ストーリーテキスト/武神降臨!真田幸村

ページ名:ストーリーテキスト/武神降臨!真田幸村

武神降臨!真田幸村

武神降臨の儀を果たした真田幸村は、
大坂城を手中に収め戦を仕掛けてきた。
真田丸に攻め入り、此地を解放せよ!

前半

???
――父上! 御屋形様は!?

――――。

???
直江殿、私は景勝様に――。

――――。

???
私は大坂城を――太閤殿下のご意思を――。

――――。

――大坂城。

真田幸村
……眠ってしまっていたようだね。

真田幸村
ここ最近、ずっと同じ夢を見る。
ボクだがボクではない、誰かの夢。

真田幸村
きっとこれは真田幸村の夢だ。

大坂城
人質を前にして、よく眠れますね。
というか、そもそも兜って寝るんだ……。

真田幸村
キミたちの知る「眠る」とはおそらく違う。
意識がこの鉄の身体を離れて、
どこか遠くへ行ってしまうような――

真田幸村
言葉で説明できないから、
ボクは「眠っている」と言うけれど。

桃形兜
幸村様!
書状ハ無事ニ、殿ノ陣ヘ届ケマシタ!

真田幸村
そうかい。
じゃあ、時間も掛からずに攻めてくるだろうね。

真田幸村
真田丸の各所に兜軍団を配置。
見張りの数も増やそうか。

桃形兜
ハハッ!

大坂城
書状って、わたくしに書かせたやつですよね?
あれは果たし状……なんでしょうか?

真田幸村
直江の兼続から教えてもらったんだ。
覚悟決めた時は、思いの丈をしたためた
手紙を送り付けてやると良いってね。

真田幸村
さて、ボクも策を詰めなくちゃ。
相手は殿だ。
二重三重に練っても足りないくらい……。

真田幸村
お菊。
大坂城の相手は任せたよ。
戦が始まるまで、退屈させないようにね。

お菊
行ってらっしゃいませ、幸村様。

真田幸村
(御屋形様は、いまだボクの前に姿を現さない)

真田幸村
(ボクはまだ、その器ではないというのか)

大坂城
行っちゃった……。
もう~、自分の立場が良く分からない!

お菊
幸村様が大坂城を占拠して、
大坂城様はその、人質ということでは?

大坂城
そうなんだけど、
逃げたきゃ逃げても良いなんて言われるし……。

大坂城
あなたも人質なんだよね?
あの巨大兜にさらわれて、今日までずっと。

大坂城
人質だけを残して、見張りも置かないなんて……。
あなたは彼から、そんなに信頼されてるのかな?

お菊
確かに私は幸村様にさらわれて、
初めは怖くておびえていましたが――

お菊
幸村様は、決して私に乱暴はしませんでした。
他の兜たちにも、させませんでした。

大坂城
守ってくれていたってこと?

お菊
事あるごとに私のことを「守るべきもの」と
口にはされていましたが、どうでしょう……?

お菊
私は、今でも幸村様のことがよく分かりません。

お菊
ただ、私自身は、あの方のことを怖いとは、
思っていません。

(チャリン)

大坂城
それって六文銭?

お菊
幸村様に教えてもらったんです。
真田の旗印は、命を捧げる覚悟を示したものだ。
死を恐れ、絶望しないためのお守りなのだ――と。

お菊
そう言って、私にもこれを作ってくださいました。

大坂城
うぅん……ますます、
あの兜のことが分からない。

大坂城
殿~、早く助けてくださ~い!

――大坂城を臨む陣。

柳川城
――殿。
大坂城を占拠した巨大兜からは、何と?

殿
…………。

立花山城
殿の功績をたたえるように見せつつ、
大坂城を占拠した正当性を、
書状にびっちり書きなぐってるのね。

柳川城
まるで『直江状』――この場合は『真田状』ですね。

立花山城
真田幸村の名を冠しているだけあるわ。
いっそのこと清々しい宣戦布告ね。

やくも
殿さん!

殿
…………!?

柳川城
もしかして、真田丸さんたちが
到着したんですか?

やくも
いや、真田丸たちじゃなくって――

雑賀城
殿……!
ぜひボクも、この陣に加えてくれ!!

柳川城
雑賀城さん!?
ど、どうしてそんなボロボロに?

雑賀城
……敵陣の偵察をするつもりが、
兜に見つかってしまってね。

立花山城
偵察じゃなくて、
ひとりで突っ込んだんじゃないの?

雑賀城
うぐ……。

立花山城
……突っ込んだのね。

雑賀城
大坂城ちゃんの一大事とあれば、
じっとしているわけにはいかないじゃないか!

雑賀城
あの隣接した出城……なんとも堅固な守りだ。
あれが噂に聞く真田……真田――

(ばたり)

柳川城
……気を失ってしまわれました。

やくも
運んで手当をしておくだに……。

千狐
――殿!
真田丸さんたちが来てくれました!

真田丸
御屋形様、後れを取って申し訳ありません。
皆と急ぎ策を練っておりましたもので。

名胡桃城
真田の巨大兜が動き出したっていうなら、
黙ってるわけにはいかないよね。

殿
…………。

上田城
礼には及ばん。
真田のことは、真田に任せておけばよい。

真田丸
時間もないので、急ぎ、策をご披露します。

真田丸
敵は、大坂城とその出城――真田丸に
陣を敷いているものと思われます。

真田丸
そして相手が真田幸村であるならば、
必ずこの出城に我々をおびき寄せようとするはず。

上田城
誘い出して迎え撃つのは、真田が最も得意とする戦だ。
だからこそ、あえて乗ってやるものとする。

真田丸
ただし、乗るのはこの真田丸と――

真田丸
――母上。

真田丸
――そして名胡桃城殿です。

名胡桃城
私と真田丸は、あの巨大兜の覚えがめでたい。
そこに上田城様も加われば、
きっと巨大兜の目を釘付けにできるよ。

上田城
その隙に乗じて、
殿は転移術で大坂城に潜入し、
人質を救い出してもらいたい。

上田城
背負うものがなくなれば、
あとは出城の内と外から敵陣を封じ、
巨大兜の首を取るのみ。

上田城
ここですべての決着をつけてくれよう。

千狐
ですが、転移術は狙った場所に出られるとは……。

上田城
その点は抜かりはない。
豊臣と真田、両名に所縁のある案内役を用意した。

指月伏見城
むぅ……面倒なことに巻き込まれてしまった。
豊臣の縁が必要なら、妾ではなく、
木幡山伏見城でもよいのではないか?

指月伏見城
せっかく股火鉢で布団にくるまって、
雪見を楽しんでおったのに……。

真田丸
木幡山伏見城殿は、徳川家に縁のあるお方。
対して指月伏見城殿は、真田幸村と父君、
真田安房守が普請された御城ではありませんか。

指月伏見城
ド正論にぐうの音も出ん……。

指月伏見城
ええい、大坂城のやつが心配なのは、妾も同じじゃ!
此度だけ!
此度だけじゃぞ!

柳川城
ありがとうございます!
よろしくお願いします!

指月伏見城
豊臣家は代々、家族を大事にしたものじゃ。
ここで大坂城を見捨てたとあれば、
妾も今後、ぬくぬく隠居できんわ。

真田丸
以上が、真田幸村という武士をよく知る、
我々の策でございます。
殿のご判断を。

殿
…………。

殿
…………!

柳川城
はい!
必ずや、大坂城さんを助け出し、
巨大兜を討ち果たしましょう!

――真田丸。

真田幸村
……来たね。

殿
…………。

真田幸村
日の本一の兵とは何か、ボクなりに考えていた。
でも結局、答えは得られなかった。

真田幸村
それはきっと、自ら名乗るものではなく、
結果が示す事実でしかないからだ。

真田幸村
『守る者の存在が人を強くする』?
馬鹿を言え……!

真田幸村
守る者は、守る者でしかない。
ボクの強さには何の関係もない。

真田幸村
だけど、ボクが確かに強かった証として、
お菊には――

桃形兜
幸村様! ゴ采配ヲ!

真田幸村
分かっているよ。
真田の戦を見せてやろう。

真田幸村
この戦いに勝った時、
ボクははじめて、
日の本一として認められるんだ。

柳川城
殿!
出城から赤備えの兜たちが出てきます!
数は……ごくわずかです!

兜軍団
バーカ!
アーホ!
オタンコナスー!

やくも
あれは挑発……なんだに?

立花山城
そのつもりだとしたら、
完全にナメられてるわね。

上田城
むしろ好都合だ。
ここは存分にナメてもらおう。

真田丸
我らは参ります。
御屋形様も、どうぞご武運を。

殿
…………!

桃形兜
城娘ノオビキ出シ、成功デス!

真田幸村
ふふん、ここまでは想定通りだ。
さて、一番槍はどこのどいつかな?

真田丸
やあやあ、我が名は真田丸!!

上田城
上田城!!

名胡桃城
名胡桃城!!

真田丸
兜の赤備えなど恐るるに足りず!
我らの槍の錆となりたい者から、
かかってこぉぉぉぉい!!!

真田幸村
はははっ、そうか!
キミたちが来るのか!

真田幸村
これは願ってもないことだ!
かつての雪辱を晴らす好機!
今のボクと、この城があれば……!

真田幸村
各部隊、心して掛かれ!
敵はボクと同じ、
日の本一の兵の器だ!

真田幸村
だが、お前たちにはボクがついてる!
真の『日の本一の兵』たる、このボクが!

兜軍団
オオオォォォォォォ!!!

――大坂城内。

千狐
――コンッ!

千狐
転移、無事に成功しましたわ!

指月伏見城
おお、上手くいったようじゃな♪
ぶっちゃけ自信は無かったが。

大坂城
殿!?
それにみんなも!?

やくも
大坂城!
無事みたいだに~!

大坂城
もしかして転移術で?
外は戦が始まってるみたいですけど……。

殿
…………。

大坂城
なるほど、真田丸ちゃんたちが。
早く合流して助けなくっちゃですね!

立花山城
それにしても、静かな城内ね……不気味だわ。
見張りの兜もいないようだし。

お菊
城の人たちは、大坂城様以外、
幸村様が場外へ解放しました。
ここには、私と大坂城様しかいません。

柳川城
ええと……この方は?

大坂城
身の回りの世話をしてくれたお菊ちゃんです。
巨大兜に攫われた町娘さんで……。
あの、殿、この子も一緒に連れ出しても?

殿
…………。

大坂城
よかったぁ!
これでもう安心だよ、お菊ちゃん。

お菊
は、はい……ありがとうございます。

やくも
そうと決まったら、こんな薄気味悪い城、
はやく出てしまうがや!

指月伏見城
薄気味悪いとか申すな!
仮にも関白のための城じゃぞ!

大坂城
か、仮じゃなくって、
そうなんです~!!

立花山城
遊んでないで行くわよ。
兜が潜んでいるかもしれないし、
警戒は怠らないで欲しいわね。

殿
…………。

柳川城
殿! 本丸を出ます!
このまま真田丸さんたちと合流して、
兜を挟み打ちに――

兜軍団
ザザッ……ザザッ……。

柳川城
こ、これは……赤備えの兜が既に、
辺りを取り囲んでいます!!

真田幸村
――大坂城へようこそ!

真田幸村
待っていたよ殿!
そして城娘たちも!

立花山城
巨大兜!?
出城で戦っているはずじゃ……。

真田幸村
もちろん、ボクの優秀な配下が、
真田丸たちと戦っているよ。

真田幸村
その間、ボクは本陣を伴って、
こうして本丸を包囲していたわけさ。

指月伏見城
大坂城を守りながら、
その本丸を包囲するじゃと!?
なんと意味のな――面倒なことを!

大坂城
意味って……まさか、
殿たちが城内に潜入するのを見越して?

真田幸村
真田の城娘が出てきた時点で、
どうしようもない確証があったのさ。
敵はボクの策を、必ず上回ってくるって。

真田幸村
だからボクは、正面を配下に任せて、
こうして後方の守りを固めた!
大当たりだったみたいだね!

大坂城
信じたって言うんですか?
敵である真田の城娘の力を……?

お菊
幸村様……。

真田丸
御屋形様ぁぁぁぁ!!!

桃形兜
申シ訳アリマセン!
我々ダケデハ、真田ノ城娘ヲ
抑エキレマセンデシタ!!

上田城
しくじった……!
まさか敵が陽動をしておきながら、
正面の守りを捨てるとは。

名胡桃城
でも、どうにか間に合ったね。
ここから遅れは取り戻すよ……!

真田幸村
(パチパチパチ)

真田幸村
これで役者は揃ったね。

真田丸
巨大兜……おのれ!!

真田幸村
お互いに策は切り終えた。
こうして全軍、相まみえたら
真向から死力を尽くすのみだ!!

千狐
巨大兜の霊気が、
異常なほどに膨れ上がっています!

真田幸村
ボクこそは真田幸村……!
『日の本一の兵』の名が欲しければ、
この槍を受け切って見せるがいい!!

合戦中

真田丸
巨大兜とその配下が来ます!

名胡桃城
真田幸村……私と戦った時とは、
まるで別人のようだね。

真田丸
拙者の時とは言わずもがな。
まさしく大坂の陣における、
真田幸村を見ているようです。

大坂城
それってつまり……。

真田丸
はい。文字通り、死力を尽くす気概。
刺し違えても戦に勝つという、
勝利への執念と覚悟によるものです。

名胡桃城
闇雲に槍を振るっていた時とは違う!
殿……気を付けて!

真田幸村
ぐっ……!?

真田丸
配下の兜はもういない!
真田幸村……覚悟ッ!!

真田幸村
まだ……ボクはまだ負けてない!

大坂城
嘘っ、まだ動けるの!?

真田幸村
真田幸村は確かに強者だったと――

真田幸村
記憶と歴史に刻み込むまで……ボクは!!

後半

兜軍団
ギャァァァァァァ!!!

桃形兜
幸村様……ゴ武運ヲ……。

柳川城
赤備えの兜たちは全滅です!
残るは巨大兜のみ!

真田丸
配下は全て下した!
覚悟しろ!
真田の巨大兜……ッ!!

真田幸村
ボクは――

真田幸村
――ボクは『日の本一の兵』だ!!
その覚悟と誇りをもって、戦場に立っているッ!!!

真田幸村
破ぁぁぁぁぁぁ!!!!!

真田幸村
其の疾きこと風の如く――ッ!!

名胡桃城
間合いが一瞬で――

真田幸村
其の徐かなること林の如く――ッ!!

名胡桃城
いや、消えた……!?

指月伏見城
上じゃ! 名胡桃城!

真田幸村
せいやぁぁぁぁぁぁ!!!

名胡桃城
乱れ突き!?
槍さばきが……追いつかない!

真田丸
させるか! 母上!

上田城
ああ! 脇がガラ空きだ、巨大兜!

真田幸村
邪魔だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

真田丸
そんな振り回すだけの槍など、
受け止めてしまえば――

真田幸村
覇ぁぁぁぁぁぁ!!!!!

上田城
この重さは……ぐぅっ!?

名胡桃城
きゃあぁぁぁぁぁ!?

立花山城
ひと振りで、城娘三人まとめて弾き飛ばした!?

真田幸村
――侵掠すること火の如く。

真田丸
この力……やはり本物か。

指月伏見城
あ、あやつら大丈夫かのう?

名胡桃城
大丈夫! まだ戦える……けど!

上田城
個別に掛かっても、
大海に小石を投げるようなものだ!
一斉に参る!

真田丸
指月伏見城殿もお頼み申す!

指月伏見城
ええい! 褒美は余暇と団子じゃぞ!!

真田幸村
まだ……まだだ!!

柳川城
巨大兜が突っ込んできます!
私たちも援護を!

立花山城
やってるわよ!
でもあの巨大兜、止まらないッ!

真田幸村
動かざること山の如し――ッ!!!

千狐
山っていうか砲弾なの!

真田丸
まるで『かるばりん砲』か……!!

真田幸村
城娘の力は、この程度なのか?
やはりボクは……強い!!

真田幸村
冬も夏も、勝っていた!
負けるはずなど無かったんだ!

真田幸村
なのに真田丸も、城の守りも、全部取り上げられた!
徳川の狸親父がボクらを欺いて……!

真田幸村
負け戦をしておいて『日の本一』だなんて、
まるであざけ笑うようじゃないか!?

大坂城
やっぱり、後悔しているんですか……?
あの日、あの時、豊臣家に戻って来たことを。

真田幸村
……後悔はしていないよ。
ボクが抱えるこの魂は……たぶん、ね。

真田幸村
だが、ボクは真田幸村であり、兜だ。
ボクがボクとして美しく、
槍のように真っすぐであるために――

真田幸村
――兜としての義を通している。

真田丸
義……それは景勝様の……上杉の教え。

真田幸村
……予定変更だ。
大坂城、ボクは今からキミの首を取る。

大坂城
えっ……!?

真田幸村
ボク自身が、あの日の大坂を乗り越える。
その先にきっと未来は開かれる。

真田幸村
兜として生まれ堕ちた、ボクの未来を――

真田幸村
――ボク自身のこの手で!!

お菊
大坂城様、逃げて!!

大坂城
お菊ちゃん!
あなたこそ、こんなとこに居ちゃ……!?

真田幸村
人は城……人は石垣……兵は詭道なりぃぃぃぃ!!!

殿
…………!

真田幸村
殿! やっぱり最後はお前だったね!
相手にとって不足はない……!!

殿
…………!!

柳川城
殿……!?

真田丸
名胡桃城殿……!

名胡桃城
分かってる!
届けぇぇぇぇぇ!!!

巨大兜の槍が殿を叩き潰そうとしたその間際、
飛来した名胡桃城の槍が、
無防備になった兜の背を貫く。

真田幸村
……ぐっ。

柳川城
巨大兜が膝を……!
殿、ご無事ですか……!?

殿
…………。

殿
…………!

真田丸
……はい、御屋形様!

上田城
巨大兜……覚悟ッ!!

真田丸と上田城の槍が、膝をついた巨大兜の頭上に閃く。
真田幸村の名を冠したその者は、
抵抗することなく刃を受け入れた。

真田幸村
ふっ……ふふふっ……。
やっぱりボクは、
大坂に囚われたまま……か。

名胡桃城
『日の本一の兵』なんて、
そこまで欲しい称号なの……?

真田幸村
欲しいさ……ただひとつの、ボクが生きた証だから。

大坂城
私は、あなたの魂を苦しめることしか
できなかったのかな……。

お菊
幸村様……これを。

真田幸村
お菊……これは、六文銭の守り……。

真田幸村
ダメだ……このお守りは、
これからの乱世を生きていく、
お前が持っているんだ。

真田幸村
いつ死すとも分からない世界で、
今を精一杯に生きるために……。

真田幸村
代わりに、歌を歌ってくれないか。
子守歌……お前といる間、あれがあると、
ボクは『眠る』ことができたんだ。

お菊
……はい。

お菊
~~~~♪

千狐
巨大兜の霊気が弱っていくの……。

大坂城
お菊ちゃん……わたくしも、歌っても良いかな?

お菊
もちろんです。

大坂城
~~~~♪

お菊
~~~~♪

真田幸村
ああ……思い出すよ。
捨様にも、拾様にも……
御城でよく、歌っておられた。

真田幸村
秀吉様は……家族を大事にした。
この城に居ればボクも、
その一員になれたような気がした……。

指月伏見城
あの頃は大坂も伏見も……
とにかく賑やかじゃったな。

指月伏見城
太閤殿下はとにかく、
賑やかで、華やかな、
お祭り騒ぎが好きなお人じゃ。

真田幸村
真田の家紋を知っているかい……?
六文銭……じゃあないんだ。

真田幸村
あれは戦に向かう心構えのようなもの。
本当は――雁金。

真田幸村
家族に幸せをもたらす願いを込めた――

(……一文)

(……二文)

(……三文)

(……四文)

(……五文)

(……六文)

(…………?)

(あれは……ああ……あれは……)

千狐
真田幸村の名を冠した巨大兜……
完全に沈黙しました。

大坂城
……お菊ちゃん。

お菊
幸村様は、私を大坂城様に引き合わせるために……
この城を占拠したのかもしれません。

お菊
ですが……大丈夫です。
私は幸村様がこの世に生きていたことを胸に、
このお守りを握りしめて生きていきます。

お菊
六文銭――『日の本一の兵』が生きた証を。

――大坂城から遠く。

武田信玄
幸村よ……しかト見届けタゾ。

武田信玄
ソナタの武功ニ、褒美をやれヌ、我を許セ。

武田信玄
その志ハ、我ラが必ずヤ、
乱世に証とシテ遺しテ見せよウ。

武田信玄
のう……盟友ヨ。

上杉謙信
……然リ。

上杉謙信
真田幸村――我が盟友ノ『魂』、その胸中に見タリ。

武田信玄
真田幸村――我が盟友ノ『義』、その胸中に見タリ。

上杉謙信
その魂ハ、天下を治めル器ではなくトモ――

武田信玄
確かニ天下に轟く名将ジャ。

武田信玄
――天晴ナリ。

上杉謙信
――天晴ナリ。

上杉謙信
安心してお眠りなサイ。
乱世の英雄ヨ。

武田信玄
ここから先ハ、新たナ天下取りノ戦。
小童にハ、少々荷が重いかもしれヌ。

上杉謙信
しかシ、其方が示しタ上杉の『義』は、
今一度この謙信ノ元へ――

武田信玄
武田の『魂』ハ、今一度この信玄ノ元へ――

上杉謙信
連れて参る……!

武田信玄
連れて参る……!!

上杉謙信
盟友よ……我ら武神をその身に宿し――

武田信玄
――再び天下に名乗りをあげてくれようぞ!!
がははははははっ!!!!

???
……い。

???
……おーい。

豊臣秀吉
本当はもう、起きてるんでしょう?
狸寝入りなんて、家康の旦那ならまだしも、
あんたには似合いませんよ。

豊臣秀吉
まあ……寝てても起きてても、
どっちでも良いんですけどね。

豊臣秀吉
何やら面白いことが始まりそうなんで、
一応、声をかけたってだけでさぁ。

豊臣秀吉
こっから先は、互いの立場なんて、
関係なしでようござんしょ?

豊臣秀吉
あっしもあっしでねぇ、ワクワクしてるんですよ。

豊臣秀吉
天下取り?
いやいや、単純に誰が一番強いのかって話ですよ。

豊臣秀吉
武士としては後れを取っていたでしょうが、
この身体なら対等に渡り合えるってもんですから。

佐竹義重
だっはっはっはっはっ!
殿下ぁ!
そろそろ参りましょうぞ!

豊臣秀吉
おいおい、殿下はもうやめてくれって言っただろ。
あんたもあんたで、俺の顔色なんてうかがわないで、
好きにやっちまってくれていいんだぜ?

佐竹義重
おっと、こいつは失敬!
どうにも内なる魂の囁きに、
ひっぱられてしまいましてなぁ!

佐竹義重
この鬼佐竹……いや、漢佐竹!
我が覇道を阻む者なら、
殿下であろうと轢き潰してごらんに入れよう!

佐竹義重
まずは、あの小娘にひと泡吹かせた後、その後は――
だっはっはっはっはっ!!!

豊臣秀吉
あーあ、行っちまったよ。
本当に分かってるんだかねぇ。

豊臣秀吉
それじゃあ、こっちはこっちで好きにやりますんで。
気が向いたらあんたもどーぞ。

豊臣秀吉
……なんて言いながら、
あんたのことだから、真っ先に
駆け出すんじゃないかって思ってますよ。

豊臣秀吉
ねぇ――信長様ぁ。

変身[]

真田幸村
理を失った浮世で、明日もボクがボクである保証はない。
なら六文銭を胸に、ボクが生きた証をこの地に刻む。
日の本一の兵……島津が称えた、この真田幸村の名をッ!!



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]大宰府おお、殿か。よく来てくれたな。今な、手紙を整理しておったのじゃ。最近は毎日、誰かしらから届くのでな……。この手紙は……、『大宰府ちゃん親衛隊』を自称する者たちからじゃな。大野城、鞠智城、基肄城...

[裏]坂本城

]坂本城大殿様……また来たのね。ふふ……別に、追い返したりしないわよ。というより……私も今ね、大殿様と話せたら、って考えてたところだったの。だから……少しの間、私の話し相手になってくれるかしら?……ふ...

[裏]佐和山城

]佐和山城……また来たのね、あなた。足を運んでくれたところ悪いけど、面白いものは何も見れないわよ?相変わらず、大坂城様のらいぶに向けて、準備をしているだけだもの。……ん、なに?『なぜ、そこまで大坂城様...

[裏]伊勢長島城

]伊勢長島城も~、なんなのあいつら!信じらんない!寄ってたかってライブの邪魔をして!いったいどこから情報が漏れたの?もしかして、殿じゃないでしょうね……!?……そんなわけないか。あたしは、あんたにな~...

[花嫁衣装]鹿児島城

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[花嫁衣装]鮫ヶ尾城

]鮫ヶ尾城はあ……春日山城サマの祝言、想像するだけでドキドキしてしまうっす!ね、ちびサマ~♪……ん?どうしたっすか、トノ?えっ、『主城のことより自分はどうなのか』っすか……?うぐ……これは痛いことを言...

[花嫁衣装]許昌城

]許昌城うーん……。ううーん……。……おや、殿か?すまない、考え事をしていて来訪に気づいていなかった。この間、殿と話してから、結婚に関して城娘達と話をしたのだ。繁栄という目的へ至る手段としての婚姻……...

[花嫁衣装]萩城

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[花嫁衣装]秋田城

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[花嫁衣装]春日山城

]春日山城うーん……。……うーん? ……うん?……殿?すみません! お越しいただいていたのに、今の今まで気づかずにいて!実は先日、坂戸城と謙信公の昔話をしてたのですが、その際、跡継ぎの話題が出たのです...

[花嫁衣装]新田金山城

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