの実現は、もはや難しく……、
何かを諦めなければならない、ということを。

四稜郭
…………。

四稜郭
それじゃ、わたしは……どうしたらいいのかな。

フレデリクスボー城
……規模を縮小しましょう。
飾り付けと、もてなしを可能な範囲に収めるのです。

四稜郭
…………。

フレデリクスボー城
今できる精一杯を形にすれば……きっと皆様にも、
四稜郭さんの気持ちは伝わるはずです。

フレデリクスボー城
このようなことになってしまったことは……。
本当に、本当に残念ですが……。

四稜郭
そっかぁ……。そうだよね、そうするしかないよね……。

四稜郭
……わかった。フレデリクスボー城ちゃんの言う通りにするよ。
ちっちゃめのパーティーで、クリスマスをお祝い……。
うん、そうするしかないよね。

フレデリクスボー城
……ごめんなさい、四稜郭さん。
今の私に思いつくプランは、これくらいしか……。

四稜郭
フレデリクスボー城ちゃんが謝ることなんかないよ。
謝らなくちゃいけないのはわたしの方……。

四稜郭
わたしが慌てて、会場を離れちゃったせいで……。
留守になったところを襲われることになっちゃったんだもん。
自業自得ってやつだよね。

フレデリクスボー城
四稜郭さん……。

四稜郭
みんなが、海の向こうから足を運んで、力を貸してくれたのに……。
わたしが考え足らずだったせいで、全部水の泡になっちゃった。

四稜郭
う、うぅ……ごめん。
ごめんね、フレデリクスボー城ちゃん。
今日のために、いっぱい頑張ってくれたのに……。

フレデリクスボー城
大丈夫です……クリスマスは今年だけではありませんわ。
来年も、再来年もやってくるのです。

フレデリクスボー城
次回はもっと時間を掛けて、
今年よりも素晴らしいパーティーをプランニングすれば良いのです。

四稜郭
いいの、フレデリクスボー城ちゃん?
……来年も、クリスマスパーティーのお手伝い……してくれるの?

フレデリクスボー城
もちろんですわ♪
パーティーの成功と四稜郭さんの笑顔をこの目に収めるまでは、
この役目から降りるつもりはありません!

四稜郭
……ありがとう、フレデリクスボー城ちゃん。
来年のパーティーは、絶対成功させようね。

フレデリクスボー城
ええ、来年こそは必ず――!

スピシュ城
四稜郭ちゃん、フレデリクスボー城ちゃーん!

フレデリクスボー城
……スピシュ城さん。それに、プラハ城さんも……?

やくも
うちらも居るだにー!

殿
…………。

四稜郭
総裁たちも……みんな揃って、どうかしたの?

プラハ城
私からお二人に、一つ提案がありまして。
……ぜひ、聞いていただきたいのです。

四稜郭
提案……?

プラハ城
はい。これから皆で私の御城に移動し、
改めてクリスマスをお祝いする、というのは如何でしょうか……?

四稜郭
え、改めてパーティーを……?

スピシュ城
プラハ城ちゃんの御城はとっても大きいんですよ!
資材も人員も、有り余ってますから、
今から急いで準備をすれば、クリスマスに間に合わせることができます!

スピシュ城
もちろん、私も力になるつもりです!
四稜郭ちゃんは、私を救ってくれた恩人なのですから♪

四稜郭
わたしが、スピちゃんの恩人……?

スピシュ城
もし四稜郭ちゃんが御城を離れていなかったら、
私は誰も居ない平地に墜落して、兜に襲われることになっていました……。
そうなれば、きっと無事では済まなかったはずです。

四稜郭
でも、それは偶然だよ?
わたしはただ、兜を倒さなきゃって思ってただけで……。

スピシュ城
偶然でも必然でもいいんです! どちらにせよ、
四稜郭ちゃんのお陰で私が救われたことに、変わりはないのですから!

スピシュ城
だから私は四稜郭ちゃんに、その恩返しをしたいんです!

四稜郭
スピちゃん……。

プラハ城
……残念ながら、四稜郭ちゃんの手でクリスマスをお祝いすることは、
叶わなくなってしまいました……。

プラハ城
お二人は、私が到着するよりも前から準備を進めていたと聞きましたし……、
クリスマスに掛けていた想いは相当なものだったと思います。

プラハ城
ですから、私の御城で開くパーティーがその代わりになることは、
できないかもしれません……。

プラハ城
ですが、それでも……。
四稜郭ちゃんのクリスマスが素敵な思い出で彩られるように、
お手伝いすることはできると思うのです……。

プラハ城
お願いです……四稜郭ちゃん、フレデリクスボー城ちゃん。
私の招待を受けてくださいませんか?

プラハ城
ボヘミア王の居城たるこのプラハ城が、
皆様に最高のクリスマスをお届けすると、ここに約束します!

四稜郭
プラハ城ちゃんも……!

四稜郭
ありがとう……二人とも。
二人の気持ち、すごく嬉しいよ。

スピシュ城
それじゃ……!

四稜郭
うん。プラハ城ちゃんのパーティー、参加させてもらうね。
最高のクリスマスになるよう、私も協力するよ♪

フレデリクスボー城
もちろん私も参加させていただきますわ♪

フレデリクスボー城
限られた条件の中でもベストなパーティーを開けるよう、私がプランニングいたします!

四稜郭
総裁や柳川城ちゃんたちも、一緒に来てくれるんだよね?

殿
…………!

やくも
ったりまえだに!
このうちが、宴と聞いて黙ってるわけがないがや!
全力で盛り上げるだにー!

千狐
騒ぐだけじゃなくて、ちゃんと準備も手伝うのよ……?

こうして一行は、舞台をプラハ城に移し、
改めて聖夜の宴を開催することになったのだった――

聖夜を翔る夢見鳥 -絶壱-

聖夜の宴が催される日から遡ること、数ヶ月。
相談役として招かれたフレデリクスボー城は、
四稜郭と共に宴の計画を練っていた。

前半

――四稜郭。

聖夜の宴が開催される日から、数ヶ月前――

フレデリクスボー城
――と、以上がクリスマスパーティーのプランになります。

フレデリクスボー城
まだ粗い部分も多く残っていますが、
方向性としてはこのような感じで如何でしょうか。

四稜郭
うんうんっ!
すごいよフレデリクスボー城ちゃんっ!

四稜郭
話を聞いてるだけで、
パーティーの会場の様子が頭に浮かんできたもん!

四稜郭
美味しいお料理とかケーキとか、綺麗な飾りつけとか!

フレデリクスボー城
ふふ、喜んでいただけて嬉しいですわ。
ではお次は、四稜郭さんの頭に浮かんだそのイメージを、
私にお話しいただけますか?

四稜郭
私の頭に浮かんだイメージ?

フレデリクスボー城
はい……ここまでお伝えしたものは、
一般的なクリスマスの印象に合わせてプランニングしたものです。

フレデリクスボー城
ですが私としては、そこに一つ……。
四稜郭さんの『想い』を加えたいのです。

四稜郭
わたしの、想い……。

フレデリクスボー城
四稜郭さんと一緒に計画したからこそ……。
今回のパーティーを、そんな内容にしたいのです。

フレデリクスボー城
そのためには、四稜郭さんのお話を伺うのが一番の近道なのですわ。

フレデリクスボー城
理想を申し上げますと……、
四稜郭さんと縁の深い品や歴史を、このパーティーと絡められると最良なのですが……。

四稜郭
あ、それならすぐに思いつくよ!
わたしの御城と縁が深いのはねー、スズランとか、蝶とか!

フレデリクスボー城
スズラン……確かに、この御城の傍にはスズラン畑が広がっていましたね。
それから……蝶というのはどのような由縁で……?

四稜郭
えっとね、それはこの御城の形に由来してるんだよ!

四稜郭
私の御城を見下ろした時の形が、
『蝶が羽ばたいてるみたい』って言われてるの!

フレデリクスボー城
なるほど……素敵ですね。
蝶と言えば、模様や色合いに様々な種類がありますし、
飾り付けのモチーフとするにはぴったりですわ。

フレデリクスボー城
ラフなイメージで申し訳ありませんが、
こちらの紙に描き起こしますと……。

フレデリクスボー城
こんな感じで……羽を開いた姿を正面から描いたり、
羽ばたく様を横から捉えたり……。

四稜郭
わぁっ♪
フレデリクスボー城ちゃん、お絵かきが上手なんだねー!

フレデリクスボー城
ふふ、プランナーを名乗る以上、
頭の中にあるものを形にすることも、求められますから。

四稜郭
それじゃわたしも、よぉーし……!
見ててね、フレデリクスボー城ちゃん♪

四稜郭
こうして、こうして……それから、こう……と。

四稜郭
かんせーい!
見て見てフレデリクスボー城ちゃんっ、綺麗な蝶が描けたよー!

フレデリクスボー城
これは……四稜郭さんもお絵かきが得意だったのですね!
私よりもずっと上手ではありませんか♪

四稜郭
えへへ、実はわたしの築城に携わった人でね、絵が得意な人がいたんだー。
どこに行く時も、スケッチ用具を手放さなかったんだって!

フレデリクスボー城
そうだったのですね。それにしてもこの蝶、本当に素敵……。
この絵を元に、飾り付けとして形にするのも良さそうですわ。

四稜郭
そんなことができるのっ?

フレデリクスボー城
はい♪ パーティーまではまだ猶予も残っていますから、
凝った装飾を用意する余裕も充分ありますわ♪

四稜郭
それじゃ作ろ! 蝶の飾り!
わたしの描いたこの蝶が、会場のあちこちで羽ばたくってことだよね!
ふふっ、楽しみー♪

フレデリクスボー城
他にも何か、
今回のクリスマスパーティーで実現したいことはありませんか?

四稜郭
うんっ、いっぱいあるよ! えっとね、えっとね――

後半
四稜郭

――どうかな、フレデリクスボー城ちゃん?
今話したこと、パーティーに取り入れられるかな?

フレデリクスボー城
ふふっ、語れば語るほど夢が溢れてきますね♪

四稜郭
えへへ……ごめんね、なんだか楽しくなっちゃって。

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
四稜郭さんは、どうして……クリスマスに対して、
それほど熱い想いを抱くようになったのです?

四稜郭
え……?

フレデリクスボー城
日の本と馴染みの薄い行事に掛ける、この想い……。
何か強い願いがあるのでは……と感じ、気になってしまったのです。

四稜郭
どうしてクリスマスに、かぁ……。
んーっと、わたしね、総裁のサンタさんになりたいなぁーって思ったの!

フレデリクスボー城
王様のサンタさん……ですか?

四稜郭
今年一年、真面目に過ごしてた子たちにプレゼントを配って回るおじいさん……。

四稜郭
文通してるフランスの城娘から、そんな話を聞いた時にね……、
わたし、総裁の顔が真っ先に浮かんだんだ。

四稜郭
……総裁はいっつも、誰かのために戦ってる。
困ってる人や、城娘が居たら……すぐにそこへ向かって助け出して……。

四稜郭
総裁はどんな時も、弱音なんて口にしないし、
不安そうな表情を浮かべてるところも、わたしは見たことない……。

四稜郭
でも、総裁もね……まったく、全然辛くないってわけじゃないと思うの……。

四稜郭
日の本……ううん、世界の命運を背負うような立場で、ずっと兜と戦ってるんだもん。
……きっと、総裁の心にはすごい負担が掛かってると思うの。

フレデリクスボー城
…………。

四稜郭
だから、思ったの。
クリスマスの日にプレゼントを貰うべきなのは、総裁なんだー、って。

四稜郭
もちろん、総裁の隣で頑張ってる柳川城ちゃんや、やくもちゃんや千狐ちゃんにも……、
この機会に、何かしてあげたいと思ったの。

四稜郭
それが、クリスマスパーティーを開こうってわたしが思った理由!
総裁たちに楽しい思いをしてもらいたいの、わたし!

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
四稜郭さんの魅力は、その満面の笑みですね。

フレデリクスボー城
中でも、夢を語る時に見せる四稜郭さんの笑みが、私は好きです。

四稜郭
え、急にどうしたの?
魅力、って……えへへ、そうかなぁ。

フレデリクスボー城
蝶という生き物は……。
四稜郭さんを示す比喩としては、ぴったりですね。

フレデリクスボー城
話していて……貴方のその姿は正に、
夢見鳥という呼び名が相応しいと感じました。

四稜郭
夢見鳥……それって、どういう意味?

フレデリクスボー城
蝶を言い換えた言葉ですわ。
『胡蝶の夢』という中国の故事に由来しているそうですよ。

フレデリクスボー城
日の本へ移動する最中読んだ本に、偶然そのような記載があったのです。
今考えると、四稜郭さんとお知り合いになる予兆だったのかもしれません。

フレデリクスボー城
蝶と夢を結びつける逸話は『胡蝶の夢』の他にも、
世界の様々な場所で確認されているそうです。

四稜郭
蝶と、夢……。

フレデリクスボー城
パーティーに集まった人々を幸せにしたい、というその夢。
……私の力でどうにか、叶えてさしあげたいですわ。

フレデリクスボー城
元気いっぱいに語る貴方を見て……。
自分の役目とは無関係に、そう心から思いました。

フレデリクスボー城
四稜郭さん……パーティー、成功させましょうね♪

四稜郭
うんっ、成功させよう! わたしも頑張るからねっ!

フレデリクスボー城
ところで……四稜郭さん?
お話を伺っていて思ったのですが、
王様用のプレゼントはご用意しなくてもよろしいのですか?

四稜郭
総裁にプレゼント?
パーティーでおもてなしするだけじゃダメってこと?

フレデリクスボー城
ダメだなんてことはありませんわ。王様に限らず、
招待客の皆様にご満足いただけるパーティーにしたい……。
私はそのように思っています。

フレデリクスボー城
ですから、これはパーティーのプランとは関係のない……、
私の個人的なお節介なのです。

フレデリクスボー城
……王様に日頃お世話になっているお返しをしたい。
という四稜郭さんの想いから、このパーティーは始まりました……。

フレデリクスボー城
その想いを伝えるには、パーティーでのおもてなしとは別に、
王様のために用意した、特別なプレゼントをお渡しするのも良いのではないか。
……そのように思ったのです。

四稜郭
…………。

フレデリクスボー城
先程も申し上げた通り、これは私からのお節介です。

フレデリクスボー城
もしお役に立てば……と思ってお伝えしただけなので、
心の片隅に置いていただければ、私はそれ以上は望みません。

四稜郭
プレゼントかぁ。総裁だけに、特別な……。

四稜郭
……わかった。覚えておくよ、フレデリクスボー城ちゃん。

フレデリクスボー城
……さぁ、それでは準備を続けましょうか。

フレデリクスボー城
飾り付けの他にも、お料理のメニューや王様以外の招待客……。
決めるべきことは山程残っていますから。

四稜郭
うんっ、そうだね!

――

――――

――時は少々進み、数週間後。

これは……プラハ城での宴を終えた四稜郭が、
自身の御城に帰った際の話……。

四稜郭
ただいまー、っと……。

フレデリクスボー城
さて、と……。
これから忙しくなりますね、四稜郭さん。

四稜郭
うん……よろしくね、フレデリクスボー城ちゃん。

四稜郭
でもいいの? また私のところに、
しばらく滞在することになっちゃうけど……?

フレデリクスボー城
何も問題はありませんわ。先日の宴では、
プランニング不足でご迷惑をお掛けしてしまいましたから、
お詫びをしたいと思っていたのです。

フレデリクスボー城
来年の聖夜に向けて、しっかりプランを練りましょうね。

四稜郭
うん……入念に準備しなきゃ。
次の聖夜には、もし兜が攻めてきても大丈夫なように……。

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
……ですが、四稜郭さん。
その前に少し、よろしいでしょうか。

フレデリクスボー城
実は……一つ、プレゼントがあるのです。

四稜郭
え、プレゼント……なぁに?

フレデリクスボー城
ふふ……それは見てのお楽しみです……。

フレデリクスボー城
――では、お願いしますっ!

ぱぁんっ、ぱぁんっ♪

五稜郭
メリークリスマス、四稜郭!

七飯台場
四稜郭ちゃん、メリークリスマスでしょ~!

四稜郭
――五稜郭ちゃん、七飯台場ちゃんっ!?

七飯台場
四稜郭ちゃん、ごめんね。
わたし、知らなかったでしょ……。
四稜郭ちゃんがこんなに大変なことになってたなんて。

七飯台場
フレデリクスボー城ちゃんからのお手紙で、後から知って、
ごめんなさいって気持ちでいっぱいになったでしょ……。

五稜郭
私からも……謝らせてくれ。

五稜郭
四稜郭も、随分しっかりした城娘になったし、
大抵のことは任せて大丈夫だと思っていた……。

五稜郭
だが……今回の件は、私の落ち度だ。
兜の侵攻を見逃したばかりか、
四稜郭が悲しんでいることにも、気づけていなかったなんて……。

五稜郭
そのお返し……になるかはわからないが、
四稜郭の帰還に合わせて、宴の準備を整えた。

五稜郭
来年の計画を練る前に、
私と七飯台場から……四稜郭の頑張りを労わせてほしい!

七飯台場
憂さ晴らしも兼ねて、
辺り一帯の兜はわたしがボッコボコに、
のしておいたから安心して大丈夫でしょ!

七飯台場
この宴で英気を養って、
次の聖夜には盛大な宴を開いてリベンジでしょ!
わたしも絶対! お手伝いするでしょ!

四稜郭
五稜郭ちゃん、七飯台場ちゃん……。

フレデリクスボー城
先日の出来事をお伝えしたら、
すぐに返事をくれたのですよ。『いくらでも力になる』と。

フレデリクスボー城
ふふ……宴の準備は、ばっちりのようですね。
さ、四稜郭さん。お二人のご厚意に甘えて、
楽しませていただくことにしましょう♪

四稜郭
…………。

四稜郭
…………うんっ♪

こうして四稜郭は、仲間と共に笑顔で溢れた宴を楽しみ――

――この夜の出来事は……幸せな思い出として、
深く、彼女の胸に刻まれたのだった。

聖夜を翔る夢見鳥 -離-

プラハ城に到着してから一週間……。必死の努力が
実り、聖夜を祝う準備が整った。しかしその時、
またしても兜が会場へと攻め込んできて――。

前半
――四稜郭を発ってから一週間……。

プラハ城では、急速に進められていたクリスマスパーティーの準備が、
ようやく整おうとしていた――

プラハ城
……よし、と。

プラハ城
ここの準備はこれで、完了……ですね。

プラハ城
この調子なら、今夜にでもパーティーを開催することができそうですね。
フレデリクスボー城ちゃん。

フレデリクスボー城
はい。予定通り……いえ、
予定を大きく上回る進捗です♪

四稜郭
うん、本当にすごいよ!
この御城に来てから、まだ一週間しか経ってないのに……。

四稜郭
ここに来るまでは、私……、
こんなに豪勢なパーティーが開けるなんて、思ってなかったもん!

千狐
確かに、凄まじい規模の宴です。
一つの街のような広さのこの御城が、様々な装飾に彩られて……。

やくも
だに……この前のヴェルサイユ宮殿の広さにも、
驚かされたけど……こっちも凄いがや。

柳川城
そうですね……プラハ城さんの大きさについては、
耳にしたことがありましたが……想像以上の規模です。

四稜郭
本当にありがとね、プラハ城ちゃん♪

プラハ城
いえいえ、お礼はスピシュ城ちゃんに言ってください♪
ここまで素早い準備を実現できたのは、この子のお陰なんです!

プラハ城
けちんぼのスピシュ城ちゃんが、
惜しみなく貯金を切り崩してくれたことに、感謝しないと!

スピシュ城
えへへ、それほどでも♪
四稜郭ちゃんの御城のパーティーには敵いません――

スピシュ城
――って、プラハ城ちゃん!
けちんぼっていうのは少しひどくありませんか?

スピシュ城
言っておきますけど、わたしは節約を趣味としているだけで、
けちってわけじゃないんですからね!

スピシュ城
こういう大事な時に躊躇い無く使えるよう、
日頃から貯金を積み重ねているんです!

スピシュ城
まぁ……痛い出費であることは、
間違いないんですけどねー……。

四稜郭
ん……何か言った、スピちゃん?

スピシュ城
いえっ、何でもありません!
独り言ですよ、独り言!

スピシュ城
……にしても、パーティーが待ち遠しいですねぇ……。
お料理やケーキの準備も着々と進んでいますし♪

フレデリクスボー城
スピシュ城さんには本当に頭が上がりませんわ。
予算の提供だけではなく、岩塩をもう一度分けていただいてしまって。

スピシュ城
これくらいお安い御用ですよ♪ 細かいことは気にせず、
フレデリクスボー城ちゃんも四稜郭ちゃんも、パーティーを楽しみましょう♪

プラハ城
ふふっ♪ 今夜のパーティーは、
スピシュ城ちゃんが腹をくくってくれたお陰でとびっきり素敵なものに――

プラハ城
――っ!?

プラハ城
……という訳には、いかないようですね。まだ……

四稜郭
えっ、嘘……まさか……!?

プラハ城
まったく、どこにでも湧いて出てくるのですね……兜というものは……。

やくも
兜さん……? こっちに向かってきてるんだに?

プラハ城
ええ。軍をなして着々と、前進してきています……。

千狐
そんな……千狐の方では、
そのような気配はまったく……!

プラハ城
此地は私の故郷……そのため、
些細な変化を捉えることができたのだと思います。

プラハ城
それに、パーティーの準備が始まってから今日まで……、
私は、力の大半を周囲の警戒に向けていましたから。

四稜郭
…………。

プラハ城
大丈夫ですよ、四稜郭ちゃん。

プラハ城
安心してください、二度目はありません。
兜の手から、私たちのクリスマスを守り抜くんです。

四稜郭
うん……そうだね。
……プラハ城ちゃん、わたしは何をしたらいい?

プラハ城
幸い、兜の軍勢と接触するまではまだ時間があります。

プラハ城
私が案内をしますので有利な場所を陣取り、返り討ちにしましょう。
……指示をお願いできますか、王様?

殿
…………!

やくも
賛成だに! 兜さんは全員ぼっこぼこにして、
今日の武勇伝を宴の肴にしてやるがや!

千狐
(やくも……宴を邪魔する兜に対しての殺意が、
 ものすごいことになってるの……)

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
ですがプラハ城さん、それだと……。

プラハ城
そう……それでは、この御城が留守になってしまいます。

プラハ城
もしものことを考えると、御城を空けるわけにはいきません。
……四稜郭ちゃんの御城で起きた不幸の、二の舞を演じることになってしまいます。

四稜郭
…………!

プラハ城
ですから、有事に備えて……、
この御城や周囲の地形に詳しい方に、留守番をしてもらいたいのです。

プラハ城
スピシュ城ちゃん……お願いできますか。

スピシュ城
…………。

スピシュ城
そうですよね。ここはやはり、わたししか……。

プラハ城
スピシュ城ちゃんは私のご近所で、
古くからのお友達……この辺りの地理には精通しています。

プラハ城
スピシュ城ちゃんなら、どこから兜が攻め立ててくるとしても、
安心してこの場を預けることができます。

プラハ城
危険な役目を負わせることになってしまいますが……。

スピシュ城
大丈夫です。どんな兜が相手だって、
この御城はビクともしません。

スピシュ城
世界最大にして最古の御城……プラハ城が、
兜なんかの攻撃で揺らぐわけがないんです!

スピシュ城
ですから、プラハ城ちゃん。
ここは私に任せて、兜をさくっとお仕置きしてきてください♪

プラハ城
スピシュ城ちゃん……ありがとうございます。

フレデリクスボー城
プラハ城さん、一つお願いがあるのですが……。

フレデリクスボー城
その御城を守る役目、私にも任せていただけませんでしょうか。

プラハ城
……フレデリクスボー城ちゃんも?

フレデリクスボー城
私はプランナーという立場で会場の準備に携わってきました。
……ですからこの御城の地理については、周囲も含めて細かいところまで把握しております。

フレデリクスボー城
それに、私が残ることでスピシュ城さんに掛かる負担を、
軽減することにもつながるでしょう。

フレデリクスボー城
そして何より、今度こそは……守り抜きたいのです。

フレデリクスボー城
先日のような悔しい思いは、一度だけで充分。
……パーティーを踏み荒らそうとする輩に、私自ら罰を下してさしあげます。

プラハ城
……わかりました、ではお願いしましょう。
お二人が守ってくれるなら、申し分ありません。

四稜郭
…………。

四稜郭
スピちゃんも、フレデリクスボー城ちゃんも……怪我には気をつけてね?
これが終わったらみんなで一緒にクリスマスパーティー、するんだからね?

スピシュ城
もちろんです!
このパーティーまで邪魔されたら、わたしは死んでもしにきれませんよ!

四稜郭
少しでも早く兜を倒して……二人のところに戻ってくるから。
それまで無理はしないでね……?

フレデリクスボー城
四稜郭さんも、お気をつけて。
……危険であることは、貴方も同じなのですから。

フレデリクスボー城
戦いが終わったら……勝利と聖夜をお祝いしましょう♪

プラハ城
それでは、出発です! 王様、準備はよろしいですか?

殿
…………!

四稜郭
守るんだ……プラハ城ちゃんの御城も、クリスマスも……みんなの笑顔も!

後半
柳川城

はあああぁぁぁぁっ!!


ギャアアァァァァァ!!

やくも
これで全部……やっただに……!?

四稜郭
周囲にはもう、兜の姿は見えないけど――

四稜郭
――っ!?
待って、この感覚……もしかして……?

プラハ城
…………。

プラハ城
どうやら、『もしも』が起こってしまったようですね……。

やくも
それって、つまり……?

プラハ城
別の軍勢によって、私の御城が攻め立てられているようです。
今、この瞬間も……!

四稜郭
そんな……!

四稜郭
すぐに戻らなきゃ、会場に……!
フレデリクスボー城ちゃんとスピちゃんが、持ちこたえてくれてるはずだよ!

プラハ城
そうですね……感じ取れた霊気から考えると、
兜の軍勢は相当な規模であると思われます……。

プラハ城
少しでも早く、お二人を加勢してさしあげないと!

柳川城
はい、急いで戻りましょう!

殿
…………!

聖夜を翔る夢見鳥 -結-

プラハ城の御城にて、留守を任された二人の城娘。
果たして彼女たちは、殿一行が戻るまでの間、
兜たちから会場を守り抜くことができるのか……!

前半
兜軍団

城娘……討伐セヨ……。
   城娘……討伐セヨ……。
      城娘……討伐セヨ……。

フレデリクスボー城
はぁ、はぁ……。
この兜の軍勢……何という数なのでしょうか……!

スピシュ城
プラハ城ちゃんの予感が、
的中する形となってしまいましたね……。

フレデリクスボー城
二手に分かれたのは正解でした。
わたしたちが居なければ、取り返しのつかない事態になっていたでしょう……。

スピシュ城
はい、そうですね……。

スピシュ城
ですが、流石に数が多過ぎます。時間稼ぎが精一杯、どころか……、
このままでは、防衛線が破られるのは時間の問題です。

フレデリクスボー城
きっと王様たちは、間もなく戻ってきます……。
一秒でも長くこの御城を守り続けること、それだけに集中しましょう。

スピシュ城
そうですよね……。
が、頑張らなきゃ……はぁ、はぁ……。

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
(まずいですわね……消耗が激し過ぎます。
 このままでは、先に心の方が折れてしまう……)

フレデリクスボー城
(ここは一つ……私の言葉で、
 スピシュ城さんを奮い立たせなければ……!)

フレデリクスボー城
スピシュ城さん、しっかり!

フレデリクスボー城
もうひと頑張りです……四稜郭さんを始め、
この御城を任せてくださった皆様の期待に、応えてみせましょう!

フレデリクスボー城
そして何より……このパーティーに投じられたスピシュ城さんの貯金を、
無駄にするわけにはまいりませんわ!

スピシュ城
わ、わたしの貯金……?

スピシュ城
そうです。そうでした……!
このパーティーはわたしの節約生活の結実……!

スピシュ城
それを邪魔しようだなんて、あの兜たち……!

スピシュ城
させません……そんなこと絶対に、許さない……!

スピシュ城
許さなあぁぁぁぁぁい!!!

フレデリクスボー城
ス、スピシュ城さん……?

スピシュ城
会場には傷一つだって! つけさせないんだから!

スピシュ城
はああぁぁぁぁぁっ!

フレデリクスボー城
…………。

フレデリクスボー城
まさか、ここまで効果が出るとは……。

フレデリクスボー城
……この調子なら、
まだしばらくは持ち堪えられそうですわね。

――――

殿
…………!

柳川城
到着しました、プラハ城さんの御城です!

千狐
やはりプラハ城さんの御城は、
兜の攻撃にさらされているようです!

四稜郭
フレデリクスボー城ちゃん、スピちゃーん、どこー!?
聞こえたら返事してー!

フレデリクスボー城
…………っ!

フレデリクスボー城
今のは、四稜郭さんの声……王様たちが到着したのですね……!

フレデリクスボー城
四稜郭さん、問題ありません!
私たちは無事ですわー!

四稜郭
あっ、返事が聞こえたよ!
フレデリクスボー城ちゃんは無事みたい!

プラハ城
『私たち』って……。
スピシュ城ちゃんの姿が見えないのですが、いったいどこに――

スピシュ城
うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!

プラハ城
…………。

プラハ城
い、今の……えらくドスの利いた声でしたが。
スピシュ城ちゃん、ですか……?

千狐
多分……いえ、おそらく。
もしかしたら聞き違いかも――

スピシュ城
だりゃああぁぁぁぁぁぁぁ!
死にたい奴から掛かってきやがれぇーーー!


ギャアアアァァァァァァ!

千狐
…………。

四稜郭
聞き違いじゃなかったみたい……。

やくも
修羅……この戦場に、修羅がいるだに……。

柳川城
兜の悲鳴も混じっていましたね……。

四稜郭
敵陣のど真ん中から聞こえたけど、
スピちゃん、一人で乗り込んでるってこと……?

プラハ城
とにかく、スピシュ城ちゃんと合流しましょう!
王様、ご命令をお願いします!

後半
四稜郭

これで兜は全部……片付いた、よね……?

千狐
はい……兜の気配も感じられません。
プラハ城さんは、如何ですか……?

プラハ城
はい、私の方も、感じられません。
皆、本当によく頑張ってくれました……!

四稜郭
じゃあ、これで……!

プラハ城
ええ!
これで安心して、クリスマスを祝うことができます♪

四稜郭
やったぁー! パーティー!
クリスマスパーティーだぁー!

四稜郭
ありがとね……みんな、本当にありがとう……!

フレデリクスボー城
良かったですわね……四稜郭さん……!

千狐
…………。

千狐
ですが、少しびっくりしてしまいました……。
スピシュ城さんの奮戦ぶりが、あまりに凄まじかったので……。

四稜郭
あ……うんっ、それわたしも思った!
スピちゃんすごいなー、って!

スピシュ城
えへへ、そうですかね?
なんだか、ところどころ記憶が曖昧なのですが……。

やくも
凄いっていうのは間違いないけど、度を越していたような気もするだに。
味方と分かっていても、しばらく震えが止まらんかったがや……。

柳川城
はい……今晩あたり、夢に出てきそうですね……。

殿
…………。

スピシュ城
えっ?

フレデリクスボー城
そんなことを言ってはいけませんわ!
節約生活を無駄にしてはならない……。
スピシュ城さんのその思いが、この勝利を導いたのですから♪

プラハ城
ええ♪ 戦いの最中にも、
スピシュ城ちゃんの魂の叫びが聞こえてきましたもの。
わたしの貯金に手を出すなー、って。

スピシュ城
待って待って!
わたし、そんなこと言ってました!? 空耳じゃないですか?

プラハ城
あら? 確かに聞いたと思うのですが……?

フレデリクスボー城
まぁまぁ、細かいことは良いじゃありませんか、スピシュ城さん♪
貴方の熱意によって会場が守られたことには変わりないのですから♪

プラハ城
そうです。皆スピシュ城ちゃんに感謝してるのですよ?

スピシュ城
いやいや! 皆の感謝にはどういたしましてなんですけど、
わたしが言ってるのはそっちじゃなくて!

スピシュ城
このままだと、
守銭奴みたいなイメージも一緒に付いてしまいそうじゃないですか!
納得がいかないです!

四稜郭
はーい、みんなー♪
そろそろ日も暮れるし、会場に移動するよー♪

フレデリクスボー城
そうですね♪ ようやく四稜郭さんの念願が叶ったのです!
準備が整い次第、すぐに始めましょう♪

スピシュ城
待って! 誰かわたしの話を聞いてぇー!

――

――――

その後、パーティーがお開きとなった後の夜――

殿
…………。

四稜郭
どうしたの、総裁? 眠れないの?

殿
…………!

四稜郭
えへへ♪ 総裁がお外に出るところを
ちょうど見かけたから、追いかけてきちゃった!

四稜郭
今日のパーティーは楽しかったね♪
総裁はどうだった?

殿
…………!

四稜郭
そっかぁ、それなら良かった♪

四稜郭
こんなことになるなんて、最初は思ってなかったよ。
途中は悲しいこともあって、ダメかもしれないって思うこともあったし……。

四稜郭
でも、みんなが力を貸してくれたお陰で、
最後は笑顔で終わることができた……。

四稜郭
だから辛かったことも……今振り返ると、全部良い思い出だなーって思えるんだ。
終わり良ければ全て良し、って言うんだよね? こういうの!

殿
…………!

四稜郭
それに、私の夢はまだまだ続くんだよ!
パーティーが終わってからはね、
フレデリクスボー城ちゃんと一緒に来年の計画を立てたの!

四稜郭
次のクリスマスも、
今年に負けないくらい素敵なパーティーにできるように、って♪

殿
…………!

四稜郭
……あ、そうだ。
総裁にこれ、渡さなきゃ。

四稜郭
わたしから総裁に……クリスマスプレゼント!
これを渡そうと思って、総裁に声を掛けたんだけど……忘れちゃうところだったよ。

殿
…………?

四稜郭
うん、開けていいよ! 見て見て!

殿
…………。

殿
…………!

四稜郭
そう、絵だよ!
総裁の所領の……未来の姿を描いてみたの♪

四稜郭
みんなのために戦ってる総裁の夢が叶った……平和な世界。

四稜郭
ここでは誰も兜に怯えなくていいし……、
総裁も、城娘も……その時したいことを好きにやっていいの!

殿
…………。

四稜郭
ほら、ここに総裁が居るでしょ?
その隣では柳川城ちゃんが笑ってて、こっちではやくもちゃんがごろごろーってしてる。
……で、そんなやくもちゃんを、千狐ちゃんが叱りつけてるの。こらー、って。

四稜郭
――って、
これじゃ……やくもちゃんと千狐ちゃんはいつもと変わらないね。
あははっ♪

殿
…………。

四稜郭
こんな日が少しでも早くやってくるように、
これからも一緒に頑張ろうね、総裁♪

殿
…………。

殿
…………。(なでなで)

四稜郭
……ふふ。くすぐったいよぉ、総裁♪

四稜郭
あのね、総裁。……わたしにとってはね、
総裁の笑顔が一番のプレゼントなんだよ。

四稜郭
だからわたし、総裁のためにこれからも戦うよ。
兜を倒して、総裁の夢を……絶対叶えてみせるから!

殿
…………!

四稜郭
あっ、でもね、わたしの夢はこれだけじゃないんだよ!

四稜郭
他にも叶えたい夢がいっぱい、描ききれないくらいあるの!
えっと、例えばね――

――その後も四稜郭は変わらぬ調子で、
無邪気に自らの夢を語り続けた。

殿は微笑みを湛えたまま……時折頷いたり、
彼女の頭を優しく撫でたりしながら、
その話にじっと耳を傾けるのだった―

聖夜を翔る夢見鳥 -絶弐-

クリスマスのパーティーから数日後。
プラハ城の許に訪れたカルルシュテイン城は、
付近の森林にて、不穏の呻き声を耳にする……。

前半
――プラハ城にて催されたクリスマスパーティーが終わってから、数日後。

カルルシュテイン城
はぁ、到着が遅くなってしまいました。
……辺りもすっかり暗くなっています。

カルルシュテイン城
プラハ城様の御城まで、あと少し……。
少しでも早く、年末の準備を始めなければならないのに――

ガサ、ガサガサッ……。

カルルシュテイン城
…………?

カルルシュテイン城
なんでしょう……今の気配は?
獣とは違うようでしたが……。

???
う、うぅ……うぅぅ……。

カルルシュテイン城
……っ!?

カルルシュテイン城
(間違いありません。この気配は城娘です……!)

カルルシュテイン城
(しかし、今の呻き声は……いったい……?)

ガサガサ……ガサガサガサッ……!

カルルシュテイン城
(……っ! こちらに近づいてきています……!)

???
ううぅぅ……。

カルルシュテイン城
…………っ!!

プラハ城
ううぅ~~~……。

カルルシュテイン城
…………。

カルルシュテイン城
プ、プラハ城様……?

プラハ城
……あれ? そこに居るのはもしかして、
カルルシュテイン城ちゃんじゃないですか?

カルルシュテイン城
(こんな森の中で何をしているのですか、この方は……)

プラハ城
……いえ、そんなのありえませんよね。
私の相手をしてくれる城娘なんて、いる訳ないんですから……。

カルルシュテイン城
え……?

プラハ城
ニュールンベルクちゃんも、ストラホフちゃんも……、
送った手紙に返事もしてくれません。

プラハ城
そんな私を訪ねてくる子なんて、いる訳ないんです……。

プラハ城
いいんです、いいんです~……。
もう覚悟は決まってるのです。
私は一人ぼっちでパーティーを開くんですぅ~……。

カルルシュテイン城
ま、待ってください、プラハ城様!
私です、カルルシュテイン城です!

プラハ城
あら……私の弱さが作り出した幻ではなかったのですね……?

カルルシュテイン城
なんですか、その勘違いは……。

プラハ城
おかしいと思ったのですよ。いくら寂しい思いをしているといっても、
お説教好きのカルルシュテイン城ちゃんの幻覚を、私が見るなんて……。

カルルシュテイン城
…………。

カルルシュテイン城
もしかして、プラハ城様……またビールを飲んでたんですか?

プラハ城
あー、なんですかその言い方は。
カルルシュテイン城ちゃんだって、いっつもワインばっかり飲んでる癖にー!

カルルシュテイン城
それは……私はたまの息抜きで飲むくらいで……!

プラハ城
私だってそうですよーだ! 今はシラフですー!
一人で飲んだってなーんにも楽しくないでしょーが!

カルルシュテイン城
でしたら、何をそんなに不貞腐れてるのですか……?

カルルシュテイン城
私にできることなら力になります。
ですから……理由を聞かせてくれませんか。
ね、プラハ城様?

プラハ城
…………。

カルルシュテイン城
とにかく、腰を落ち着けましょう。こんな森の中で、
地べたに座ってお話しするわけにもまいりませんから。

カルルシュテイン城
プラハ城様の御城へまいりましょう。

プラハ城
え、私の御城?
あー、うん……わ、わかりました……。

――――

カルルシュテイン城
どういうことですか、これは……。

プラハ城
え? な、何のことでしょうか?

カルルシュテイン城
目の前の光景についてに決まっています!
御城の隅から隅まで、途轍もない散らかりっぷりです!

カルルシュテイン城
まるでパーティーが終わった後、
そのまま何もせずに放置されていたかのようです!

プラハ城
おー、カルルシュテイン城ちゃん名推理! 正にその通りです!
パーティーが終わった後、何もせずに放置していたんですよ!

カルルシュテイン城
プラハ城様……?

プラハ城
わー待って待って、怒らないで!
今事情を説明しますから!

カルルシュテイン城
……わかりました、まずは話を聞いてからにしましょう。
ではご説明いただけますか、その事情というものを。

プラハ城
はい……。

プラハ城
まず、こんな風に散らかってるのは……少し前に開催した、
クリスマスパーティーが原因なんです。

プラハ城
急な話で色々大変だったんですけど、王様たちがここに来て……、
ぱぁ~っと、盛大にクリスマスを祝いました。

カルルシュテイン城
はい、それは存じ上げています。
残念ながら、私は諸用で参加できませんでしたが……。

プラハ城
それからパーティーが終わって解散になって……、
王様も、城娘たちも帰ってしまいました。

プラハ城
ですがその時……私の頭に名案が浮かんだんです!

カルルシュテイン城
(ロクでもないことを言い出すつもりですね、絶対……)

プラハ城
このままお片付けをしなければ、
しばらくパーティー気分を味わえるのでは、と!

カルルシュテイン城
(やっぱり……)

カルルシュテイン城
なるほど……それで、
片付けをするのは後回しにしてご友人を招待した、と……。

プラハ城
そうです! ニュールンベルクちゃんとストラホフちゃんに手紙を送ったんです!
そして私は、ビールの準備を整えて皆が集うのを待ちました。

プラハ城
しかし、手紙は返って来ず、
共にビールを飲み交わす仲間は一人も集まらなかったのです……。

カルルシュテイン城
それで……不貞腐れて、森の中を彷徨っていた……と?

プラハ城
はい、そういうことです!
……分かってくれました?

カルルシュテイン城
はい……プラハ城様のお気持ちは、よく分かりました。

プラハ城
カルルシュテイン城ちゃん……!

カルルシュテイン城
……しかし、思っていたよりも遥かに、
同情の余地がありませんでした。

プラハ城
カルルシュテイン城ちゃぁん……。

カルルシュテイン城
さて、プラハ城様の言い訳も終わったところで、
パーティーの後片付けを始めますよ。

プラハ城
えぇ~……やっぱりやらなきゃダメですか?

カルルシュテイン城
当然! さ、立ち上がってくださいプラハ城様!

後半
カルルシュテイン城

……さて、と。
片付けもようやく終わりが見えてきましたね……。

プラハ城
はい……そうですね……。

カルルシュテイン城
最初は夜明けまで続くことを覚悟していましたが、
この調子なら思っていたよりもずっと早く片付きそうです。

プラハ城
うん……。

カルルシュテイン城
…………。

カルルシュテイン城
プラハ城様……元気、出してください。

カルルシュテイン城
ニュールンベルク様や、ストラホフ様の代わりにはなれませんが、
お酒くらいなら、片付けが終わった後に私が付き合いますから……。

プラハ城
カルルシュテイン城ちゃん……。

カルルシュテイン城
それともプラハ城様は、私が相手では物足りませんか……?

プラハ城
い、いいえ! そんなことないです……!

プラハ城
カルルシュテイン城ちゃんには感謝しています!
貴方が居なかったら私、どれだけ寂しい思いをしていたかわかりません!

カルルシュテイン城
くす……安心しました。
それでは、さっさと残りを片付けてしまいましょう!

プラハ城
うん……!

プラハ城
……ありがとね、カルルシュテイン城ちゃん。
片付けを手伝ってくれたり、気を遣ってくれたり……。

カルルシュテイン城
何を言いますか。
ボヘミア王の居城であるプラハ城様は、私にとっては主も同然。
……貴方のために働くことは、この上ない喜びなのですよ。

プラハ城
そうかもしれません、けど……。
私、ついカルルシュテイン城ちゃんに頼る癖が付いちゃって。

プラハ城
ほら、貴方……厳しそうなフリをしつつ、
なんだかんだでいつも私に優しくしてくれるから……。

カルルシュテイン城
…………。

カルルシュテイン城
(次からはもっと厳しく接しましょう……)

カルルシュテイン城
まったく……敵いませんね、プラハ城様には。

カルルシュテイン城
それにしても……驚きましたよ。
まさか貴方が、クリスマスにこれほどのパーティーを開いていたなんて。

プラハ城
ふふ、私もびっくりです。当初は私も、
パーティーを開くことになるなんて思っていませんでしたから。

カルルシュテイン城
どのような事情でも構いませんが……、
パーティー好きなのも大概にしていただきたいものです。

カルルシュテイン城
年末にも大きなパーティーを予定しているというのに……。

カルルシュテイン城
明日の朝から準備を始めると考えても、
なかなか厳しい進行になりますよ……。

プラハ城
…………。

プラハ城
…………え?

プラハ城
年末にパーティーって、カルルシュテイン城ちゃん。
……何を言っているのですか?

カルルシュテイン城
…………。

カルルシュテイン城
何を言っているのですか、はこちらの台詞ですよ……プラハ城様。

カルルシュテイン城
近隣の城娘たちを集めて一緒に新年を迎えよう、と……、
随分前から決まっていたではありませんか。

カルルシュテイン城
ニュールンベルク様やストラホフ様が、
プラハ城様のお手紙に応えなかったのも、
年越しパーティーのために忙しくされているからでしょう。

プラハ城
…………。

プラハ城
あ、そっか……そうでしたね。
へぇー……そうだったんですね……。

カルルシュテイン城
…………。

カルルシュテイン城
プラハ城様、忘れていたのですね?
年越しパーティーの存在を、まるっと……。

プラハ城
えっ? な、なんのことです?

カルルシュテイン城
はぁ……納得しました。

カルルシュテイン城
年末のパーティーを前にして、随分盛大にクリスマスを祝ったな……、
と驚いていたのですが、そういうことだったのですね。

カルルシュテイン城
プラハ城様……貴方という方は本当に……。

プラハ城
お、怒っている暇はありませんよ、
カルルシュテイン城ちゃん!

プラハ城
早く片付けを済ませないといけない、そうですよね?
その後には、次のパーティーの準備も控えてるわけですし!

カルルシュテイン城
どの口が言いますか……!

プラハ城
お説教はその後に聞きますから、
今はとにかく準備準備! 急ぎましょ、ね?

カルルシュテイン城
はぁ、わかりましたよ……。

眉間を抑えながらため息をつくカルルシュテイン城と、
人が変わったような軽やかさで片付けを進めるプラハ城。

こうしてプラハ城の御城は息つく間もなく、
次のパーティーの準備が進められることになるのだった――



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