モスラ_(架空の怪獣)

ページ名:モスラ_(架空の怪獣)

モスラ (Mothra) は1961年(昭和36年)の映画『モスラ』を始めとする東宝製作の怪獣映画に登場した架空の怪獣、および同名の映画作品のシリーズの名称。

『モスラ』で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、ラドンと並び東宝三大怪獣と称される。

原作は「発光妖精とモスラ」(中村真一郎、福永武彦、堀田善衛)。原作で繭を作る建造物は東京タワーではなく国会議事堂であるが、60年安保闘争をモチーフにした部分があり、政治性が強いという理由から変更された。テンプレート:ネタバレ

目次

特徴[]

「モスラ」は“moth”の名の通り、翼開長100mあまりの巨大なガの怪獣である。卵から孵化した幼虫は、繭を作って蛹化し、さらに成虫へと羽化する。また、幼虫が繭を作る際に吐く糸は、戦闘時には敵を絡め取る武器として使用される。繭の形状はカイコに似るが、成虫の姿はカイコガやその原種クワゴには全く似ていない。幼虫期は1令しかなく、初齢幼虫が直接蛹に変態する。

成虫の前翅には大きな目玉模様がある。これは多くの鱗翅目昆虫に見られるもので、本来天敵である鳥類を威嚇するためのものである。昆虫専門誌『月刊むし』は、「モスラにこのような目玉模様がある以上、(作品世界における)地球には少なくとも体長数100mの鳥が存在するに違いない」と指摘している。

成虫はヤママユガがモデル(羽の模様のみヨロイチョウがモデル[1]ともされる)と言われており、白一色のカイコ蛾と比べて、カラフルな色合いとなっている(この事から“極彩色の怪獣”とも呼ばれる)。また、カイコ蛾の羽は退化しており羽ばたく事が出来ないのに対して、モスラは強靭な羽を持っており太平洋も楽々と飛び越える事が出来るほどの飛行能力を持っている。

初期作においてはゴジラを上回る巨体も特色であり、『モスラ』の原作と初期稿においては「過去に出現したゴジラよりも巨大な体躯である」と語るシーンが存在した。『モスラ対ゴジラ』の成虫がゴジラとの対比でその大きさを表現したのを最後にこの点は描かれなくなった(『ゴジラvsモスラ』の幼虫は、日本上陸時期には巨大であったが、ゴジラとの交戦時には生まれたてで小さいという表現となっている)。

講談社の『モスラ対ゴジラ』の小説版では、「相次ぐ地球の異常気象による気候変動によってヤママユガの一種がインファント島で進化したもの」とされており、これは『ゴジラVSモスラ』での設定の基にもなったという説もある。

鱗粉を出して相手を混乱させる技を得意とし、これでゴジラなどの敵怪獣を何度も苦しめている。ただし、『モスラ対ゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では「鱗粉を失うと羽がもろくなり飛行能力を失ってしまう(つまり死亡する)」という設定があるため、まさに「最後の攻撃」と言える(事実、2作とも成虫はゴジラに敗れ、ゴジラ打倒を幼虫に託している)。水中戦は苦手で、『モスラ2 海底の大決戦』でのダガーラとの水中戦には苦戦した。『モスラ2』ではダガーラに対抗するため水中モードモスラやレインボーモスラ、『モスラ3 キングギドラ来襲』ではキングギドラに対抗するため鎧モスラへと変化した。平成モスラシリーズには「一度は敵に敗れ、それに対抗するために新たなモスラになり、再戦を挑みこれを倒す」という演出が多く見られ、これがモスラという怪獣自体の定番となっている(『ゴジラ FINAL WARS』には最後にガイガンと対決した際のファイヤーモスラがあるが、これはパワーアップではない)。

ちなみにモスラはその外見や登場作品のファンタジックな作風が相まって、東宝怪獣では女性人気が一番高い[2]

鳴き声はアンギラスの鳴き声を早回し、アレンジしたものである。

名称[]

英語ではMothra。蛾を意味する英語のMothと母を意味する英語のMotherを掛け合わせたもの。つまり、本来の「蛾の怪獣」という意味の他に、「母性を象徴する怪獣」としてこの名称がつけられた。事実、モスラは出演する映画において必ず何かしらの守護神となっており、いわゆる「敵役怪獣」になった事は一度もない(『怪獣総進撃』でキラアク星人に操られて破壊活動を行った事があるのみ)。

モスラが登場する映画のリスト[]

怪獣モスラは、第1作の後も多くの怪獣映画に採り上げられ登場している。以下は、そのリストである(モスラ、モスラ族、その他の怪獣の順)。モスラの項で( )表記していない作品では幼虫・成虫の両方が登場。

  1. モスラ(1961年)- モスラ
  2. モスラ対ゴジラ(1964年) - モスラ、ゴジラ
  3. 三大怪獣 地球最大の決戦(1964年) - モスラ(幼虫)、ゴジラ、ラドン、キングギドラ
  4. ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966年)- モスラ(成虫)、ゴジラ、エビラ、大コンドル
  5. 怪獣総進撃(1968年)- モスラ(幼虫)、ゴジラ、ミニラ、ラドン、アンギラス、バラゴン、ゴロザウルス、マンダ、バラン、クモンガ、キングギドラ
  6. ゴジラvsモスラ(1992年)- モスラ、バトラ(幼虫、成虫)、ゴジラ
  7. モスラ(1996年)- モスラ、フェアリーモスラ、ガルガル、デスギドラ
  8. モスラ2 海底の大決戦(1997年)- モスラ(成虫)、フェアリーモスラ、ゴーゴ、ガルガルII、ベーレム、ダガーラ
  9. モスラ3 キングギドラ来襲(1998年)- モスラ(成虫)、フェアリーモスラ、原始モスラ(幼虫)、ガルガルIII、キングギドラ
  10. ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年)- モスラ/最珠羅、ゴジラ、バラゴン/婆羅護吽、ギドラ/魏怒羅→キングギドラ/千年竜王
  11. ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS(2003年)- モスラ、ゴジラ、3式機龍(メカゴジラ)、カメーバ
  12. ゴジラ FINAL WARS(2004年)- モスラ(成虫)、ゴジラ、ミニラ、ラドン、カマキラス、クモンガ、ガイガン、マンダ、エビラ、アンギラス、キングシーサー、ヘドラ、ジラ、モンスターX→カイザーギドラ
  • 『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』、『ゴジラvsメカゴジラ』、『ゴジラvsスペースゴジラ』、『ゴジラ×メカゴジラ』では過去の映像の流用で登場。
  • 『ゴジラvsスペースゴジラ』ではモスラの分身フェアリーモスラが登場。モスラ自身も劇中に登場するが全て過去の映像の流用である(フェアリーを送り出すシーンは過去の映像にフェアリーを合成したもの)。
  • その他『怪獣プラネットゴジラ』、テレビ特撮番組『ゴジラアイランド』、パチンコ『CRゴジラ3』にも登場している。

映画『モスラ』(1961年)のモスラ[]

インファント島の守護神。小美人が興行師ネルソンに連れ去られたため、本能でそれを追って東京にやってきた。幼虫の形態で180メートルにまで巨大に成長し、都内を破壊、東京タワーに繭を張って成虫になり(ちなみに東京タワーを破壊したのはモスラが初めて。)、今度はネルソンが逃亡したロリシカ国のニューカークシティを破壊するが、福田善一郎達が空港にモスラの紋章を描き、着地したところで小美人を返され、小美人を連れてインファント島へ帰った。

この作品の幼虫のみ、夜間の海上で光り輝いている(ただし、苦労して撮影した割に解り辛かったためか、以後のシリーズで発光する描写は見られず、設定にも表記された事は無い)。

幼虫は多人数(8人とされる。先頭は中島春雄)が入って演じる大型の着ぐるみも作られ、『ヤマトタケル』のヤマタノオロチの着ぐるみ(10人)の登場まで最大人数を誇っていた。

  • 幼虫
    • 体長:180メートル(最大時)
    • 体重:2万トン(最大時)
  • 成虫
    • 体長:135メートル
    • 翼長:250メートル
    • 体重:1万5千トン

平成モスラ三部作のモスラ[]

インファント島の守護神。親モスラとデスギドラとの戦いの最中に親モスラの危険を察知して卵から孵化した(エリアス姉妹のモル曰く「生まれてくるにはまだ時期が早過ぎる」また、「強い意志の持ち主だ」とのこと)。デスギドラに苦戦する親モスラの援護に来るもほとんど歯が立たず、尻尾を噛みつかれ血まみれになった挙句、頭を踏みつけられた。その後、親モスラが亡くなってしまい、その意志を継いで屋久島で繭を作り成虫に変態した。樹齢一万年の屋久杉の力(一万年分の大地の記憶)を得た影響で羽根や複眼などが緑色になっている。この新たな成虫は多彩な技を駒使して戦い、幼虫のときとは比べ物にならないほどの圧倒的な力でデスギドラを倒し、これを再度封印した。

翌年のダガーラ戦では苦手な水中戦のために絶体絶命のピンチに陥った。こうした数々の戦いを経験していくうちに「レインボーモスラ」となり、「水中モード・モスラ(アクアモスラ)」や「鎧モスラ」への変身能力を身に付けた(レインボーモスラについては、羽の色が、緑色から虹色に変わっただけで、姿形は以前のモスラそのままであるため、変身したというよりも変化したといった方が妥当である)。羽化時、無数に分かれた(分身体)後に合体して一体になったため、分身攻撃が得意である(歴代モスラの中で、分身体の状態で羽化したのは、このモスラだけである。デスギドラとの2度目の戦いの際は、分身攻撃でデスギドラを翻弄した)。また、幼虫の時期には体色を風景と同化させて擬態する能力(フェイク・リフレクション)も持っていた(これを成虫でも使えるかどうかは定かではない)。このモスラは「新モスラ」や「新生モスラ」とも言われるが、正式な名称としては「グリーンモスラ」という呼び名があり、また『モスラ2』のDVDのインストにおいては「モスラ・レオ」と表記された。また、これほどの沢山の変身を行ったのはこのシリーズのモスラだけである。歴代の幼虫で唯一ビーム発射(腹部からプチ・レールガンを撃つ)や擬態(フェイク・リフレクション)といった特殊能力を有している。

エリアス姉妹がモスラを呼ぶ時に歌われる歌には、三作共微妙に違いがある。

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』は当初平成モスラシリーズの続編として企画され、このモスラが登場する予定だったという話もある。真偽は不明だが、宇宙船第108号での造型担当若狭新一による「当初このモスラを(羽の色を暖色系へ変更して)造型する予定だった」というコメントはそれを裏付けているのかもしれない。

  • 幼虫
    • 体長:25メートル
    • 体重:3000トン
    • 武器
      • エクセル・ストリングス:口から吐く、虹色に輝く強酸性の糸。また、変態を行う際に繭を作るときにも使われる。
      • プチ・レールガン:胸部(腹部からにもみえる)からのビーム
      • フェイク・リフレクション:周囲の景色を取り込む擬態
  • 成虫
    • 全長:24メートル
    • 翼長:53メートル
    • 体重:5900トン
    • 飛行速度:マッハ15.5
    • 武器
      • クロスヒート・レーザー:額からのレーザー
      • スパークリング・パイルロード:鱗粉をまき、巨大な光の柱を発生させ目標を圧殺する。腹部から直に発射する事も可能
      • イリュージョン・ミラージュ:分身攻撃
      • エクセル・ダッシュ:最大飛行速度をマッハ80から85まで高めて体当たり。65秒間持続
      • シャイン・ストライク・バスター:鱗粉でプリズムレンズを形成し、超高熱の光を照射する。その温度は瞬間的に太陽表面の20%近くに上昇する。新モスラの必殺技。
    • その他の能力
      • パルセフォニック・シャワー:デスギドラによって焼け野原となった大地をもとの緑豊かな大地にへと再生させた緑色の鱗粉。枯木などの生命力を蘇らせる力を持つ

『モスラ』、『モスラ2』(レインボー共)同一の造形物、ただし若干の改修がされている。

レインボーモスラ[]

『モスラ2』及び『モスラ3』に登場。ダガーラに敗れ、絶体絶命のピンチに陥ったグリーンモスラがゴーゴの「命の水」の影響で強化された状態であり、以後の通常形態になる。そのため姿形こそは以前のグリーンモスラ(上記の項目)そのままであるが、その名の通り虹色に変化した翼をもつ。水中モード・モスラ(アクアモスラ)に変身することができ、これによりこれまで苦手だった水中での戦いもこれで可能となった。翌年のキングギドラ戦でも登場しているが、攻撃が通用しなかったばかりか逆にキングギドラ(グランドギドラ)の圧倒的な力の前にー方的にやられて敗れてしまう。そこで、1億3000万年前の中生代の白亜紀にモルの反対を押し切って二度と現代に戻ってこれないことを承知の上でモルの歌の力を得てタイムスリップ。そこでの若い頃のキングギドラ(ヤングギドラ)との戦いで最初は多彩な技で奮戦するが、次第にキングギドラの反撃に苦戦してしまい、羽を喰いちぎられるなど猛攻撃を受けてー度は瀕死の状態に追い込まれるが、正気を取り戻したロラの歌によって復活する。しかし、最終的には相撃ち(正確には、火山にキングギドラを運んでいき葬ったあとにおこった火山の爆発に巻き込まれて大ダメージを負った)となってしまい、遂に力尽きて絶命してしまい永い眠りにつくが、三体の原始モスラ達の糸でつくられた「繭のタイムカプセル」に包まれ、その中で1億3000万年もの時間をかけて眠った末その中で息をふき返えしたばかりでなく、さらに力と能力を増した「鎧モスラ」(下記を参照)に変身して、再びキングギドラと対決するために現代に帰ってきた。モル曰く「良い人と悪い人をすぐに見分けられる」とのこと。

『モスラ2』では眼などは以前のモスラの色の名残りを残し、緑色だったが、『モスラ3』では眼が青くなり、色調全体にも青さが増した。

  • 体長・体重・飛行速度などは変身前のグリーンモスラと同じ(上記)。
    • 武器
      • クロスヒートレーザー・レインボー:額からのレーザーで、「命の水」の影響により虹色になっている。
      • シャイニングシールド:エネルギーの盾
      • オーロラパワー:念動力
      • レインボーバスター:虹色の破壊光線
      • アローバスター:垂直降下しつつ、回転しながら撃つレーザー
      上記の他、グリーンモスラ時の能力も引き継いでいる。

造形物は『モスラ3』で新しく造形されている。

水中モード・モスラ[]

モスラ2』と『モスラ3』に登場。水中戦を得意とするダガーラに対抗するためレインボーモスラが変身した水中形態。これにより、これまで水中戦が苦手だったモスラもダガーラと互角以上の戦いを繰り広げることができた。分身攻撃も可能(これがレインボーモスラの時でも使えるかどうかは定かではない)。水への抵抗を少なくし、早く泳げられるようにするため翼は斜めに小さくなっている。しかし、ちゃんと飛ぶことはできる。体型もレインボーモスラの時より若干細身になっている。頭の形も少し鋭利な形に変わっている。尾のあたりに三本のひれのようなものが生え、翼が4枚に分かれている。「モスラ3」にてレインボーモスラがタイムトラベルするときにも変身しており、モスラ光速モードへ変身する際の途中形態でもある。「アクアモスラ」とも呼ばれる。鳴き声はレインボーモスラの時とかなり違う。

形状はトビウオ、もしくはスズメガに似ている。

  • 体長:24メートル
  • 翼幅:30メートル
  • 水中速度:200ノット
  • 飛行速度:マッハ15.5
    • 武器
      • クロスヒートレーザー・アクア:額からのレーザー。
      • アクアシールド:水を一瞬にして盾にかえる。
      • エックス・サンダービーム:全身を発光させ、その光を光線にして放つ。
      • イリュージョン・ミラージュ・アクア:分身攻撃。ダガーラの体内に入ることができる。

モスラ光速モード[]

『モスラ3』に登場。レインボーモスラが中生代にタイムトラベルするために、アクアモスラ(水中モード・モスラ)を経て変化した姿。羽の形や色がアクアモスラの時よりもかなり変わっている。アクアモスラと同じく羽が4枚にわかれており、頭の形もより鋭利な形になっている。全体的にさらに鋭角な体型となった。その名の通り、光速とおなじくらいかもしくはそれ以上のスピードが出せるものと思われる。

  • 体長:25メートル
  • 翼幅:30メートル

CGのみであり、造形物はなし。

鎧モスラ[]

『モスラ3』に登場。「平成モスラ三部作」史上最強のモスラである。レインボーモスラの時にキングギドラ(グランドギドラ)に敗れ、これを倒すべく中生代へとタイムトラベル、キングギドラ幼体(ヤングギドラ)を撃破し絶命した後、原始モスラ達の作った繭の中で一億三千万年も眠った末に息を吹き返して復活し、変身した究極の形態。その名の通り体全体が鎧のように硬くなっており、キングギドラの強力な引力光線をも受け付けていないうえ、その引力光線を束ばねて放つトリプルトルネードを受けても、平気で飛んでいられるほどである。羽も同様に強化されてカッターのように使えるようになっており、大抵の物質は切断・破壊が可能(鎧・翼カッター)となっている(キングギドラとの2度目の戦い(レインボーモスラのときに、中生代にてヤングギドラと対決しているため、実質的には3度目の戦いである)の際には、体当たりで片方の翼を切り落としてしまうほど、強力かつ鋭い切れ味である)。また羽の形がギザギザした形に変わっており、色も変化している。額にある単眼が三つだったのが一つになっており、そこから発射される光線(鎧・クロスヒートレーザー)は以前のレインボーモスラと比べ、さらに威力が強化されてより強力なものになっていて、これによりレインボーモスラのときには通用しなかったキングギドラにダメージを与えられるようになっている。また、全体的に体長や翼長など、レンボーモスラの時よりもかなり大きくなっている。体重も大幅に増加している。さらに体格では自身をはるかに上回るキングギドラを体当たりであっさり押し返し地上に叩き落すなど、基礎的な力も数倍に強化されている。ちなみに、胴体も鎧に覆われているため、足が存在しておらず、触角もなくなっており、代わりに頭の両サイドに突起物がはえている(頭の下の辺りにも同じように、両サイドに上のものよりも短い突起物が存在している)。また、体毛も一切生えていない。

その圧倒的なパワーでキングギドラを青色の塵に分解して倒した。戦闘後は鎧を解除し、親モスラに似た鎧モスラ・エターナル(下記を参照)に変身した。

  • 体長:25メートル
  • 翼長:50メートル
  • 体重:2万トン
    • 武器
      • 鎧・クロスヒートレーザー:額からのレーザー。レーザーの色は虹色から青色になっていて威力がかなり強化されており、その威力はレインボーモスラの時の3倍の威力である。
      • 鎧・翼カッター:翼の硬いエッジで体当たりするとともに敵を切断。
      • エクセル・ダッシュ・バスター:グリーンモスラの技の一つであるエクセル・ダッシュの強化版のような技で、体全体をフラッシュエネルギーで光り輝かせて、そのまま敵を通過しその体を突き破る最強の技。キングギドラを倒した必殺技でもある。

鎧モスラ・エターナル[]

『モスラ3』のラストに登場。キングギドラを倒した直後に鎧モスラが鎧を脱いだ姿。そのため姿形こそは鎧モスラの形そのまま(頭部に関しては、鎧モスラのときにはなかった触角があったり、体毛があったり、足が存在したりと微妙にちがうところもある)であるが、親モスラによく似た温厚そうな外見をしていて、体色や羽の色も鎧モスラとはかなり違っている。額の単眼が消えた非戦闘モードである。また、いざ戦闘時には、再び元の鎧モスラに変身できると考えられる。結晶化したモルを蘇らせたことから、生命に関する能力を持っているものと考えられる。キングギドラのドームから開放された子供たちを見守る様に羽ばたいた後、モルとロラとともにインファント島へ戻っていったようだ。事実上「平成モスラ三部作」での最終形態である。

  • 鎧モスラが鎧を外した姿のため、体重は幾らか軽くなるはずだが、体長・体重・翼長は変身前の鎧モスラと同じ。

フェアリー[]

エリアスが乗る小型のモスラ。親モスラの分身のためか、外見は親モスラと全く同じである。守護神であるモスラの眷属(=神の使い)であり、モスラの変化とともに外観も変化する。武器は触角からの光線(インパルサー)。周囲には微弱な結界があり、高速飛行時においてもエリアス姉妹を保護する。物質の分析やゴーゴの様な異生物との交信も可能。

  • 体長:18センチメートル
  • 飛行速度:マッハ1

親モスラ[]

モスラ』(1996年)に登場。先代のモスラ。卵を産んで死を待つ所に出現したデスギドラに立ち向かう。最初は多彩な技で大奮戦するが、次第にデスギドラの圧倒的なパワーに苦戦を強いられるようになる。その後、幼虫と共に立ち向かうがそれでも歯が立たなかった。デスキドラを挑発、ダムを破壊させて濁流にデスキドラを飲み込ませた後に、幼虫モスラを海上まで連れていき、そこで力尽き、幼虫に全てを託して海の底へ沈んでいった。触角から光線を発射し、羽から稲妻を落とし、鱗粉をばら撒き、高速で体当たりするなど多彩な技を持つ。この個体は『ゴジラvsモスラ』の成虫と容姿がそっくりで共通の技も多いが、作品的繋がり(小美人の呼称や作品の背景等)は皆無のため別個体である。

  • 体長:25メートル
  • 翼長:50メートル
  • 体重:6千トン
  • 飛行速度:マッハ5
    • 武器
      • ビームパルサー:触角からの光線
      • フラッシュダッシュ:一時的に飛行速度をマッハ80に高め体当たり
      • プレッシャーフィールド:鱗粉を撒いて雷攻撃
      • スタントリガー:足に高圧電流を纏わせて直接触れる
      • ミルキーウィップ:触角から出す小型の鞭

造型物は『ゴジラvsモスラ』の物と似ているが新造されており、サイズも1メートル程度と小さくなった。

  • 当初流用する予定だったが破損が激しいため新造形する際に、操演しやすい大きさへと改められた。

原始モスラ[]

中生代に生息していたモスラの祖先。人類による環境破壊以前の時代のため、複数の個体が存在し、劇中には幼虫が3体登場した。外見は現在の物とはかなり違う。レインボーモスラが鎧モスラへと、変身する切っ掛けを作ったのは彼らであり、キングギドラ幼体(ヤングギドラ)を倒して力尽きたモスラを繭に包み、復活させ現代へ送った(二度と現代に戻ってこれないモスラが現代に帰って来られたのは彼らのお陰とも言える)。成長した後の姿は劇中では確認されていない。

  • 体長:15メートル
  • 体重:2千トン

ゴジラ FINAL WARS』のガイガンのガレージキットには、「ガイガンは太古以来のモスラの宿敵である」という設定に基づき、ベース(キットの土台)に複数の原始モスラ幼虫が造形されたものが存在する。

ゴジラシリーズのモスラ[]

モスラはゴジラシリーズにも何度も登場しており、「ゴジラ以外の怪獣」としての登場回数ではトップである。ゴジラは成虫に対しては何度か勝利しているが、幼虫を完全に倒したことは一度もない。

昭和期シリーズ[]

  • 成虫(各作品共通)
    • 体長:135メートル
    • 翼長:250メートル
    • 体重:1万5千トン
『モスラ対ゴジラ』[]

成虫と、新たに卵から産まれた双子の幼虫の計3体が登場。成虫は『モスラ』に登場した個体。ゴジラが霞むほどの巨体だが、それでも老齢期のため東京タワーで羽化した時より小さいとされる。産んだ卵が台風により日本まで流され、その卵をゴジラが襲おうとしたため、卵を守るために残り少ない命を承知で日本に飛来する。ゴジラを衝撃波と引きずり攻撃、そして熱線を回避する機敏性で苦しめたが、肝心の鱗粉攻撃で決定的なダメージを与えられず、逆に放射能熱線が直撃して顔と羽を焼かれてしまう。そのまま撃退かなわず、卵をかばうようにして着陸、力尽きた。卵から生まれた2体の幼虫がゴジラを糸で封じて海へ落とし、インファント島に帰還した。この内1体は後に死亡(後述)。

成虫は歴代で一番巨大な全長2メートル程度のものが造形されている。

  • 幼虫
    • 体長:53メートル
    • 体色は『モスラ』での淡いベージュから、光沢のある赤茶色に変更されている。
    • 産まれた二匹は、青目と赤目だったが、島に上陸した際はいずれも青目になっている。
『三大怪獣 地球最大の決戦』[]

幼虫が登場。前作まで青かった眼は赤に変更されている。『モスラ対ゴジラ』に登場した幼虫と同じ個体とされるが、2体のうち1体は死亡している(劇中で小美人が説明。原因は不明だが、前回のゴジラ戦における怪我が原因という説が有力である)。キングギドラ来襲の際に、小美人が呼び寄せた。ゴジラとラドンに対して「一緒に戦おう」と説得するも「いつも我々をいじめてきた人類を守る必要はない」と拒否され、仕方なくキングギドラに1体で立ち向かうが勝てる訳もなかった。その姿を見たゴジラとラドンは戦いを決意し、共にキングギドラを宇宙へ追い返した。ラドンの背に乗り、キングギドラを糸で雁字搦めにする活躍を見せる。

『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』[]

成虫が登場。上の2作品に登場した幼虫が変態した姿と思われるが、劇中では特に言及されていない。最初は眠っていたが、秘密結社「赤イ竹」に拉致されたインファント島の人たちを救出するため復活。戦うことが目的ではないので、襲いかかろうとするゴジラを羽でチョップし、追い払う程度で済ませている。

造形物は『モスラ対ゴジラ』の物を流用、撮影カットによっては『モスラ』の物も使用。

  • 『対ゴジラ』の小型成虫と『モスラ』の成虫を平行して使用するメイキング写真が現存する。
『怪獣総進撃』[]

怪獣ランドに住む怪獣として幼虫が登場。赤眼。ゴロザウルスと同居している。前作までの個体、及びインファント島、小美人との関連性はない。キラアク星人に操られ、北京の列車や東京のモノレール駅を破壊。その後、富士のすそ野でキングギドラと相対し、クモンガと共に糸でこれを牽制、戦いをサポートする。

  • 体長:40メートル
  • 体重:8千トン

平成VSシリーズ[]

『ゴジラvsモスラ』[]

地球の先住民族コスモスの守護神。幼虫の眼は再び青くなっている。同族だが傾向が異なるバトラとは戦う運命にあり、不本意ながらこれと戦った。インファント島の地中から卵が出現し、島の開発を行っていた丸友観光によって日本に運ばれる途中に孵化。孵化の直前に出現したゴジラと戦ったが、バトラの乱入に遭ってインファント島に帰還した。その後、丸友観光に連れ去られたコスモスを追って東京に上陸し、国会議事堂で繭を作り成虫となった。

同時期に成虫となったバトラと横浜上空で激しい戦いを繰り広げるが撃墜される。その後、上陸してきたゴジラに対して、バトラには決して使う事がなかった超音波ビームで攻撃し、バトラと助けあって和解、共闘の末にゴジラを戦闘不能状態にして海へと連れ去る。が、突如復活したゴジラにバトラが倒され、その海上でゴジラを封印、バトラの使命を受け継ぎ、地球に追突する隕石の軌道を変えるため宇宙へ旅立つ。その際、体に付着したゴジラ細胞により、後のスペースゴジラ誕生の一因も造ってしまう。

超音波ビームと鱗粉(電磁鱗粉、イオンクラフトの原理で揚力を得ている)を武器とする。鱗粉が撒かれている間はその中に雷が発生するほか、あらゆる光線や熱線を乱反射してしまう。これによってゴジラは放射熱線を封じ込められたばかりか威力を逆利用され、さらにバトラのプリズム光線の連携攻撃にも遭い、敗退することとなった。コスモス曰く「モスラ最後の武器」。

  • 幼虫
    • 体長:120メートル
    • 体重:1万5千トン
  • 成虫
    • 翼長:175メートル
    • 体重:2万トン
    • 飛行速度:マッハ2
『ゴジラvsスペースゴジラ』[]フェアリーモスラ『ゴジラvsモスラ』で宇宙へ飛び立ったモスラが、スペースゴジラの脅威を知らせるために地球へ派遣した成虫の姿の分身体。本編に登場する人物でその姿を見たのは三枝未希のみ(通常の生物ではない為、超能力者以外には認識できないともいわれる)。
  • 翼長:30センチメートル

新世紀シリーズ[]

『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』[]

従来のモスラと異なり、護国三聖獣の一つである海の神として登場。そのためインファント島及び小美人との関連性はないが、小美人を思わせる少女2人組がモスラを見上げる姿が劇中で見られる。外見は従来と異なり、体毛がなく脚や尾も蜂のようであろ。眼の色も青色ではなく紫色で、羽の模様も従来とは異なっている。「護国聖獣伝記」では尾に孔雀のような羽根が描かれていた。今作では厳密には人類の味方ではないため、鹿児島県の池田湖から出現した際には、犬を溺死させようとした不良たちを襲い、逆に溺死させる。

その後、湖面に繭を作り成虫となった。飛行してゴジラの迎撃に向かい、途中から参戦したギドラと共にゴジラを迎え撃った。しかし、ギドラがゴジラの攻撃で気絶、再びローンバトルを強いられた上、ギドラへのとどめとして放たれたゴジラの熱線からギドラをかばってこれを2回受け、燃やし尽くされる。そのエネルギーをギドラに与え、完全体である「千年竜王・キングギドラ」へ変化させた。なお、従来のモスラが使った鱗粉や光線は使わず、尾から飛ばす無数の毒針と脚による引っ掻きが攻撃方法。

幼虫は『モスラ』(1996年)の頭部モデルを加工したものを使用している。

  • 成虫
    • 翼長:75メートル
    • 胴幅:5メートル
  • 幼虫
    • 全長:30メートル
    • 全幅:5メートル
    • 全高:6メートル
    • 体重:1万トン
  • 繭全長:33メートル
『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』[]

初代モスラの子孫。脚部以外は初代に準じている。機龍(メカゴジラ)に代わり、ゴジラと戦う。鱗粉及び脚による引っ掻き攻撃でゴジラを苦しめるが、ゴジラに足を食いちぎられてしまう。成虫は援護にやってきた自身の子である2体の幼虫(双子の姉弟)をかばい、ゴジラの熱線に敗れる。

2体の幼虫は機龍と共にゴジラと戦い、機龍のスパイラルクロウで体を貫かれて怯んだゴジラを糸でからめて動きを止める。機龍は身動きのとれないゴジラと共に海に沈み、幼虫はインファント島に帰っていった。感情がたかぶると眼の色が青から赤に変わる。成虫の造形物にはアメリカから取り寄せた毛皮を使用。翼長は3.7メートルにもなる。幼虫は区別のためスタッフによってそれぞれ花子・太郎と呼ばれていた。デザインは西川伸司。

  • 成虫
    • 体長:36メートル
    • 翼長:108メートル
    • 体重:1万2千トン
  • 幼虫
    • 全長:43メートル
    • 体重:9千トン
『ゴジラ FINAL WARS』[]

インファント島の守護神という基本設定はそのままであるが、伝承によれば「かつて先祖がガイガンの襲来に際して戦いを挑み、敗れた」とされている。これにより古代の地球ではX星人達によるミトコンドリアの収穫が滞りなく行われ、後に「ミュータント」と呼ばれる地球人との混血種が誕生するに至ったと考えられる。インファント島の壁画には2匹の幼虫が描かれている。

ガイガンが再起動し、X星人達の地球侵略が苛烈を極める地上に復活、モンスターXと改造ガイガンに苦しむゴジラの援護に現れた(ただし、タッグ戦は行わず、また劇中ゴジラと一緒に映っているシーンはない)。ガイガンとの空中戦においてカッターで羽の一部を切断され、その後、モンスターXと改造ガイガンを突進技(ボンバーラリアット)ではねとばし、ガイガンに毒鱗粉を浴びせた後、光線で大爆発して倒されたかに思われたが、その光線を爆炎として身にまといガイガンに体当たり(技名:ファイヤー・ヒート・アタック。この状態のモスラをファイヤーモスラと呼ぶ)してこれを倒した。ガイガンと共に爆散したかと思われたが、エンディングで小美人の待つインファント島へと帰還(切断された羽は元通りになっている)。

脚本段階ではファイヤー・ヒート・アタック後にそのまま海に飛び込み自身を消火するという描写があった。造形物は前作の物の流用で、頭部の毛並みのみ多少変更している。

  • 成虫
    • 体長:72メートル
    • 翼長:216メートル
    • 体重:2万5千トン

『怪獣プラネットゴジラ』のモスラ[]

ゴジラ、ラドンと共に緑の惑星「怪獣プラネット」に生息していた。飛来した宇宙探査船アース号に対して超音波光線で襲いかかったが、アース号が行った惑星からのワープによる離脱に巻き込まれたのか、地球の銀座に出現し、東京駅方面から出現したゴジラと遭遇、鱗粉攻撃などで激しい戦闘を行った。アース号から散布された惑星の緑の木の実を浴びて大人しくなり、光に包まれて宇宙へ帰った。

  • 造形物は「VSモスラ」の流用。

『ゴジラアイランド』のモスラ[]

ゴジラアイランドの怪獣として登場する。生息地は「モスラのどうくつ」。造形物はいずれもバンダイのソフビ。怪獣救済募金として「モスラの羽根」なるものが作品世界に存在する。

親モスラ[]

子モスラより後に登場。空を飛べる敵怪獣相手に戦ったり、ジュニア救出の際に鱗粉をばら撒いて赤外線自動砲を狂わせるなどして活躍したが、後に寿命が近付き、いつ死んでもおかしくない状態となってしまう。そんな折りにヘドラが出現。無理を押して果敢に立ち向かった末、最後の力を振り絞ってヘドラをゴラス火山の火口へ落したが、その直後に起きた噴火に巻き込まれて死亡した。その後、ヘドラを倒した新モスラの前に霊体となって現れ、「さようなら」と告げて消えた。

造形物はVS版のソフビ。

子モスラ(新モスラ)[]

親モスラの子供。初期から登場し、X星人によって凶暴化したゴジラ達を説得したり、ゴジラとラドンと共にキングギドラと戦ったりした。後に成長して繭を作るも、その前の親モスラが死亡した際のショックで成長を拒んでいたが、トレマの必死の呼びかけで成虫化、ゴジラと共にヘドラを倒した。成虫の外見こそモスラレオだが、眼の部分が少し違う。

造形物は96年版幼虫とモスラレオのソフビ。

ベビーモスラ[]

新モスラの兄弟。元は2つの卵があった内の1つだったが、昔バトラとの戦いの際に守りきれないと判断した親モスラの手によって、仮死状態でゴラス火山の中に隠されていた。始めは新モスラの手によって温められていたが、メガロとデストロイアに奪われ、そしてバトラが卵を孵化させた事により、バトラを親と思い込み、ゴジラアイランド中の怪獣を糸で縛り襲った。だが、用済みとしてバトラに攻撃された事と、新モスラに卵の状態で温められていた時の記憶が蘇った事で正気に戻り、新モスラとゴジラと協力してバトラ達を追い払った。通常のモスラ幼虫の糸に加え、『平成三部作』のモスラレオの幼虫同様、プチレールガンを武器にしている。

造形物は96年版幼虫のソフビ。

『CRゴジラ3』のモスラ[]

実写カットは「FINAL WARS」の造形物を使用。

『ゴジラ・パチスロウォーズ』のモスラ[]

液晶演出に登場するのはおそらく『東京SOS』のもの。幼虫もいる。

亜種怪獣[]

バトラ[]

ゴジラvsモスラ』『ゴジラアイランド』に登場した。en:Battra 

『ゴジラvsモスラ』[]

モスラの亜種であり、地球生命が環境汚染などに対し造り出した怪獣。モスラと同様に地球の守護神というべき存在であるが、『守護』を目的とするモスラとは相反し、『破壊』を目的としている存在である。その名は「バトルモスラ」の略であるとされる(実際にこの名称で発売された商品もある)。別名戦闘破壊獣。はるか太古の発達した文明時代に、気候を自在に操る機械が発明され地球生命を脅かしたため、文明を滅ぼそうと地球自らが生み出したとされる怪獣である。インファント島の遺跡にはバトラがモスラと同じ卵から産まれた事を示すと思われる壁画が描かれている。幼虫の時でも光線を放つなど、モスラに比べて、より攻撃的な能力を持つ。『ゴジラ対メガロ』に登場したメガロや『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』に登場したメガギラスに凶悪な顔構えは似ているが、関連はない。鳴き声はラドンのものを改造したもの。

体色は黒を基本とし、随所に赤や黄色がちりばめられ、羽には赤い稲妻模様が刻まれている。硬質な外骨格に包まれており、モスラの様に鱗粉を武器にする事は出来ないとみられる。触覚ではなく角を持つが、成虫になると飛行の邪魔にならないよう退化する。また肢がモスラよりもずっと長い。幼虫の泳ぎ方は、バタフライ泳法様である。

バトラはコスモスの築いた古代の文明を攻撃し、コスモスの守護神モスラによって最終的に北の海に封印されたが、その際の気候操作機械の破壊により地表のほとんどが海中に没し、コスモスの文明は滅びた。巨大隕石の落下による汚染が引き金となり20世紀に復活する。

復活したバトラはモスラをめがけて日本を通過。能登半島沖で受けた航空自衛隊のF-15のミサイルをものともせず地中に潜り、名古屋に出現し名古屋城を破壊(「モスラ対ゴジラ」におけるゴジラの名古屋城破壊シーンのオマージュ)。名古屋テレビ塔付近で陸上自衛隊の74式戦車部隊と戦い、角と目からプリズム光線を発射し多数を撃破するが、到着したツインメーサータンクと92式メーサー戦車の攻撃を受け、テレビ塔を倒して再び地中に潜行後、フィリピン沖に出現。コスモスを守るためにゴジラの気を引いていた孵化したばかりのモスラに襲い掛かろうとし、逆にゴジラの怒りを買い、海底で激しく戦う。しかし、戦闘の衝撃がマグマ層に影響を与え、活動を開始した海底火山にゴジラ共々飲み込まれる。だが、バトラはモスラが羽化して成虫になろうとしている頃に姿を現し、海上で成虫となり再びモスラの元へ向かう。

横浜みなとみらい21でモスラと激しく戦いこれを撃墜、続いて先のマグマ層の活性化で噴火した富士山から現れたゴジラを迎撃。一時は瓦礫の下に押し込めたが、油断して返り討ちにあい、あわやというところでモスラが加勢。次いでモスラの苦境に助太刀し、ついにモスラと共にゴジラに挑み、これを戦闘不能に追い込んだ。その後、モスラに自分の本来の使命を伝え、モスラとともにゴジラを空輸しようとするが、ここで突如ゴジラが復活、喉笛を食いちぎられる。これが致命傷となるが、ついにゴジラを離さず北の海へと運び出しそこで絶命、ゴジラと共に北の海深く沈む。

本来の復活の目的は後に地球に飛来する巨大隕石(後のスペースゴジラであったという説もある)の衝突を回避する事であったが、ゴジラに倒されたために、モスラが代行した。

この隕石破壊や、上記の文明を滅ぼそうとする等、一方的な破壊を主眼としているためか、成虫時は耐久力に難があるとされる。但しゴジラの熱線の直撃回数は六回と、前作のキングギドラ(四回)よりも多い。また、敵の背後のビルを崩したり、もぎ取った観覧車を叩きつけたりと、戦闘技術はモスラよりも高いようである。

蛹の状態は存在せず、幼虫の状態から閃光とともに一瞬にして成虫に変態した。その成虫化の様子は、ユスリカの蛹が尾を上下に振りながら水面を泳ぎつつ羽化する姿を彷彿とさせるものである。設定ではモスラが完全変態を行うのに対し、バトラは不完全変態を行うとされており、コミカライズ版では変態の際に残した抜け殻が発見されている。

ゴジラvsスペースゴジラ』では、過去の映像の流用で登場している。

デザインの段階では「半二足歩行型で、翼の形状も蛾というよりカブトムシのようなイメージ」という、決定案とは大きく異なるものも存在した。

没企画「ゴジラの復活」「モスラVSバガン」に登場予定のあった「魔獣バガン」と、没企画「モスラVSギガモス」で設定された「ギガモス」の設定を総合し、さらに環境破壊というテーマを含めて完成に至った経緯がある。

  • 幼虫
    • 体長:90メートル
    • 体重:2万トン
  • 成虫
    • 翼長:180メートル
    • 体重:3万トン
    • 飛行速度:マッハ2.5

幼虫は着ぐるみで表現された。スーツアクターは破李拳竜。

『ゴジラアイランド』[]

X星人の操る怪獣として、成虫のみ登場する。昔、ゴジラがいない頃のゴジラアイランドでモスラと争っていた事が司令官の口から語られており、この事から元々ゴジラアイランドに住んでいたものが、X星人側に寝返ったものと推測できる。このようにオリジナル同様モスラと因果関係がある設定だが、最後まで悪の怪獣として登場し『VSモスラ』のようにモスラ一族と和解する事はなかった。鳴き声は途中までモスラの低めの声を使用していたが、後半から本来の声になった(同作で共演したラドンとの差別化のため)。『VSモスラ』と違い鱗粉攻撃が出来る様になっている。また、幼虫そのものは出ていないものの、ザグレスがメカキングギドラを買った怪獣自動販売機のボタンのマークの1つとして登場した。

造形物はバンダイのソフビ。

ゲーム[]

モスラはゴジラ関連のテレビゲームの殆どに登場。

ファミリーコンピュータ版ゴジラでは、成虫モスラがゴジラと共にプレイヤーが操作できる。

『ゴジラ怪獣大決戦』ではモスラの超必殺技「モスラ&バトラ攻撃」(隠し技扱いだった)でバトラが何処からともなく現れ、モスラと共に戦うという登場をしている。

セガサターンの『ゴジラ 列島震撼』では、モスラ、バトラとも登場。ガイガン登場マップでは、『ゴジラファイナルウォーズ』に先駆けて、モスラ対ガイガンの戦いが行われた。また、バトラは二体同時に出現。当初は幼虫形態だが、撃破すると同時に成虫形態になって復活する。実質四体との戦闘を強いられ、バトラ自体の攻撃力も高めに設定されている上、自軍戦力は貧弱なため、苦戦を強いられる。

ゴジラキラー[]

各作品の勝敗においては、ゴジラはモスラ成虫には三度勝っている( 『モスラ対ゴジラ』『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』)が、幼虫には一度も勝ったことがない。(ただゴジラが成虫に勝ったとされる三度も、寿命が近かった、何かを庇うために体をはって守った、などゴジラとの強さの差でモスラが負けた描写はない)

基本スタンスとして他の東宝怪獣が基本的に「人類の敵」、つまり悪役として描かれているのに対し、モスラは人類への警鐘者という点では通じるものの、基本的に人間に対しては積極的な敵対者ではない。この為モスラと他の怪獣が戦う作品では基本的にモスラは「人類の味方」、すなわち正義として描かれる。この為モスラは最終的に勝利を得る事が圧倒的に多いのである。

最初の一戦である昭和『モスラ対ゴジラ』は、ゴジラシリーズの転機となった作品で、これ以降ゴジラシリーズは勧善懲悪の要素をはっきりとさせるようになった。

一方で元々寿命が短いという設定から、個体別の勝率はそれほど高くはない。

脚注[]

  1. この名のチョウは現存せず、江戸時代の文献に出てくるその名は現在のオオムラサキを指しておりまるで似ていない。黒い前翅と朱の後翅の配色はヒトリガを、前翅の特徴的な眼状紋はクジャクチョウをモデルにしたものと考えられる。
  2. マーチャンダイジングライツレポート1998年8月号

関連項目[]

  • ゴジラ - 『モスラ対ゴジラ』以降、シリーズに組み込まれていく。
  • キングギドラ - キングギドラ(やその派生キャラクター)が、地球自体の敵として描かれることが多いため、ゴジラなどの怪獣よりも敵して描かれることが多い。
  • 小美人
  • インファント島
  • パオパオチャンネル - 1987年から1989年にかけてテレビ朝日系列で放送された番組。同番組内で、「モスラはみんな生きている」というコーナーが存在していた。
  • 『ビーロボカブタック』 - 『モスラ』に出演した二見一樹は、その関連か、第一話でモスラスリッパを履いていた。
  • 井川慶 - 阪神タイガースの投手。ポスティングシステムでニューヨーク・ヤンキースが彼を落札したとき、ゴジラの愛称で知られる松井秀喜にちなみ「モスラ井川」「だっぺモスラ」とメディア内でいわれるようになった。
モスラ映画作品
通番題名公開時期脚本
第1作モスラ1961年関沢新一なし
第2作モスラ対ゴジラ1964年関沢新一ゴジラ
第3作三大怪獣 地球最大の決戦1964年関沢新一キングギドラ
第4作ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘1966年関沢新一ゴジラ
第5作怪獣総進撃1968年馬淵薫
本多猪四郎
キングギドラ
第6作ゴジラvsモスラ1992年大森一樹ゴジラ
バトラ
第7作ゴジラvsスペースゴジラ1994年柏原寛司スペースゴジラ
第8作モスラ MOTHRA1996年末谷真澄デスギドラ
第9作モスラ2 海底の大決戦1997年末谷真澄ダガーラ
第10作モスラ3 キングギドラ来襲1998年末谷真澄キングギドラ
第11作ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃2001年長谷川圭一
横谷昌宏
金子修介
ゴジラ
第12作ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS2003年横谷昌宏
手塚昌明
ゴジラ
第13作ゴジラ FINAL WARS2004年三村渉
桐山勲
アンギラス
ラドン
エビラ
カマキラス
クモンガ
キングシーサー
ジラ
へドラ
ガイガン
カイザーギドラ

テンプレート:ゴジラ

・話・編・歴
モスラ
昭和・昭和ゴジラシリーズ
平成ゴジラvsシリーズ
平成モスラシリーズ
ミレニアムゴジラシリーズ
大怪獣総攻撃 - 東京SOS - FINAL WARS
関連作品
モスラ関連
代表曲
登場怪獣
ゴジラ - ラドン - キングギドラ - エビラ - ミニラ - アンギラス - マンダ - バラゴン - ゴロザウルス - クモンガ - スペースゴジラ - モゲラ - リトルゴジラ - ダガーラ - メカゴジラ - カメーバ - ガイガン - ヘドラ - キングシーサー - カマキラス - X星人
関連人物
プロデューサー
清水雅 - 森岩雄 - 田中友幸 - 梶田興治 - 森知貴秀 - 橋本幸治 - 富山省吾 - 小島太郎
原作・脚本
中村真一郎 - 福永武彦 - 堀田善衛 - 馬淵薫 - 関沢新一 - 柏原寛司 - 末谷真澄 - 三村渉 - 長谷川圭一 - 横谷昌宏
監督・特撮監督
円谷英二 - 有川貞昌 - 中野昭慶 - 川北紘一 - 浅田英一 - 鈴木健二 - 本多猪四郎 - 福田純 - 野長瀬三摩地 - 山下賢章 - 大河原孝夫 - 大森一樹 - 米田興弘 - 金子修介 - 手塚昌明 - 北村龍平
音楽
古関裕而 - 伊福部昭 - 佐藤勝 - 服部隆之 - 渡辺俊幸 - 大谷幸 - 大島ミチル - キース・エマーソン - 森野宣彦 - 矢野大介
撮影監督
完倉泰一 - 山田一夫 - 小泉一 - 岸本正広 - 関口芳則
特殊撮影
富岡素敬 - 真野田陽一 - 江口憲一 - 山本武 - 桜井景一 - 大根田俊光
美術監督
北猛夫 - 渡辺明 - 井上泰幸 - 青木利郎 - 櫻木晶 - 酒井賢 - 大澤哲三 - 三池敏夫 - 部谷京子
録音技師
下永尚 - 矢野口文雄 - 宮内一男 - 斉藤禎一 - 浅梨なおこ
照明技師
岸田九一郎 - 原文良 - 粟木原毅 - 斉藤薫
彫刻家
利光貞三 - 開米栄三 - 村瀬継蔵 - 小林知巳 - 品田冬樹 - 若狭新一
特殊視覚効果
向山宏 - 土井三郎 - 幸隆生 - 飯塚定雄 - 小川利弘 - 小野寺浩 - 北条則明 - 大屋哲男 - 松本肇 - 高山滋史 - 木村俊幸
小美人役者
ザ・ピーナッツ(伊藤エミ・伊藤ユミ) - ペア・バンビ - 今村恵子 - 大沢さやか - 小林恵 - 山口紗弥加 - 建みさと - 大塚ちひろ - 長澤まさみ
スーツアクター
手塚勝巳 - 中島春雄
その他
中代文雄 - 三輪野勇 - 松本光司 - 渡辺忠昭 - 久米攻 - 平一二 - 小川信夫 - 柴崎憲治

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