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幻想体名 路地の番犬
観察レベル 観察レベルなし
本文 これを観察せし結果を消化せん。
これのかたちは、あたかも黒き狼を三つばかりをごちゃごちゃと繋ぎしものに見ゆ。否、口はそれより多きゆえ、はたや三つ以上かもしれぬ。
それらの頭には、誰やも分からぬ程に黒く焦がりし人間の形態あり。 あれほどに燃ゆらば形態を維持できず灰と なり崩るべきを、 それは丈夫な形態に筋肉の動きも稀に見ゆ。
そして彼らの身体には囚人に刺す杭がごとき木の電信柱が数多刺さりけり。 電線も数多架かりけり。 稀にそこより電気が流るるようではあるが、 いかで電気が流れむ。 当職には見当が付かぬ。
報告は以上なり。

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