ストーリーテキスト/第七回名城番付

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目次

第七回名城番付[]

名城番付 【い】初級の段

ヨーロッパの某所に集う、六つの不穏な影。
そこで交わされる議論に終止符を打つために今、
とある催事が、始まろうとしていた……!

前半
――ヨーロッパ・某所。

此の日、とある巨大兜が会合を催したことにより、
六体もの巨大兜たちが一同に介し、額を突き合わせていた――

宇喜多直家
…………。

上杉景勝
…………。

上杉謙信
…………。

武田信玄
…………。

服部半蔵
…………ニン。

リチャード1世
ヨクゾ来てくれた、日の本の名高キ将たちヨ!
遠路はるばる足ヲ運ンデくれたこと、深ク感謝する!

リチャード1世
歓迎ノ思いに代えて、自慢の紅茶ヲ用意シタ。
……ぜひその味ヲ確カメテくれ! さぁ!

服部半蔵
(確カメヨ、と言ワレても……この身デハ、
 味を感ジルことなど、デキヌのでゴザルが……)

服部半蔵
ズズ……ズズズ……。

服部半蔵
け、結構ナお点前でゴザ、ル……?

武田信玄
……茶番ダナ。

上杉謙信
…………。

上杉謙信
して、貴様……名はリチャードと言いマシタカ。
此度はイッタイ何用デ、我らを招イタ?

リチャード1世
ウム……よくぞ聞イテくれた。日の本ノ将よ!!

リチャード1世
集マッテもらった目的ハ、他でもナイ。
城娘たちを討伐し、
我らの望む世を実現するタメの話シ合イを行いたいノダ。

上杉景勝
…………?

リチャード1世
具体的には、ソウダナ……城娘の情報、
ソシテそれに応ジル策を、我ら兜の間デ共有シタイ!

リチャード1世
ソノタメに、この茶会……もとい、
会合の場ヲ設ケタのだ!

リチャード1世
(マァ……日の本ノ歴史に名を刻ンダ将たちと、言葉ヲ交わしタイ……、
 というのが本音ダガ……建前は必要ダロウ!)

宇喜多直家
なるほど、策ネ……。
ククク……あって困るものデハナイ……。

宇喜多直家
ソレニ、互いの知識を共有スルというのも、
悪クナイ案と言えヨウ。

宇喜多直家
城娘たちはイズレも、
その由縁を元にシタ権能や、武器を扱ウ……。
知識ヲ深めるコトは、合戦の行方ニモ大きく影響スルハズ。

宇喜多直家
中デモ、吾輩の扱ウこの法術……。
硬キ鎧に身を包ンダ相手デモ、的確に体力ヲ奪ッテいく……。

宇喜多直家
人ヲ超エタ身だからコソ扱えるこの能力ハ、
単純な武力ヨリモ、余程恐ろしい。

宇喜多直家
事実……この力を持ツ城娘に、
煮え湯ヲ飲まされた兜は、ケフッ……少ナクないダロウ。

服部半蔵
…………ニン。

服部半蔵
注意ヲ払うベキ戦力……という話デアレバ、
拙者が扱ウこの投剣モ、心に留メテおいてイタダキタイでゴザル。

服部半蔵
単純な殺傷力では他ノ武器に劣ルものの……、
コノ投剣を扱ウ者は、揃イも揃ッテ曲者ばかり。

服部半蔵
戦の勝敗に与エル影響の程ハ、無視デキナイはず……でゴザル。

リチャード1世
法術、投剣……ナルホド!
いずれも戦ノ勝敗を握ル存在デアルことは間違いナイ!

リチャード1世
シカシ、忘レテはならぬぞ……戦線ヲ維持する者ガ居なければ、
それらの武器モ権能モ、意味を成サヌということヲ!

リチャード1世
ヨッテ、戦場にて最も強イ輝キを放ツノハ、
最前線にて敵の攻撃を引き受ける存在……そう、盾だ!

服部半蔵
(は、話ノ趣旨がズレてる気がするでゴザル……)

リチャード1世
ナニヨリ、
勝利のタメならその身ヲ犠牲にするコトも厭ワナイという精神!
嗚呼、何と素晴ラシイことか!

リチャード1世
ソノ決意を身に宿シタ姿は、
敵ながら見事と言う他、ないデアロウ!

上杉謙信
フゥ……。

上杉謙信
なんと……程度の低い争イか。

リチャード1世
ナンダトっ!?

上杉謙信
ナゼ気づかない……。
一ツの武器デ戦を語ロウとすることの愚カサに。

上杉謙信
何ガ起こるか分カラヌ戦の場……
そこデ求めラレルのは、連携ノ多彩さ。
……そして、その練度。

上杉謙信
兵たちノ鍛え抜カレタ連携なくして、
勝利ナド得られるハズがありマセン。

上杉謙信
そして、連携といえば……。
上杉家に連ナル城娘たちの結束にツイテは、
貴方たちも存ジテいることデショウ。

上杉謙信
ヨッテ……最モ強き城娘は、
我が上杉ノ城娘に違イナイ!

上杉謙信
自分ノ武器が最も優レテいる、
などと言い争ッテいる貴方たちには……到底敵うマイ!

上杉謙信
景勝……お前もソウ思うだろう?

上杉景勝
…………!(こくこく)

武田信玄
ふ、フフ……笑ワセテくれる。

上杉謙信
信玄……何が可笑シイ?

武田信玄
結束、連携……。
その点にオイテ、上杉ノ城娘が優レテいる?

武田信玄
よくもマァ……。
我が武田軍ノ城娘を差シ置いて、
そのヨウナ妄言ヲ吐ケタものだ……。

武田信玄
江尻城と駿河田中城に無惨ナ敗北を喫シタのが、
誰ダッタカ……よもや、忘れてはオラヌよな?

上杉謙信
ム……!

服部半蔵
…………。

服部半蔵
(コレは何とも……、
 故郷ノ城娘自慢大会の様相ヲ呈してきたでゴザル……)

上杉謙信
確かに、信玄……。貴方と縁深イ城娘に、
苦杯ヲ舐めさせられたことは認メましょう。

上杉謙信
……が、ソレによって我や、
我が城の格ヲ決定付ケラレルというのは、納得がいかぬ。

上杉謙信
何ヨリ……魂との定着が高マッタ今であれば、
我が彼奴らに遅レをとることなど、有リ得ヌ!

武田信玄
ハテ……よく聞コエぬな。
負ケ犬が吠エテいるようダガ……。

上杉謙信
信玄、貴様ァ……!
ここで雌雄を決して構ワヌのデスヨ……?

武田信玄
ホォ……やるか、謙信?
……なれば無論、儂も応ジなければなるマイ。
コノ得物で――!

リチャード1世
ふ、フフ……ふふふ……。

武田信玄
――ヌ……?

リチャード1世
はっはっは! ハーハッハ!

上杉謙信
…………?

リチャード1世
威勢ガ良くて結構デハナイカ、二人共!

リチャード1世
宿敵と結バレル因縁もマタ、一つの絆!
尊キ物語として、此世ヲ彩ルことであろう!

リチャード1世
トハイエ、この場デ論を交ワシタところで、
誰もが自らの意見ヲ突キ通ソウとするバカリ……。
話が進展スルことは望めぬ。

服部半蔵
確かに、そうかもシレヌが……。
ならば、どうするでゴザル?

リチャード1世
私に一つ良イ案がアル!

リチャード1世
コレヨリ各地にて投票ヲ行イ、
最も優レタ武器を……イヤ、城娘ヲ決しようではナイカ!

武田信玄
投票……ダト?

リチャード1世
うむ! 此世に散ラバル兜たちカラ、
強キ城娘の情報ヲ募るノダ!

リチャード1世
集マッタ票は幾千、幾万にも及ビ、
個人的ナ見解に依ラヌ情報として、大イに参考になることダロウ。

リチャード1世
何ヨリ……、
『城娘ノ情報と、それに応ジル策を共有スル』
という本来ノ目的にも役立ツはず!

宇喜多直家
戦略的ナ意味合いも持つ、トイウことか……。

上杉謙信
タダの余興ナラバ、
切って捨テタところデスガ……フム、面白イ。

上杉景勝
…………!

武田信玄
結果は分カリきっているが……まぁ良いダロウ。
これヲ機に、上杉ノ輩を黙ラセテやろう……。

服部半蔵
(ヤハリ、当初カラ大きく趣旨が逸レテいるように思うでゴザルが……)

服部半蔵
(ここは、空気ヲ読ンデ発言を控エルでゴザル。ニン……)

リチャード1世
(フフ……顔合わせ程度デ構ワヌと思っていたが、
 面白いことにナッタ……!)

リチャード1世
(このままいけば……投票トイウ名目の下、
 城娘タチにまつわる物語を数多く収集デキルに違イない!)

リチャード1世
(ソシテその中に私の魂ヲ刺激するモノがあれば、
 ……私は、さらなる力を……!)

リチャード1世
ふふ、フフフ……!

リチャード1世
ソレデハ早速……投票の段取リを進メルことにシヨウゾ!

ムーア城
…………。

ムーア城
(これだけの巨大兜が、
 一同に介して……なんということでしょう)

ムーア城
(日の本の領主様に、この危機をお伝えしなければ……!)

――数週間後。

兜軍団
ゾロゾロ……ゾロゾロ……。


ハイ、並ンデ並ンデー……。


前ノ兜ト距離ヲ保ッテ、慌テズニー。
投票箱ハ逃ゲナイカラネー。

宇喜多直家
……して、首尾はどうナノダ?


ハッ!? 直家様ッ!


無論、順調ニゴザイマス!


此地ノ兜ハイズレモ、直家様ニ忠義ヲ捧ゲタモノバカリ!
必ズヤ、直家様ノ意ニ添ッタ結果ガ得ラレルモノカト!

宇喜多直家
フム……。

宇喜多直家
ココマデは想定通り……。
シカシこのままでは、
各陣営の勢力差ガ数字に現レルだけ……。

宇喜多直家
吾輩が下剋上を果タスにはひと匙、ふた匙、
毒ヤ薬が必要にナッテくるが……。

宇喜多直家
サテ……ドウスルべきか――

???
ギャアアアアアァァァ!?

宇喜多直家
……何ダ、何事か?


シ、城娘デス!
突然姿ヲ現シ……我々ニ攻撃ヲ!

――――

殿
…………!

千狐
これは……なんという数の兜でしょうか……!

やくも
それに、奥には巨大兜の姿も見えるがや!

柳川城
あれは……宇喜多直家の名を冠する巨大兜……!

千狐
兜たちが不穏な動きを見せている、
という情報に間違いはなかったのですね!

柳川城
はい……ムーア城さんには感謝しなければなりません。

ムーア城
いえ、私はただ……、
この危機を少しでも早くお伝えしなければ、と思っただけで……。

殿
…………。

ムーア城
ええ……そうですね、領主様。
……至急、此地の兜たちを討伐しなければ!

――――

宇喜多直家
城娘ノ邪魔が入ルことは予期シテいたが、
これほど早く……それも、主タルあの男自らが乗リ込ンデくるとはな……。

宇喜多直家
しかしコレは……、
吾輩にトッテ好機と言エルだろう。

宇喜多直家
ここで殿を相手に戦功ヲ挙ゲルことができれば、
私と縁深き武器……そして城娘ニモ、
より多くの票ヲ集められるダロウ!

宇喜多直家
目指スは頂……余興と言えど、
手ヲ抜イテしまっては面白ミに欠ケテしまうのでね……!

宇喜多直家
さて……開戦といこうじゃないか、
城娘の諸君……ケフッ、ギハハハハハ……!

後半
宇喜多直家

グうぅ……ゥオォォ……!?

やくも
巨大兜の体勢が崩れただに!

宇喜多直家
仕方アルまい……。
ここは一度退き、態勢を立て直サネバ……!

宇喜多直家
しかし、このまま投票を放り捨てて、
敗北を喫するのは癪に障る……。

宇喜多直家
いや、待テ。城娘ドモが、
他の投票所を狙うつもりナラバ……ソウカ。

宇喜多直家
クク、まだ僅かにあがく余地が残っているようだ。
ひとまず、これに縋ルとしようかネ……。


撤退、撤退ィィ――!

兜軍団
撤退ッ!! 撤退ッ!! 撤退ッ!!

千狐
兜の撤退を確認……。

やくも
ムーア城が所領についてから、
ここまでえらく慌ただしかったけど、事なきを得たがや……。

殿
…………!

ムーア城
ふふ、領主様の力になれて嬉しいです♪

ムーア城
それにしても……。
塔の上から周囲を見張るのが日課だったのですが、
まさか、巨大兜の動きを掴むなんて……。

千狐
それに……巨大兜たちがまたしても、投票を開催するなんて……。

殿
…………!

柳川城
はい……目的が我々への侵略でなかったとしても、
一箇所に兜が集うこの状況は、看過できるものではありません。

やくも
だに! ムーア城の情報を元に、
こっちからガンガン攻め立ててやるがや!

ムーア城
そうですね……巨大兜たちの会合で、
耳にした情報によれば、確か――こちらです!

ムーア城
では皆さん、私の後についてきてください!

名城番付 【い】中級の段

上杉謙信の名を冠する巨大兜は、宿敵に勝利を
収めるべく、配下の兜たちを使い票を集め始める。
しかし、その場を殿たちが見逃すはずもなく……!

前半
突撃式トッパイ形兜

並ベ、並ベェーーーー!

突撃式トッパイ形兜
少シデモ早ク、一票デモ多ク!
票ヲ投ジ、上杉家ト縁深キ御城ノ順位ニ、貢献スルノダッ!

上杉謙信
急ギなさい……此地ノ投票が終ワリ次第、
次ノ地に移らなければナラナイのですカラ……。

兜軍団
御意ッ! 御意ッ! 御意ッ!

上杉謙信
リチャードの目的ハ別にアルとはいえ……、
投票の体ヲとる以上、順位が決スルこととなる。

上杉謙信
デアレバ、信玄の城娘ヲ下回ルことは許サレない……!

上杉謙信
我が軍ヲ総動員して、上杉の御城ヲ必ずや……、
最上位マデ押し上げてみせヨウ……。

桃形兜
…………。

桃形兜
謙信様、マタ信玄様ノコトヲ考エテルミタイデスネー。

突撃式トッパイ形兜
ソノヨウダナ……信玄様モ似タヨウナ感ジダッテ聞イタゼ。

突撃式トッパイ形兜
マァ喧嘩スルホド仲ガ良イッテ奴ダロ。
兜ト化シテ、ソノ気ガヨリ濃クナッタノカ――

上杉謙信
…………。

上杉謙信
お前……今、何ト……?

突撃式トッパイ形兜
ヒイイィィッ!?
謙信様ッ!? イツノ間ニ!

桃形兜
何デモッ、何デモアリマセ~ン!

上杉謙信
…………。

上杉謙信
……何と和ヤカな。

上杉謙信
信玄との諍イ……臣下ドモとの他愛もないヤリ取リ。

上杉謙信
コウシテいると……あの御方から与エられた、
兜トシテの使命ヲ忘レテしまいそうになる。

上杉謙信
我は……何故戦ウのか、何ヲ求メルのか……。

上杉謙信
信玄……オ前はドノヨウニ考える……?

――――

千狐
コンッ! 転移成功なのっ!

柳川城
やはりここにも、兜たちが集まっているようです!

やくも
ムーア城さまさまだに~!

ムーア城
あちらから強い力を感じます……!
おそらく、巨大兜のものかと!

殿
…………!

柳川城
承知しました!
それでは皆さん、出陣しましょう!

――――

突撃式トッパイ形兜
謙信様ッ! 謙信様ァァッ!

上杉謙信
…………。

突撃式トッパイ形兜
謙信様、城娘ガ現レマシタ!
現在、投票所ニ集マッタ兜タチガ応戦シテ――!

上杉謙信
ええ、分カッテいます……。

上杉謙信
我ノ気の緩ミすらも……あの御方はオ見通シ、というコトか。

上杉謙信
ふ……ドチラでも良イか。
相まみえたカラには、衝突は避けラレヌ。
……それが此世にて規定された理。

上杉謙信
サァ……参リマショウか。出陣です。

後半
上杉謙信

ぬ、ウウゥ……おォォ……!?

ムーア城
巨大兜の力は確実に衰えています。
……あともう一息ですよ!

柳川城
そうですね……力を振り絞りましょう……!

殿
…………。

殿
…………!

千狐
――コンッ!?

千狐
待ってください! 柳川城さん、ムーア城さん!

ムーア城
っ!?

やくも
あ、あれは……!?

宇喜多直家
窮地のように見エルが……どれ、吾輩の手ガ必要かな?

柳川城
宇喜多直家の名を冠する巨大兜……!

上杉謙信
オ前は、宇喜多ノ……?

宇喜多直家
ココで無惨な姿ヲ見せれば……、
投票での勝利ナド望ムべくもない。
ソノ先に待つのは信玄公に惨敗する結末……。

宇喜多直家
マァ、投票などとは関係ナク……、
ここで吾輩の手ヲ借リねば、
貴方に先はないように見エルが……。

上杉謙信
気に食ワヌな……何が狙イです?

宇喜多直家
クク……勘ぐらないでイタダキタイ。
貴方ヲ陥れたトコロで、一文の得ニモなりはしない。

宇喜多直家
恩ヲ売ッテおくには良い機会だと思ったまでのコト……。

宇喜多直家
ドチラにせよ、謙信公……。
貴方の選ブ道は、二つに一つ。
吾輩ノ策に乗ルカ、乗ラザルか。

上杉謙信
…………。

上杉謙信
オ前……この状況、ドコマデ読み切っていた……?

宇喜多直家
くく……アマリ買イかぶられては困ッテしまう。
吾輩など、多少知恵が回るだけの小悪党に過ギナイのでね……。

宇喜多直家
貴方の都合ノ良キヨウニ、
利用してモラッテ構わない。ククッ。

上杉謙信
…………。

上杉謙信
……良カロウ。
お前ノ話に乗ルことにしマショウ。

上杉謙信
我を利用スルというのなら、
相応ノ覚悟ヲしてモラウことになるが……。

宇喜多直家
交渉成立、デスカ……クク。

宇喜多直家
では、コチラへ。
傷ツイタ体は吾輩の部下に運バセよう……。


撤退ッ、撤退ィィーー!

兜軍団
撤退ッ! 撤退ッ! 撤退ッ!

やくも
あっ……兜さんたちが撤退していくだに!

ムーア城
どちらも先の戦で傷を負っています……!
討伐を果たす好機として、これ以上のものはありません!

殿
…………!

千狐
はい、後を追いましょう!

名城番付 【い】上級の段

連れ立って逃走する二体の巨大兜たち。
番付の上位に食い込む他にも企みを秘めている
ように見えるが、その胸中は、果たして……?

前半
やくも

はぁ、はぁ……やーっと追い詰めただにぃ……!

殿
…………!

ムーア城
ここまで来たからには、逃しはしません……!

柳川城
はい……ここで決着をつけましょう……!

上杉謙信
追イツカレテしまったか……。

宇喜多直家
なに、ココマデは予定と相違はナイ……。

宇喜多直家
逃避の途上デ貴方も、
体力を回復シタだろう……謙信公よ?

上杉謙信
アア……戦ウことに不自由はシナイでしょう。

宇喜多直家
うむ。ナレバ……、
我ら二人が殿を討チ果タスには、
準備ガ整ッタと言えヨウ。

上杉謙信
我ら二人……?
今、ソウ言イましたか?

宇喜多直家
ソウ……殿を倒すタメに手ヲ組むのだ。

上杉謙信
手ヲ組ム……何ノ縁も持タヌ我らがか?

宇喜多直家
先日、連携ヲ高メルことの重要さヲ説イタのは、誰だったか……。
ソレは我らも同じこと。

宇喜多直家
多クの巨大兜タチは孤立を選ンデいるようだが……。
生憎、私にソノヨウナこだわりはないのデネ。ククッ。

宇喜多直家
何ヨリ、城娘ドモもソノ多くは、
縁ヤ業による隔タリもなく……殿トイウ主の下に集い、
手ヲ組ンデいるではないか。

宇喜多直家
一つの試みトシテ、以前カラ考エテいたのだが……、
実行に移ス時がヤッテキタ、というわけダ。

上杉謙信
……始メからこれが狙イだった、というコトですか。

上杉謙信
お前の言イなりになるのは癪デスガ……、
興ヲそそられたコトも間違イナイ。

上杉謙信
ココは目的を果たすため、
片時……手ヲ組むこととしよう。

宇喜多直家
ケフッ、ゲハハハ……そうかい、ソウカイ。

宇喜多直家
デハ、出陣とイコウか。殿の首ヲ狙イにね……。

千狐
……そんな。

千狐
何の縁も持たない巨大兜同士が、手を組むなんて……!

ムーア城
ニ体が連れ立って撤退を始めた時から、
違和感は覚えていましたが、こんなことになるとは……。

殿
…………。

柳川城
はい。想定外のことですが……、
ここで背を向けるわけにはまいりません。

ムーア城
二体の巨大兜を、一手に討伐できる好機……。
そう捉えることもできますからね。

千狐
連戦続きで辛いでしょうが……皆さん!
今一度、力を振り絞りましょう!

後半
ムーア城

はあああぁぁぁっ!!

上杉謙信
ヌゥ……旗色が悪イ……!

宇喜多直家
殿も、城娘も……ソウ簡単に、
切リ崩せるものデハない、トイウことか……。

宇喜多直家
シカシ……実りはアッタ。
此度の戦ニテ、欲シテいた情報は得ルことがデキタ……。

上杉謙信
欲シテいた情報……?

宇喜多直家
魂ノ気質に違イはアレド……。
兜は所詮、兜でしかナイ……トイウことだ。

宇喜多直家
我々は、あの御方が決メタ理……定めにヨッテ虚魂ヲ縛ラレタ身。
ダガ、それでもアル程度の自由は与エられているヨウダ。

宇喜多直家
宇喜多直家と上杉謙信……。
本来であれば手ヲ組ムことなど有り得なかった、二つの魂。

宇喜多直家
ソレらが、このように……、
共闘スルのは不可能デハナイ、ということ。

上杉謙信
…………。

上杉謙信
直家、貴様……イッタイどこまで……。

宇喜多直家
クク……言ったでしょう、
買いかぶらないでイタダキタイ、と。

宇喜多直家
目的のタメなら手段ヲ選バヌ小悪党。
……吾輩など、その程度ノ存在に過ぎナイ。

上杉謙信
…………。

上杉謙信
此世ダカラこそ、此の身だからこそ、
デキルことがある、というコトか……。

上杉謙信
ふ……フフ……面白い。

上杉謙信
此度ノ戦……。
我にトッテモ大いに意義のアルものとなりマシタ。

上杉謙信
お前トイウ巨大兜と縁が生マレタことも含めてな……。

上杉謙信
マタ良からぬ策デモあれば、耳ヲ貸すクライはしてやりましょう。

宇喜多直家
ああ……ソレデハ、
利害が一致した折には、ゼヒ……。

上杉謙信
ウム……。

千狐
…………。

千狐
兜の撤退を確認しました……。

やくも
ニ体の巨大兜……それぞれ別々の方に去っていったがや……。

ムーア城
これ以上の深追いは……いえ、止めておきましょう。

柳川城
はい。長きに渡る追討戦で……、
私たちも消耗しています。

千狐
巨大兜……それも、
縁を持たない者同士が手を組み、我々と対峙するとは……。

やくも
そこまで投票が大事だったんだに……?

千狐
わからないわ……。
でも、兜がこれまでにない動きを見せ始めたことは確かよ。

殿
…………。

柳川城
そうですね……各地で行われる投票を阻止しながら、
兜の動きに注意を払うことにいたしましょう……!

名城番付 【ろ】初級の段

異国の地・ドイツ。日課の巡回中にプファルツ城は
リチャード1世の名を冠する巨大兜の尻尾を
掴むこととなるが果たして、その顛末は……。

前半
プファルツ城

こらぁ!待ちなさーい!

リチャード1世
イヤ、待て……待ツのはソチラの方だ……!

リチャード1世
私に敵対ノ意思はナイ!
私の話ヲ聞クのだッ!

プファルツ城
敵対の意思はない……ですって? どういうことです?

リチャード1世
私タチは今行ッテいるこの催事……。
投票ノ成功に、全ての力を注イデいるのだ!

プファルツ城
投票……?

リチャード1世
ウム、『この御城こそが一番だ』トイウ、
各々の思イが込めラレタ札を各地で集める……。
今の我らの目的は、ただソレダケだ!

リチャード1世
ここでお前と戦ウのは、アマリに勿体ない。
……役モ、舞台も不足シテイル。

リチャード1世
故に……ここは機ヲ改メルことにシヨウじゃないか。

リチャード1世
承諾シテくれるなら、プファルツ城……。
お前に優先的に投票シテやってもいいぞ……ドウダ?

プファルツ城
…………。

プファルツ城
投票……なるほど、よく分かりました。

リチャード1世
そうか……分カッテくれたか……!

プファルツ城
よく分かりましたが……どうでも良いんです、そんなこと。

リチャード1世
ハ……?

プファルツ城
リチャード1世の名を冠する巨大兜。
貴方、以前……私の御城やライン川に何をしたか、
忘れたわけじゃないでしょうね?

プファルツ城
あの時の怒りを思えば!
貴方が何にも企んでいなくたって、
見逃すことなんてありえないんです! 絶対に!

リチャード1世
そ……ソレハ……。

桃形兜
グウノ音モ出ナイ正論トハ正ニコノコトデスネ……。

リチャード1世
何ダト……?

桃形兜
イ、イエッ! 何デモ!

リチャード1世
ええい、ならば仕方ナイ!
この軍勢をモッテ、プファルツ城を制圧スルのだ!

リチャード1世
その後に、投票を再開スルっ! 良イなッ!


ギ、御意ッ!

兜軍団
城娘……討伐セヨ……。
   城娘……討伐セヨ……。
      城娘……討伐セヨ……。

プファルツ城
(先日、ハイデルベルク様を釈放したのは失敗でした。
 もう少し閉じ込めておけば、二人で応戦することができたのに……!)

プファルツ城
この異変に……ドイツの城娘たちは気づいてくれるかしら……。

プファルツ城
今の私にできることは……。
それを祈りながら、少しでも長く耐え忍ぶことくらいですが――

プファルツ城
――ん? なんでしょう、あの光は?

千狐
コンッ! 到着しました!

やくも
これは……兜さんたちがうじゃうじゃいるだに!

ムーア城
今回の首謀者であるリチャード1世……。
やはり異国にて投票札を募っていたようですね!

プファルツ城
……王様!
まさかこんなに早く助けが来てくれるなんて!

殿
…………。

柳川城
プファルツ城さん……。
お怪我はないようですね。安心しました。

プファルツ城
はい……今、
正に衝突しようというところで……助かりました。

殿
…………!

プファルツ城
王様が居るなら勝利は約束されたも同然!
私も力を尽くします!

プファルツ城
それでは王様、ご命令を!

後半
プファルツ城

く……どこです?どこに逃げたのです……?

ムーア城
不覚です……巨大兜の姿を見失ってしまうなんて……。

殿
…………。

千狐
配下の兜たちの多くを失い、自身も手傷を負っていましたから……、
撤退したと考えて良いかと思いますが……。

柳川城
……リチャード1世の名を冠する巨大兜は、
この辺りで投票を行っていたのですか?

プファルツ城
はい……いつも通り、御城の周辺を巡回していたら、
兜たちの姿を見つけたんです。

プファルツ城
すかさず後を追いかけたら……その先に、
あの巨大兜がいたのです……。

プファルツ城
……あ、そう言えばその時、
兜が何か話していましたね……。

プファルツ城
カゲカツ様が……エッチュウノ国でどうとか、って……。

千狐
カゲカツ……上杉景勝のことですね!

やくも
越中国でも、投票が行われる……。
きっとそうに違いないだに!

プファルツ城
なるほど、日の本に危機が……。

プファルツ城
それでは、王様たちは日の本に向かってください!

プファルツ城
こちらは平穏を取り戻しました。
後は周囲の城娘たちと力を合わせて、
警戒を怠らないようにしますので!

柳川城
プファルツ城さん……お心遣い、感謝します。

殿
…………。

千狐
承知しました!
それでは越中国へと転移し、
兜の動向を探ることといたしましょう!

リチャード1世
…………。

リチャード1世
(この私の力が、マタシテモ退けられるとは。
 日の本の王……ヤハリ侮れぬな)

リチャード1世
(それにシテモ……カゲカツだと?
 アノ無口な巨大兜のことか……!)

リチャード1世
(城娘タチ……次は彼の投票所ヲ狙うツモリだな)

リチャード1世
(ナラバ……このまま身ヲ隠シテいるわけにはいかぬな)

リチャード1世
(私の提案デ始マッタ投票なのだ。
 成功へ導クために、最善ヲ尽くさねば……!)

名城番付 【ろ】中級の段

縁深き上杉家の御城の勝利のため、配下を集めて
票を募る、巨大兜・上杉景勝。しかしすかさず、
その足取りを掴んだ殿一行が攻め込む……。

前半
兜軍団

ゾロゾロ……ゾロゾロ……。

上杉景勝
…………。

突撃式トッパイ形兜
ハイ、投票ハ順調ニ進ンデオリマス……景勝サマ。

突撃式トッパイ形兜
謙信様ノ軍勢トノ連絡ガツカナイノハ、
少々気ガカリデスガ……。

上杉景勝
…………。

突撃式トッパイ形兜
シカシ……私ハ疑問デス。

上杉景勝
…………?

突撃式トッパイ形兜
アノ、リチャードトイウ巨大兜……。
コノヨウナ余興ジミタ催シニ、景勝様ヲ巻キ込ムナド。

突撃式トッパイ形兜
我ガ主ニハ他ニモット……成スベキコトガ――!

突撃式トッパイ形兜
――イエ、申シ訳アリマセン。
過ギタコトヲ言イマシタ。

上杉景勝
…………。

上杉景勝
…………!?

突撃式トッパイ形兜
ム……ドウサレマシタ、景勝様?
何カ異変デモ?

上杉景勝
…………!

突撃式トッパイ形兜
城娘……我ラノ動キヲ嗅ギツケテイタノカ!

上杉景勝
…………。

上杉景勝
…………!

突撃式トッパイ形兜
ハッ……承知シマシタ! スグニ出陣ノ準備ヲ!

――――

ムーア城
やああぁっ!


ギャアアアァァァァァァ!!

ムーア城
兜の大軍……プファルツ城さんの話した通りでしたね!

殿
…………!

柳川城
はい……このまま一息に、巨大兜を討伐いたしましょう!

柳川城
殿……ご下知をお願いいたします!

後半
ムーア城

逃しません!さぁ、食らいなさいっ!

上杉景勝
…………ッ!?

突撃式トッパイ形兜
景勝様ッ! 景勝様ァァーッ!!

千狐
巨大兜の力が弱まっています!

やくも
この調子で押し切るだにぃ~!

柳川城
あと一息です……私たちも支援を――!

リチャード1世
待てエエエエぇぇぇぇイ!

殿
…………!

柳川城
あれは……リチャード1世の名を冠する巨大兜……!

千狐
異国で姿を消してから……ここまで向かってきたというのですか?
いったい何のために……?

突撃式トッパイ形兜
リ、リチャード様……?

リチャード1世
景勝ハ無事カ! 無事ナノダナ?

上杉景勝
…………。

突撃式トッパイ形兜
リチャード様……景勝様ハ……。

リチャード1世
良イ! 何も言ウナ!

リチャード1世
今考エルべきなのは、
態勢ヲ立テ直スことのみ。ソウダロウ景勝よ!

リチャード1世
よって……恥ヲ忍ンデひたすら撤退! 今はソレダケだ!

上杉景勝
…………。

リチャード1世
案ズルことはない!
傷ツイタ貴公ノ体は私が背負オウ!

突撃式トッパイ形兜
リチャード様……!

突撃式トッパイ形兜
アリガトウゴザイマス……感謝イタシマス……!

リチャード1世
元は私の蒔いた種、礼は要ラヌ!
……細カナ指示は任せて良いな、側近ヨ?

突撃式トッパイ形兜
ハッ!

突撃式トッパイ形兜
皆ノ者、撤退ダッ!


御意ッ!

兜軍団
撤退ッ! 撤退ッ! 撤退ッ!

やくも
兜さんたちが撤退していくがや……!

殿
…………!

千狐
はいっ! すぐに後を追いましょう!

名城番付 【ろ】上級の段

巨大兜・上杉景勝をその背に負って逃走を続ける
巨大兜・リチャード1世。殿たちを振り切れぬと
判断した兜たちがとった選択とは……。

前半
やくも

こぉら~!待つだにぃぃ~~!!

リチャード1世
…………。

リチャード1世
ヤハリ振り切ることは難シイ、か……。
このままでは追イツカレテしまうな。

上杉景勝
…………。

上杉景勝
…………!

リチャード1世
なんと。戦うというのか、景勝よ……?

リチャード1世
ダガ、無理はデキヌぞ。
手傷を負ッタ貴公の体では、勝利は望めまい……。

上杉景勝
…………!

リチャード1世
ぬ、足手まとい?
私が、貴公をソノヨウニ思っていると……?

リチャード1世
しかし……そうだな。
私の背デ休ンデいるだけでは、
貴公モ堪えられぬものがあるダロウ……。

リチャード1世
分カッタ。ナラバ、
ここは一つ……手ヲ組むこととシヨウ。

上杉景勝
…………?

リチャード1世
うむ、共闘だ……我ら二人、
各々の力を合ワセルことで活路が開カレルやもしれぬ!

上杉景勝
…………。

上杉景勝
…………!

リチャード1世
ハハッ! 良いぞ、その意気だ!
ソレデハ参ろうかッ!

千狐
巨大兜が足を止めました……。
いえ、こちらに向かってきています!

やくも
逃げ回るのを止めて……戦うつもりみたいだに!

殿
…………!

ムーア城
先陣は私が切りましょう!
では領主様、ご命令をお願いいたします!

後半
リチャード1世

グウウウウウォォォォォォ!?

上杉景勝
…………!?

リチャード1世
ヌウゥ……力を合わせても尚、敵わぬとは……!

リチャード1世
かくなる上は、モハヤ……!

リチャード1世
……景勝、ここは私に任せよ!
貴殿は撤退するのだ!

上杉景勝
…………!

リチャード1世
案ズルことはない!
私がここで前線ヲ保てば、奴らも手出しはできマイ!

リチャード1世
ソレニ、先程も話したダロウ!
……この催事はソモソモ、私が蒔いた種によるもの!

リチャード1世
ダカラ私には構ウナ……。
今はただ、自身の身を守ルことのみ考えよ!

リチャード1世
サァ……行けッ! 行けエエェェ!

上杉景勝
…………。

上杉景勝
…………!

千狐
上杉景勝の名を冠する巨大兜が撤退していきます……!

リチャード1世
フ、フフ……。

リチャード1世
我ら二人ヲ同時に討ち果たすツモリだったようだが、
目論見が外レタナ……日の本の王よ……。

殿
…………。

リチャード1世
ソシテ私にはまだ、充分ナ余力がある。
疲弊シタお前タチの追撃ヲ振り切り、
逃ゲおおせる程度の力はな……。

リチャード1世
此地デノ投票は邪魔サレタガ、
私の意思はマダ潰えてはイナイ……!

リチャード1世
投票札は、着実に集マッテいる。
マダマダ続くぞ……この催しは、続くノダ。

ムーア城
…………。

ムーア城
リチャード1世の名を冠する巨大兜……。
貴方はなぜそこまでして、投票を……?

リチャード1世
タダの余興に過ギヌと思うか……?
たかが余興に必死になるこの姿を、無様と笑ウカ……?

リチャード1世
好きにスルが良イ……私はタダ、
自身の思イに従ッテ……悔イなきよう、
この生ヲ真っ当するマデ。

リチャード1世
ダガ……お前達がコノ信念ヲ挫コウというのなら。
遠カラズ、また相まみえるコトになるダロウ。

リチャード1世
ソノ時は私も……、
全力をモッテこの信念ヲ貫クこととシヨウ。

リチャード1世
ソレデハ、また会おう……日の本の王よ。

兜軍団
撤退ッ! 撤退ッ! 撤退ッ!

千狐
…………。

千狐
兜の撤退を確認……。

殿
…………。

柳川城
投票はまだ続く……巨大兜はそう言っていましたね。

千狐
はい……。それはつまり、
兜が集っている場所が他にもあるということ……。

やくも
兜さんたちから盗み聞きした話の中に、
何か手がかりはないんだに……ムーア城?

ムーア城
……私が会合を確認した際には、
他にも巨大兜の姿がありました……。

ムーア城
確か、名は……シンゲン。
……そう、シンゲンと呼ばれていました!

ムーア城
先刻相対した上杉謙信と並び、
異様な威厳を放っていた巨大兜。
……領主様、心当たりはございますか?

殿
…………!

柳川城
その名は……間違いありませんね。
武田信玄の名を冠する兜です……!

柳川城
やはり彼の魂も……巨大兜として、
此世に顕現していたのですね。

ムーア城
それからもう一体、
あれは何という名だったか……。

ムーア城
んん……思い出せません。
ただ、口癖が少々変な感じだったことを覚えています……。

柳川城
変な口癖……ですか。

ムーア城
はい。ザル、とか……。それから、
ヌン、とか。いえ、ネンだったかしら……。

千狐
ザル……ヌン……?
なんでしょう。やはり、その者も……、
千狐たちが出会ったことのない巨大兜でしょうか?

殿
…………。

やくも
んぅ~……?

やくも
……はっ! 分かったがや!

やくも
ムーア城が言ってる口癖はきっと……『ゴザル』と『ニン』!
つまりその正体は……服部半蔵だに!

千狐
確かに、そうに違いないわ!
すごいわやくも、お手柄じゃない!

柳川城
次の相手は武田信玄、それから服部半蔵……ですか。

千狐
では参りましょう、殿。
彼の名を冠する巨大兜たちを討伐するために!

殿
…………!

名城番付 【は】初級の段

隠密、潜伏の権能により、粛々と票を集め続ける
巨大兜・服部半蔵。しかし、ある城娘の力に
よって、その企みは脆くも崩れ去ることに――。

前半
兜軍団

抜キ足、差シ足、忍ビ足……。
   抜キ足、差シ足、忍ビ足……。
      抜キ足、差シ足、忍ビ足……。

服部半蔵
ヨシヨシ……その調子デ息ヲ潜めながら、
投票を続ケルでゴザル!

兜軍団
御意……!
   御意……!
      御意……!

服部半蔵
……今、各地デ城娘が我々ノ動キに勘付き、
投票ヲ阻モウとしていると聞ク。

服部半蔵
ダガ、その点は抜かり無イ。
……敵の目を欺くのは、拙者タチの十八番。

服部半蔵
城娘に邪魔サレルことなく、
投票ヲ完遂できれば……拙者タチの票が大半ヲ占メルはず……。

服部半蔵
となれば! 拙者タチが票を投じた御城が、
上位ヲ独占スルことは必然でゴザル!

桃形兜
流石ハ半蔵様ッ! 忍ノ誇リ!
貴方ノ配下デアルコトヲ誇リニ思イマス!

服部半蔵
ふふ……ソウカ。
お主も忍の素晴ラシサに気づいたでゴザルか……!

服部半蔵
ナラバお主も遠慮なく、
日々の会話の中に『ゴザル』ヲ織り交ぜるでゴザル。

服部半蔵
そうすることでキット、
お主も憧れに近づくことができるでゴザル……。

桃形兜
ゴ、ゴザ……?

服部半蔵
ヨシ……コノ調子なら……ふふ、フフフ……!

服部半蔵
たまには忍が光を浴ビタッテ罰は当タラないハズでゴザル……!

服部半蔵
さぁ、皆ノ者! 我らの夜明ケは近いぞ!
コノママ粛々と、投票を進メテ――

千狐
そうはさせませんよ、兜たち!

服部半蔵
ニィィィィンッ!?

やくも
こんなところで息を潜めて……お陰で手間取っただに!

桃形兜
言ッテル傍カラ見ツカッチャッタ……デゴザル……。

柳川城
……助かりました、ムーア城さん。
貴方の力がなければ、
兜たちの潜伏を看破することはできませんでした。

ムーア城
自分のなすべきことをなしたまでです。
周囲を見張り……大切な物を守り抜く。
それが私……ムーア城の役目ですから。

服部半蔵
ヌゥ……索敵ノ得意な城娘ガ居たでゴザルか……。

服部半蔵
ココマデ、ことごとく投票所の場所が暴カレテいたのも、
アノ城娘の力がアッタからに違いない……。

服部半蔵
敵を侮っていたのは、拙者の方だったでゴザルぅ……。

服部半蔵
イヤ、しかし……!
考えようにヨッテハ、好機トモ言えるでゴザル!

服部半蔵
ここで奴らを叩イテおけば、
今後ノ無事は約束されるハズ……!

服部半蔵
ソウと決まれば……者共!
城娘タチを殲滅スルでゴザル!

兜軍団
ニンッ! ニンッ! ニンッ!

後半
柳川城

はあああぁぁぁっ!!

服部半蔵
ニィ……ンッ!?

服部半蔵
(マズイ……押されてイル……!)

服部半蔵
(そして、この様子デハ……同時期に投票が行ワレテいる、
 信玄公の本陣が見ツカルのも時間の問題……)

服部半蔵
(ニン……斯クナル上は……)

ムーア城
さぁ、追い詰めましたよ……観念しなさい!

服部半蔵
ふ……追い詰メタ、だと?

服部半蔵
伊賀ノ当主たる拙者を相手に、それは……。
あまりに浅薄でゴザル。

ムーア城
……なんですって?

服部半蔵
忍の本領ハ、
目にも留マラヌ身のこなし、足サバキ……。

服部半蔵
そして、そこから繰り出サレル……、
一切の無駄ナキ、撤退!

服部半蔵
そう、撤退! 者共、撤退でゴザル!


御意ッ!

兜軍団
撤退ッ! 撤退ッ! 撤退ッ!

千狐
…………。

千狐
な、なんて速さなの……。

やくも
あっという間に撤退して……姿を消してしまっただに……。

ムーア城
逃走するのに充分な余力を残していたのですね……。

柳川城
どうするべきでしょうか。
後を追っても、追いつくのは難しいように思えますが……。

殿
…………。

千狐
信玄……?
なるほど、ムーア城さんが掴んでいた、
もう一つの手がかりを追うのですね!

殿
…………!

柳川城
承知しました。それでは、
武田信玄の名を冠する巨大兜と、
縁ある地を巡ることにいたしましょう……!

名城番付 【は】中級の段

突如姿を現した巨大兜・武田信玄を前に、
なす術の無い江尻城と駿河田中城。
果たして、殿一行の救援は間に合うのか……?

前半
武田信玄

ヌウウウゥゥゥンッ!

江尻城
ぐ、ぐぅぅっ!?

駿河田中城
江尻城ちゃんっ! 大丈夫ですか!?

武田信玄
ホゥ……今の一撃を受け切ルカ。
見事、見事……。

武田信玄
儂と相対し、一歩も退カヌ度胸。
加エテ、槍と弓を織り交ゼタ連携……いずれも評価に値スル。

武田信玄
嬉シク思うぞ。儂のヨク知る御城が、
ソノ名に違ワヌチカラを備えていることヲ……。

江尻城
くっ……!

武田信玄
サテ、次の一撃はドウダ……試シテみよう――

桃形兜
シ、信玄様。
誠ニ恐縮ナガラ……具申イタシマス。

武田信玄
――ナンダ?

桃形兜
今ハ投票ノ最中ニゴザイマス。
上杉軍ノ御城ヲ上回ルトイウ、当初ノ目的ヲ果タスタメニハ――

武田信玄
謙信が主導シテイタ投票は、城娘に阻マレテしまったのダロウ?

武田信玄
彼奴の後塵を拝スルのは無論、
度し難いことだ。シカシ……。

武田信玄
謙信が退イタこの状況デハ、
投票ヲ無事に終えたところで……勝利を収メタとは到底思エヌ。

武田信玄
ソレヨリ今は……。
謙信ヲ一度退ケタという、此奴らのチカラヲ試したい。

武田信玄
ソチラの方が面白そうだ。
……ナァ、お前もそう思ワヌカ?

桃形兜
ソレハ……ハ、ハイ。モチロンデス……!

武田信玄
ドレ……次はもう少シ強クいこうか。

武田信玄
マダマダ儂を楽シマセテくれるだろう?
期待シテいるぞ……?

駿河田中城
…………。

駿河田中城
江尻城ちゃん……。

江尻城
分かっている……。だが、
周りを取り囲まれたこの状況で、どこに逃げろと言うのだ。

江尻城
できるのは、覚悟を決めることだけだ……。
私も、そなたもな。

江尻城
何より、私はこの場面で、
信玄様……巨大兜に背を向けられるような、
恥知らずになるつもりはない。

江尻城
すまないが……そなたにも付き合ってもらうぞ、駿河田中城。

駿河田中城
…………。

駿河田中城
江尻城ちゃんに諭されてしまうなんてね。
私も焼きが回ったかしら。

江尻城
……ふ。私の成長を喜んではくれないのか?

駿河田中城
ええ、今更喜ぶようなことではないもの。
江尻城ちゃんの成長なら、ずっと前から――

駿河田中城
――ッ!? なんですか、この光は!
もしかして……!

千狐
コンッ! 転移成功なの!

江尻城
と、殿……殿なのか?

殿
…………!

千狐
はいっ! 駿河国を巡っていたところ、
巨大兜の霊気を感じ、急遽転移したのです!

柳川城
今、各地で兜たちが動きを見せていて……、
私たちは、それを治めるために動いているんです。

江尻城
そうか……そうだったのか……。

ムーア城
それで……あの巨大兜は、やはり……?

江尻城
うむ……武田信玄の名を冠する巨大兜だ。

江尻城
恥ずかしながら、
私と駿河田中城の力だけでは及ばず……、
策が尽きようとしていたところだ。

江尻城
……頼む、殿。
私に力を貸してくれないか。

殿
…………!

やくも
もちろん! 始めっからそのつもりだに!

武田信玄
ホゥ……殿か。
ココで邂逅スルことにナロウとはな……。

武田信玄
……どれ、一つ楽シマセテもらうことにスルか……!

後半
江尻城

だあああぁぁっ!

武田信玄
ヌウウゥゥ……!?

千狐
巨大兜が体勢を崩しましたっ!

武田信玄
今の儂デハ望む未来は得ラレヌと思ウテおったが、
マサカ……これほどノチカラだとは。

武田信玄
さて、追イ込マレタこの状況……如何ようにシテ――

???
――信玄公ヨ、無事でゴザルか。

武田信玄
ぬ、ソノ声……半蔵カ?

服部半蔵
その傷……ドウヤラ殿の一行に、
してヤラレタようでゴザルな……。

武田信玄
ナンダ貴様……よもや、
儂の姿を笑いにきたのではアルまいな?

服部半蔵
無論、違うでゴザル。拙者は、お主ノ助太刀にきたのでゴザル。

武田信玄
儂ヲ助けるというのか。
伊賀の忍デアル、お前が?

服部半蔵
お主に対シテ特別な縁も、思イ入レも無いコトは確か……。

服部半蔵
しかし……信玄公。
お主を失ウことが我ら兜にトッテ、
大きな損失デアルこともまた確かなのでゴザル。

服部半蔵
とにかく……態勢ヲ立て直すタメに一度、撤退スルでゴザル!

武田信玄
ふ……此世ノ混沌がモタラス奇異な縁、というわけか……。

武田信玄
良カロウ……ならば儂も、
その運命のうねりに身ヲ任セルこととしよう……。

千狐
か、兜が撤退していきます!

千狐
突如割って入った、
服部半蔵の名を冠する巨大兜と共に……!

やくも
さすが忍……現れるのも、
姿を消すのも……目にも留まらぬ速さだに……!

千狐
驚いている場合じゃないわ!
すぐに後を追いましょう!

江尻城
残党の処理は私たちに任せろ!
殿は巨大兜を追ってくれ!

殿
…………!

名城番付 【は】上級の段

伊賀の当主たる力を用い、巨大兜・武田信玄を
連れて逃走を図った巨大兜・服部半蔵。
殿一行も、不屈の精神でその後を追走するが――。

前半
やくも

ふひぃ、ふひぃ~……。
あの巨大兜、なんて速さだにぃ……。

ムーア城
ええ……見失わないようにすることが精一杯です……!

武田信玄
ヌゥ……城娘ドモめ、まだ追ってきてイルのか。

武田信玄
撤退バカリでは、状況は変ワラヌ。
応戦もヤむを得ナイと思うが、半蔵……お前はどう考エル?

服部半蔵
ご安心アレ……拙者に策がアルでゴザル……。

武田信玄
……この苦境ヲ切り抜けてミセル、と申スのか?

服部半蔵
…………。

服部半蔵
今はタダ……拙者を信ジロ、としか。

武田信玄
…………。

武田信玄
……ヨカロウ。

武田信玄
運命のうねりに身ヲ委ネル……その言葉に二言はナイ。

武田信玄
……ここは貴様ヲ信じることにする。

服部半蔵
感謝するでゴザル……!

千狐
……コンッ!? 巨大兜の霊力が膨らんでいきます!

ムーア城
どうやら、撤退を諦めて応戦することに決めたようですね……!

ムーア城
またしても、二体の巨大兜による共闘、ですか……!

柳川城
相手も連戦により疲弊しているとはいえ、
決して気は抜けません。

柳川城
殿……聡明なご下知をお願いします……!

後半
服部半蔵

……ニィィィンッ!!

ムーア城
くぅっ……!!

ムーア城
戦況は優位にありますが、
巨大兜はまだ力を残しています!
皆さん、油断は禁物ですよ!

やくも
ほんっとに……ちょこまかとすばしっこい奴だにぃ……!

服部半蔵
…………。

服部半蔵
(城娘たちの注意ガ、
 目前の拙者に集中シテイルでゴザル……)

服部半蔵
(今ナラ、これを使って……!)

服部半蔵
……ニンッ!

(ぼわんっ!!)

やくも
な、なんだに、このモクモクは~!
どっから出てきただにっ!?

殿
…………!

千狐
こ、これは……煙玉ですかっ!?

やくも
けほ、けほけほっ!?
目に染みるだにぃ~!

千狐
何か特殊な毒物が混ぜられているのかもしれません!
皆さん、お気を付けて!

武田信玄
(これは、フム……)

武田信玄
(どうやら……大キナ借りを作ッテしまったヨウダ)

武田信玄
(何にセヨ……此世を楽シムには、まだチカラが足りぬ。
 今後のタメに……チカラを蓄エねばな)

――――

千狐
……っ!
煙が晴れていきます……!

千狐
…………。

千狐
兜が……姿を消してしまったの……。

やくも
まんまと逃げられてしまっただにぃ……。

ムーア城
やぶれかぶれの突進に見せかけて……、
我々城娘の気を引き、撤退の好機を伺っていたのですね……。

柳川城
服部半蔵の名を冠する巨大兜の、ここまでの動き。
振り返ってみれば、始めから撤退することを決めていたようにも思えます。

やくも
服部半蔵に、武田信玄……。
また、二体の巨大兜を退けたわけやけど……。

やくも
ムーア城が目にした巨大兜で、
まだ倒してないものはいるんだに?

ムーア城
いえ、会合に集っていた巨大兜は六体。
……これで全て、倒したことになります。

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
そうですね。
多くの兜は、投票を断念したと考えて良いかと思いますが、
……まだ、安心はできません。

柳川城
各地の城娘たちに警戒を呼びかけつつ、
私たちも各地を巡り……兜の動きを探ることにいたしましょう。

第七回名城番付 決戦初級の段

姿を消した巨大兜・リチャード1世の霊気を
追って、異国・アイルランドへと転移した
殿一行。その先でとある城娘と邂逅するが……。

前半
――兜たちによる投票が開始されてから、数日後。

各地で巨大兜たちが催していた投票を阻止した殿一行は、
主催者である巨大兜・リチャード1世を追って、
異国の地を巡っていた――

やくも
……本当にこの辺りで間違いないんだに、千狐?

千狐
ええ、確かに感じられるわ。
兜の霊気……微かなものだけど……。

千狐
ようやくここまで追い詰めたんだもの。
必ず見つけてみせるわ……!

殿
…………。

柳川城
大丈夫ですよ、千狐さん。
焦らず、無理せず……じっくりと探しましょう。

やくも
――にしても、ここ……なんだか見覚えのある風景だに。
前にも来たことがあったような……?

ムーア城
ええと確か、この辺りは……アイルランドの――

エディンバラ城
――ややっ、なんと!
そこに居るのは、王様ではありませんか!?

ダノター城
……あら、本当ね。
珍しいじゃない……こんなところまでどうしたの?

千狐
ダノター城さん、それにエディンバラ城さん!

ダノター城
それに、あなたは……ジブラルタルの……?

ムーア城
はい……ムーア城です。
お久しぶりです……ダノター城さん、エディンバラ城さん……。

ダノター城
なぜ、あなたがここに……?

ムーア城
すみません……巨大兜の気配を追っていたら、ここまで……。

ダノター城
くす……なぜ申し訳なさそうな顔をするのかしら?

ダノター城
別に、責めているわけではないのよ。
ただ驚いてしまっただけで……。

エディンバラ城
――って、巨大兜?
ムーア城さん、今巨大兜とおっしゃいましたか?

ムーア城
はい……ここ最近、兜たちが各地で投票を行っているようで……。

やくも
御城の一番を決めるがやー、
とか言ってあちこちで集まってるだに……。

柳川城
兜たちが一箇所に集うことは見過ごせません……。
そこで投票を阻止しようと、殿と共に兜を追っていたのです。

エディンバラ城
投票、ですか。
兜たちはどうして、そんなことを……?

やくも
そんなのうちが聞きたいだに~!

千狐
今分かっているのは……この催事の中心に、
リチャード1世の名を冠する巨大兜の存在がある、
ということくらいで……。

ダノター城
そう……そんなことが……。
それで、その巨大兜を討伐するために、
此地までやってきた、と……。

エディンバラ城
なるほど、なるほど!

エディンバラ城
それを知ってしまったからには私たちも、
黙っているわけにはいきません――

エディンバラ城
――よね、ダノターちゃん!?

ダノター城
……何が言いたいのでしょうか、エディンバラ城様?

エディンバラ城
お手伝いしましょうよ!
この辺りは我々にとっては庭のようなもの、
必ずや、王様の役に立つことができるはず!

ダノター城
相変わらず暑苦しいのですね、エディンバラ城様は……。

ダノター城
でも、そうですね……。
黙っているわけにはいかない、
という意見には同意します。

ダノター城
近くに兜が陣を構えているとなっては、
ゆっくりお茶を味わうこともできないもの……。

エディンバラ城
ふふ、ダノターちゃんのそういうところも、
相変わらず……ですね♪

ムーア城
感謝いたします……ダノター城さん、エディンバラ城さん……。

ダノター城
いいから行くわよ……。話を聞く限り、
悠長に構えていられる状況ではないようだし。

千狐
では……一緒に来ていただけますか。
ダノター城さん、エディンバラ城さん!

エディンバラ城
承知しました! それでは皆の者、突撃ー!

後半
エディンバラ城

兜はこれで討伐完了!
大勝利ですねっ!

ダノター城
確かに、兜の気配は感じられなくなったわ。
けど……肝心の巨大兜が見えないわね。

ムーア城
どうですか、千狐さん。
巨大兜の霊気は感じられますか……?

千狐
…………。

千狐
今感じられるのは、霊気の残滓だけ……。

千狐
この辺りに滞在していたことは間違いありませんが、
今は此地から離れてしまっているようです……。

千狐
申し訳ありません……宛が外れてしまったみたいなの……。

エディンバラ城
落ち込むことはありませんよっ!
此地に蔓延る兜を駆逐できたのですから!

ダノター城
……他に手がかりは無いの?

千狐
少々お待ちください……今、探ってみます……。

千狐
今度は……あちらの方角から力が感じられます。
巨大兜のものかは定かではありませんが……、
何か、手がかりがつかめるはずです。

殿
…………!

やくも
だに! そうと決まれば、早速出発するがや!

ムーア城
……あの、ダノター城さん。

ダノター城
……何かしら?

ムーア城
此地の守りを考えると……ダノター城さんたちがこれ以上、
ご自身の御城を離れることは、避けた方が良いかも……。

ダノター城
…………。

ダノター城
……確かに、そうね。
もしもの事もあるし、御城を空けてしまうのは良くないわ。

ダノター城
助言、感謝するわ……ムーア城。

ダノター城
そういうことだから……王様。
申し訳ないけれど、ここから先はお付き合いできそうにないわ。

ダノター城
代わりと言ってはなんだけど、
この周辺の平穏は私とエディンバラ城様で守ると約束するわ。

ダノター城
……だから、王様たちは気にせず巨大兜を追って。

殿
…………!

エディンバラ城
此の度の異変については、
周辺の城娘たちにも伝えておきましょう!

エディンバラ城
手がかりが見つかった折には、
王様の許へ便りをお送りします!

殿
…………!

エディンバラ城
はい……それでは、王様! ご武運を!

第七回名城番付 決戦中級の段

ドイツの地にて遂に巨大兜・リチャード1世を
捉えた一行。満身創痍となっても尚、前進を
続ける彼の巨大兜は、何を求めるのか――?

前半
リチャード1世

グ、ぬぅ……アァ……。

リチャード1世
あぁ……チカラが、意識が……、
薄れていく……失われていく……!

桃形兜
リチャード様……オ気ヲ確カニ……!

リチャード1世
投票は……? 投票は、
あとどの程度で終ワルのだ……?

桃形兜
コレ以上、コノ余興ヲ続ケルコトハ無意味デス!
身ヲ隠シテ、チカラノ回復ヲ待チマショウ……!

リチャード1世
余興……お前もコノ投票ヲ、余興と言ウのか……?

桃形兜
ソレハ……!

リチャード1世
ふ、フフ……賑やかで、
楽シキ時間は……マダ続くぞ。
札は、まだ集マルはずだ……。

リチャード1世
サァ、次はドコへ向かおうか――

レーヴェンブルク城
こちらです、王様っ!
巨大兜の姿を捉えました!

殿
…………!

ムーア城
やっと追い詰めましたよ……。
リチャード1世の名を冠する巨大兜……!

リチャード1世
オ前は……マ・ダムではないか……?

レーヴェンブルク城
…………。

リチャード1世
ソウカ、ここはレーヴェンブルク城の御城……。
イツの間にか、コノヨウナ場所まで来ていたのだな。

リチャード1世
見覚エのある景色だトハ思っていたが、道理デ……。

リチャード1世
アルイハ……私ノ求める『何か』はココにアルのやもしれぬ……。

レーヴェンブルク城
…………。

レーヴェンブルク城
何やら……、
以前対峙した時とは、随分雰囲気が変わりましたわね。

リチャード1世
終ワラセハせぬゾ。
コノ投票は……決シテ、邪魔サせぬ……!

千狐
巨大兜の霊気が膨らんでいきますっ!
殿、お気をつけて!

殿
…………!

後半
リチャード1世

グウウウォォォォ……!

桃形兜
リチャード様ァァッ!

桃形兜
オ願イシマス、リチャード様! 退イテクダサイ!

桃形兜
モハヤ我ラニ、ソレ以外ノ選択ハアリマセン!
コレ以上戦エバ、貴方ノ身ハ……!

リチャード1世
撤退……撤退ダト?
その先に……私ノ求メル『何か』はアルのか?

リチャード1世
ワカラヌ、わからぬ……!
この苦悩も……ソノ終ワリモ……。
私は、ドコへ向かえば良い……?

レーヴェンブルク城
……本当は、わかっているのではないですか?

リチャード1世
ヌぅ……?

レーヴェンブルク城
ムーア城さんたちから経緯は伺いましたわ。

レーヴェンブルク城
日の本の巨大兜を呼び寄せ……、
自らと由縁なき者たちの物語を求めた。

レーヴェンブルク城
その理由は、なぜか……。

レーヴェンブルク城
貴方は……寂しかったのですわ。

リチャード1世
寂シ……かった……?

レーヴェンブルク城
何より……貴方は、堪えられなかったのです。
ただの破壊者であり続けることに。

レーヴェンブルク城
以前、私の御城を攻め込んだ貴方は……そうではなかった。

レーヴェンブルク城
自らを物語の主人公に見立て、
ただ、その物語の完成を目指すだけの……権化だった。

レーヴェンブルク城
そこに変化が生じたのは……。
魂と器の定着が進み、記憶を取り戻している証拠ですわ。

リチャード1世
…………。

リチャード1世
ワカラヌな……お前が、何ヲ言ッテいるのか。

リチャード1世
ダガ……私のことを解シテイルというのなら、教エテくれ……。

リチャード1世
マ・ダムよ、私はドコヘ向かえば良イ……?
コノ心の渇キは……誰が満タシテくれる?

リチャード1世
私は感ジタのだ……日の本に名高キ魂を有シタ巨大兜と、
下ラナイ言い争いをしている時……。

リチャード1世
そして、景勝を背負って撤退の途上にアッタ時。
満タサレルような感覚を、確かに……。

リチャード1世
お前ナラ……分カルのではないか?
レーヴェンブルク城?

リチャード1世
私ガ無意識の内……何かに導カレルようにして、
此地に辿り着イタのは……レーヴェンブルク城。
お前が答えヲ知ッテいるからではナイノカ?

レーヴェンブルク城
…………。

レーヴェンブルク城
いいえ、違いますわ。

レーヴェンブルク城
私……レーヴェンブルクという御城は、
その問に対する答えを持っておりません。

レーヴェンブルク城
かつて貴方が私を『マ・ダム』と呼び、
心を捧げるべき存在として選んだのは……。
兜として顕現して間もない、混濁した貴方の記憶が映した……幻想。

レーヴェンブルク城
おそらくは、貴方の記憶の切れ端が……、
私と『何か』を重ねていたのでしょう。

レーヴェンブルク城
ですから……此地には、
貴方の求める救いはありません。

レーヴェンブルク城
私から貴方に語る言葉はなく……ただ、
この剣を突き立てることでしか、応えられないのですわ。

リチャード1世
…………。

リチャード1世
ソウカ……幻想か。

リチャード1世
この胸に抱イタ願望……それを満たすものが此地にアルと、
思い込モウとシテイタのだな……私は。

レーヴェンブルク城
…………。

リチャード1世
ふ、ふふ……フフフ……。

桃形兜
リチャード様……?

リチャード1世
……退クゾ。

桃形兜
ハ……?

リチャード1世
状況は悪ク、
我らに撤退以外ノ選択はナイ……そうダッタナ?

桃形兜
ハ、ハイッ! ソノ通リデス!

リチャード1世
答エは見エズ……夢ト現の区別もツカヌ。

リチャード1世
ソレデモ……求メルしかないのダロウな。
この物語の行方が……ここではない何処かにアルと信ジテ。

桃形兜
撤退! 撤退イィ――!

兜軍団
撤退ッ! 撤退ッ! 撤退ッ!

千狐
…………。

千狐
兜の撤退を確認……。

やくも
ふぅ……やーっと片付いたがや。
心身ともにクッタクタだにぃ……。

レーヴェンブルク城
…………。

レーヴェンブルク城
去り際の巨大兜と交わした言葉……。
まるで、人間と話しているようでしたわ。

千狐
魂の定着が高まっている証拠ですね……。

柳川城
混濁しながらも、戻りつつある記憶に……、
巨大兜自身、困惑しているようでした。

ムーア城
兜もまた、迷いを抱えながら戦っているのかもしれませんね。

ムーア城
それが私たちにとって、
付け入る隙となるのか、それとも……。

レーヴェンブルク城
…………。

レーヴェンブルク城
最期の時まで……只の怪物でいられた方が、
幸せだったのかもしれませんわね……彼も、私たちも……。

やくも
……なんだに、レーヴェンブルク城? 何か言ったがや?

レーヴェンブルク城
いえ、なんでもありません。
……考えても仕方のないことですわ。

レーヴェンブルク城
……ところで、皆さん。
この後のご予定は、空いているのですよね?

レーヴェンブルク城
投票によって兜が集う懸念は晴らされた。
……そう考えて良いのでしょう?

レーヴェンブルク城
でしたらぜひ、私の御城で休んでいってください♪
今回のお礼に、おもてなしをさせてほしいですわ。

ムーア城
言われてみれば、確かに……。

ムーア城
なんだか実感がありませんでしたが、
今回の騒動が、ようやく一段落したということですね……。

ムーア城
領主様、柳川城さん……それから千狐さんにやくもさん。
本当に……ありがとうございました。

やくも
なーに言ってるがや! 一番の功労者はムーア城だに!

千狐
ええ、今回はムーア城さんを始め……、
多くの城娘から力を貸していただきました。

千狐
折を見て、今回のお礼もしないと――ふわぁぁ……いけないの。

柳川城
ふふ、千狐さんもお疲れのようですね。
……ひとまず今は、レーヴェンブルク城さんのお言葉に甘えて、
身体を休めることを考えましょう。

殿
…………!

第七回名城番付 決戦上級の段

兜たちによる投票騒動が落ち着いてから、数日後。
此度の戦いに関わった城娘たちによって、
祝勝会を兼ねたお茶会が催されていた……。

前半
――兜たちによる投票騒ぎが落ち着いてから、数日後のこと。

ヨーロッパの某所にて、
祝勝会を兼ねたお茶会が開催されていた――

プファルツ城
それにしても……今回は大変な騒動でしたね。

レーヴェンブルク城
そうですわね。
日の本から……我々のドイツ、イギリスまで。
多くの兜、城娘が衝突する事態となりました。

ダノター城
普段とは兜の様子も違っていたわね。
投票、とか……御城の一番を決める……とか。
……よく分からないけれど。

ムーア城
はい……此の度の騒動は元々、
巨大兜の間での言い争いから始まったものなんです。

ムーア城
自身と縁の深い御城を挙げて、
私の御城こそが一番だ、と言い張って……。

ダノター城
そうだったの。まったく迷惑な話ね……。

ムーア城
ダノター城さんにも力を貸していただいたこと、深く感謝しています。
戦での戦いぶり……とっても素敵でした。

ダノター城
素敵だなんて、別に……飛んできた火の粉を払っただけよ。

ダノター城
事態の大きさを知ったのも、
全てが終わってからのことだし……大したことは――

プファルツ城
そんなことありません!
ダノター城さんは素敵な城娘です!

ダノター城
そ、そうかしら……?

プファルツ城
はい……。
冷静で毅然とした振る舞い、憧れてしまいます……。

プファルツ城
……今回のお茶会を機に、私も勉強させていただきたいです!

プファルツ城
私はいっつも、振り回されるばっかりですから……。

レーヴェンブルク城
……ハイデルベルク城さんのことですわね。

ダノター城
ハイデルベルク……噂だけはよく耳にするわね……。

レーヴェンブルク城
あの方についてはもう……一種の自然現象に近いというか、
どうしようもできないところがありますからね……。

プファルツ城
ごめんなさい……。
レーヴェンブルク城さんのところにも、度々お邪魔してるみたいで……。

レーヴェンブルク城
いいえ、謝られるようなことではありませんわ。

レーヴェンブルク城
それに、ああ見えて……、
物事の良し悪しはちゃんと見えているのですよ、
ハイデルベルク城さんは。

レーヴェンブルク城
馴れ馴れしいように見えますが、
その実……適切な距離感をわきまえていらっしゃいます。

レーヴェンブルク城
それに、奔放な振る舞いが目立つ一方で、
やるべきことはやっていますし……。

プファルツ城
確かに……酔いつぶれてまともに戦えなかった、
という姿は見たことがないですね。

レーヴェンブルク城
あの親しみやすい振る舞いも、
実際は……意図して行っているのではないでしょうか。

レーヴェンブルク城
たとえば……仲を深めることが、
戦における連携に良い影響があると見越して……とか。

プファルツ城
そこまで考えてるでしょうか、あのハイデルベルク様が……。

プファルツ城
でも……そうですね。

プファルツ城
ハイデルベルク様を中心としたドイツの城娘たちの連携が、
見事なものであることは……間違いないと思います。

プファルツ城
誰かを支えて……そして、支えられることで……、
プファルツ城という城娘は、ここまで来ることができた。
私は……そう思っています。

レーヴェンブルク城
ハイデルベルク城さんも、
プファルツ城さんのことを大切に思っているはずですよ。

レーヴェンブルク城
プファルツ城さんが持つ広い視野……そして、
適切な戦略を組み立てる頭脳はいつも、
城娘たちの勝利に大きく貢献してくれています。

ムーア城
広い視野、戦略……興味深いですね!
その知識、よろしければ私にもご教示いただけませんか?

ダノター城
確かに、面白そうね……私も聞いてみたいわ……。

プファルツ城
そんな、皆さんに披露する程のものでは……!

レーヴェンブルク城
出し惜しみしなくたって良いじゃありませんか♪
雑談の種だと思って軽い気持ちで、ぜひ!

プファルツ城
ぅ、わかりました……。
皆さんにご満足いただけるかはわかりませんが……。

プファルツ城
戦略の話をするなら……そうですね。
仮にここが戦場だったと仮定して――

後半
プファルツ城

といった感じです……いかがでしょうか。

ムーア城
なるほど……勉強になりました。

ムーア城
プファルツ城さんの力は、
ライン川の見張り役という役目に由来するものなのですね……。

プファルツ城
聞いた話では……ムーア城さんの御城には、
周囲を見張る塔が設けられているのですよね。

ムーア城
はい……タワー・オブ・ハミッジといって、
私の御城の中でも、非常に重要な施設となっています。

レーヴェンブルク城
周辺の見張り、警戒はムーア城さんの得意分野……。
今回の戦で先手を打つことができたのも、
ムーア城さんのお陰だったと聞いていますわよ?

ダノター城
そうだったの……知らなかったわ。

ダノター城
それじゃ、私もムーア城に助けられていたことになるのね。

プファルツ城
私も感謝しければなりませんね……。
ムーア城さん、ありがとうございます!

ムーア城
…………。

ムーア城
いえ……お礼を言うのは、私の方なんです。

ムーア城
皆さんの力になれて、皆さんと一緒に戦うことができて……。
私、本当に嬉しかった。

ムーア城
私が建つ地・ジブラルタルでは、
長きに渡って領有権争いが続いていました。

ムーア城
その背景から……私の存在が、
皆さんの和を乱してるんじゃないかって……、
そんな風に思うこともありました。

ムーア城
だから……決めたんです。
今回の騒動では城娘の皆さんのために、
できる限りのことをしよう、って……。

レーヴェンブルク城
ムーア城さん……そうだったのですね。

レーヴェンブルク城
私も……この戦いで得られた縁を、
大切にしたいと思いますわ。

レーヴェンブルク城
ですから、ムーア城さん。
私の御城で良かったら……いつでもいらしてください。
お友達として、歓迎させていただきますわ。

ダノター城
アイルランドに来る時には、私に一声掛けなさい……。

ダノター城
ささやかだけど……、
お茶とお菓子をごちそうするくらいはしてあげる。

ダノター城
このお茶会だけでは、今回のお礼には足りないし……、
なにより、誰かと一緒に飲むお茶も……悪くはないものね。

プファルツ城
私の御城にも遊びにきてください。
ライン川の眺望を肴に、葡萄ジュースで乾杯しましょう!

ムーア城
皆さん……!

ムーア城
ありがとうございます! 近い内……、
皆さんの御城にお邪魔させていただきます! 必ず!

大きな騒動を乗り越えて、絆を深めた城娘たち……。

彼女たちの楽しげな話し声はこの後……、
日が暮れ、夜が更けても尚、辺りに響き続けるのだった――



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