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侍ジャイアンツ | |
---|---|
ジャンル | 野球漫画 |
漫画 | |
原作・原案など | 梶原一騎 |
作画 | 井上コオ |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ・コミックス |
発表号 | 1971年8月3日号 - 1974年10月14日号 |
巻数 | 全16巻 |
アニメ | |
原作 | 原作:梶原一騎・作画:井上コオ |
監督 | 長浜忠夫 |
音楽 | 菊池俊輔 |
アニメーション制作 | 東京ムービー |
放送局 | よみうりテレビ |
放送期間 | 1973年10月7日 - 1974年9月29日 |
話数 | 全48回 |
コピーライト表記 | ©梶原一騎・井上コオ/TMS |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
テンプレート:漫画『侍ジャイアンツ』(さむらいジャイアンツ)は、原作:梶原一騎、作画:井上コオによる日本のスポ根野球漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、1971年8月3日号より1974年10月14日号まで連載された。単行本はジャンプコミックス全16巻、梶原一騎傑作全集全12巻、講談社漫画文庫全8巻、梶原一騎原作漫画傑作選全8巻。
テレビアニメ化されて、1973年10月7日から1974年9月29日まで、毎週日曜日19:30-20:00によみうりテレビの制作により日本テレビ系列で放映された。初回放送時は全46話の後サブタイトルを変えた再放送2話の全48回。
宿敵巨人の打倒を目指しながら巨人のエースとなる剛速球投手、番場蛮の活躍を描いた野球漫画。
『巨人の星』と並び、巨人の黄金時代期に作られた。当時の『週刊少年ジャンプ』は読売ジャイアンツと独占契約を結んでおり、長嶋茂雄や王貞治など実在の多くの野球選手が登場したことが特徴である[1]。ハイジャンプ魔球、大回転魔球など、本当に行った場合ボークとなるような魔球が多かったが、さまざまな魔球の開発と攻略がストーリーの軸となっていた。アニメ放映当時の男子小学生は、分身魔球は軟式テニスのボールで「再現」するなどして、こぞってこれらの魔球投法の真似をしていた。
『巨人の星』を大ヒットさせていた梶原一騎の力で、アニメ化を前提とした企画であった。当時の編集長西村繁男は、ベスト5には入る安定した人気で、人気は常に上位だが新しい読者を引っ張る力がなかったと本作を位置付けている[2]。
本作に対しては、『巨人の星』の「二番煎じ的お子様バージョン」「亜流」という声があった[3]。比較の対象となる『巨人の星』の主人公である星飛雄馬が求道的で真面目な性格だったの対して、本作の主人公の番場蛮のキャラクター設定は、当初は「威張った奴が嫌い」で巨人に反発しており、『巨人の星』に対するアンチテーゼが多分に含まれていた。実際、当初の番場は、漫画版ではセントラル・リーグ最下位球団、アニメ版では大洋ホエールズへの入団を希望していたが、紆余曲折ののち巨人に入団して以降は『巨人の星』をなぞるような魔球対決のストーリーとなった。また、プロ野球編における本作の要素のいくつかは後の『新巨人の星』と共通する点が指摘されている[4]。本作と『新巨人の星』は現実と原作では叶わなかった「最終回での巨人の優勝」がアニメで実現した点も共通している。一方で、前述の通り番場蛮が無頼なタイプであることや、番場蛮にとっての「師匠」的な登場人物がいない点で「あしたのジョー」に近いという意見もある。
作画を担当した井上コオは、望月三起也のアシスタントだった新人であり、読み切りでデビューはしていたが、本作が初の連載デビューとなる。事実上のヒット作品はこれ1作である。後年、本作品の番場やウルフ、八幡などがスター・システムで出て来る日常ギャグ漫画を求人情報誌で連載している。番場蛮の甥が主人公の『よみがえれ侍』や『新・巨人の星』の「井上コオ作画版」も描いている。この井上のアシスタントをしていたのが車田正美である。
テンプレート:ネタバレ
漫画版の結末は、セ・リーグの天王山の対中日戦、魔球の投げ過ぎのため、ライバル大砲万作を打ち取ったのと同時にマウンド上で立ったまま絶命するというものだった。従来のスポ根では選手生命が断たれることはあっても命を失うことはなく、本作によって梶原一騎は野球漫画から遂に死者を出した。この結末については、安直なエスカレートという評価や、優勝に導けなかった侍が死をもって責任を取るという見方などがあるが、死をもって終えたことは読者にインパクトを残し、アニメ化も相まって長く語られる人気作品となった[5]。
1973年10月7日より放送開始。アニメ化は『巨人の星』と同じ東京ムービーが手がけ、監督も同じく『巨人の星』を大ヒットさせた長浜忠夫が担当し、局のプロデューサーも同じだったが、よりコミカルでテンポのよい陽性の作品に仕上げられている。
当初の監督候補には、当時東京ムービー傘下のAプロダクションに所属していた高畑勲が挙がっており、実際に監督就任の打診があったが、高畑は『アルプスの少女ハイジ』を監督することになり退社した。宮崎駿らも1話の原画を描いた後に高畑の後を追った[6]。
話数 | サブタイトル | 脚本 | コンテ |
---|---|---|---|
1 | ほえろ!バンババン | 七条門 | 矢吹徹 |
2 | 殺人ノーコンざる野球! | 松岡清治 | 富野喜幸 |
3 | でっかい奴は嫌いだぜ! | 吉川惣司 | |
4 | おれの背番号は死だ! | 富野喜幸 | |
5 | 男は地獄で歌うもの | 出崎哲 | |
6 | 待ったぜ!ケンカ野球 | 富野喜幸 | |
7 | 死球台風吹く! | 出崎哲 | |
8 | 誰も打たなきゃ俺が打つ! | ||
9 | マウンドの報酬は苦いぜ! | 富野喜幸 | |
10 | 多摩の川風・地獄風 | 出崎哲 | |
11 | 勝負!一本づり投法 | 山崎晴哉 | 富野喜幸 |
12 | 大勝負!川上対バンババーン | 安藤豊弘 | 出崎哲 |
13 | 嵐の中のタイゲーム | 松岡清治 | 富野喜幸 |
14 | 殺生河原の決闘 | 谷あさこ | 近藤英輔 |
15 | 飛騨の怪童凄い奴 | 山崎晴哉 | 出崎哲 |
16 | 傷だらけのノーコン改良兵器 | 金子裕 | 近藤英輔 |
17 | 怒涛の海の対決 | 谷あさこ | 出崎哲 |
18 | 嵐に投げろ侍ガッツ | 安藤豊弘 | 石黒昇 |
19 | インディアン魂対侍魂 | 金子裕 | 富野喜幸 |
20 | V9へのスタートライン | 出崎哲 | |
21 | 出たぞ!ハイジャンプ魔球 | 出崎哲 | |
22 | 怒涛の完全試合宣言 | 山崎晴哉 | 出崎哲 |
23 | 死闘!ハイジャンプ魔球対巨砲 | 安藤豊弘 | 石黒昇 |
24 | 新魔球のヒントをつかめ! | 谷あさこ | 福富博 |
25 | 決戦!宿敵大砲との勝負 | 金子裕 | 富野喜幸 |
26 | 大砲万作の危機 | 山崎晴哉 | 出崎哲 |
27 | 狼酋長現わる![7] | 金子裕 | 富野喜幸 |
28 | 対決!魔球対スクリュー打法 | 奥田誠治 | |
29 | 渦巻く恐怖の新魔球 | 安藤豊弘 | 出崎哲 |
30 | 復讐の大回転魔球 | 金子裕 | 富野喜幸 |
31 | V9に向かって浮上せよ! | 出崎哲 | |
32 | 危うし!大回転魔球 | 安藤豊弘 | 小華和ためお |
33 | 涙の逆さ吊り打法 | 松岡清治 | 富野喜幸 |
34 | 命がけの極秘特訓 | 金子裕 | 竹内啓雄 |
35 | 大回転魔球最後の日! | 田中実 | |
36 | 必殺の新魔球誕生 | 出崎哲 | |
37 | 怒りに燃えた分身魔球 | ||
38 | 大砲・運命の一打 | 金子裕 | 富野喜幸 |
39 | 輝け!苦闘のV9 | 出崎統 | |
40 | 壮烈!日本シリーズ(秘)作戦 | 松岡清治 | 出崎哲 |
41 | 復讐!雨中の日本シリーズ | 富野喜幸 | |
42 | 爆発長島流喧嘩野球 | 出崎哲 | |
43 | 決戦・日本一をめざせ! | 安藤豊弘 出崎哲 | 出崎哲 |
44 | 大リーガーの凄い奴 | 金子裕 | 富野喜幸 |
45 | 大決戦・日米ワールドシリーズ | ||
46 | 世界に輝く侍ジャイアンツ | 出崎哲 |
主題歌は全てワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)から発売されていた。
当番組は、『東宝チャンピオンまつり』内で2本が上映されている。
漫画版では登場した何人かのキャラクター、いくつかの魔球がアニメ版では存在しない。
漫画版では特訓の描写が一切なく、知らない間に会得していることになっているなど軽い扱いだった分身魔球が、アニメ版では重要な位置づけになっていたり、各魔球の攻略法も漫画とアニメで全く違っていたりするなど、それぞれのストーリーには異なる点がかなり多い。この点やキャラクターデザインを含めて、当時の漫画原作のアニメ化作品は原作側からの縛りが緩かった、と作画監督の大塚康生は述べている。
また、漫画版では実在のプロ野球選手(野村克也、衣笠祥雄、張本勲、田渕幸一ら)が、番場蛮の魔球登場のきっかけを作ったり、魔球打倒に挑む場面があった。
最も異なるのは物語の結末で、漫画版は番場蛮の壮絶な死をもって完結になるのに対し、アニメ版は番場蛮が世界最強の打者であるオークランド・アスレチックスのロジー・ジャックス(アスレチックスの当時の主砲レジー・ジャクソンがモデルと言われている)を抑えて日米ワールドシリーズ優勝、MVP獲得というハッピーエンドとなっている。
もっとも、日米決戦は事実上アニメ版のオリジナルエピソードであった。この差異の背景には、テレビアニメ放映の最終回制作時点では原作は終盤にさし掛かっていたがまだ未完で、そのためアニメオリジナルの結末が必要であり、また当時の子供向けテレビアニメに必要な要素としてテレビ局側からの要求によりハッピーエンドとなったという事情がある。
(参考のため、『巨人の星』関連も追加)
1970年 [G監督;川上](作品と関連する史実)巨人軍日本シリーズを6連覇(最終的に1973年まで9連覇)(作品の流れ)星飛雄馬が対中日戦で完全試合達成後に失踪(『巨人の星』最終回)。番場蛮が巨人に入団(〜1974年)。眉月光がヤクルトに入団1971年 [川上](流れ)年初、左門と京子の結婚式(『巨人の星』最終回、「エピローグ」)。番場は対阪神戦で勝利(ウルフ・チーフに打たれるまでノーヒット)。大砲万作が中日に入団1972年 [川上](史実)水原茂に代わり、やはり巨人・中日OBの与那嶺要が中日監督に(流れ)番場、「ハイジャンプ魔球」を開発。大砲万作と対決1973年 [川上](史実)長嶋2000試合出場。川上巨人V9(流れ)星飛雄馬が宮崎の日向三高野球部を臨時コーチ(『巨人の星外伝・それからの飛雄馬』)。番場蛮は「大回転魔球」と「ハラキリシュート」を開発。番場の活躍で川上巨人V9達成。番場は胴上げ投手になるアニメ『侍ジャイアンツ』(終)では設定した年度が1973年で、番場が「分身魔球」、「ミラクルボール」まで開発し、日米ワールドシリーズでジャックスを打ち取り、最優秀選手に選ばれる1974年 [川上](史実)長嶋茂雄現役を引退。巨人V10ならず中日セVで川上監督勇退。後任は長嶋茂雄(流れ)原作の『侍ジャイアンツ』で番場蛮が分身魔球を開発。体力の消耗が大きく、3連投の末に試合終了後に急死。巨人V奪回に向かうとの設定1991年頃 [藤田](流れ)巨人・中日戦で番場蛮の甥が登板。落合博満を三振に打ち取る(『よみがえれ侍』)アニメでは番場蛮は存命だが、続編は作られていない。漫画では藤田巨人の時代に対中日戦で番場蛮の甥が登板する『よみがえれ侍』という井上コオ作の番外編が1991年のアルバイト情報誌『フロムエー』7号に掲載された。番場は「ハイジャンプ」、「大回転」、「分身」の3種の魔球を投げ、落合博満を三振に打ち取る。八幡が番場蛮の甥っ子(妹の子供)に魔球を教えたことになっている。2ページの読み切りの作品であり、その後の番場の活躍は描かれていない。
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