平良将

平良将像

平 良将（たいら の よしまさ、生没年不詳[1]）は、平安時代中期の武将。別名は良持[2]/良門/良邨（良村）。通称は下総次郎または下総三郎。官位は従六位上・下総少目。

丹姓平氏の平直良の次男あるいは３男で、生母は葛原親王（かずはるしんのう、桓武天皇の第５皇子）の娘で、高望王の妹である[3]。同母弟に良文、異母兄に良兼、異母弟に良広がいる。妻は高望王の娘で、子は将持・将門・将平ら、孫に将弘・将文・将武・将為（将種、いずれも将持の子）、重門・将国[4]・将時・千世丸（夭折、いずれも将門の子）、将頼（将貞）・将兼（いずれも将平の子）ら。

概要[]

良将は直良の次男あるいは３男として生まれたが、生母が高望王の妹だったため、庶長兄あるいは次兄の良兼を差し置いて、嫡男として育てられ、同時に器量のすぐれた人物であったようである[5]。

898年（昌泰元年）に母方の伯父で岳父でもある高望王が上総介に任じられたため、高望王の代理となったその長男の良望（国香王）が目代として、坂東地方に赴任した。その際に良将は異母兄の良兼とともに目代の良望に随伴した。

後に良将は下総少目（目代）に就いて、下総国豊田郡[6]を本拠地とした。異母兄の良兼とは幼少時代から険悪であり、同母弟の良文とともに坂東地方に抗争を繰り返した。

良将には数人の息子がいたが、長男の将持は早世し、次男の将門がその後継者として、願わくば将門が京で検非違使に昇進できるように、丹姓平氏の繁栄を託したと伝わる。

家族[]

• 妻：高望王の娘

1. 平将持：早世
2. 平将門：「新皇」と自称して、『平将門の乱』を起こすも、母方の従兄の平貞盛と貞盛の母方の叔父である藤原秀郷（藤原北家）に討たれた。将門の直系は篠田氏と称した。
3. 平将平：前常陸大掾の源護（嵯峨源氏/仁明源氏）と抗争を起こした常陸国新治郡の土豪・平将衡[7]と同人物という。兄の暴走を諌めたが、かなわずその後の消息は不詳である。

脚注[]

1. ↑ 生年は860年（貞観２年）前後とされ、没年は917年（延喜17年）～918年（延喜18年）の説がある。また、良将は常陸国に「勝楽寺」という寺院を建立したとあり、少なくとも彼は930年10月（延長８年９月）までは存命したと考えられる（『常陸国正宗寺旧記』）。
2. ↑ 『将門記』『吾妻鏡』『平治物語』などでは「良将」で、『扶桑略記』『帝王編年記』『今昔物語集』などでは「良持」とする。なお、古辞書では「将」を「もち」と読む用法が見られ、いずれにせよ「よしもち」と呼称された説もある（川尻秋生著『平将門の乱』）。また、「良将」と「良持」とは別人とする説もある。この場合、将門らの父は「良将」であり、「良持」は高望王の７男で、「良将」の異母弟の一人として、系譜に名を残すのみとなっている。また、『尊卑分脈』『桓武平氏系図』『相馬系図』『常陸大掾譜』などでは将門を「良持」ではなく「良将」の子としている。さらに、『平安時代史事典』で「平良持」項を著した野口実は、「平安時代中期の命名法に横の通字は存在しても縦の通字は存在しないとしており、親子で「将」の字を用いるとは考えにくい」と述べている。
3. ↑ 『古代氏族系譜集成』（宝賀寿男/古代氏族研究会/1986年）による。
4. ↑篠田氏の祖。
5. ↑ 『将門記１』（梶原正昭/平凡社東洋文庫/1979年第２版）より。
6. ↑ 現在の茨城県常総市豊田大字
7. ↑ あるいは平真樹/平麻樹（まさしげ/まさたつ/まさむら/まさもと）と同人物ともいう。

関連項目[]

• 平氏
• 平良兼
• 平将門
• 篠田氏

関連リンク[]

• 将門は本当に桓武天皇の子孫なのか？世界史掲示板（荊の紀氏）

特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。