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幻想体名 真鍮の雄牛 - 涙を流す
観察レベル 観察レベルⅠ
本文 -青みがかった錆と、 熱されたような加熱模様が確認できる鉄板で構成されている。
-いわゆる牡牛と呼称される動物を模したものと見られる。
正確な測定結果ではないが物性から見て、 銅と亜鉛が混合された物質と見られる。
-それは単なる鉄板だけで構成されているわけではない。内部には人間と推定される姿をした何かが共にあるものと観測される。
その周辺にはK社のドローンが飛行している。 それは随時囚人を撮影しているようだ。
-理由や原理を把握するのは難しいが、 撮影が行われるたびにそれが興奮する。 持続するほど戦闘を遂行するには不利であり、 事前にドローンの撃破を管理人様に要請した。
-内部にいるものは、一般的に苦痛を感じる時の表情を 保っていた。
-熱気に苦しんでいるようで、動きが周期的ではなく突発的な場合が多い。
-本体自体が強い熱気を持っていると判断される。 囚人がそれに襲われるたび、 灼熱痛と火傷を負うのを観察し た。
息や水蒸気等と推測される気体の一部を頭部付近で観 測した。
身体を起こして囚人を襲ったり、頭の方に入っている ・・・・人と推定されるものが飛び出して攻撃したりする現象 を確認した。 目眩のする泣き声が記憶に残る。
囚人が人間と推定されるものに襲われたとき、 深い憂鬱感を示唆することもあった。 精神的な打撃が激しいのか、しばらく動けなかったり、 戦闘に消極的になったり もした。 該当現象は一時的なものと推測される。
-囚人が戦闘から除外されることを憂慮し、 管理人様は頭部の優先排除を命じられた。 効果的な方法と判断される。以後、人と推定されるものは戦闘でもはや観測できなくなった。
これ以上把握できる事実はないようなので、観察日誌はこれにて終了する。

→あぁ・・・それは本当に長い間痛がっていました・・・灼けつ くような渇きも癒やせず、 果てしなく肉が焼け、捻れて いく・・・。
→ねぇ、おちびちゃんがまだ正気に戻れてないけど。
→ファウストが処理いたします。

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