ストーリーテキスト/第49話_第六次川中島合戦_~信濃~

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第49話 第六次川中島合戦 ~信濃~[]

一方は己が義のために。一方は己が欲のために。
奸賊と定めし宿敵を。下法師と揶揄した強敵を。
戮せんとし、二体の巨大兜が霧中にて相見える。

前半
…………。

裏と表。

闇と光。

あるいは……。

地と天。

此世開闢から此刻まで、己は見極めんとしていた。

魂魄が揺蕩う在様を。

無数に連なる万象を。

而して解すは――陽と陰。

我らの対立も制約も、全ては定められたものなり。

併し、依存しなくては存在しえない〈番〉でもある。

あなや……。

消長すれども循環し。

再び巡りて〈伽〉を産む。

――陰極まれば陽となし。

陽極まれば陰と成す――。

――――。

柳川城
…………。

柳川城
……あ、れ?
私……いったい、なに……を……。

雑賀城
――ようやく目が覚めたようだね。

柳川城
雑賀城……さん?

柳川城
……そういえば、私……貴方と共に、見回りをしていて……それで……。

雑賀城
キミは倒れたんだ。

柳川城
…………倒れ、た?

雑賀城
ああ。外傷はなかったが、あの時のキミは
確かに何某かの声を耳にして夜道を駆けた。

雑賀城
柳川城……いったいキミは、
あの夜、誰と対峙したんだ?

柳川城
それは……。

???
――――。

柳川城
――うっ、ぁ……あたま、が……。

雑賀城
柳川城!?

雑賀城
すまない、起き抜けに無理を強いたようだ。
大丈夫……いますぐに思い出す必要はない。

柳川城
は、はい…………。

雑賀城
(だが……)

雑賀城
(この様子からして、妖術や幻術の類をかけられたのだろうか……?)

雑賀城
(だが、誰が何故そのようなことを柳川城に?)

雑賀城
(それに、あの夜……ボクには他者の気配を感じることはできなかった)

雑賀城
(となれば柳川城が闇夜に、己が不安を映したという可能性もある……)

雑賀城
(…………)

雑賀城
……いずれにせよ、キミが無事でよかった。

雑賀城
殿も他の者たちも随分と心配していたんだぞ?

柳川城
殿や皆さんが……?

柳川城
――っ!?

柳川城
そうでした……斯様なことをしている場合ではありませんでしたね。
巨大兜たちを止めるために、すぐにでも甲斐に向かわねば……っ!

雑賀城
…………。

雑賀城
……そうか。
キミはそれすらも認識できていなかったんだね。

柳川城
……え?

雑賀城
既にボクらのいる此処が甲斐だ。

雑賀城
キミはあれから三日も眠り続けていたんだよ。

柳川城
そんな……。

柳川城
では、いったい誰が私をここまで運んだというのですか?

雑賀城
それは、殿がキミを負ぶって――。

柳川城
ええっ!?

雑賀城
――行こうとしたんだが、
体力的な負担の面から周りに反対されてね。

雑賀城
キミにとっては不本意かもしれないが、
ここまではボクが運ばせてもらったよ。

柳川城
……そ、そうだったのですか。

柳川城
倒れた時の介抱も併せ……雑賀城さんには
多々迷惑をかけてしまったようですね……。

雑賀城
べつに……気にすることはない。

雑賀城
戦疲れで眠ってしまう城娘を負ぶうのは慣れているからね。

柳川城
……?

雑賀城
……っと、
どうやら神娘たちが来たみたいだな。

やくも
さぁて今日も柳川城の身体をうちが綺麗にしちゃるけん、まかしと――

やくも
――だにぃっ!?
千狐ぉ! はやーこっち来るがや!

千狐
もぉ、そんなふうに大声を出して。
はしたないわ――

千狐
――ココンッ!? や、柳川城さん!?

千狐
よかった、お目覚めになられたのですね!

柳川城
千狐さんにやくもさん……。

柳川城
……それに、

殿
…………。

柳川城
殿……。

柳川城
申し訳ありませんでした……。
斯様な時に三日も眠りこけていただなんて。

殿
…………。

殿
…………。

柳川城
……は、はいっ! 
負傷はありませんので、戦場に立つには不足ありません。

???
――そうか。
それを聞いて安心したぜ。

柳川城
…………!?

鍋蓋城
来たる巨大兜たちとの決戦において、

乙女城
…………。

鍋蓋城
あんたほどの城娘が欠けるとあっては、

乙女城
…………。

鍋蓋城
戦術面でも戦略面でもかなりの傷手だからな。

乙女城
…………。

鍋蓋城
って、ああもうッ! 少しは離れろ乙女城! 
いまこっちはすっげー大事な話してんだぞ!

乙女城
…………うぅ。でもぉ……。

新府城
少しは我慢してやったらどうだ、鍋蓋城?

新府城
乙女城は、我らの留守を預かるために
なけなしの勇気を振り絞ったのだからな。

鍋蓋城
う……そりゃあそうなんだが……。

鍋蓋城
ったく新府城のやつ、甲斐に戻ってきた途端、
急に威勢を取り戻しやがって……。

新府城
外界では色々と貴方に叱咤を受けたからな。
…………さすがに図太くもなるさ。

新府城
――と、それよりもだ。
柳川城の目覚めは僥倖だが、いささか時間が惜しい。

新府城
こうしている間にも巨大兜たちの接触の機は近づいているのだ。

新府城
既に、我ら甲斐に存する各部隊の準備はできている故、
可能ならすぐにでも先行する越後勢の許へ合流したい。

雑賀城
……というわけだ。
いけるか、柳川城?

柳川城
は、はいっ! 休ませてもらった分は、
しっかりと武働きにて返させていただきます!

鍋蓋城
っしゃ! そうと決まればさっそく出陣と行こうぜ!

乙女城
…………。

鍋蓋城
ん? おいっ、乙女城。
なにボサッとしてんだよ?

乙女城
……ふぇ?

鍋蓋城
もう留守番は終わりだ。

鍋蓋城
今こそ私たちの力を合わせて巨悪を打倒する時が来たんだよ。

乙女城
それじゃあ、わ、私も……一緒に……行っていいの?

鍋蓋城
ああ。
……というより端からずっとそう言ってんだよ。

鍋蓋城
暫時とはいえ、お前は甲斐を守るため
陣頭に立って皆を率いてくれた。

鍋蓋城
今のお前の勇知と、私の武技が揃えば怖いモンなんざねぇさ。

乙女城
ということは……。

鍋蓋城
ああ。

鍋蓋城
いよいよ、でっかいことを成し遂げる時が来たってわけさ。

乙女城
……鍋蓋城ちゃん。

乙女城
うんっ! わ、私がんばるよ!

殿
…………。

殿
…………。

――半刻後・信濃

坂戸城
…………。

――異様な光景だった。

視線の先――霧の立ちこめる戦場に無数の兜たちが集っている。


…………。

兜軍団
…………。

兜軍団
…………。

武田信玄
…………。

上杉謙信
…………。

それらを率いし強大なる異形は、共に動かない。

――何故。

互いに互いを求め、龍虎の如く此地に辿り着いたはず。

――だというのに何故動かない。

???
……さん?

坂戸城
――っ!?

与板城
坂戸城ちゃんってば!

厩橋城
だ、大丈夫ですか?

坂戸城
……よ、与板城? 
それに厩橋まで……。

与板城
心ここにあらずという感じでしたが。
どうかされたのですか……?

坂戸城
……すまない。
監視による疲労の所為だろう。

坂戸城
それよりも、お前たちがここにいるということは――。

厩橋城
はいっ!
殿たちがついに合流したのです。

殿
…………。

新府城
待たせたな、坂戸城。

鍋蓋城
で、状況はどうなってる?

坂戸城
……見ての通り。
依然として膠着の在様だ。

乙女城
せ、先日における我らの守護地同様……、
静観を貫いているということでしょうか。

坂戸城
いや……正確にはそれ以外に手段が無い、ということなのだろう。

柳川城
たしか……かつての川中島合戦においても、
上杉武田の両者は何千という将兵を抱えながら、

柳川城
来る日も来る日もただにらみ合い、
糧食を費やすだけの時を経たと聞き及んでいます。

雑賀城
……神速が如き攻めを得意とした上杉軍と、
大軍をもって怒濤の進撃を常とする武田軍。

雑賀城
幾千先を見通す両者だからこその膠着……か。

新府城
ならば、我らが契機を与えてやればいい。

坂戸城
……ああ。それしかあるまい。

坂戸城
千狐、戦場の中心点に我らを運べるか?

千狐
……え、ええ。
視認可能な地点であれば容易いですが……。

やくも
けど……本当にいいんかや?
あげに大量の兜さんの間に挟まれたら、どんなことになるか……。

新府城
もとより覚悟の上だ。

与板城
どのみち巨大兜は両者ともに倒さなければいけないわけですしね。

乙女城
それに今は新府城ちゃんや鍋蓋城ちゃんだけでなく、

鍋蓋城
上杉方の城娘も、こうして力を貸してくれているんだ。

厩橋城
そして、それは殿たちも同じ……。

坂戸城
此刻にあっては我らと共に在る。

柳川城
故に、虎穴に入るは今をおいて他に無し――ということですね。

殿
…………!

千狐
分かりました……。
それではいきますよ。

千狐
コンッ! 
秘技・時空……転移術なの―――っ!!

而して戦場の中枢に清浄なる輝きが舞い降り、

――川中島の戦気に僅かな綻びが生じた。

上杉謙信
終ニ……。

上杉謙信
……終ニ此ノ刻ガ来たのですね。

武田信玄
ウム……。

武田信玄
……不動ノ濃霧ガ失セテいきよるわ。


――ザザッ!

兜軍団
――ザザッ! ザザザッ!!

兜軍団
――ザザッ! ザザザッ! ザザザザッ!!

上杉謙信
朋友よ。嗚呼、我が運命ノ番ヨ。

武田信玄
宿敵よ。嗚呼、我が心魂ノ番ヨ。

上杉謙信
互いに現セシ器ハ奇形なれど、我ガ武闘ハ正義に因リテ執行せり!

武田信玄
互いに映セシ貌ハ異型なれど、我ガ侵略ハ責務に依りて断行せり!

上杉謙信
然らばイザ尋常に――

武田信玄
――弛まぬ熱情ヲ以て

我ラガ闘争ヲ始メルトシヨウ。

後半
異形すべてが吶喊と共に殺戮の意志を我らに突き付けていた。

坂戸城
――邪魔だァッ!!

兜軍団
ギャァァァアアアアアアアアアアアアアアッ!!

いける……。

――戦気に身を委ね。

私は己が心を騙しきれるはずだ――。

厩橋城
与板城さん、陣容が崩れていってます……ッ!! 

与板城
ええ! このまま一気に雑兵を蹴散らしますよ!

雑賀城
坂戸城ッ、ここはボクらが引き受ける!
キミはそのまま巨大兜を討ち取るんだ!

坂戸城
承知……ッ!

上杉謙信
…………フフ。

上杉謙信
実に見事……まさかコレ程マデノ武威を示すトハ……。

上杉謙信
房長・政景らを匿ッテイタ頃の貴方カラハ想像もツキマセンネ。

坂戸城
黙れ……。

坂戸城
……貴様が語るは虚の記憶。

坂戸城
此世の私が惑わされる道理はない!

上杉謙信
『上田は一族郎党、ひとりとして生カサヌ』

坂戸城
……!?

上杉謙信
懐かシキ辞ニテ候……。

上杉謙信
……当時、叛意を露わにスルハ上田であると解ってイタ。

上杉謙信
仙桃院ヲ盾にスレバ、私が躊躇すると考エタのでしょうネ。

上杉謙信
併シ……ソレこそ甘き夢。

上杉謙信
……総攻撃にて貴方ごと焼滅せんトシテ言を放れば、
即時、政景らは助命嘆願に走り降伏を願い出る始末。

上杉謙信
此刻ノ貴女モ……本当は臆シテイルノデハアリマセヌカ?

坂戸城
黙れと……言っている!

上杉謙信
――グ、ァ……ッ!

坂戸城
もうたくさんだ……。

坂戸城
今ここで、この坂戸が貴様を討ち果たす。

坂戸城
それで……終いだ。

上杉謙信
……。

上杉謙信
……エエ。

上杉謙信
ソレでいい。

上杉謙信
『……与板城、坂戸城。武器を執りナサイ……。』

坂戸城
…………っ!?

――聞いてはならぬ。

上杉謙信
『異形に……情ケハ不要と、心得ヨ……。』

――目してはならぬ。

上杉謙信
仮想とイエド、貴方タチは訓練してキタはず。

――解してはならぬ。

上杉謙信
戦場模型は児戯に非ズ……。

――ちがう。

上杉謙信
難しく考エル必要はアリマセン……坂戸城。

――そんな馬鹿なことがあっていいはずがない。

???
要は――――を使って――――をしている―――――だけなのですから。

坂戸城
黙れぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええ!!

――戦場・西方。

新府城
うっ、くぅぅ……。

乙女城
……これ以上は、守り切れそうにないです……。

柳川城
ハァ、ハァ……なんて出鱈目な強さでしょうか……。

鍋蓋城
クソッ……あれだけの攻撃を受けて、どうして立ってられる……?

武田信玄
カカカッ……ソレホドまでに此世ガ我らノ闘争を求めてオルのじゃろう。

武田信玄
見よ……上杉方ハ既に勝負を決したヨウジャゾ?

やくも
……ッ!?

千狐
そ、そんな……。

坂戸城
ぐっ、ぁ…………。

厩橋城
ごめんなさい、殿……。

与板城
後一歩という……ところで……。

雑賀城
…………万事休す、か。

殿
…………!

上杉謙信
否……然様ナル剣幕ヲ向ケナイデイタダキタいモノですね……。

武田信玄
是……我らハ、滅びスラも許容セント此地に臨んだトイウのに。

上杉謙信
シカシ、此世が我らノ交差ヲ求メルならば、

武田信玄
悲しき哉……今はタダ流れに任セルのみ。

上杉謙信
…………サァ、我が魂ノ宿敵ヨ。
屍山血川の道程を経、今コソ刃を交わさん。

武田信玄
ヤレヤレ……御主ハ本当に変ワラヌナ……。

武田信玄
儂らノヨウニ不足などアリハセントイウノニ。

武田信玄
ダガ……ソレデコソじゃ、下法師!!

殿
――ッ!?

柳川城
まずい……このまま、では…………殿が……ッ!

――城娘などという欺瞞を捨て、本来のお前を識れば。

柳川城
……っ!?

武田や上杉を騙る彼式の異形などに負けはしない……。

柳川城
うぅ……ぁぁ……っ!!

殿
――!?

雑賀城
柳川城!?

――思い出せ。

柳川城
…………。

貴様が何者であったのかを。

柳川城
―――――。

―――――。

上杉謙信
――ッ!?

柳川城
悪いが………もう、手加減はできぬぞ……。

武田信玄
バカな……!? 
其ノ武威は一体――。

柳川城
呀――――ッ!!

上杉謙信
――グァァアアァァアッ!?

厩橋城
い、一撃で……。

坂戸城
巨大兜たちを大破させた……だと!?

与板城
し……信じられません……夢でも、見ているのでしょうか……?

鍋蓋城
は、ハハ……ったく、あんな力を隠し持ってたなんて、柳川城も意地が悪いぜ。

乙女城
……だ、だけど、何か様子がおかしくないですか…………?

新府城
ええ……どことなく不穏なる気を感じるが……これは……。

武田信玄
……ソ、ソウカ……柳川城……。

上杉謙信
ヤハリ…………貴方ガ…………。

柳川城
下種が……口を慎め……。

柳川城
……所詮、貴様らなど〈伽〉の一形態に過ぎない。

柳川城
此ノ器に言葉を向けるなど烏滸がましいにもほどがあるわ。

――だめ。

柳川城
……っ!?

――まだ解き放つ刻ではない。

柳川城
何を言うか。
これこそ貴様が望んでいた姿であろう?

けれど、それは私の――――――ではない。

柳川城
…………そう。

柳川城
私はあの時……柳川城の名を以て殿を助けると誓ったのです!

――愚かな。

柳川城
はぁぁぁぁああああああああっ!!

上杉謙信
――――ッ!?

武田信玄
――――ッ!?

やくも
す、すごいがや……。

千狐
……巨大兜の霊気が……完全に消滅しましたわ。

柳川城
ハァ……ハァ…………。

殿
…………。

柳川城
殿……。

殿
…………。

柳川城
私……。

柳川城
……わたし、は……柳川城として……あなた、の……。

柳川城
あな…………た、の…………そ、ばに………………。

柳川城
………………………………………………………。

殿
――!?

雑賀城
……心配するな。
単に気を失っただけのようだ。

坂戸城
だが、いったい何が起こったというのだ……?

厩橋城
なんだか……先刻の柳川城さん、少し怖かったですぅ……。

与板城
ええ。明らかに尋常ならざる気色でしたし、
それに、あの強大な霊気はいったい……?

新府城
疑問は尽きぬが、柳川城が目を醒まさぬことには真相は
分かりようがない……今はこの場から離れるべきだろう。

乙女城
そうですね……。
皆さんの手当てもしないといけませんし。

鍋蓋城
ああ。あれだけの敵を同時に相手にしたんだ。
今日ばかりは流石の私もクタクタだぜ……。

???
――ハァ。何がクタクタよ……。
あの程度の雑魚に苦戦するなんて先が思いやられるわね。

殿
――ッ!?

鍋蓋城
だ、誰だ!?

???
…………あら、もう私のことを忘れてしまったのかしら?

鍋蓋城
あ、あんたは……あの時の!?

やくも
あの時のって……もしかして知っちょーがや!?

乙女城
は、はい……知ってるも何も、あの黒い城娘こそが、
殿が駿河にやってくることを教えてくれた方なのです。

鍋蓋城
てっきり、あんたらの仲間だとばかり思っていたが、
……違うのか?

雑賀城
…………ああ。

殿
…………。

雑賀城
(……なんてことだ)

雑賀城
(駿府での違和が此処で結ばれるように仕組まれていたとは……)

雑賀城
(だが、ヤツはいったい何者なんだ? あのような相貌の城娘など――)

???
――多聞山城からは聞かされていないぞ。

???
そう言いたげね、雑賀の城娘。

雑賀城
――なっ!?

???
まぁ、本来ならば、
こんなところで対峙する予定じゃなかったんだけど。

???
此世の歪みの程度からして、
悠長に傍観してる場合でもなくなってきたからね。

殿
…………。

???
……殿。

殿
…………。

???
ひとつ訊く。

???
今の貴方は、私の名前を口にできるかしら?

殿
…………。

???
…………ふん。

???
そうでしょうね。

???
……何も口にできるはずがないわ。

???
だって、此世の貴方は木偶だもの。

殿
…………!?

???
……だからこそ、しかと刻みなさい。

???
この私を。

???
柳川城に全てを奪われた黒き城娘――。

立花山城
――立花山城の名をね。

――同時刻・某所。

豊臣秀吉
……オイオイオイ。

豊臣秀吉
コイツぁタマげた……。

豊臣秀吉
まさか此刻ニオイテ、アノ城娘が殿の味方にツクとはねェ。

豊臣秀吉
イヤハヤまったく……。

豊臣秀吉
あの御方ノ筋書きも、此処まで来ルト狂乱を通り超シテ粋でスラある……。

豊臣秀吉
……が、こうなってシマエば悠長に笑っテラレル場合でもねェなァ。

豊臣秀吉
彼奴が動いたとナレバ、柴田のオッサンも黙っちゃいねェだろうしィ……。

豊臣秀吉
……今川ノ阿呆モ、松平のガキを使って何か仕掛ケテくるに違いねェ。

豊臣秀吉
あ~ァ……。

豊臣秀吉
此世はイヨイヨもって混沌ノ直中に進んでいくワケだ。

豊臣秀吉
フフ、ハハハハハハ……。

豊臣秀吉
……信長様。

豊臣秀吉
アンタのいなくなった世界……今ばかりはコノ秀吉めが転がシテみせましょう。

豊臣秀吉
……果たシテ吉と出ルカ凶と出ルカ。

豊臣秀吉
マ……憂世ノコトは所詮博打……ってなァ。

豊臣秀吉
望ム世界ガ産まレルまで……俺タチは逝き続ケルまでのコトさ……。



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