福原氏

福原氏（ふくはらし）とは、日本の氏族。少なくとも５つの系統がある。その他に、遠江国堀之内郷六ヶ村の浜名氏[1]流・美作国・常陸国などの異流も多い[2]。

1. 福原氏 (源氏) ： 摂津福原氏・源姓福原氏とも呼ばれる。陽成源氏の頼親流[3]大和源氏の一門で、久留野氏（惣領家）・宇野氏・太田氏は同族である。源頼親の３男である頼遠（福原三郎）が摂津国豊島郡福原庄（現在の大阪府豊中市）あるいは同国八部郡福原庄（現在の兵庫県神戸市中央区三宮町/兵庫区福原町）を拠点として、福原氏と称した。庶家に摂津柳瀬氏・石河氏（美濃石川氏）[4]大寺氏・蓬田氏・和泉氏・摂津松田氏・屋葺氏・中畠氏・奈目津氏（滑津氏）・摂津赤坂氏・摂津川尻氏（摂津河尻氏）・坂地氏（坂路氏）・摂津沢田氏（摂津澤田氏）・摂津小高氏・次鎌氏（須釜氏）・摂津牧氏・高貫氏・摂津相楽氏・摂津塩田氏・水野谷氏などがある。
2. 福原氏 (播磨国) ： 播磨福原氏とも呼ばれる。播磨国佐用郡福原郷（現在の兵庫県佐用郡佐用町福原大字）を本拠地とする。播磨国の土豪である赤松氏[5]一門の上月氏の庶家。上月景盛の孫で、盛忠の子である景行（三郎藤馬允）が福原氏の祖となった。景行は、1441年（嘉吉元年）に、惣領家の赤松満祐・教康父子に従って京都で戦死を遂げている。
3. 福原氏 (安芸国) ： 安芸福原氏とも呼ばれる。安芸国高田郡内部庄福原村（現在の広島県安芸高田市吉田町福原大字）を本拠地とする。土師姓大江氏流の出羽長井氏一門の備後長井氏の系統。貞広の代にいったん断絶するが、同族の毛利氏の当主である毛利元春（師親）の子の広世を養子に迎えた。
4. 福原氏 (藤原氏) ： 奥州福原氏とも呼ばれる。藤原南家の工藤氏の系統である伊東氏流の庶家。陸奥国安積郡福原郷（現在の福島県郡山市富久山町福原地区）を本拠地とした[2]。
5. 福原氏 (下野国) ： 下野福原氏とも呼ばれる。下野国塩谷郡福原郷（現在の栃木県塩谷郡高根沢町福原大字）を本拠地とした那須国造の系統である那須氏の庶家[2]。

脚注[]

1. ↑ 浜名氏は陽成源氏頼政流の摂津源氏の系統と自称（仮冒）した。
2. ↑ 2.02.12.2 『姓氏』（著作：丹羽基二・監修：樋口清之/秋田書店/1970年）380頁
3. ↑元平親王の孫、源満仲の次子。
4. ↑ 庶家に美濃市橋氏などがある。
5. ↑ 村上源氏とするのは、仮冒とする（『古代氏族系譜集成』（宝賀寿男/古代氏族研究会/1986年））。実際は、野武士軍団を率いた「悪党」の棟梁であり、瀬戸内海で海上貿易や海運業で財を成した（『禅僧日記』）。または倭姓の明石国造の後裔とする説もある。

関連項目[]

• 大和源氏
• 宇野氏
• 奥州石川氏

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