ストーリーテキスト/納涼?流されて河童娘!

ページ名:ストーリーテキスト/納涼?流されて河童娘!

目次

納涼?流されて河童娘![]

納涼?流されて河童娘! -序-

肝試し開催のため、笹原城の御城へ向かう一行。
川縁に差し掛かかった折、不気味な影が、
水を滴らせ、呻きをあげながら出迎えるが……?

前半

河童
ハアハア……オイ、大丈夫カ、オマエ……?
同族ガ川デ溺レルナンテ、情ケネエ……!

???
うう……げほっ……。

河童
……ッ!?
コ、コイツ、ヨク見ルト河童ジャネエ……城娘……!?

???
うぅ、ううん……?

河童
ナ、ナンデ、河童ノ恰好シテンダコイツ……?

河童
……マアイイ、城娘ハ不倶戴天ノ敵ニ違エネエンダ。
ココデ仕留メ……。

???
げほ…………。
うう…………河童…………さん…………。

河童
……………!

――――

やくも
ふんふふ~ん、今日は楽しい肝試し~♪
むっふっふ、今年も千狐をばっちり脅かしてやるがや~!

千狐
やくも、夜の山道を走ったらあぶな――って!
ちょっと、後半はどういう意味!?

千狐
あ、こら、待ちなさい!
今年こそは、やくもの手には乗らないんだからぁー……!!

柳川城
二人とも、先に行ってしまいましたね……。

立花山城
はあ……相変わらず騒がしいこと。
さすがに、もう慣れたけれど。

殿
…………。

柳川城
そうですね。
じきに笹原城さんの御城ですから、心配はいらないと思いますが……。
やくもさんたちとはぐれぬよう、私たちも急ぎましょう!

――――

やくも
…………。

千狐
はあ、はあ、やっと追いついたの……。
まったくもう、急に走り出すんだから……。

千狐
……やくも?
急におとなしくなって、どうしたの?

やくも
なあ千狐、あれはなんやと思うがや……?

千狐
あれっ、て……。

???
ズルッ……ズルッ……!

千狐
川縁から這い上がってきて……。

???
ウウウ……?

やくも
頭に皿があるだに……。

千狐
それなら決まってるじゃない、あれは……。
あの、姿は…………。

???
アアアッ……!

河童だにぃー!!
河童なのぉー!!

殿
…………!

柳川城
っ! お二人の悲鳴が!

立花山城
幸い、だいぶ近いみたいね……。
あ! 見なさい、川辺の近くで抱き合ってるわ!

千狐
ひいぃぃっ!!
やくも、どうしよう、こっちに向かってくるなの……!

やくも
あわわわ……!!
うちは相撲苦手やけぇ、千狐がなんとかするだにぃ!!

???
ぜんこぢゃあん、やぐもちゃあん……!
ヴヴ、げほげほ……川の水飲みすぎちゃった……! 

柳川城
お二人とも! ご無事ですかっ!

千狐
コンッ……柳川城さんなの……!
た、助かったのぉ……。

やくも
皆、こっちだに~!
河童が! 河童が出たがやーっ!!

???
けほけほ、違う違う~! 河童さんじゃないよぉ!
河童さんの衣装だから違くないけど、違うの!

???
ん~??
……あれれ? じゃあ河童さんで合ってるかも?

柳川城
よもや、所領のすぐ近くで妖怪がうごめいているなんて……。

千狐
ごめんなさいなのっ……!
千狐たちが先走ってしまったせいで……。

立花山城
……待って、あの河童、少し様子がおかしくないかしら?
両手を挙げて……こちらに手を振ってるような……。

笹原城
柳川城お姉ちゃ~ん! 武器を下ろしてぇ!
殿ぉ~! 私だよぉ、河童の笹原城だよー!!

殿
…………!

やくも
ああっ!
よぉ~~~く見たら、河童の恰好をした城娘さんだにぃ!?

千狐
え、ええ~っ!?

柳川城
ま、まさか……あれは、笹原城さん!?
なぜこんなところに……待ち合わせの場所も、まだ先のはず……。

立花山城
しかもあの子、ずぶぬれじゃない。
千狐たちが本物の河童と見間違えるのも、無理ないわね。

――――

笹原城
うう……ごめんなさい!
みんなが来るのを待ちきれなくて、河童さんになりきって川遊びしてたら、
流れが思いのほか強くって……ここまで流されちゃったんだ。

笹原城
そこで打ち上げられて、さっき目が覚めたんだけど……げほげほっ。
ううぅ~お水でお腹いっぱいだよぉ。

千狐
いえ……こちらの方こそ、
早とちりしてしまって面目ないの……!

柳川城
気に病むことはありません。
笹原城さんもご無事で、合流できたわけですから。

やくも
それにしても、迫真の演技だったがや……。

笹原城
えへへ、そんなに河童さんっぽかったかなぁ? 嬉しいな~♪
まさに、河童の川流れ、だったでしょ~?

やくも
いや、褒めてないだに!

千狐
何故か、流されたことも誇らしげなの……。

立花山城
…………ふふっ。
面白い子ね、柳川城?

柳川城
な、なぜ私に同意を求めるのでしょう……?

立花山城
深い理由はないわ……私はただ、
貴方の知り合いは変な子ばかりだって……そう思っただけよ。

柳川城
なんだか、からかわれているような気がします……。

???
ズルッ……ズルッ……。

千狐
コンッ……?

やくも
千狐? どうしたがや?

千狐
なんか、さっきの笹原城さんみたいな……、
でもちょっと違うような気配が……。

笹原城
あ~! 悪い河童さんだぁ!
こんばんは~♪

やくも
またまたぁ~、もう河童ネタはお腹いっぱいだに~……。

河童
ウウウ……。

千狐
わ、笹原城さん……?
いつの間にあんなところに?

笹原城
え~? なあに?

やくも
……千狐、笹原城はずっと隣にいるがや。

千狐
……???

やくも
つまり……。

河童
アアアッ……! ゲボゲボッ!
クソ! 流レガ急スギテ、川ノ水シコタマ飲ンジマッタヨ!!

桃形兜
マサニ、河童ノ川ナガレ、ッテヤツダナ!!

河童・桃形兜
ガッハッハ!!!

河童だにぃー!!
河童なのぉー!!

柳川城
……っ! これは……!

殿
…………!

立花山城
立ち込める兜の霊気といい……今回は本物のようね。
柳川城、気を引き締めていくわよ!

合戦中

柳川城
ここまで包囲されているのに、気付かなかったなんて……!

笹原城
わーい!
河童さん、遊びましょ~!

立花山城
笹原城、気をつけなさい。
兜と一緒にいるこいつらは、きっと貴方の知っている河童じゃないわ。

笹原城
……そんなこと、知ってるもん……。

柳川城
ふう……兜たちは退いたようですね!

笹原城
(うぅ……河童さん……)

立花山城
……笹原城は、大丈夫?

笹原城
――えっ?
う、うん! 私は平気だよっ!

立花山城
…………。

後半

河童
クケェェーッ!
チィッ、イッタン退却ダ!

桃形兜
久留米城ヲ攻メテイル本隊ト合流シテ、仕切リナオスゾ!

笹原城
っ!
そんな、久留米城お姉ちゃんが……!?

笹原城
た、大変だ……すぐに助けにいかないと!
今行くからね、久留米城お姉ちゃんっ!

柳川城
ああ、笹原城さん、待ってください!

やくも
うおぉ、すごい勢いで飛び出していってしまったがや……。

柳川城
殿、さきほどの兜の言葉は……!

千狐
久留米城さんに危機が迫っているの!
すぐに後を追いましょう!

殿
…………!

柳川城
はい、笹原城さんを追って、すぐに救援に向かいましょう!

立花山城
…………。

立花山城
(笹原城、あの子……)

納涼?流されて河童娘! -破-

時を同じくして。付近の浜辺には、難破し、
流されてきた丸亀城と大垣城の姿があった。
砂浜を走る水妖を見咎め、二人は得物を構える。

前半

……時を同じくして、付近の浜辺。

そこには……全身をずぶ濡れにした、
二人の城娘の姿があった――

丸亀城
あぁ~! もー、死ぬかと思ったよ!

大垣城
ふふ……。
でも……こうして、無事、九州の地にたどり着けましたね……。

丸亀城
ぶ、無事って……。
どう見ても奇跡的に漂着できた、って感じでしょ、これ!

大垣城
命あっての物種……。
不幸な私が、たらい舟でこの地に渡れたのは……大慶の至りと言えましょう。

丸亀城
間違えた~!
間違いなく、乗り込む船を間違えたぁ~!

大垣城
そんな……丸亀城さん、四国で相乗りになったときには、
あんなに喜んでくださったのに……。

大垣城
『博多うどんがあたしを待ってる!』などとも……。

丸亀城
ぐ……目が眩んでいたとこをバッチリ見られていたとは……。

――――

丸亀城
それは、ま、まあそれとして……。
帰り道は要検討だね!
これじゃあいくら命があっても足りないし、まともな船を探さなきゃ!

大垣城
えぇ~……。

丸亀城
えぇ~、じゃなーい!
というか大垣城さん、帰路もたらい船のつもりだったの……!?

大垣城
無論です。
麋城ちゃんの失敗を参考に作り上げた、
大たらい舟の真髄を、次こそ………!

丸亀城
いや~いやいや! やめときなって!
今し方まであたしたち、派手に難破してたじゃんかあ!

大垣城
落ち着いてください、丸亀城さん……。
大丈夫です。

丸亀城
……!
何か策があるんですか……!

大垣城
往路では実力発揮の機会……というより余裕がありませんでしたが……。
あの大たらい舟には、鍋も火元も完備してあるのですよ。

大垣城
つまるところ……
――貴女の好きな、うどんも作れます……!!

丸亀城
(だ、だめだ~!
 沈着冷静な城娘さんだと思ってたのに、
 なんか様子がおかしいよぉ!)

???
えっほ、えっほ……!

大垣城
早速、火をおこして御覧にいれ……――
……あら?

丸亀城
……?
今度はど、どうしたんですか?

大垣城
丸亀城さん、あそこです。
波打ち際を駆けるあの姿は、一体……?

???
急げ、急げ……!

丸亀城
わ! ほ、本当だ!
むむ、あれって……もしかして、河童じゃないですか!?

大垣城
……あれが……!
確かに、頭のお皿といい、美濃にも伝え聞く河童そのもの。

大垣城
ですがこうして見ると……存外、可愛らしいものですね……。

丸亀城
たしかに、なんか可愛い……?
って、だめだめ! 単独行動中ってことは、妖怪の斥候かもよ!

大垣城
……!
殿の所領もあるこの九州の地で、不穏な動きが……?

丸亀城
(わ、真剣な表情に変わってる……)

???
――、待つだに~!

???
…………ッ!

???
殿、本物の河童がまた……!

丸亀城
この声は……!!

大垣城
噂をすれば、というやつですか……!

丸亀城
殿たちと妖怪の間に、何かあるみたいだね……!
助太刀にいこう、大垣城さん!!

合戦中

大垣城
皆さん、既に陣を構えていますね……!

丸亀城
お~い、殿ー! 助太刀にきたよー! 

殿
…………!

柳川城
あれは、丸亀城さんに、大垣城さん……!?
細かいことはさておき、頼もしい援軍です、殿!

丸亀城
よ~っし! これでおしまいっ!

大垣城
大方、片付きましたね。
……そういえば、先ほどの河童の斥候は?

殿
…………?

丸亀城
あー!! そうだ、忘れてた!

後半

笹原城
ハア、ハア……。
ふええ、まさか、こんなところで合戦なんて……!

???
あっ! いたーっ!!

笹原城
ふわっ!?
――ふごごっ!?

丸亀城
捕まえた!!
さ~、大人しく観念しろぉ、河童め!
可愛くったって、容赦しないんだから!

笹原城
うわーん! またなの~!?
河童さんの姿だけど、河童さんじゃないってばぁ~!

大垣城
あら……この方、よく見ると……?

千狐
すとーっぷ!
二人とも、ちょっと待ったなのー!

やくも
その子は河童じゃなくて、城娘だがやー!

丸亀城
え、ええ~!!
ご、ごめん! あたしてっきり……!

立花山城
ま……私たちもあまり、他人のこと言える立場じゃないのだけれど。

大垣城
何か、事情があるようですね……?

柳川城
事情といえば……むしろ、なぜ大垣城さんたちが……?

丸亀城
そっか、あたしたちがここにいるのも、
皆からしたらおかしな話だもんねー……。
じゃ、とりあえず、情報交換しますか!

殿
…………。

柳川城
確かにその方がよさそう、ですね。
ええと、実は――。

――――

大垣城
なるほど……。
久留米城さんの危機に、矢も楯もたまらず、と。

笹原城
うう~、ごめんなさい!
体が勝手に、走り出しちゃったの……。

丸亀城
まあまあ、おかげで、あたしたちも殿と合流できたわけだし?

丸亀城
(大垣城さん、殿と合流してから急に落ち着いたなあ……)

立花山城
で、そちらは、というと……。

千狐
遠路はるばる、肝試しに合流しようとして……。

やくも
たらい舟で遭難しかけていただに……?

大垣城
…………。

大垣城
……そうとも言いますね。

丸亀城
そうとしか言えないよぉ!

大垣城
我々のことはさておき……。
今は、急がねばならない時……では?

殿
…………!

柳川城
そうでした!
久留米城さんが……!

丸亀城
河童と見間違えたお詫び……、
といったらなんだけど、あたしたちも加勢するよ!

大垣城
急ぎましょう、笹原城さん……!

笹原城
は、はい……!

笹原城
(久留米城お姉ちゃん、今行くからね……!)

納涼?流されて河童娘! -急-

救援に入っていた鶴ヶ岡城、久留米城たちと無事
に合流した一行。妖怪との決戦に意気込む笹原城
だが……。彼女の秘めたる胸中や、如何に。

前半

笹原城
向こう岸の――葦の茂みに見えた、影。

笹原城
私の知っている……優しい河童さんの背中。

笹原城
ただの勘違いだったのかも。
狸や熊と見間違えただけ、だったりして。

笹原城
でも……恋しくて、懐かしくて――。
流れに逆らって泳いだら……溺れちゃって……。

笹原城
…………そして、誰かが、助けてくれた。
岸まで……溺れた私を、引き上げてくれた。

笹原城
ぼんやりだけど……あの声……。
私の知っている河童さんじゃない……けど……―――

――――

???
―――城さん、笹原城さん!
前を見てー!

笹原城
…………?
……ひわぁあ!?

どしーんっ!

笹原城
いててて……。
ふええ……たんこぶできちゃう……。

千狐
ひぃ……ひぃ……。
走りすぎなの……。

柳川城
だ、大丈夫ですか、笹原城さん……?

笹原城
あ、柳川城お姉ちゃん……。
うん、大丈夫だよ! ちょっと、くらくらするけど……。

やくも
河童というより、猪みたいだったがや……。

柳川城
久留米城さんの御城も、そろそろのはず……。
皆さん、気を引き締めていきましょう……!

――――

鶴ヶ岡城
……ふむ、追っ手はないようですね……!

久留米城
うう、こ、こわかったぁ……。

雨城
ごめんね、久留米城ちゃん……。
私が力不足だったね……ぐすん……。

鶴ヶ岡城
お二人とも、そんなに気落ちなさらず。
この城山伏が馳せ参じたからには、必ずや妖怪を調伏してみせますとも。

雨城
ありがとうございます、鶴ヶ岡城さん……。
貴女が現れなかったら、本当に危ないところでしたもの……。

笹原城
久留米城お姉ちゃあーーん!!
いるなら、返事してえー!!

久留米城
わ!? この声は……笹原城ちゃん!?
お、おーい!

柳川城
……!
殿、声の方向に人影が見えますっ!

殿
…………!

丸亀城
城娘さんが三人……! 無事だったのね!

立花山城
久留米城と雨城は良いとして……あの山伏姿は……。

笹原城
わ~~ん! よかったぁ!
雨城お姉ちゃんも一緒だあ……!

久留米城
ぴゃあああ!!?
か、河童!?

笹原城
わあ、お姉ちゃんまで!?
私だよぅ! 河童さん衣装の笹原城だよー!

雨城
ででで、ですよね……!
お、お姉さんはもちろん気づいていましたよ!

鶴ヶ岡城
ふふ、先ほどまでの様子が嘘みたい……。
姉妹の絆とは、素晴らしいものですね……♪

笹原城
わ!
お、お姉さん、だあれ……?

久留米城
彼女は鶴ヶ岡城さんです。
危機に陥った私たちを助けてくれたんですよ!

大垣城
庄内の城娘さんが、この地に……?

鶴ヶ岡城
えへへ……。
肝試しという催事があると聞いて、居ても立っても居られず……。
御山からひとっ飛びしてきちゃいました♪

大垣城
………!
飛行、ですか……!

丸亀城
(んんっ、なーんか嫌な予感……)

笹原城
あ、あの、ありがとうございます!
お姉ちゃんたちを助けてくれて……!

鶴ヶ岡城
私は最後に、脱出のお手伝いをしただけですよ。
所領を守るため、孤軍奮闘していた二人のお姿は、御立派でした。

雨城
でも、力及ばず、撤退を余儀なくされてしまって……ぐす……。

久留米城
そんなことないです!
雨城お姉ちゃんがいてくれたおかげで、私も戦えたんだもん!

雨城
久留米城ちゃん……!

丸亀城
ひとまず、笹原城ちゃんの姉妹が無事だったのは良かったけれど……。

鶴ヶ岡城
ええ、お二人とも既に力を使い果たしています。
どうしたものかと案じておりましたが、殿と合流できたのは僥倖でした。

鶴ヶ岡城
我々の手で久留米城さんの所領を……――。
むっ……!

殿
…………!

柳川城
この悪寒は……!

大垣城
こちらから出向かずとも、といった具合でしょうか……。

桃形兜
オイ、見ロヨ!
殿タチモイルジャネエカ!

河童
ヘヘ、イイジャンイイジャン!
勝チ戦ニ、華ヲソエルトシヨウゼェ!

笹原城
あ……河童さん……。

立花山城
…………。

鶴ヶ岡城
笹原城さんは、お姉さん方を連れて後ろへ。
ここは、私たちが引き受けます……!

柳川城
はい!
それでは殿、御下知を……!

笹原城
―――待って!
私も、私も戦わせて……!!

笹原城
お姉ちゃんたちが頑張ってたのに、私だけ力になれないなんて、嫌……!
それに、今日の肝試しは……ぜったい、私の手で成功させたいの……!
だから……!!

殿
…………。

久留米城
笹原城ちゃん……。

鶴ヶ岡城
……ふふ、真鍮の錫杖より、なお固い意志を持っているご様子。
であれば、お止めだてするのは野暮というもの……。
ですよね、殿?

殿
…………!

丸亀城
よ~っし!
そうと決まれば、あたしたちも喜んで一肌脱いじゃうよ!

大垣城
ええ、無論です……!
……飛行術については、後ほど伺いましょう……。

笹原城
みんなぁ……!

桃形兜
クォオラ!!
僕タチヲサシオイテ、イツマデ話シテルンダー!

河童
ホントウノ肝試シッテヤツヲ、オシエテヤルヨォー!!

笹原城
…………っ!

鶴ヶ岡城
ふふふっ♪
有象無象の妖風情、山伏の敵ではありません。
出羽三山は羽黒の三光坊、大天狗の神通力を、とくと御覧あれ!!

合戦中

柳川城
殿、見慣れぬ大河童の姿もあります、慎重に参りましょう!

柳川城
あの巨体……凶暴で、耐久力もありそうですが……。
柔らかそうなお腹を見るに、防御力は低そうです!

殿
…………!

鶴ヶ岡城
殿、妖怪退治ならば、この山伏めにお任せを。
私の天狗舞は、城娘を癒すと同時に、妖の浄化も可能なのです……!
この力……殿の御采配で、存分に活かしてくださいね♪

鶴ヶ岡城
これにて悪鬼平定、ですね……!
皆さん、お怪我はありませんか?

笹原城
……うぅ、あの河童さんは……?

立花山城
笹原城、貴方……。

笹原城
う…………。

後半

久留米城
殿、笹原城ちゃん……!
皆さん、本当にありがとうございます……!

丸亀城
……ちょい待ち!
まだ油断するには早いかもよ?

殿
…………!

大垣城
はい、敵の数が多かった分……。

鶴ヶ岡城
逃げ延びた残党の気配もある、と……。
…………っ、そこの茂み、何奴!!

河童
クケェッ!?

笹原城
あっ…………!

やくも
か、河童だにぃ!?

河童
クソ、見ツカッチマッタ……!

鶴ヶ岡城
天狗の眼前へ忍んだのが、運の尽きです。
……御覚悟っ!

笹原城
――待ってぇ!
殺さないであげてっ!!

柳川城
笹原城さんっ!?

鶴ヶ岡城
……なぜ、かばうのですか?
彼らは人界に仇成す、妖なのですよ?

笹原城
で、でも……。
河童さんは……。

丸亀城
……あたしも、ここで仕留めておいた方が、と思っちゃうかなー……。

笹原城
そんなぁ……!

大垣城
……笹原城さんの河童好きを咎めるつもりはありません。
ですが今回、この者らの手によって、
久留米城さんの御城が危機に瀕したことは、動かぬ事実です……。

笹原城
それは、その…………。

柳川城
……笹原城さん。
ここで放免すればどうなるか……、
貴方になら分かるはずです。

立花山城
…………。

鶴ヶ岡城
……議論は尽きましたか?
では、終わらせましょう。

笹原城
だ、だめぇーーーッ!!!

河童
クケッ……!?

殿
…………!

鶴ヶ岡城
……っ! 河童の前に!? 
笹原城さん…………。

笹原城
この子は悪い子じゃないの! 本当に、悪い子じゃないのっ!!
だから、今回だけは、許してあげて……っ!!

笹原城
…………この子は、あの時溺れていた私を、助けてくれたの!
敵のはずなのに、私の正体に気づいても、見逃してくれたのっ………!!

笹原城
だから…………お願い…………。

丸亀城
ええーっ!?
それ本当なの、笹原城ちゃん……?

鶴ヶ岡城
ううむ……はてさて、困りましたね……。

立花山城
…………。
……殿、こういうときは、貴方の出番ではなくて?

殿
…………。

笹原城
わ、私は、河童さんを信じてるの……。
悪い子じゃない、お話できるって、知ってるの……!

笹原城
私たちの知ってる、昔の河童さんとは違うけど……。
それでもっ……!

殿
…………!

殿
…………。

鶴ヶ岡城
殿……!
確かに、既に大勢が決した上で、
雑兵一匹に執着する理由も薄いでしょうが……。

鶴ヶ岡城
ふう…………、分かりました。
笹原城さんを信じる……そうですね?

立花山城
…………まったく、貴方らしいわ。

笹原城
ほ、本当に、良いの……?
見逃して、くれるの…………!?

殿
…………!

笹原城
わあ……殿、ありがとう………!!
河童さん……良かったねえ……本当に、良かったぁ…………!!

河童
クェッ……。
オ、オウ…………。

鶴ヶ岡城
やれやれ……。
鬼が恐れる山伏も、泣く子には勝てませんね。

丸亀城
ま、あの笑顔のためなら、やぶさかではない、ってのはあるかもね♪

大垣城
ええ……。
私たちも、殿と同じように、信じてみましょうか……笹原城さんを……。

笹原城
ぐす……。
えへへ、良かったね……河童さん……!!

納涼?流されて河童娘! -絶壱-

あれから数日──。笹原城に助けられた河童が、
何やら思案に暮れている。そこへ通り掛かる
千狐たち。彼は不気味な笑みを浮かべると……。

前半

久留米城奪還から、数日後――。

河童
ハァ……。
アノ城娘、ナンダッテンダ、一体……。

河童
マ、マア良イカ……。
コウシテ生キ延ビラレリャア、コッチノモンダ!

河童
ソウダ、俺ハタダ、運ガ良カッタンダ!
クェッケケケ……!!!

やくも
ふんふふ~ん、今日は楽しい肝試し~♪
仕切り直して、準備だにぃ~!

千狐
やくも~!
待つなのーーっ!

河童
……ッ! アイツラハ……!!
シメタ、今度コソ『ヤッチマウ』トスルカ……!

千狐
はあ、はあ、やっと追いついたぁ……。
毎度、急に走り出すんだか、ら……?

やくも
……なあ千狐。
あの動いとる草やぶ、なんか変じゃないだに……?

???
ガサッ……ガサッ……。

千狐
え?
変って……。

河童
クケケケケェェーッ!!!

河童だにぃーー!?
河童なのぉーー!?

河童
クェッヘッヘ……!
奴ラ、顔真ッ青ニシテ、一目散ニ逃ゲテイキヤガッタゼェ!!

河童
アァ~面白エ……!
アノ城娘ノ言ッタトオリ、『肝試シ』ハ妖怪冥利ニ尽キルナ!!

河童
…………。
……アノ、城娘…………。

河童
クソッ、何ヤッテンダ俺ハ……!
城娘ハ、俺タチ妖怪ノ敵ジャネエカ……!!

笹原城
あ~! いたいたぁ!
お~い、河童さぁ~ん!!

河童
クェッ!?
ウ、噂ヲスレバッテヤツカヨ……。

笹原城
ねえねえねえ!
さっき千狐ちゃんたちが絶叫してたの、あなたの仕業でしょ~?

河童
マ、マア、ナ……。

笹原城
やっぱり~~!!
……えへへっ♪ 肝試しに協力してくれて、ありがとうねっ!

笹原城
こうやって、河童さんと一緒に肝試しができるなんて……。
本当に嬉しいなぁ……。

河童
ソ、ソウカヨ……。
マ、マア俺モ、ソノ……。

笹原城
うん?

河童
イ、イヤ、ナンデモネエッ!
……ダカラ顔ヲ覗キ込ムナッテ!

笹原城
そう……?
じゃあ、そろそろ殿たちが来ると思うから……。
次も、この調子でお願いしていい?

河童
アア、ワ、ワカッテルッテ……。
……早クイケヨ、俺ト話シテルト、疑ワレルゼ?

笹原城
そんなことないもんっ……あ、でも急がないとっ!

笹原城
ありがとう河童さん、また後でねー!!

河童
イッチマッタ……騒々シイ奴ダ……。

やくも
――ほんとだにぃ!
この辺りで河童が出たんだにぃ!!

殿
…………?

柳川城
先ほどから姿が見えませんが……。
まさか、また笹原城さんだったりしませんよね……?

河童
オ、早速来ヤガッタナ……。
……仕方ネエ、一肌脱イデヤルトスルカ!

合戦中

笹原城
クェ~ッ!!ドロドロ!
怖ぁい怖ぁい、河童さんだぞぉ~!!

千狐
コンッ!
ま、また出たなのーっ!?

殿
…………!

鶴ヶ岡城
フフフ♪ 殿、よそ見は禁物ですよ……!
さあて、天狗の妖術で、一同の肝を冷やして進ぜましょう!

柳川城
こ、これで妖怪の気配は……もうありません、よね……?

殿
…………?

鶴ヶ岡城
ここまでは手筈通り、ですね……。

丸亀城
それじゃ、そろそろ行こうか、大垣城さん……!

後半

丸亀城
とーふ……とーふはいかがですかぁ~……?
さあぁ……あなたも石垣の中へ……!

柳川城
ひぃいっ、こ、氷のような手がっ!?
殿、助けてぇええ……!

殿
…………!

立花山城
まったく、貴方が助けを求めてどうするのよ、不甲斐ないわね……。

大垣城
……田中兵部殿、田中兵部殿ォ……。

立花山城
ひっ……!?
だ、誰……? ど、どこから……?

大垣城
ふふふ……御首にも、お歯黒を塗って差し上げましょうか……?

立花山城
ひ、ひゃぁあっ……!!?
耳元で囁くのは反則よぉっ……!!

千狐
か、河童がいっぱいなのーっ!!

久留米城
グェヘヘ、待て待てー!

雨城
お前も河童にしてやるぞぉー!

笹原城
クェエ~! 待てぇ~! 相撲で勝負じゃあ~!!

笹原城
(うふふ、お姉ちゃんたち、河童さんの衣装よく似合ってるなぁ!)

殿
…………?
…………!

鶴ヶ岡城
フッフッフ、お味方はもう散り散りです……。
最後に……殿には、とっておきの神隠しにあって頂きましょうか……♪

殿
…………っ!!

――きゃぁぁぁあああああああっ!!

―――――

柳川城
ふ、ふぇ……。
さ、叫び疲れました……!

丸亀城
あ~楽しかった!
柳川城さん良い表情するから、つい気合入っちゃった♪

柳川城
ほ、本当に石垣に引きずり込まれそうな気迫でした……。

立花山城
私としたことが、あんな声をあげるなんて……不覚だったわ……。
やるわね、大垣城…………!

大垣城
うふふ……喜んで頂けたようで……。

大垣城
(見よう見まねでしたが……私、怖がらせる才能があるのかも……?)

鶴ヶ岡城
殿はいかがでしたか?
私の空中散歩、お気に召しましたか……?

殿
…………。
…………!

鶴ヶ岡城
まあ、それは良かったです……♪

―――――

河童
フウ、ヤレヤレ……。
ホント、何ヤッテンダロウナ、俺……。

笹原城
――いた!
……河童さんっ!

河童
ク、クケッ……!? ナンダ、オマエカ……。
馬鹿、河童ヲ驚カセテドウスンダヨ……!

笹原城
あ、ご、ごめんね! 違うの、今は肝試しじゃないの!
ただ、出掛ける前に、ちゃんとお礼がしたくって……。

河童
……ナンダ、ドッカ行クノカ……?

笹原城
うん、この後、丸亀城さんのところにお邪魔することになったんだ!
本場の讃岐うどんを振舞ってくれるんだって、楽しみだなぁ~♪

笹原城
……って、違う違う!
えと……河童さんにありがとうって、
もう一度ちゃんと伝えたくて……。

河童
……イヤ……俺ニ礼ナンテ必要ナイゼ。
久留米城ノ件ダッテ……。

河童
俺タチ妖怪ガ城娘ノ敵ダッテコトニ、
違イハ無インダカラヨ……。

笹原城
……ううん。
私、なんかね……分かるんだ。

笹原城
鶴ヶ岡城さんが着くまで、お姉ちゃんたちが無事だったのも……、
河童さんのおかげ、でしょ……?

河童
…………ッ。

笹原城
だってお姉ちゃんたち、
力は使い果たしてたけど、怪我一つなかったもん……。
だからね、そのお礼を言いたかったの……。

笹原城
河童さん……ありがとう……!

河童
ヘ、ヘ、ソウカヨ…………。
マ、偶ニハコウイウ、オ遊ビモ悪クネエヨナ……!

河童
……来年モ、マタ声掛ケロヨ。
手伝ッテヤルカラサ。

笹原城
……!
うんっ、また遊ぼうねっ……!

笹原城
――――約束だよっ、河童さ~ん!!

河童
アア…………ナンツーカ、俺モ楽シ――

河童
――……。

河童
……ナンダ、モウ行ッチマッタノカ……。
……ハハ! スッカリイカレチマッタミテエダナ、俺ハ……。

来年……来年コソハ……。
『楽シカッタ』ッテ、言エルダロウカ…………。

納涼?流されて河童娘! -離-

丸亀城主催の肝試しへ向かう道中、犬神の姿を
認めた一行。かつての悪夢に平静を失う柳川城を
尻目に、丸亀城は御城の危機へ立ち向かう。

前半

丸亀城
千狐ちゃん、転移って凄いねぇー!
いやあ助かったあ~!

丸亀城
ねえねえ、こっちに住んでみない?
うどんなら幾らでもご馳走するよっ!

千狐
……???
な、なんだか、
新鮮な褒められ方なのっ……!

大垣城
鶴ヶ岡城さんの力を借りた、空飛ぶたらい舟計画……。
早速披露の時かと思ったのですが、残念です……ブツブツ……。

やくも
……ようわからんけど、
未知の恐怖から救われとったみたいがや。

笹原城
ねぇねぇ、これから丸亀城さんの御城で肝試しするんでしょ~?
……えへへ、讃岐にも河童さんいないかなぁ!

鶴ヶ岡城
こらこら、縁起でもないことを…………?
おや……?

殿
…………?

柳川城
…………なんでしょう、この、得も言われぬ背筋の寒気は……。

千狐
この気配……あ、あそこを見て下さい!

犬神
ガフフフ……!

兜軍団
…………。

殿
…………!

鶴ヶ岡城
またしても、妖怪……ですか!

丸亀城
(ええー!?)

犬神
……シテ、攻城ノ手筈ハ、ドウナッテオルカ?

桃形兜
ハッ!
斥候ノ報ニ相違ナク、敵陣ニ城娘ノ姿ハアリマセンッ!
イツデモ、全軍突入可能デアリマースッ!!

犬神
ガフフ、僥倖、僥倖……。
コウモ容易ク我ラノ領域ヲ広ゲラレヨウトハナ……。

犬神
平和ボケシタ城娘メ、何処ヲホッツキ歩イテイルカ知ランガ、
コノ機ヲ存分ニ利用サセテ貰オウゾ……ガフフフフ!

笹原城
(うわぁ……おっかなそうな妖怪さんだぁ……)

丸亀城
(ちょ、あたしの留守中に、とんでもないことになってるんだけど!)

大垣城
(城攻め前に間に合ったのが不幸中の幸い、でしょうか……)

千狐
コンッ! あの妖怪には見覚えがあります……!
確か、名を犬神といって……。

柳川城
…………。(ふるふるふる)

立花山城
……柳川城、貴方、さっきから顔真っ青だけど……。

鶴ヶ岡城
柳川城さん、大丈夫ですか……?
子犬のように震えていますが……。

柳川城
い、いぬっ……!?
そ、そんな、まさか、私が犬のような痴態をっ……!?

鶴ヶ岡城
お、落ち着いてください……どうどう!

丸亀城
どうどう、は馬でしょ……。

笹原城
柳川城お姉ちゃん、様子がヘンだよぉ。
どうしちゃったの~?

千狐
……どうやら、皆さんにもお話しておく必要がありそうですね……。
柳川城さんの、『殿ペロ事件』について……――!

柳川城
や、やめてください……!
その話だけは、その話だけはぁぁ――!

――――

大垣城
そんなことが……。

大垣城
…………まあ、知っていたのですけど。

柳川城
え。

丸亀城
実はあたしも、噂はかねがね……。

笹原城
私もそれ、久留米城お姉ちゃんから聞いたことあるよ~!

鶴ヶ岡城
……庄内平野にも、御逸話は轟いております。

柳川城
わ、わ、私の痴態が、いつの間にやら全国に……。

立花山城
普段奥手な柳川城が積極的になれるなんて、
むしろ良いことじゃないの……ねえ?

柳川城
よ、良くないですぅ……!
ううう、は、恥ずかしいぃ~~…………っ!!

やくも
今度は真っ赤になって俯いてしもうたがや……。

立花山城
忙しい子……。

犬神
ガフフフゥ……!
……先程カラソコニイルノハ、城娘、ダナ……?

殿
…………!

鶴ヶ岡城
な、気づかれた!?

千狐
……っ、そうだったのっ!
犬神には、気配を察知する力があって……。

犬神
タワケェッ!!
ソレダケ長々ト騒ガレタラ、気配ヲ探ルマデモナク分カルワッ!!

兜軍団
ソウダッ!
 ソウダッ!!
  ソウダッ!!!

千狐
ご、ごめんなさ~い……。

丸亀城
……ま、この方が話も早くて助かるってね!

大垣城
はい。肝試しの障害は、ここで……。

柳川城
はううう……殿を守るため、わ、私も……!

鶴ヶ岡城
安心してください、柳川城さん。
私の天狗舞で、きっと貴女を呪いから守って見せます……!

笹原城
柳川城お姉ちゃんを怖がらせる、悪い妖怪さん……。
うぅ、ちょっと怖いけど……河童さんの力を借りて、私も頑張るよ!!

殿
…………!

丸亀城
うん、ありがとう。
殿やみんながいてくれて、とっても頼もしい……!

丸亀城
――さあ来い、妖怪共!
あたしの所領は、絶対に渡さないんだからぁー!!!

合戦中

柳川城
殿……い、い、犬神がっ……!

千狐
こんっ、千狐が代わって説明するのっ……!
犬神の呪詛を受けると、妖怪の性質を受けて、
癒しの力が反転してしまうのっ!

殿
…………!(なでなで)

柳川城
はううっ……!?
殿、頭を撫でられると……だ、だめですぅ……!!

大垣城
掃討完了……ですね。

笹原城
えっへん、見たかぁ!
河童さんの方が強いんだぞぉ~!!

鶴ヶ岡城
柳川城さん、御無事ですか?

柳川城
は、はい! おかげさまで、なんとか……。
はぁ~良かったぁ………………ほわんっ。

殿
…………?

後半

丸亀城
ふぅ……一時はどうなることかと思ったけど。
これで心置きなく、肝試しに臨めそうね♪

柳川城
ふふっ……そうれすねぇ……。
…………。

笹原城
……?
柳川城お姉ちゃん、眠いの~?

立花山城
…………待って。
以前の話が本当だとしたら……。

柳川城
…………むふ。

鶴ヶ岡城
……っ!
もしや、犬神の瘴気を浴びた後で、気が緩んでいる今は……。

柳川城
…………わふん。

大垣城
ぶり返しで、また犬化を……?

柳川城
…………。

やくも
またまたぁ、皆心配し過ぎがや!
呪詛は直撃しとらんき、大丈夫だにぃ!

柳川城
……………………。

やくも
な、柳川城!

柳川城
……………………。
……………………わん。

やくも
……わん?

柳川城
―――わんっ!
ワンワンッ!!
ワオ~~~~~~~~~~~ンッ!!!

殿
…………!

やくも
うわ~~~ん!
また柳川城がおかしくなっちゃっただにぃ!!

柳川城
キャンッ!キャンッ!
キャフゥ~~~~ン♪

殿
…………っ!

千狐
ああっ、殿ーっ!?

丸亀城
うわああ……。
柳川城さん……大胆……!

笹原城
え、大垣城さん、なあに……?
……って、わぁ~ん! これじゃあ前が見えないよぉー!!

大垣城
笹原城さんには……些か、刺激が強すぎるので……。

立花山城
薄々、こうなる予感はしていたけれど……ふふ……。
本当、期待を裏切らないわね。

鶴ヶ岡城
呪いを直接受けたわけでもなく……発作のようなものでしょうか?
……ううむ、困りましたねぇ。

立花山城
まあ、落ち着くまで気楽に待つとしましょう。
…………これはこれで、面白いし?

柳川城
わふわふっ!
キャウーーーーン!!

殿
…………。(なでなで)

柳川城
わふぅ~~☆

思い思いの表情に見守られる中、
柳川城の遠吠えが、夜空に高々と響き渡るのであった……。

納涼?流されて河童娘! -結-

丸亀城にて、華々しく肝試しの開催宣言が行われ
ようとする中、不穏な影がうごめく。しかし、
犬神を討伐し、気が抜けている一行は……。

前半

丸亀城
はぁ~着いた着いた!
みんな、あたしの城へようこそ!

大垣城
おぉ……肝試しにうってつけの雰囲気ですね……。

丸亀城
え、そ、そう……?

鶴ヶ岡城
犬神も、無事これを討伐……後顧の憂いもなし。
ようやく羽を広げられますね、殿!

鶴ヶ岡城
天狗だけに……ふふっ♪

殿
…………?

やくも
わ~い!
早速うどんを煮るだがや~♪

千狐
ちょっとやくもっ!
まずは肝試しの準備でしょー!

柳川城
……うぅ……。

笹原城
柳川城お姉ちゃん、あれからずうっと俯いたまま……。
耳まで真っ赤っかだし……。

笹原城
ねえねえ大丈夫~?
体調、悪いの~?

立花山城
やめてあげなさい。

鶴ヶ岡城
まあまあ、柳川城さん。
殿も笑って流してくださったことですし……!

柳川城
だめです……私、恥ずかしくて、もう殿と顔を合わせられません……。
あうぅ……私は……はしたない城娘なんですぅ……。

立花山城
思ったより重症ね……。

丸亀城
えー、こほん。
みんな、ちゅうもーく!!

丸亀城
これより、肝試し開幕の宣言を始めたいと思いまーっす!!

桃形兜
オォー!

大垣城
(……要りますか、宣言?)

丸亀城
(こういうのは、気分の高まりが大事なの!)

丸亀城
よーっし、それじゃあみんな!
盛り上がっていくぞぉーー!!

桃形兜
ヤンヤ!ヤンヤ!

笹原城
わーっ!!


ウオォォ!!

鶴ヶ岡城
うおぉー♪

柳川城
……肝試しって、そういう盛り上がり方でしたっけ?

殿
…………?

鶴ヶ岡城
……え、何か混じっている、ですか……?

柳川城
…………っ!
殿、危ない!!

桃形兜
……ッチ!
感ヅカレタカ!


ダドモ、今更気ヅイタトコロデ遅イド。
ココハモウ、オデタチニ囲マレテンダカラナァ……!

丸亀城
え……うええぇ!?
ちょっとぉ、兜と妖怪がなんで居るのよ!

鶴ヶ岡城
ふ、不覚……私としたことがっ……。
犬神を討ってから、すっかり気が緩んでいました……。

桃形兜
ア?
ナンダ、天狗モインノカヨ!


イヤ……コイツハ違エ……!
城娘ノ変装ダ、ヤッチマウド!

鶴ヶ岡城
むっ……舐めてもらっては困りますね。
兜もまとめて、妖怪として浄化してあげましょうっ!

鶴ヶ岡城
そおれぇーっ!!


…………?

桃形兜
…………涼シイ。

鶴ヶ岡城
…………あれ??

鶴ヶ岡城
って、ああ~っ!?
これ、天狗扇じゃなくて……ただの団扇です~~っ!!

大垣城
(これが……気分の高まり……!)


オイ、河童!
グズグズシテネエデ、オメエモ早ク配置ニ着ケ!

笹原城
……え?


……エ?

柳川城
……殿、どうやら御城ごと、ぐるりと包囲されているようです!

殿
…………!

柳川城
はい!
丸亀城さんの所領を守り抜いて、肝試しを成功させましょう!

柳川城
(そして私は、この戦いで汚名返上を……!!!)

立花山城
まあ……城娘らしい目の覚め方だこと。

丸亀城
もーっ!!
折角みんなを招いたのに、二度も邪魔が入るなんて!

丸亀城
殿、もう一度力を貸して!
絶対に、楽しい肝試しにしてみせるんだから……!

合戦中

丸亀城
さあさあ!
槍の露と消えたくないなら、
あたしの城から出ていってよね!

柳川城
殿はなんとしても、私がお守りいたします……!!

殿
…………?

立花山城
(力み過ぎ……)

丸亀城
……一件落着、ね!
ふう!

柳川城
殿!
ご無事ですかっ!!

殿
…………。
…………!

柳川城
い、いえ、決してそういう訳では……。
……ふふ、でも、ありがとうございます……!

後半

――――数刻後、深更。

丸亀城
えー、みなさま!
大変お待たせいたしました!!

笹原城
わー!わー!

丸亀城
ではこれより、讃岐国は、丸亀城主催!
肝試し大会を開催したいと、思いまーっす!!

大垣城
やんや。やんや。

鶴ヶ岡城
うぉーっ!

柳川城
いよいよですね、殿……!

殿
…………!

――――。

千狐
きゃああ!
大蛇が出たなのぉ~~!!

やくも
ぐぇっへっへ~!
狐は丸呑みにしてやるだにぃ~……!

柳川城
(ゆ、勇気を出して……)

殿
…………?

柳川城
と、殿……!
そ、その……前回こそ不覚を取りましたが……。
あの……此度の肝試しは、私がお側に控えてお守りいたしますっ!

殿
…………!

柳川城
(い、言っちゃった……!)

殿
…………。
…………なでなで。

柳川城
ひゃ、な、なんですかぁ……!
な、撫でないでくだひゃい~……!

笹原城
クエッケッケ……!
くぉら~……油断大敵だゾォ~!!

殿
…………っ!

柳川城
ひゃあっ! ま、また河童がっ……!?
殿、こちらへ……!

笹原城
待~てェ~!
胡瓜、置いていケェ~~!!

――――

柳川城
こ、ここまで来れば……!

???
フフフ……それはどうでしょう……?

殿
…………!

柳川城
っ!?
頭上、ですか……!?

鶴ヶ岡城
天狗の領域に入ったが最後、二度と出ることは叶いません……!
さあ、心ゆくまで、怨霊の声をお聞きなさぁい……!

柳川城
と、殿、凄い風です……!
それに……何やら恐ろしげな、呻き声が……!?

殿
…………っ!

鶴ヶ岡城
そおれ、そおれ……♪

ひゃあああ~~~~~!!!!

――――

柳川城
はあ、はあ……。
こ、怖かったぁ……。

殿
…………。
…………?

柳川城
ひゃ……! だ、だだだ大丈夫です……!
殿は必ず、私が……。

殿
…………なでなで。

柳川城
ひゃううぅ……。
だから、なんで撫でるんですかぁ……!

???
とーふぅ……とーふぅ……。

柳川城
…………。
殿、何か仰いましたか……?

殿
…………?

丸亀城
(ガシィッッ!)

柳川城
きゃーーーーーっっ!!??!?

丸亀城
石垣の中と、井戸の底……。
どちらがお好みかしらぁ…………?

柳川城
~~~~っ!!?
た、助けてぇ~~……っ!

殿
…………っ!!

きゃあああ~~………!!
…………っ!!

立花山城
……はあ。
結局、また殿に助けられてるじゃないの……。

立花山城
ま、多少は積極的になれたみたいだし、今後に期待かしら……。

???
おや、単独行動とは……。
不用心ですよ……ふふふ。

立花山城
きゃっ――!
お、大垣城ね……!? 耳元はやめなさいって……?

???
ギシリ……ギシリ……!

立花山城
え、まさか…………。
……ほ、本物……?

???
フフフフフ……ッ!!

立花山城
ひ、ひぃい~~~っ!?!

大垣城
あら……?
種明かしをする前に、行ってしまわれました……。

大垣城
ふふ、大狸の影……中々使えますね……。

こうして、しばしの間……。
楽しげな阿鼻叫喚が、丑三つ時に満ち満ちたそうな――。

納涼?流されて河童娘! -絶弐-

自らの怪談に、自信過剰になっている様子の
丸亀城。大垣城から、意味深な忠告を受けた
その夜、寝付けない彼女が出会うものとは──。

前半

殿一行が丸亀城の御城に滞在するようになって、数日――。
とある、雨の日……。

丸亀城
――そうして、それ以来……。
雨の夜には、人柱にされた豆腐売りの、恨みの声が響き渡るのでした……!

丸亀城
と~ふぅ…………と~ふぅ…………!!

千狐
ひぃいいい~~っ!?

やくも
うわぁ~ん、千狐~!
うちを置いていかんでほしいだにぃ~~!!

丸亀城
……ってね♪
ふふーん、やっぱりあたしってば、逸話も語りも一級品ね!

丸亀城
み~んな、顔を青くして怖がっちゃうんだから……!
怪談なら天下、狙えちゃうかも~? なーんて♪

大垣城
…………。

丸亀城
あ、大垣城さん!
ねえねえ、あたしの自慢の怪談、聞いてかない?

大垣城
…………。
自信を持つのは良いこと、ですが……。

大垣城
怪異は怪異……。
あまり戯れに扱うと、痛い目を見るかも……ですよ……?

丸亀城
え、それってどういう……。
あらら、行っちゃった。

丸亀城
……ま、細かいことはなしなし!
さ~て、次はだれを震えさせちゃおっかな~♪

――その晩

丸亀城
ううん……だめだ。
寝しなのお茶が濃かったのかも……全然眠れないや……。

殿
…………。(スヤァ)

柳川城
すう…………すう…………。

笹原城
すぴー……。

丸亀城
(こんな夜更けに、みんなを起こしちゃ悪いよね……。
 小雨になったみたいだし、ちょっと外の空気でも吸ってきますか……)

――――

丸亀城
うーーっん……くっ、はあ……!

丸亀城
あ~、雨上がりの夜風が気持ちいい……。
ますます目が冴えちゃったよ……!

丸亀城
でもやっぱり……この時間に独りで歩いてると……。
こう、中々……雰囲気、あるわね……。

丸亀城
もしかしたら、お化けに遭遇しちゃったり……?
……なんてね♪ あはは……。

???
………………。

丸亀城
……………っ!?
……そこに居るの、誰……?

大垣城
…………。

丸亀城
な、なあんだ、大垣城さんかぁ……。
もー、びっくりさせないでよ~!

丸亀城
どうしたの、こんなとこで?

大垣城
…………私は、ただ、夜風に当たりに。

大垣城
丸亀城さんこそ、どうされたんです……?
…………夜中に、たったお独りなんて。

丸亀城
あたしも、大垣城さんと同じ!
一度目が覚めたら、眠れなくなっちゃってさ……。

丸亀城
でも良かった、実のところ、独りじゃ心細……くはないけどっ!
ね、良かったら、二人で散歩しようよ!

大垣城
…………ええ。

丸亀城
…………?

――――

丸亀城
――……ってことがあったの!
ねえ、信じられないよねー!

大垣城
…………。
…………はい。

丸亀城
(大垣城さん、どうしたんだろ……。
 なんか……普段より、返事が虚ろなような……)

大垣城
丸亀城さん。

丸亀城
っ!?
は、はい……?

大垣城
貴方はこの御城――丸亀城にまつわる、
怪談話などを……ご存じですか……?

丸亀城
えっ?
この御城って……そりゃあ知ってるに決まってるじゃない!
そもそも、あたしの御城だし?

丸亀城
そういえば、大垣城さんにはまだ話してなかったっけ……?
じゃ、とっておきの怪談……『豆腐売り』を教えてあげるよ――!

――――

丸亀城
――……そうして、今でも雨の夜は、
豆腐売りの『と~ふぅ~……と~ふぅ~……』っていう声が――

???
ト~フゥ…………ト~フゥ…………。

丸亀城
……今、大垣城さん、何か言った?

大垣城
いいえ……私は、何も……。

丸亀城
ええっ……じゃあ、この声って…………?

豆腐売りの霊
ト~フゥ…………ト~フゥ…………。

丸亀城
ひいぃっ………!?
……って、なんだ、あたしの豆腐ちゃんじゃない!

丸亀城
もう、独りで勝手に出歩いちゃ……危ないで、しょ……?

大垣城
…………。

丸亀城
え……。
私の手提げにも、豆腐ちゃんがいる……ってことは……。

丸亀城
じゃ、じゃあ……。
あんたは…………何者…………?

豆腐売りの霊
――――ッ!!!!

丸亀城
きゃあああっ!!?!?

豆腐売りの霊
オマエモ、コッチニ来テミルカ……?
オマエモ、コッチニ来テミルカ……?

丸亀城
う、うそ……なんて……ちから……!

豆腐売りの霊
オマエガ代ワリニ、柱ニナレ……。
ソウシテ、石垣ノシタデ、啼キ続ケロ…………!!

丸亀城
ちょ、やめて……っ!
大垣城さん、助けてぇっ!!

大垣城
………………。

合戦中

丸亀城
やだやだっ……なんなの、これっ……!
ま、まさか……本物の、怨霊…………!?

豆腐売りの霊
オマエモ、コッチニ来テミルカ……!
オマエモ、コッチニ来テミルカ……!

大垣城
ふふ…………。

丸亀城
はあっ、はあっ、はあっ……。
お、大垣城……さん…………?

大垣城
…………。

丸亀城
う……あなたは…………いったい……?

後半

――――

丸亀城
……っ………~~~~っ!!!

丸亀城
…………はうあっ!?
…………あ、あれ……ここ……御城……?

丸亀城
……っ、大垣城さんは……?
え、まさか…………今のって全部、夢…………?

丸亀城
あ、そうだ、豆腐ちゃんっ!
ねえ、あなたは本物よね……!?

豆腐売りの霊
…………?

丸亀城
って、そうだよね~……君は喋らないもんね……。
じゃあやっぱり……?

丸亀城
……いやいや、でも、そんなはずないよっ!
掴まれた感覚とか、ハッキリ覚えてるし……!
――…………確かめなきゃっ!

――――

丸亀城
――……あ、いたっ!
おーい! 大垣城さーんっ!!

大垣城
あら、丸亀城さん……?
どうされました? そんなに息を切らせて……。

丸亀城
はぁはぁ……。
どうって……昨日の夜のこと、覚えてないんですか?

大垣城
昨晩……?
はて、なんのことでしょう?

丸亀城
え……だって、あたしと……。
ほ、ほら、怨霊だか妖怪だかに襲われてっ!

大垣城
ふふっ……恐ろしい夢でも見たのですか……?

丸亀城
えっ、大垣城さん、覚えてない……?
……ううん……ごめんなさい。
なんでもない、かも……。

丸亀城
(うぅ、やっぱり、悪い夢だったのかなぁ……)

大垣城
丸亀城さん。

丸亀城
ひゃっ!?
は、はい……!

大垣城
……夢も現実も、案外、境界は曖昧なものかもしれません……。
貴方が見たものも、同じように……。

大垣城
ふふ、でも、気にし過ぎないでください……。

大垣城
私たちが今見ている此処も、現実である保証なんて…………、
どこにも、ないんですから。

大垣城
…………なんちゃって。

丸亀城
へ……それって、どういう……。
あ、ちょ、待ってよお、大垣城さぁーん!

丸亀城
結局夢だったの? 現実だったの……??
うわーん、誰か教えてよぉ~~っ!!



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[裏]真田丸

裏]真田丸(チャリン……チャリン……チャリン……)……貴殿か。今日は、話をしたい気分じゃない。足を運んでくれたのに、すまない。一文……二文……三文……四文……五文……六文……銭を数えていなければ、一瞬...

[裏]淀城

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[裏]桜尾城

]桜尾城殿……どうかしましたか?……ふふ、今回は間違えませんでしたよ。あなたの安らぐ顔もまた、私の喜びなのですから。私は今……海を見ていました。このどこまでも凪ゆく、厳島の海を……。厳島周辺は神域とい...

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[裏]室町第

裏]室町第殿……ふふふ。どうせまた来るって、そんな気はしていたわ。私がどんなに忠告をしても、貴方は自分の信念を曲げない。本当に……つくづく、強い人ね、殿は。私のせいで、どれほど悪いことが起こっても殿は...

[裏]大宰府

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[裏]坂本城

]坂本城大殿様……また来たのね。ふふ……別に、追い返したりしないわよ。というより……私も今ね、大殿様と話せたら、って考えてたところだったの。だから……少しの間、私の話し相手になってくれるかしら?……ふ...

[裏]佐和山城

]佐和山城……また来たのね、あなた。足を運んでくれたところ悪いけど、面白いものは何も見れないわよ?相変わらず、大坂城様のらいぶに向けて、準備をしているだけだもの。……ん、なに?『なぜ、そこまで大坂城様...

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]伊勢長島城も~、なんなのあいつら!信じらんない!寄ってたかってライブの邪魔をして!いったいどこから情報が漏れたの?もしかして、殿じゃないでしょうね……!?……そんなわけないか。あたしは、あんたにな~...

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]許昌城うーん……。ううーん……。……おや、殿か?すまない、考え事をしていて来訪に気づいていなかった。この間、殿と話してから、結婚に関して城娘達と話をしたのだ。繁栄という目的へ至る手段としての婚姻……...

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]春日山城うーん……。……うーん? ……うん?……殿?すみません! お越しいただいていたのに、今の今まで気づかずにいて!実は先日、坂戸城と謙信公の昔話をしてたのですが、その際、跡継ぎの話題が出たのです...

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