ストーリーテキスト/夢幻航海_幕間4

幕間4[]

柳川城
協力はしてくれるみたいですけど、
薩摩の方々は、
別に行ってしまいましたね。

安宅船 日本丸
つれねぇ奴らだな。
どうせなら、一緒に船に乗っていけば良いのによ。

立花山城
同郷の者同士だから、何かと気が楽なんでしょう。
それにあの島津義弘っていう兜娘も、
たいそう信頼されているようだし……。

千狐
なんだか、殿と千狐たちの関係に似ていましたね。
強力なライバル登場って感じなの！

殿
…………。

三重城
首里城ちゃん、ちょっとお疲れ……？
さっきから、ぼーっとしてるさー。

首里城
あ……ごめん。
ちょっと、さっきの戦のこと考えてたさー。

首里城
シーサーたち……。
どうしてマジムンにも力を貸していたんだろう。

甘崎城
きっと、それが悪霊の力なのです！
唐傘が化けたり、人に憑りついたりして、
う～ら～め～し～や～……って！

三重城
シーサーは、琉球の守り神だよ。
悪霊なんかに憑りつかれるとは……。

玉城城
……そもそもなんだけど、
マジムンってホントに悪霊なのかな？

玉城城
みんながそう呼んでるから、
悪霊（マジムン）って呼んでるけど、
な～んか、違う気がするんだよね～。

殿
…………？

三重城
玉城城ちゃんは通称『太陽の門』っていうのがあって。
ニライカナイに通じてるって言われてて……、
みーたちよりそういうの鋭いんだよね。

玉城城
確かに人里に被害は出してしまっているけど、
直接人を襲ったりはしていないし……。

玉城城
どちらかって言えば、
子供が癇癪を起してるみたいな、
自分でも制御できてない駄々っていうか～。

甘崎城
暴走してるってことなのですか……！？

柳川城
だとしたら彼らの正体は、
本当に何なのでしょう？

玉城城
ごめんね……そこまでは分からないなぁ。

黒船 サスケハナ
ひとつ、聞いても良いだろうか？
あの薩摩の娘たちが言っていた『桜島』というのは、
ここから近いところにあるのか？

鉄甲船 大宮丸
琉球から海を境にしてお隣にあるわ。
日の本の南端にある火山島ね。

立花山城
何か気になることでもあるの？

黒船 サスケハナ
いや……船で脱しなければならないとなれば、
相当な被害が予想されるからな。

安宅船 日本丸
確かに心配だ……。
どうせなら、中継の寄港地にすりゃよかったな。
何かできることもあったかもしれないし。

黒船 ミシシッピ
もしもの話をしても仕方がありませんわ。
わたくしたちは、目の前の敵と向き合いましょう。
サスケハナもそれで良いですわね？

黒船 サスケハナ
ああ、そうだな。
お前の言うとおりだ。

黒船 サスケハナ
（流石に思い過ごしか……）

鉄甲船 大宮丸
マジムンたちのことを何とか出来たら、
薩摩の子たちの力になりたいわね。

首里城
うん……。

玉城城
首里城ちゃん。

首里城
たまちゃん……。

玉城城
シーサーたちに敵だって思われたこと、
やっぱり気になってる……？

首里城
うん……気になってないって言ったら、嘘になる。

首里城
シーサーは琉球の守り神で、
ずっといっしょだったから、
まさか攻撃されるなんて……。

玉城城
でも、私たちが傍についていたら、
ちゃんと味方になってくれた。

玉城城
だから、心から私たちのことを、
敵だって思ってるわけじゃないと思うの。

玉城城
マジムンたちも、きっとそう。
何か、理由があるはず。

首里城
スイは、琉球の島も、海も、そこに住む人も、
みーんな大好きさー。

首里城
この国を守るためなら、
何だってかけられる。

首里城
胸の内側から、いくらでも力が湧いてくる。

首里城
日の本よりも、小さな島国だから、
みんなで手を取り合って頑張らなきゃ。

玉城城
ほかの琉球の子たちも、いろんな島で頑張ってるから、
きっとさきざきで、スイや国王クンの力になってくれるはず。

玉城城
私は、またマジムンが騒ぎを起こさないように、
奄美大島に残ってみんなを守るから。
こっちは任せて～！

玉城城
あっ、もちろん、首里に何かあったら、
いつでも本島にかけつけるからね～。

首里城
スイもシーサーのこと、
マジムンたちのこと、
いっぱい考えてみる。

首里城
だから、あとはスイに任せて。

玉城城
うん。さすが私たちの『スイ』さねー♪

殿
…………。

柳川城
大丈夫みたいですね、殿。
琉球の城娘たちの絆も、
薩摩の城娘たち同様に固いようです。

柳川城
私たちは、私たちにできることで応えましょう。

柳川城
まずは沖縄のこと。
そして、黒船さんたちが言う『提督』のこと。

殿
…………！

柳川城
はい。
私も、私たちの『殿』についていきますよ。

安宅船 日本丸
よーし、補給は済んだな。
奄美大島でやり残したことはないか？
つっても、徳之島までそう遠くはないけどな。

甘崎城
ふっふっふっ。
出航の瞬間は、いつでも心躍るのです。

？？？
お～い！

安宅船 日本丸
ん……？
誰か呼んだか？

？？？
お～い！！！

黒船 ミシシッピ
3時方向の海上に船影ですわ！

黒船 サスケハナ
錨を上げる前にか！？
各員、艦隊戦用意！！

帆船 鳳凰丸
待て、日本丸！
私だ！　鳳凰丸だ！

安宅船 日本丸
鳳凰丸だぁ！？
まて、サスケハナ！
あれは敵船じゃない！

黒船 サスケハナ
……戦闘態勢を解除。

帆船 鳳凰丸
助かった、日本丸。
流石の私も肝が冷えた。

甘崎城
この方は、お知り合いなのですか？

安宅船 日本丸
こいつは鳳凰丸。
日の本が誇る大型帆船で軍艦だ。

帆船 鳳凰丸
まさしく！
日の本の海の平和は、
私に任せてくれ！

帆船 鳳凰丸
ところで日本丸。
君はなぜ、黒船と共にいるんだ？

黒船 サスケハナ
我々を知っているのか？

帆船 鳳凰丸
むろん、知っているかと言われたら知っている。
君たちが日の本にやってこなければ、
私は生まれることがなかったのだからな。

黒船 ミシシッピ
なるほど……そういう意味ですか。

安宅船 日本丸
まあ、いろいろと野暮用があってな。
とりあえず敵じゃないから、
そう警戒しないでくれ。

安宅船 日本丸
そういう鳳凰丸こそ、なんでここにいるんだ？

帆船 鳳凰丸
洋上で見知らぬ艦隊を目にしたのだ。
不審なので追いかけていたのだが、
この辺りで見失ってしまってな……。

帆船 鳳凰丸
近くの港で補給でもと思っていたら、
日本丸の姿を見かけて声をかけたというわけだ。

黒船 サスケハナ
見知らぬ艦隊……それらが何をしていたか分かるか？

帆船 鳳凰丸
遠目には、漁でもしているように見えたが。
それにしては、大掛かりな装置だったな。
まるで捕鯨でもしようかといういで立ちだった。

黒船 サスケハナ
……そうか。

帆船 鳳凰丸
君たちは出航するところか。
私も、補給を済ませたらすぐに発つとしよう。
哨戒任務に戻らなければな。

帆船 鳳凰丸
例の艦隊がまだ付近をうろついている可能性がある。
日本丸なら問題はないと思うが、十分に気を付けてくれ。

安宅船 日本丸
おう。鳳凰丸もな。

甘崎城
これだけの帆船、ぜひウチの水軍にも欲しいのです……。

安宅船 日本丸
ははっ。そうしたら、もっと気持ちも大きくなるかもな。

帆船 鳳凰丸
言っておくが、見掛け倒しではないぞ。
海の上の戦なら、いつでも私のことを頼ってくれ！

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