ストーリーテキスト/想い焦がれて心は溶けて

ページ名:ストーリーテキスト/想い焦がれて心は溶けて

目次

想い焦がれて心は溶けて[]

想い焦がれて心は溶けて -序-

招待に応じて、陸奥国へと転移した一行を可愛げな
装いに身を包んだ盛岡城が出迎える。その後、他の
城娘と合流し、宴の開催に胸を膨らませるが……。

前半

――陸奥国、某所。

盛岡城
……さてと。準備はこれで整いましたわね。

盛岡城
あとは、殿の到着を待つばかりですが……。
――あら?

やくも
とうちゃーく、だに♪

やくも
ほらほら殿さん、早う!
甘~いちょこれーとの山がうちを待っとるがや!

殿
…………!

千狐
こら、やくも! 走る時はちゃんと前を向きなさ~い!

柳川城
ふふ……食べ物絡みのこととなると、
相変わらずですね、やくもさんは。

盛岡城
……いらっしゃいましたわね、皆さん。

盛岡城
ようこそお越しくださいました。
此度は私の招待に応えてくださり、ありがとうございます♪

やくも
ちょこ! ちょこはどこにあるがや盛岡城!?

千狐
落ち着きなさいって、やくも……。

柳川城
お礼を言うのは私たちの方です。
ご招待くださったこと、深く感謝しております。

殿
…………!

盛岡城
先日、奥羽で生じた乱れを鎮められたのは、
皆さんのお力添えがあったからこそ。

盛岡城
愛と感謝を込めて、
しっかりおもてなしさせていただきますから、
どうぞ楽しんでいってくださいませ♪

殿
…………♪

柳川城
先日の件……と言うと、そういえば……。

柳川城
(きょろ、きょろ……)

盛岡城
あら、どうされたのですか? 柳川城さん?

柳川城
あ、いえ……その……。
不来方城さんの姿が見えないな……と。

柳川城
以前お会いした折……不来方城さんとの邂逅に、
盛岡城さんがひどく混乱されているようだったので、
気になってしまって……。

やくも
だに……。
不来方城が『ひーろー』って口にする度、
胸を押さえて苦しんどったがや……。

盛岡城
ぅぐ……そ、それは。
突然の出来事に、戸惑ってしまって……!

盛岡城
ですが、あれから少々時間を置いて……、
事実を受け入れるだけの余裕は生まれましたわ。
会津若松城さんや、大宰府さんからも事情をご説明いただきましたし。

盛岡城
ですから……ご心配なく。
あの子とは良好な関係を保っていますわ……。

盛岡城
……多分。

千狐
(今、小さな声で『多分』って言ったの……)

盛岡城
そして、不来方城の行方ですが……。
今は、兜が潜んでいないかを探るため、
周辺の巡回に力を注いでくれていますわ。

盛岡城
ひとまず、宴の会場にご案内しましょう。
他の招待客の皆さんも、すでにいらしていますよ♪

殿
…………!

――――

佐竹城
いらっしゃいませ、お殿様!
またお会いできて嬉しいです~♪

殿
…………!

やくも
おお! 佐竹城もちょこれーと作りに挑戦するんやね♪

佐竹城
はい! 実を言いますと、
異国の城娘たちが、度々日の本にいらしている影響で、
異国の文化が少しずつ知れ渡っているんですよ♪

佐竹城
人づてに知ったれしぴを頼りに作った、ちょこれーと……。
まだまだ拙いところは多々ありますが……籠もった愛情の量には自信ありです!
どうぞ楽しみにしていてくださいね~♪

やくも
佐竹城といえば、料理上手で名高い城娘……!
出来栄えには期待できそうだに♪

殿
…………!

千狐
異国の文化が、日の本でも……。
千狐たちの知らないうちに、交流が深められているのですね。

???
むむ……むむむ……。

柳川城
――ん? 今、近くから唸り声のような……?

木幡山伏見城
むうぅ……悩ましい。悩ましいなぁ……。

佐竹城
……木幡山伏見城様、木幡山伏見城様!
ほらほら、顔を上げてください!
お殿様のご到着ですよ~!

木幡山伏見城
――ん? ……んん?

木幡山伏見城
……ああ、殿! 来てたんだね!
ごめんよ、気が付くのが遅れてしまって!

殿
…………!

木幡山伏見城
お正月の宴では世話になったね!
姉様も妹も、良い思い出ができたって喜んでたよ♪

殿
…………?

木幡山伏見城
ああ! もちろんボクも、しょくらあと作りに励むつもりさ!

木幡山伏見城
甘味好きで有名な指月姉様だけど、
最近は異国のお菓子に凝っててね。

木幡山伏見城
そこで、縁ある城娘たちを頼って情報を集めていたら、
この『ばれんたいん』の存在を知ったのさ!

佐竹城
その後わたしが、こちらの会にお呼びしたんです~!
ふふ、素敵ですよね♪
お姉様や妹さんへの贈り物を用意したいなんて!

木幡山伏見城
とはいえ、異国のお菓子については分からないことも多い……。
実は昔から、台所での仕事は敬遠してたんだ。
火の扱いには、あまり良い思い出が無くてね……。

木幡山伏見城
なかなか満足のいく出来にならなくて、頭を悩ませていたところさ……。

佐竹城
大丈夫ですよ、木幡山伏見城様!

佐竹城
一見、難しく感じられますが……求められるのはただ一つ!
れしぴを忠実に再現する緻密さ!
お料理もお菓子作りも、ここは一緒なんです!

佐竹城
妙な独自性を求めなければ、
美味しいちょこが作れますよ! きっと!

殿
…………!(こくこく、こくこく)

やくも
と、殿さんが凄い勢いで頷いとるがや……。

木幡山伏見城
ありがとう……佐竹城。諦めずに挑戦してみるよ。
キミの言う通りれしぴに則って、忠実に――

???
――だりゃぁぁぁぁ! 待ぁて、こらぁ~~~~!

千狐
……コン? 今の叫び声は……?

兜軍団
ギャアアアアァァァァァァ!
誰カ、助ケテエェェェェェ!!

不来方城
兜どもめ……逃さねぇぞ!
盛岡姉さんの宴は邪魔させないからな!

盛岡城
――不来方城っ!

佐竹城
――ま、待ってください……!
不来方城さんが追いかけてるの……あれ、
兜じゃないですか? 兜ですよねっ!?

木幡山伏見城
ああ、間違いない!
不来方城に追い立てられて、こっちに向かってきてるよ!

殿
…………!

柳川城
承知しました、迎え撃ちましょう!
皆さん……直ちに合戦の準備を!

後半

不来方城
兜はこれで全てか……。
会場は無事かい、姉さん!

盛岡城
え、ええ。大丈夫ですわ。
ですが不来方城、貴方の身体が――

不来方城
こうしちゃいられねぇ、すぐに出発しないと!
会場周辺に、まだ残党が隠れてるかもしれないからよ!

不来方城
悪いな殿!
ゆっくり挨拶したいところだが、安全が確認できてからだ!

不来方城
会場の守りは任せたぜ! それじゃ、また後でなっ!

――――

殿
…………。

佐竹城
あ、あっという間に背中が見えなくなっちゃいました……。

木幡山伏見城
無事に兜は退けた……けど、まだ油断はできないね。

盛岡城
そうですわね……不来方城の言う通り、
会場の守りに務めることにいたしましょう!
ばれんたいんの宴を、成功させるためにも!

想い焦がれて心は溶けて -破-

兜との遭遇に一行が身構えている頃。その上空にて
海を越えた遥か遠くの異国より、気球の力を借りて
ぷかぷかと、一人の城娘が陸奥国に漂着する……。

前半

殿一行が兜との再遭遇に備え、身構えている頃。

時を同じくして、その上空――

ぷか、ぷか……ぷか、ぷか……。

ウチヒサル城
ああ……やっと見えてきたぁ……。

ウチヒサル城
あれが日の本で間違いないんだよね……?

ウチヒサル城
自慢の気球があれば、
ここまで飛んでくるなんて余裕だと思ってたけど、
考えが甘かったかなぁ……。

ウチヒサル城
事前に占った時は、
悪くない結果がでたのに……。
『幸運が待ち受けてる』って。

ウチヒサル城
まぁいっか、日の本には着けたんだし……結果オーライってことで。

ウチヒサル城
とにかく、身体を休めなきゃ。
それから、王様探しはその後に――

ぷか、ぷか……ぷ、か……。

ウチヒサル城
――あ、あれ?

ぷす……ぷす、ぷす……。

ウチヒサル城
ち、ちょっと待って……?
なんか、ちょっとずつ……落下してる?

ウチヒサル城
うそ……うそうそ……!

ウチヒサル城
やばいよ、この高さから落ちたら洒落になんないって……!
せっかく日の本まで辿り着いたのに!

ウチヒサル城
お、お願い……せめてゆっくり……!
痛くしないで……お願いだからぁ!

ウチヒサル城
いやあああああぁぁぁぁぁぁぁ――

――――

――同刻。再び所変わって……。

突撃式トッパイ形兜
――桃形! 無事カッ、桃形ッ!?

桃形兜
ハ、ハイ……ナントカ、逃ゲ切ルコトガデキマシタ……!

突撃式トッパイ形兜
……複数ノ城娘ニ……殿ノ姿モ見エタナ。
此地デ何カ、宴ノヨウナモノガ催サレルトイウコトカ……?

桃形兜
ア……ソウイエバ、
城娘ガ気ニナル言葉ヲ口ニシテイマシタ。
確カ『バレンタインノ宴』ガドウトカ……ッテ。

突撃式トッパイ形兜
――バッ!?

突撃式トッパイ形兜
バ……バ、バレンタイン……ダト?
ソレハ本当カ……?

桃形兜
ハイ……確カニソウ聞コエマシタガ……何カゴ存知デ?

突撃式トッパイ形兜
アア……俺モ噂ニ聞イタダケダガ……。

突撃式トッパイ形兜
バレンタインッテイウノハナ……宴ダヨ。
カツテ、多数ノ兜ガ犠牲ニナッタトイウ……地獄ノ宴サ。

桃形兜
ジ、地獄ノ宴……!?

突撃式トッパイ形兜
コレマデ我々ハ、幾度トナク……、
城娘タチノ宴ヲ狙イ、襲ッテキタ。

突撃式トッパイ形兜
城娘ノ手ニヨル菓子ヤ料理ニハ、
奴ラノ力ガ込メラレテイル。
ソレヲ、我ガモノトスルコトガ目的ダッタ。

突撃式トッパイ形兜
ソレハコノ、
バレンタインニオイテモ例外デハナカッタ。
ダガ……。

突撃式トッパイ形兜
ソレハ、城娘タチニヨル巧妙ナ罠ダッタンダ……!

桃形兜
ワ、罠ダッタ……!?

突撃式トッパイ形兜
チョコヲ奪ッタトコロマデハ、目論見通リ……。
シカシ、ソノ後……ソレラヲ口ニシタ兜タチガ、次々ト――

――――

桃形兜
辛、辛、カラアアァァァァァァ!

桃形兜
オ願イ……殺シテ……殺、シテ……!

古桃形兜
オイ、オイ!? 返事ヲシロ! 桃形ッ! 桃形ィィィーーー!

――――

突撃式トッパイ形兜
ソノ様相ハ、正ニ地獄絵図……。
チョコヲ口ニシタ兜ノ中ニハ……自ラ死ヲ願ッタ者モ居タトイウ。

桃形兜
…………。

桃形兜
(ガタガタガタガタガタ)

桃形兜
コ、怖イ……怖イヨ……。

突撃式トッパイ形兜
大丈夫ダ、無用ナ犠牲ヲ強イルコトハナイ。
ココハ身ヲ隠シナガラ、機ヲ見計ラッテ逃走ヲ――

ウチヒサル城
いやあああああぁぁぁぁぁぁぁ――

――バキ、バキバキバキィッ!

突撃式トッパイ形兜
――ン?
ナンダ……枝ガ折レルヨウナ音ガ――?

ウチヒサル城
どいてどいて、どいてえぇぇぇぇっ!!

突撃式トッパイ形兜
――シ、城娘ダトッ!?

桃形兜
上空カラノ奇襲ッ……!
僕ラノ居場所ハ、モウ割レテタッテイウノ!?

突撃式トッパイ形兜
今ノ叫ビヲ聞イテ、直ニ城娘タチモ集マルダロウ。
……仕方ナイ、コウナレバ応戦ダッ!

桃形兜
ハッ! 承知シマシタッ!!

――――

佐竹城
い、今の叫び声……聞き違いじゃないですよね?

木幡山伏見城
声を聞いた感じ、ただ事じゃない様子だよ……!
すぐに助けに向かわなきゃ!

盛岡城
私がご案内いたしましょう!
皆さん、私の後に続いてください!

殿
…………!

後半

ウチヒサル城
もー……やっと居なくなったよぉ……。

ウチヒサル城
次から次へと、いったいなんなの……?
どうにか着陸したと思ったら、今度は兜が現れて――

殿
…………。

殿
…………?

ウチヒサル城
――ん? あれぇ?
もしかして……そこに居るのは王様?

殿
…………!

ウチヒサル城
わぁ、びっくり! 王様の近くに流れ着いたんだ♪
占いの結果に間違いはなかったんだね、やっぱり!

柳川城
あら、貴方は……?

ウチヒサル城
あー、ごめんごめん。挨拶が先だったね!

ウチヒサル城
お久しぶり、王様!
カッパドキアにそびえる要塞、ウチヒサル城だよ!

ウチヒサル城
今日はね、覚えたてのチョコレートを王様に振る舞うために、
ここまで飛んできたんだよ! お手製の気球を使ってね♪

ウチヒサル城
また会えたらなーって、ずっと再会を願ってたの♪
勢いで日の本まで飛んできちゃったけど、会えて良かった~♪

殿
…………!

木幡山伏見城
気球というのは……。
そこに転がってる、萎んだ鞠みたいやつのことかい?

盛岡城
し、信じがたいですわ……それを使ってここまで飛んできたなんて。

佐竹城
途轍もない度胸ですねぇ。……末恐ろしい方です。

やくも
(無謀って言った方が合ってると思うだに……)

ウチヒサル城
あはは……確かにちょっと楽観的すぎたよね。
思ってたより日の本が遠くてさ……。

盛岡城
ひ、ひとまず身体を休めましょう。
長旅でお疲れでしょうし……ね?

ウチヒサル城
うん、ありがと……助かるよぉ。

想い焦がれて心は溶けて -急-

手分けして兜の捜索を行う殿一行。そんな中、姉に
贈る菓子の出来栄えに、尚も悩む木幡山伏見城。
果たして、彼女の苦悩は晴れるのか――?

前半

ウチヒサル城が合流した後……。
一行は宴を無事に成功させるため、
手分けして会場を守ることとなった。

そして今……殿たちから少々離れた此地では、
木幡山伏見城と佐竹城が、
慎重に周囲を嗅ぎ回っていたのだが、しかし――

佐竹城
兜、兜ぉ~……兜の姿は、どこかしら~――っと……。

木幡山伏見城
…………。

木幡山伏見城
むぅぅ~…………。

佐竹城
……木幡山伏見城様、大丈夫です?

佐竹城
思案されているご様子でしたが……。
やはり、指月伏見城様に贈るちょこについて、お悩みですか?

木幡山伏見城
――あ、ああ。
また考え込んじゃってたみたいだ。
ごめんよ、今は兜の方が先決なのに……。

佐竹城
ふふっ。相変わらずですね、木幡山伏見城様は。
今も昔も、姉様のことを一途に想い続けていらっしゃいます。

木幡山伏見城
あはは……徳川伏見城からは、
度々叱られちゃってるけどね。
あんまり甘やかし過ぎるなーって……。

木幡山伏見城
一応、ボクも分かってはいるんだ。
姉様のぐうたらを助長する要因になってるってことは……。

佐竹城
いえいえ、わたしも分かりますよ……そのお気持ち。
好きな子のダメなところを見ると、こう……きゅんってしちゃうんですよね。

佐竹城
それで……。
お世話してあげたい、支えてあげたい……甘やかしたい~、
っていう気持ちが湧き上がってきちゃうんです!

木幡山伏見城
そ、そう……そうそう! そうなんだよ!
分かってくれるかい、佐竹城!

木幡山伏見城
ダメダメな姉様が、ボクに頼り切りになってるのがもー、
可愛くて堪らないんだ!

木幡山伏見城
時々考えることもあるけど……やっぱり、
ボクが傍で支えてあげるのが、一番良いんじゃないかって――

???
――今ダッ! 取リ囲メッ!!

木幡山伏見城
――ッ!?


――ザッ!

兜軍団
――ザザッ! ザザザッ!!

突撃式トッパイ形兜
ドコヘ向カオウニモ、
城娘ノ監視カラハ逃レラレソウニナイ……。

突撃式トッパイ形兜
退路ガ無イノナラバ……致シ方アルマイ。
包囲ヲ食イ破リ、此地カラノ撤退ヲ成シ遂ゲルノダ!

兜軍団
御意ッ! 御意ッ! 御意ッ!

佐竹城
そ、そんなぁ……兜がいっぱいですぅ……。

木幡山伏見城
く……いつの間にか、囲まれてたのか……!?

佐竹城
状況は、多勢に無勢……お殿様は別行動。
絶体絶命です……どうしましょう、木幡山伏見城様……?

木幡山伏見城
…………。

木幡山伏見城
(佐竹城が不安げな顔をしている……)

木幡山伏見城
(なんということだ。お喋りに興じて、
 危機が迫っていることに気づけないなんて……)

木幡山伏見城
(殿と別行動をとる部隊として、
 ボクが任命されたのは……きっと、偶然なんかじゃないはず)

木幡山伏見城
(ボクは木幡山伏見城……。
 多くの城娘たちを統べる存在として頼られる立場の城娘なんだ)

木幡山伏見城
(なら、明らかじゃないか……ボクが今、成すべきことは――)

兜軍団
(ジリ……ジリ、ジリ……)

佐竹城
ひ、ひえぇ……ちょっとずつ近づいてきてます。
こうなったら、木幡山伏見城様だけでもどうにか……!

木幡山伏見城
…………。

木幡山伏見城
いや……二人で切り抜けよう。

佐竹城
木幡山伏見城様……。

木幡山伏見城
心配は要らない……。
確かに追い詰められてはいるけど、勝算は充分だ。

木幡山伏見城
信じてくれ……としか今は言えないけど、
付いてきてくれるかい? 佐竹城?

佐竹城
…………。

佐竹城
ええ、もちろんです!
あなたの指示ならば、迷わず従いましょう!

木幡山伏見城
……よし! ……行くよ、佐竹城!!
ここを切り抜けて、殿と合流するんだ!

後半

千狐
コンッ、お見事です!
これで兜の気配は全て消え失せました!

ウチヒサル城
あの兜たち、なんだか鬼気迫る感じだったけど……何かあったのかな?

柳川城
――ご無事ですかっ!
木幡山伏見城さん、佐竹城さんっ!?

佐竹城
は、はい……木幡山伏見城様のお陰で、どうにか……!

殿
…………!

木幡山伏見城
そんな……褒められるようなことはしてないよ。
皆と合流してからは、殿の下知に頼りっぱなしだったもん。

木幡山伏見城
本当は……あんな危機に陥る前にどうにかするべきだったんだ。

佐竹城
木幡山伏見城様……。

木幡山伏見城
姉様のことはもちろん大切だ。
けどそれは……キミを不安にさせていい理由にはならないよね。

木幡山伏見城
姉様を守り、支えることはもちろん……。
周りの城娘たちを引っ張ることも、
成し遂げなきゃいけないんだ……ボクは。

木幡山伏見城
だから、礼を言わせてくれ……佐竹城。
こんなボクを信じて付いてきてくれて……ありがとう。

佐竹城
ふふ……どういたしまして♪

佐竹城
もし今後、同じような状況に陥ってもわたしは、
今日と同じようにあなたと共に行く道を選びますよ。

殿
…………。

殿
…………!

やくも
だにっ! さっきの戦で、兜はみーんな倒しただに!
これで心置きなく、ばれんたいんの宴を開催できるがや♪

盛岡城
…………。

やくも
すぐに会場に戻って、準備を再開しなきゃならんだに!
……聞いとるがや、盛岡城?

盛岡城
――あっ、はい……そうですね。
直に日が暮れますし、会場に戻りましょうか……!

想い焦がれて心は溶けて -絶壱-

兜の脅威を打ち払い、バレンタインの宴を楽しむ
殿一行と城娘たち。しかし、そんな中で一人、
盛岡城だけが浮かない表情をしていた……。

前半

兜を退けた殿たちは……無事、宴の開催を迎えた。

一行は、思い思いに歓談を楽しみつつ、
城娘たちが作ったチョコレートに舌鼓を打っていた――

やくも
あむ、あむあむ……あむあむ……あむ。

木幡山伏見城
どうかな……やくもちゃん?
ボクのしょくらあとの味は……?

やくも
あむあむあむ……あむ……。

やくも
あむあむ……あむあむあむ……。

木幡山伏見城
や、やくもちゃん……?
良かったら、味の感想を……。

柳川城
ごめんなさい……木幡山伏見城さん。
しばらくの間、やくもさんからの応答は期待できないかと思います……。

佐竹城
はむ……もぐもぐ、もぐ……ごくん。

佐竹城
ん~……なんだかなぁ……。

ウチヒサル城
……ん? どうしたの、佐竹城ちゃん?
ため息なんかついちゃって?

佐竹城
……はい。この、わたしのちょこれーとなんですけど……。

ウチヒサル城
あ、佐竹城ちゃんのチョコだったんだね、それ。
とっても美味しかったよ♪

佐竹城
はい、予想通りの出来栄えです。
ただ……いまいち個性が足りないなー、と。

佐竹城
それで考えてたんです。何か一つ……、
れしぴを越えた発想が必要かもしれないな、と。

ウチヒサル城
レシピを越えた発想……? アレンジってことかな?

佐竹城
そうです!
たとえば、香辛料や調味料を加えるとか。
他には……別の料理と掛け合わせてみるとか――

――がしっ!

殿
…………!

佐竹城
ど……どうしたんです、お殿様……?

殿
…………。(ふるふる、ふるふる)

佐竹城
ち、『ちょこはちょこのままでいい』?
そんなに血相を変えるなんて、何か嫌なことでもあったのですか?

盛岡城
…………はぁ。

盛岡城
(不来方城……)

――――

手作りのチョコレートを贈り合い、
宴を大いに楽しみ……夜が更けた。
そして、皆は床について眠りに落ちる……。

しかしそんな中、
目を擦りながらあくびを漏らす城娘の姿が一つ――

盛岡城
――ふわぁ……。

盛岡城
まったく……不来方城は、
こんな時間まで何をしているのかしら。
宴は終わって、直に夜も明けるという頃合いなのに。

盛岡城
あの子が帰ってくるまで……、
起きて、待っていたいところです……が……。

盛岡城
流石にそろそろ、限界です……わね……。

盛岡城
すぅ……すぅ、すぅ……むにゃ。

後半

???
姉さん……おーい、盛岡姉さんってばー。

不来方城
――ったく。どうしたんだよ、縁側で眠りこけたりして。
……風邪ひいちまっても知らないぜ?

盛岡城
んー……んぅ……?

不来方城
起きろってば、盛岡姉さんっ!
そのまま寝てるつもりなら、
俺が引っ掴んで布団まで連れていっちまうぞ!

盛岡城
――はっ!?

盛岡城
ここは……?

盛岡城
(あ……私、結局……、
 不来方城の帰りを待っているうちに、眠ってしまったのですね……)

不来方城
やっと起きたか。
しっかり者に見えて、抜けてるんだから……もう。
あんまり心配させないでくれよな?

盛岡城
…………。

盛岡城
心配させるな……ですって?
どの口が言っているのです……!

不来方城
え……姉さん?

盛岡城
貴方という子は……。
いったい、何処に行っていたのです?

盛岡城
無事に兜は倒し、宴の開催を迎えました。
帰りがここまで遅れる理由など、ないはずでしょう?

不来方城
わ、悪かったよ……。

不来方城
確かに、兜が居なくなったってことは、
日が暮れる前に分かったぜ……。
ただ、その道中で美味そうな果物を見つけたんだ。

不来方城
姉さんが作ってた――ちょこれーとって菓子の足しになるかと思ってよ。
ほら……前にこぼしてただろ?
味付けを変える手立てはないか……とか。

盛岡城
だったら一度、
御城に戻って無事を報せてくれたっていいじゃないですか。
もう……本当に心配したんですからね……?

不来方城
悪かったってば……つい、夢中になっちまって。
今後、帰りが遅くなる時はちゃんと伝えるから……許してくれよ。な?

盛岡城
はぁ……約束ですからね?

不来方城
…………。

不来方城
……へへっ。でも……なんだか嬉しいな。
姉さんが俺のために声を荒げてくれるなんてよ。

盛岡城
…………?

不来方城
姉さんは、俺が辿るかもしれない可能性の一つ……なんだよな?
それが、地気の乱れだかで色々あって……出会うことになった。

不来方城
細かいことは――ごめん、よく分かんないけど……。
俺のせいで盛岡姉さんが色々、悩んでたってのは分かるぜ。

不来方城
俺のこと……黒歴史だとか中二病だとか、色々……言ってたし。

盛岡城
あ……。

不来方城
俺は細かい作業は苦手だからさ、
ちょこ作りでも力にはなれなかっただろ……?
けど、どうにかして役に立ちたいって思ってたんだ。

盛岡城
(貴方、そんなことを……)

不来方城
だからさ、不謹慎かもしれないけど……嬉しかったんだ。
姉さんがちゃんと俺を心配してくれたんだ、って分かってさ!

盛岡城
不来方城……。

盛岡城
すみません……私が未熟でしたわ。

不来方城
…………!

盛岡城
時と共に変わりゆくことは避けられないかもしれない……。
私にとってそれは、目を背けたいものなのかもしれない。

盛岡城
だとしても……私は、
貴方と向き合うことを避けてはいけなかったのですわ。

不来方城
姉さん……。

盛岡城
思わぬ形で実現した、貴方との邂逅。
これについて割り切れない思いは……やはり、あります。

盛岡城
ですが、一つ覚えておいてください。
私は決して、貴方を否定するつもりはないのです……。

盛岡城
少々、時間を要するかもしれませんが……、
向き合えるよう、努力しますわ。
ですから今後とも、何卒……。

不来方城
わ、分かった……。
分かったから、そんなに頭を下げないでくれよ。
なんだか胸が痛くなってきちまう……。

不来方城
……あ、そうだっ! 朝餉にしようぜ、朝餉!
姉さんだってお腹が空いてるんじゃないか?

盛岡城
……そうですわね。
では、宴の会場へ向かいましょうか。

盛岡城
貴方のために、残しておいたのですよ。
城娘たちのお手製のちょこをたっぷりと。

不来方城
ええっ、本当か!?
それはありがたい……。
帰りが遅くなって、食べ逃しちまったのを後悔してたんだ!

――――

ウチヒサル城
……お? 盛岡城ちゃんじゃない。おはよ~♪

ウチヒサル城
そっちに居るのは……不来方城ちゃんかな?
昨晩の宴では会えなかったから、初めましてだね♪

不来方城
おう! よろしくな!

盛岡城
早起きですね……ウチヒサル城さん。
貴方も朝餉を食べにいらしたのですか?

ウチヒサル城
うんっ、もちろんそれはあるんだけど……、
みんなの分のご飯も用意しようと思ってね♪

ウチヒサル城
あたしの故郷は日の本から離れてるから、
これまであんまり交流することができなかったでしょ?

ウチヒサル城
だからこの機会に、
あたしの郷土料理を振る舞いたいなーって思ったの!

盛岡城
なるほど……。
お肉を焼いた時のような、香ばしい匂いがしたのですが……、
ウチヒサル城さんの手によるものだったのですね。

ウチヒサル城
うん! 壷焼きケバブっていってね、あたしの得意料理だよ♪

盛岡城
けばぶ……これが、
カッパドキア――ウチヒサル城さんの故郷の料理……。

ウチヒサル城
お? もしかして盛岡城ちゃんは、
この料理に興味津々な感じかな?

不来方城
そういえば姉さん、前に言ってたよな。
異国の文化に直接触れれば、
もっと美味しいちょこが作れるかも……って。

盛岡城
ええ、そうですわね。
ちょこに限らず異国の文化は、未知のものばかりですから……。

ウチヒサル城
そっかそっか。まぁ、気になることがあったら遠慮なく聞いてよ♪
あたしに答えられそうなことだったら、なんでも教えるから!

ウチヒサル城
この前も言ったけど……あたし、
王様たちと再会することをずっと願ってたの。それから……あたしや、
あたしの国に興味を持ってくれる人を、一人でも増やせたらって思ってたんだ。

ウチヒサル城
欲張ったことを言うとね……、
此地に集まった子たちをみーんな巻き込んで、
あたしのところにご招待してあげたいくらいだよ!

盛岡城
…………。

盛岡城
そ、それなら――

盛岡城
(あ、でも……いきなり誘ったりして迷惑に思わないかしら。
 殿や城娘たちにも、予定があるでしょうし――)

不来方城
だったら、千狐にお願いしてみたらいいんじゃないか?

盛岡城
…………!

ウチヒサル城
千狐ちゃん……?
ってあの、お耳の可愛い狐ちゃんのことだよね?

不来方城
そうそう! 千狐の転移術なら、
離れた地にもあっという間に移動できちまうんだぜ!
みんなを連れてひとっ飛びだ!

ウチヒサル城
えぇ、そんな便利な力が!?
気球でどうにか辿り着いたあたしの立つ瀬がないじゃない……!

不来方城
もちろん、千狐の力には限りがあるし、
殿も忙しい人だ。相談は必要だぜ。

不来方城
……けど、異国の城娘が仲良くなりたいって言ってんだ。
悪い顔はしないはずだぜ! ……な、姉さん!

盛岡城
…………。

盛岡城
……そうですね。
きっと、前向きに考えてくれると思いますわ。
やくもさんの場合は、迷わず賛成してくれるでしょうし。

ウチヒサル城
……う、嘘みたい。
王様や……日の本の城娘たちが、
あたしの国に来てくれるなんて。

ウチヒサル城
……とか、舞い上がってる場合じゃなかったね!
とにかく今は、王様にこの件を相談しなきゃ!

不来方城
ああ、善は急げってやつだ!
行こうぜ、ウチヒサル城! 姉さん!

ウチヒサル城
りょーかいっ♪

盛岡城
……はいっ、参りましょう!

想い焦がれて心は溶けて -離-

盛岡城での宴の後、ウチヒサル城の招待を受けて
一行は彼女の国へと転移を果たす。しかし、その街
の特異な風景に、殿たちは驚きを隠せず――

前半

――日の本から遠く離れた異国、カッパドキア。

盛岡城での宴を堪能した殿一行は、
ウチヒサル城の誘いに応じる形で、彼女の故郷へと転移を果たした――

ウチヒサル城
たっだいま~!
そして、ようこそいらっしゃいました♪

ウチヒサル城
此処がカッパドキア――あたしの生まれ育った地だよ!
今日はみんなのことを全力でおもてなしするから、
心ゆくまで楽しんでいってね♪

盛岡城
ここが……ウチヒサル城さんの……。

佐竹城
岩肌がごつごつ……緑も驚くほど少ないです……。

木幡山伏見城
……改めて、感謝しなくちゃいけないな。
ボクたちの国は恵まれているのだと……。

殿
…………。

柳川城
はい……驚きました。
異国の中には……このような場所もあるのですね。

やくも
だにぃ……なんとも殺風景な――もがっ!?

千狐
(――こら! ウチヒサル城さんに失礼でしょう!
もう少し考えてものを言いなさい!)

ウチヒサル城
いいのいいの! 大丈夫だよ、千狐ちゃん。
そういうのは、あたし自身が一番よく分かってるから♪

千狐
で、ですが……。

ウチヒサル城
あたしの国がちょっと過酷な環境にあるのは、見ての通り。
王様の国とは違って、気候が乾燥してるからね……。
草木がなかなか育ち辛いんだ。

ウチヒサル城
けど、心配は要らないよ!
カッパドキアはね、こんな環境に寄り添いながら生きてきた……強い街だもん。
良いところだって、数え切れないくらいあるの!

ウチヒサル城
王様たちを此地に招待しようと決めた背景にはね、
そんな素晴らしさを知ってもらえたら……っていう思いもあったんだ!

殿
…………。

殿
…………!

ウチヒサル城
――そ♪ つまりみんなは、
あたしに任せてカッパドキア観光を楽しめばいいってこと!

ウチヒサル城
それじゃ、ついてきて!
早速あたしの御城へ向かうよ♪

後半

ウチヒサル城
――どう、みんな?
あたしの街を楽しんでもらえてるかな?

殿
…………!

木幡山伏見城
うん、どこも新鮮で素晴らしいね!
ボクもさっきから驚きっぱなしさ。

盛岡城
こんな街があるなんて……、
日の本に居るだけでは、想像もできませんでしたわ。

盛岡城
(留守番役を買って出てくれた不来方城に、
 感謝をしなければいけませんわね……)

ウチヒサル城
カッパドキアにはね、大きな三つの火山があるの。
そこから吹き出した溶岩や、灰が積もってこの大地が出来てるんだよ。

やくも
か、火山って……
どかーんって噴火する、あの火山だに?

ウチヒサル城
ふふ、怖がらなくてもいいよ。
うんと昔に活動は止まってるから♪

ウチヒサル城
でね、その地層が雨風によって長~い年月を掛けて
削られて、今のカッパドキアができたの。

盛岡城
不規則に隆起する大地には、そのような経緯があったのですね……。

やくも
そ……それで、お目当ての御城はどこにあるんだに?

ウチヒサル城
ふふ、まだ見えないかな?
よーく探してみて? 実は、もう目前まで近づいてるんだよ。

佐竹城
もう目前まで……ですか?

木幡山伏見城
んー……周囲を見回しても、
大きな岩山しか目に入らないよね……。

盛岡城
はい……御城らしき建物など、どこにも……。

やくも
正解を教えてほしいがや、ウチヒサル城ぉ……。
う、うちの唇はもー、パッサパサだにぃ。

ウチヒサル城
なーんだ。みんなもう見つけてるんじゃない♪

ウチヒサル城
正しくその『大きな岩山』こそが、
我が御城……ウチヒサル城なんだよ!

殿
…………!

柳川城
そんな……あの岩山が、ですか?

ウチヒサル城
此地が、溶岩や灰が積もった地層で出来てることは、さっき話した通り。
お陰で、お家を建てるための材料にも恵まれなかったんだけど――

ウチヒサル城
そこで! カッパドキアの人々は閃いたの!
『山をくり抜いて、そのまま住んじゃえー』ってね♪

ウチヒサル城
中でも一際大きな岩山を城塞化して、守りを固めた……。
それがあたしという御城になったってわけ♪

ウチヒサル城
凄いでしょ?
初めて来た人には驚かれるんだ♪

佐竹城
なるほどぉ……。
生き抜くための知恵、というやつですね。

ウチヒサル城
――ってなわけで……。
あと少しだけ頑張ってね、やくもちゃん!

ウチヒサル城
あたしの御城に着いたら、チョコやごちそうが待ってるからね♪

やくも
おお……!
ちょこやごちそうを、うちの思うがままに……♪

千狐
そ、そこまでは言ってないの……。

やくも
だったら話は早いだに……!
少しでも早く、あの山にたどり着く――
それだけを考えるがや!

やくも
(――だだっ!)

ウチヒサル城
――あぁっ!
あんまり離れちゃだめだよ、やくもちゃんっ!

ウチヒサル城
カッパドキアの街は、とっても複雑なの!

ウチヒサル城
迷路みたいになってる場所もあるから、
もし迷いこんじゃったりしたら――

やくも
だいじょぶだいじょぶ!
目的の場所はもう見えてるんだに!

やくも
そこに向けて、
真っ直ぐ山登りしてくだけなんやから、簡単かんた――

やくも
――お?

やくも
――お、おおぉ……?

やくも
――おおぉぉああああぁぁぁぁぁ…………!?

佐竹城
たた、大変ですっ!
やくもさんが地面に飲み込まれましたっ!?

木幡山伏見城
落ち着くんだ、佐竹城。
足を滑らせて穴に落っこちただけだから……。

千狐
毎度のことながらあの子は……、
何か起こさないと気が済まないの?

盛岡城
ある意味、期待を裏切らない方ですわね……。

ウチヒサル城
あちゃ~……大変だ。
パーティーを開くのは、後回しになりそうだね。

ウチヒサル城
お願い……王様。
やくもちゃんを見つけるために、力を貸してもらえないかな?

殿
…………!

想い焦がれて心は溶けて -結-

カッパドキアの入り組んだ地下洞窟に迷い込んで
しまったやくも。千狐が声を張り上げて呼び
掛けるも、その声は虚しく響くばかりだった……。

前半

千狐
…………。

千狐
すううぅぅぅ~……。

千狐
やくもぉぉぉぉ~!
聞こえたら返事をしなさーい!!

殿
…………。

柳川城
応答は無し……。
やはり、洞窟の奥に迷い込んでしまったようですね。

千狐
た、大変なことになってしまったの……。

千狐
何もないところで、
迷ったり転んだりする程度すら日常茶飯事。
そんなあの子が、異国の地下迷宮だなんて……!

木幡山伏見城
手分けして探したいところだけど……、
洞窟の中は入り組んでいるんだよね?

ウチヒサル城
……うん。此地は昔、
隠れ家として利用されていたこともあるからね。
外敵を迷わせる工夫が、あちこちに巡らしてあるんだよ……。

佐竹城
……では、下手に動いても、
遭難者を増やすばかりじゃないですか……!

千狐
そんな……。

ウチヒサル城
だけど、ご安心!
此地には、
こういう時に頼りになる心強い仲間がいるんだよ♪

ウチヒサル城
おいでー、みんなぁ~!!

殿
…………。

殿
…………?

――ばさ、ばさばさ……。

佐竹城
……ん。あちらに見えるのは……?

――ばさばさ、ばさばさばさっ……!

千狐
鳥……あぁ、鳩……ですね。

――ばさばさっ!ばさばさばさ~っ!!

盛岡城
それも、もの凄い数ですわっ!
視界が全て覆われてしまうほどです!

柳川城
ひゃ……やっ、ちょっと……!
く、くすぐったいです……だめぇ……!

ウチヒサル城
あははっ、来た来た♪

ウチヒサル城
紹介するね!
あたしの大切なお友達、鳩ちゃんで~す♪

ウチヒサル城
カッパドキアには、古くから沢山の鳩が住んでるんだ♪
近くにはピジョン・バレー……鳩の谷って呼ばれてる場所もあるくらい!

ウチヒサル城
カッパドキア自慢の葡萄畑は、
この子たちが痩せた土地を肥やしてくれるお陰……。
あたしたちの暮らしは、この子たち無しじゃ考えられないの♪

ウチヒサル城
その上、この子たちはとっても賢いのよ!
此地に異常があった時には、真っ先にあたしに報せてくれるし♪

ウチヒサル城
――ということで……お願い、鳩ちゃんたち。
地下に迷い込んじゃったやくもちゃんを地上までご案内して!


くるっぽー!

――ばさばさっ!ばさばさばさ~っ!!

盛岡城
きれいに分散して、地下へと――素晴らしいです。
これだけの数で捜索に当たれば、すぐに見つかるに違いありませんわ!

ウチヒサル城
自慢にはならないけど……迷子騒ぎは珍しくないからね。
鳩ちゃんたちにも、度々協力してもらってるんだ。

ウチヒサル城
今夜のパーティーには、
鳩ちゃんたちへのお礼も用意しておかないとね♪

???
――……ァァ……ァァァ……。

殿
…………?

???
――ッタ……アァァァァ……!

殿
…………!

柳川城
……っ!
はい……私の耳にも、確かに聞こえました。
鳩が羽ばたく音に混じって、声が……!

???
――アアアアアァァァァァ……!

佐竹城
おぉ~い、やくもさ~ん!
こっちですよぉ――!

兜軍団
ヤッッッタアアァァァァァァ!!!

殿
…………!?

兜軍団
ア、アァ……光! 日ノ光ダ!
出レタ……遂ニ脱出デキタンダァ~!

佐竹城
や、や……!

佐竹城
やくもさんが……兜に……!?

木幡山伏見城
ちょ、ちょっと無理があるかな……その解釈は……。

ウチヒサル城
兜たちも、カッパドキアの地下に迷い込んでたみたいね。
それが、鳩ちゃんたちに追い立てられて飛び出した、と……。

殿
…………!

ウチヒサル城
うん……そうだね。
放っておけるわけがないよ……!

ウチヒサル城
みんなには……カッパドキアで過ごしたことを、
素敵な思い出にしてもらいたいもん。

ウチヒサル城
だから邪魔はさせないよ……相手が誰だって関係ない!

殿
…………!

ウチヒサル城
うん……先頭はあたしに任せて♪
あたしの力、全部貴方に預けるから……好きに使って!

後半

木幡山伏見城
――よし。
これで兜は全て片付けた。……けど――

盛岡城
やくもさんの足取りは、未だ掴めないままですわ……。

千狐
――コン……。

ウチヒサル城
大丈夫だよ、千狐ちゃん。
今も鳩ちゃんたちが総出で探してる……。
きっと後少しで、見つかるはずだから……!

千狐
(やくものことだから……今頃、お腹を空かせているはず。
喉も渇いているに違いないわ……)

千狐
(もしかしたら、身体のどこかを怪我しているかも。
足をくじいていたら、自力で外に出ることもできないの……!)

千狐
…………。

千狐
こうなったら千狐は……、
危険を冒してでも、地下へと踏み入って――!

やくも
――ん~、ん~ん~♪ んん~♪

やくも
――ん?

殿
…………!?

やくも
お……おお~っ!
殿さん、それにみんなも!

柳川城
や、やくもさん……いったい、どうやって……。
まさか、自分の足でここまで……?

やくも
ふふふ……驚いとる、驚いとるだに……!

やくも
確かに一度は、諦めかけたがや!
洞窟の中で野垂れ死ぬかも……そんな想像も頭をよぎっただに!

やくも
やけど……その時、うちは気付いたんだに!
まだ活路は閉ざされていない……と!


くるっぽー♪

木幡山伏見城
その鳩は、ウチヒサル城の……?

やくも
行きあたりばったりに進んでる時に、この鳩と出くわしただに。

やくも
鳩の帰巣本能が優れとるのは、有名な話……。
やから、後に付いて進んでいけば、
きっと外に出られるって思ったがや!

やくも
そしてその目論見通り、うちは生還を果たしたんだに♪

やくも
これも全ては、
うちの深ーい知恵と鋭い洞察があったからこそ。
……どうだに? うちのこと、見直してくれたがやっ?

佐竹城
つまり……偶然、鳩と合流できたお陰で、
どうにか出ることができた……と?

やくも
…………。

やくも
えー……まぁ!
そうとも言うかもしれんね!
見方を変えれば!

千狐
――コンッ!!
そうとしか言いようがないの!

千狐
ウチヒサル城さんが捜索を手伝ってくれなかったら、
今頃やくもは、地中の奥深くで野垂れ死んでたの~!

千狐
命に関わる事態だったのよ……反省しなさい!

やくも
せ、千狐の雷が落っこちたがや……。
頑張ったお陰で外まで出て来られたのに、
どうしてこうなるんだにぃ……。

千狐
お騒がせしてごめんなさい、皆さん……!
やくもには千狐の方から、
あとできつーく言って聞かせますので……。

ウチヒサル城
ううん、あたしは全然気にしてないよ。

ウチヒサル城
そもそも……危ないよって、
あたしが最初に言っておかなかったのがいけないんだし……。

千狐
そ、それは……。

ウチヒサル城
それよりも、今はパーティーを楽しむことを考えようよ。
叱るのも、反省するのもその後に……ね?

千狐
…………。

千狐
……そうですね。失礼しました。

千狐
すぐにウチヒサル城さんの御城へ向かいましょう。
皆さんも合戦を終えて、お疲れでしょうから。

ウチヒサル城
――だね♪ 急いで準備を整えなきゃ!
ほら王様、一緒に行こ♪

殿
…………♪

想い焦がれて心は溶けて -絶弐-

一行がカッパドキアに転移を果たしてから、数日。
パーティーの熱も冷めやらぬ中、日中のお茶会を
楽しむ一行の許に、とある城娘が姿を現す――

前半

――一行がカッパドキアに転移を果たしてから、数日。

夜を賑わす盛大なパーティーと、日中のお茶会。
それらを交互に繰り返しながら、
一行は異国での日々を楽しんでいた――

やくも
むぐ、う……うぅ……。
く、苦しいがやぁ……。

佐竹城
何度も言ってますけど……、
無理して食べなくていいんですよ、やくもさん?

やくも
やけど……次から次へと、
美ん味いちょこれーとが並べられたら、
我慢なんてできるわけないだにぃ……。

木幡山伏見城
相変わらず、凄い胃袋だね……やくもは。

盛岡城
ええ……。
その華奢な身体のどこに収まってるのか、不思議ですわ。

殿
…………。

やくも
う……うちのばれんたいんは、まだまだこれからやけん。
ほんのちょっと休んだら、すぐに再開して……!

千狐
はいはい……。
分かったから、しばらくそこで休んでなさい。

柳川城
焦らなくても大丈夫ですよ。
やくもさんの分は、ちゃんと取っておきますから。

ウチヒサル城
――よし、と。
これで準備が整ったわ!

ウチヒサル城
それじゃ始めましょうか。
ウチヒサルちゃんのコーヒー占いを――

(ぐううぅぅぅ~~~~~……)

ウチヒサル城
――ん? 今のは、お腹の音?

ウチヒサル城
誰かしら……?
やくもちゃん……は満腹で苦しんでるし、
他に居るとすれば――?

???
――っ!?

ウチヒサル城
――はっ。

???
…………。

ウチヒサル城
…………。

ウチヒサル城
…………♪(にこっ)

???
…………!

ウチヒサル城
……チョコ、食べる?

――――

???
もぐもぐ、もぐ……♪

???
~~~……!
美味しい……美味しいですぅ♪
故郷の砂糖菓子にも劣らない味……!

???
もぐもぐもぐ……もぐもぐ……♪

殿
…………。

???
もぐ、もぐもぐ……。

???
……ごくん。

殿
…………。

???
……す、すみません。
食べるのに夢中で、お喋りが疎かになっていました。

城塞都市ドゥブロヴニク
初めまして……王。
私、城塞都市ドゥブロヴニクと申します。

城塞都市ドゥブロヴニク
都市を囲った高い壁が特徴で、
『アドリア海の真珠』という異名でも知られています。

ウチヒサル城
あー、アドリア海……。
此処からちょっと北上したところね。
なんだ、ご近所さんじゃない。

城塞都市ドゥブロヴニク
ああ、そうでしたか。
ご近所さんだったのですね……安心しました。

ウチヒサル城
そうそう、ご近所さん。
だから安心――

ウチヒサル城
――って。
それを知らずにここまで来たの、ドゥブロヴニクちゃん?

城塞都市ドゥブロヴニク
はい……私、普段は街を守ってばかりいるので、
あまり外に出る機会が無いのです。

城塞都市ドゥブロヴニク
港町ということで、外の情報は沢山入ってくるのですが、
やはり、直接この目で確かめなければ、
理解できないことも多いのですね。

城塞都市ドゥブロヴニク
今日も……いつの間にか迷子になってしまいました。
皆さんにお会いできなかったら、
危ないところだったかもしれません……。

木幡山伏見城
な、なんだか危なっかしい子だね……。

盛岡城
地下に迷い込んでいたら、
やくもさんより大事になっていたかもしれませんわね……。

城塞都市ドゥブロヴニク
(ん……喉が乾いてしまいました。
 飲み物……飲み物はどこかに――)

城塞都市ドゥブロヴニク
(あ、ありました……。
 では、カップを拝借して……と)

城塞都市ドゥブロヴニク
ごく、ごく――

城塞都市ドゥブロヴニク
――んんっ!?

佐竹城
ど、どうしたのですか!
ドゥブロヴニクさんっ!?

城塞都市ドゥブロヴニク
な、ななっ……なんですかこの飲み物は……!?

城塞都市ドゥブロヴニク
皆さん、気をつけてください。
このテーブルには罠が仕込まれてますよ……!

ウチヒサル城
お、落ち着いてドゥブロヴニクちゃん……!
それはコーヒーって言って、とっても苦い飲み物なの。罠じゃないわ。

ウチヒサル城
占いに使おうと思って淹れたんだけど……、
びっくりさせちゃってごめんね。

城塞都市ドゥブロヴニク
コ、コーヒー……そうですか、これがあのコーヒー……。
苦い苦いとは聞いていましたが、まさかここまでのものだったとは……!

城塞都市ドゥブロヴニク
なるほど……また一つ学びを得ました。

城塞都市ドゥブロヴニク
…………。

城塞都市ドゥブロヴニク
……ごく、ごく。

城塞都市ドゥブロヴニク
……ん~!! やっぱり苦いですぅ……!

佐竹城
なにやってるんですか……。

城塞都市ドゥブロヴニク
……それにしても、此地の景色には驚きました。

城塞都市ドゥブロヴニク
カッパドキアの噂もやはり、耳にしてはいましたが……、
実際に目の当たりにすると……また違う印象を受けました。

城塞都市ドゥブロヴニク
此世はまだまだ、知らないことだらけです。
こんなに美味しいチョコがあることも知りませんでしたし。
もぐ、もぐ……。

ウチヒサル城
…………。

ウチヒサル城
……そうだ。
良かったら、カッパドキア観光でもしてく?
あたしが見どころを紹介してあげるよ♪

城塞都市ドゥブロヴニク
なんと。
それはありがたいお話ですが……良いのですか?
大変ではありませんか?

ウチヒサル城
大変だなんて、全然!
このカッパドキアの素晴らしさを知ってもらえるんだもん。
嬉しさの方がずっと大きいんだよ♪

城塞都市ドゥブロヴニク
そうですか……!
ではお言葉に甘えて、案内をお願いできますか?

ウチヒサル城
了解っ!
それじゃ付いてきて、ドゥブロヴニクちゃん♪

後半

ウチヒサル城
――という感じで、カッパドキア観光は一段落。
どうかな、ドゥブロヴニクちゃん? 楽しんでもらえた?

城塞都市ドゥブロヴニク
はい……大いに楽しみました。

城塞都市ドゥブロヴニク
カッパドキア……ここは、とても美しいです。
私の大好きな街になりました。

ウチヒサル城
……う、美しい?

城塞都市ドゥブロヴニク
真珠のような輝きだけが、美しさとは限りません。

城塞都市ドゥブロヴニク
過酷な環境の中で、生き抜くために洗練された文化。
親から子へと受け継がれてきた、知恵と意志……。

城塞都市ドゥブロヴニク
……美しさです。
私はそれも、一つの美しさだと思うのです。

城塞都市ドゥブロヴニク
ウチヒサル城さんが、
此地の素晴らしさを知ってもらえる、と喜んでいた気持ち……、
今なら分かるような気がします。

ウチヒサル城
…………。

ウチヒサル城
ありがと……ドゥブロヴニクちゃん。
そんな風に言ってもらえて嬉しいよ。

ウチヒサル城
でも、まだまだお楽しみはこれからよ。
夜になったら、盛大なパーティーが始まるんだから♪

城塞都市ドゥブロヴニク
パーティー……! それは、
私も参加して良いものですか……?

ウチヒサル城
ええ、もちろん! 一緒に楽しみましょ♪

ウチヒサル城
しばらくはドゥブロヴニクちゃんも、此地でゆっくりしていって。
パーティーが終わって、みんなが出立したら……、
あたしがドゥブロヴニクちゃんをお家まで送ってあげる。

ウチヒサル城
(一人で帰らせたら、また迷子になりそうだし……)

城塞都市ドゥブロヴニク
本当にありがとうございます。何から何まで……。

ウチヒサル城
気にしないでいいの。
友達だもん、持ちつ持たれつってやつでしょ。

城塞都市ドゥブロヴニク
と、友達……。

城塞都市ドゥブロヴニク
…………。

城塞都市ドゥブロヴニク
で、では私は今度……。
ウチヒサル城さんをおもてなししようと思います。
故郷まで送っていただいた折に、めいっぱい!

ウチヒサル城
ふふっ、ありがと。
それじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかな♪

殿
…………。

ウチヒサル城
……ん、なぁに王様?
ニヤニヤ顔でこっち見つめて……仲間に入れてほしいの?

殿
…………!

ウチヒサル城
ふふ……今夜も手加減はしないからね♪
新しい友達も加わったことだし、とびっきり賑やかにしなきゃ。

ウチヒサル城
それで……王様の心に、
カッパドキアの素晴らしさと、
ウチヒサルちゃんの想いを刻んでもらうの……分かった?

殿
…………!

ウチヒサル城
良い返事ね……よろしい♪

ウチヒサル城
きっと今夜も忘れないパーティーになるわ。
一緒に楽しみましょう、王様♪

こうして……偶然流れ着いた城塞都市ドゥブロヴニクを加えた一行は、
その夜、一際賑やかに歌い、騒ぎ……、
バレンタインのパーティーを大いに楽しむのだった――



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]伊勢長島城も~、なんなのあいつら!信じらんない!寄ってたかってライブの邪魔をして!いったいどこから情報が漏れたの?もしかして、殿じゃないでしょうね……!?……そんなわけないか。あたしは、あんたにな~...

[花嫁衣装]鹿児島城

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[花嫁衣装]鮫ヶ尾城

]鮫ヶ尾城はあ……春日山城サマの祝言、想像するだけでドキドキしてしまうっす!ね、ちびサマ~♪……ん?どうしたっすか、トノ?えっ、『主城のことより自分はどうなのか』っすか……?うぐ……これは痛いことを言...

[花嫁衣装]許昌城

]許昌城うーん……。ううーん……。……おや、殿か?すまない、考え事をしていて来訪に気づいていなかった。この間、殿と話してから、結婚に関して城娘達と話をしたのだ。繁栄という目的へ至る手段としての婚姻……...

[花嫁衣装]萩城

目次1 性能1.1 特技1.2 [改壱]特技1.3 計略2 画像3 ボイス4 イベント4.1 イベント14.2 イベント24.3 イベント3性能< [花嫁衣装]チャンドラ・マハル - [花嫁衣装]新田...

[花嫁衣装]秋田城

目次1 性能1.1 特技1.2 [改壱]特技1.3 計略2 画像3 ボイス4 イベント4.1 イベント14.2 イベント24.3 イベント3性能< 延岡城 - [花嫁衣装]ロンドン塔 >[花嫁衣装]秋...

[花嫁衣装]春日山城

]春日山城うーん……。……うーん? ……うん?……殿?すみません! お越しいただいていたのに、今の今まで気づかずにいて!実は先日、坂戸城と謙信公の昔話をしてたのですが、その際、跡継ぎの話題が出たのです...

[花嫁衣装]新田金山城

目次1 性能1.1 特技1.2 [改壱]特技1.3 計略2 画像3 ボイス4 イベント4.1 イベント14.2 イベント24.3 イベント3性能< [花嫁衣装]萩城 - [花嫁衣装]アイリーン・ドナン...