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Information icon この項目は地球温暖化の本文の改稿・整理のために新設され、現在編集作業中です。作業に関する議論や連絡事項についてはノートページをご参照下さい。 |
この項目は地球温暖化に関し、特にその原因に関する現時点での記述内容をまとめた項目です。地球温暖化に関するこれまでの歴史(経過)、影響、対策などに関しては別項目があります(もしくは新設される予定です)ので、そのような内容の追記はそちらへお願いします。 |
地球温暖化は、人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガスが主因となって引き起こされているとする説が主流である。『気候変動に関する政府間パネル』(IPCC)によって発行されたIPCC第4次評価報告書によって、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因である確率は「90%を超える」とされている。IPCC第4次評価報告書は現在世界で最も多くの学術的知見を集約しかつ世界的に認められた報告書であり、原因に関する議論が行われる場合も、これが主軸となっている。
原因の解析には地球規模で長大な時間軸に及ぶシミュレーションが必要であり、膨大な計算量が必要である。計算に当たっては、直接観測の結果に加え、過去数万年の気候の推定結果なども考慮して、様々な気候モデルを用いて解析が行われる。
地球温暖化の影響要因としては、環境中での寿命が長い二酸化炭素・メタンなどの温室効果ガスの影響量が最も重要であるとされる。またこの他、エアロゾル、土地利用の変化など様々な要因が影響するとされる。
地球温暖化の原因については、科学的理解度が低い部分や不確実性が残る部分もあり、それが批判や懐疑論の対象になる場合もある。
地球温暖化の原因に関わる学術的な研究は、学問全般に同じく、研究者が論文を発表し、それが査読を経て認証されたものが基本的な資料となる。この膨大な量の論文や、研究を基にして作られた気候モデルによる計算の結果などをもとに、研究機関や国際機関が原因について検討を行い、報告書という形で公表する。この報告書が地球温暖化の原因を総合的に判断する材料となる。
報告書を発行するような機関としては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最も大規模で有力なものであるが、各国の研究機関などでも、独自に報告書を発表しているところがある。このほか、地球温暖化の研究者や研究機関が集まって地球温暖化の原因などの科学的議論を行う、世界気候会議などの枠組みがある。また、世界気象機関(WMO)で決定された世界気候計画(WCP)など、国際的な研究計画も立てられている。
各要因別の放射強制力の評価結果。正の値が大きいほど、地球温暖化を促進する効果が高いことを示す。最右端の人為的要因の合計に比べ、太陽放射の変化によるものは10分の1以下である。
(これはIPCC第4次評価報告書からの抜粋です)
IPCC 第一作業部会(WG I)による報告書"The Physical Science Basis"(自然科学的根拠, AR4 WG I)が発行された。この報告書は気候システムおよび気候変化について評価を行っている。多くの観測事実とシミュレーション結果に基づき、人間による化石燃料の使用が地球温暖化の主因と考えられ、自然要因だけでは説明がつかないことを指摘している。
それぞれの原因が気候に与える影響に関しては、科学的な理解水準が異なる。温室効果ガスに対する科学的理解度は比較的高いが、雲や太陽放射変化などの気候因子は理解水準がまだ比較的低い。また専門家の間で意見が分かれる事柄もあり、報告書にも「意見の一致度」として評価結果が記載されている。
二酸化炭素濃度の過去40万年の変化と産業革命以降の急激な上昇。
気候システムは、自然の内部的プロセスと外部からの強制力への応答との両方によって変化する。外部強制力には人為的要因と非人為的(自然)要因がある。その外部強制力としては、温室効果ガスやエアロゾルなどがある(気候変動の項目も参照)。
上記のIPCC第4次評価報告書では特に人為起源の二酸化炭素やメタンなどの影響量が大きいことが指摘され、これに関する科学的理解度や専門家の意見の一致度は高い。その他の温室効果ガスや影響要因の中には、科学的理解度が不足しているものや専門家の間でも意見が分かれる事柄も存在する。
温室効果ガスは、主に二酸化炭素、メタン、ハロカーボンなどのことである。これら温室効果ガスは、太陽から流入する可視光の日射エネルギーを透過させて地表面を暖め、地表から放射される波長の長い赤外線を吸収しやすい性質を有している(温室効果)。そのため温室効果ガスが増加すると、地球に入る太陽放射エネルギーと地球から出る地球放射エネルギーとのバランスが崩れ、バランスが取れるようになるまで気温が上昇し、地球温暖化が進むと考えられている。
Greenhouse_Gas_by_Sector.png温室効果ガスの排出源の内訳 fast track 2000 project (2000年)
実際、温室効果ガスは現在の地球を平均約14°Cの「温室」状態に保っており、それが存在しなければ地球の温度は現在よりも約30°C低くなり[1]、高等な生物が存在することが不可能になると考えられている。
温室効果ガスごとに地球温暖化への影響力は異なり、放射強制力で表される。二酸化炭素やメタンは環境中での寿命が長く影響力も大きいとされる一方、水蒸気のように相反する効果を併せ持つものもある。
水蒸気とオゾンを除いたほぼすべての温室効果ガスは、炭素原子を含む物質であり、温室効果ガスの濃度を考える上で、地球上での炭素循環のシステムを理解することが重要とされる。また複数の温室効果ガスを合算して取り扱う際は、二酸化炭素または炭素の量に換算する場合が多い。
温室効果ガスの排出と大気中の濃度[] ファイル:Major greenhouse gas trends.png大気中の温室効果ガスの増減傾向。各月の計測から、小規模の季節変化が示されている
化石燃料の燃焼、セメント製造時の石灰石(およびドロマイト等)の焼成プロセス、土地利用の変化などによって、毎年約73億トン(2004年、炭素換算ベース。2000年、オークリッジ国立研究所による二酸化炭素換算の推計では230億トン。)の二酸化炭素が人為的に地球の大気中に排出されている。炭素循環全体を見ると、毎年約2,100億トンの二酸化炭素が自然界から排出され、約2,138億トンの二酸化炭素が自然界に吸収されている。この差分が人為的な排出の吸収分で、人為的な排出量のおよそ半分(35億トン)程度の二酸化炭素が、毎年大気中に増えていると考えられている[2]。
大気中の濃度は、1750年の産業革命が始まってから、二酸化炭素は31%、メタンは149%分増加(2001年、WDCGGによる)している。これは、氷床コアから得られた信頼できるデータが得られている過去65万年の間のどの時期よりも高い。二酸化炭素がこれよりも高い値を示すのは、間接的なデータであるが4千万年前までさかのぼるとされている。二酸化炭素濃度を最も長期にわたって実際に計測しているのは、マウナ・ロアの観測からであり、1958年に始まった。マウナ・ロアのデータでは年間平均値は315ppmから単調的に増加し(キーリングのカーブ)[3][4]、2003年には濃度は376ppmに達しているが、南極でもほぼ同様の変化を見せている[5]。
火山など自然要因の増加も考えられるが、IPCC第4次評価報告書ではその影響量は人為的なものに比べて少ないとされている。これに対して異論を唱える者もいるが、学術的に広く認められてはいない(#懐疑論・異論の節を参照)。
二酸化炭素[] ファイル:Maunaloa.pngハワイのマウナロアで1958から2004年までに観測した大気中の二酸化炭素濃度(絶対基準表示)
二酸化炭素は温室効果係数が小さいながらも環境中での寿命が長いこと、地球放射スペクトルに対する吸収波長の重なりが大きいことから、放射強制力が大きいとされる。
人為的に発生する二酸化炭素量は、石炭を用いた火力発電や自動車の排気ガス、工場の排気など化石燃料の燃焼がもっとも多い。熱帯雨林を破壊する焼畑農業も主要な原因であると考えられている。また火山活動や山火事など、自然現象によっても発生する。2006年の国際連合食糧農業機関(FAO)の報告では、二酸化炭素の9%が畜産から発生しており、交通から発生するよりも多い[6]。
世界自然保護基金(WWF)は、2030年までに、最大でアマゾン熱帯雨林の60%が破壊され、この影響で二酸化炭素の排出量が555億トンから969億トンに増える可能性があることを報告した[7]。2006年の国際連合食糧農業機関(FAO)の報告では、伐採された森林の70%が放牧地へと転換されている[6]。
二酸化炭素は海中にも直接取り込まれ、降雨に溶け込み湖沼に流れ込み、最終的に海洋にも流れ込む。海中のサンゴに炭酸カルシウムなどとして海水含有分から取り込まれ、森林の木々の組成には大気中や地中の水分などから固定される。この両者の固定されている炭素量は、人類による環境破壊や資源としての利用の結果、年々減少傾向にあり、そのことも、間接的にも人為的に二酸化炭素を増やす要因となっている。
なお、二酸化炭素の増加そのものが生態系に及ぼす影響も指摘されている(地球温暖化の影響#海水の酸性化を参照)。
メタン[]地球上に排出または発生するメタンガスは、野牛や家畜の牛・羊などによる呼吸だけで25%を超え、他に肥料、天然ガスや水田、ゴミの埋め立て、化石燃料の燃焼などで年に2億5千万トンが放出されている。2006年のFAOの報告では、メタンガスの37%が畜産から発生しており、主に反芻動物の消化器官から発生している[6]。そのため現在、家畜においては、バイオテクノロジーによる飼料の開発が進められている。海底から噴出するメタンに限定するなら、単体のメタン同様、近年、海底内に大量に存在することが発見されたメタンハイドレートによる影響も、(発見されて間もないために調査不足ながら、)少なからずあるとの主張も出てきている(構造や生成原因などについては、メタンハイドレート参照)。深海部の平均水温が2-3℃上昇すると、海水に接しているメタンハイドレートが一気にメタンガスに変わり、メタンハイドレートの160倍以上のメタンとなるとされる。さらに、海底部の水温が上昇する環境下では、海水全体の温度が上昇し、二酸化炭素同様、メタンが水中に溶けきれず、空中に放出されてしまう。メタン単体は温暖化係数(電磁波の吸収率)が高く、温暖化現象を促進する。また、それがさらに海水温を上昇させ、ハイドレート融解に影響するといった形で、悪循環(正のフィードバック)にもつながるとされる。
メタンの赤外吸収のピーク波長は7.6μm付近にあり、水蒸気や二酸化炭素による赤外吸収がほとんどない窓領域と呼ばれる波長領域(8 - 14μm)に一部吸収が重なるため、微量ながらも温暖化効果は比較的大きいとされる。
亜酸化窒素[]2006年のFAOの報告では、亜酸化窒素の65%が畜産から発生し、主に排泄物から発生する[6]。
水蒸気[]二酸化炭素やメタンに比べ、水蒸気は大気中に存在する量も、赤外線の吸収量共に桁違いに多い。二酸化炭素の吸収できる赤外線の波長域は限られているが、赤外線の吸収率から言えば、メタンは二酸化炭素の40倍以上であり、水蒸気はさらに高い。その一方、水蒸気は地上付近で熱を奪って蒸発し、雲となって日光を遮るなど、温暖化を強く抑制する働きも持つ。代表的な例としては、下記のようなものがある。
二酸化炭素やメタンの場合はこのような作用が無い。
このように水蒸気は温暖化に関して、互いに相反する作用を併せ持つ。このため、水蒸気の影響の評価には雲や降雨を含めた大規模な数値シミュレーションが必要となる。
(ここに水蒸気フィードバック、および暴走温室効果に関する記述が欲しい。ただし出典を付記すること)
その他の温室効果ガス[]上記の他、パーフルオロカーボン類(PFCs)や六フッ化硫黄(SF6)なども強力な温室効果ガスである。
自然破壊による温室効果ガスの放出[]間接的に人類が関与している例として、環境破壊や水質悪化により海底に生息するサンゴが減少し、海水中の二酸化炭素が取り込めなくなり、大気中に大量に放出されるという問題もある。また、森林の伐採、焼畑農業による光合成の能力低下(成長に伴う細胞を構成する元素として取り込む炭素量の減少)による二酸化炭素量等、放出量や減少能力の潜在的低下が考えられている。
地球に向けて放射される太陽放射の反射率(アルベド)の変化も、地球の気温に影響していると考えられている。あらゆる物体は、受け取った光の一部またはほとんどを反射する性質を持っており、反射率が高い物体は、それに応じて吸収率や透過率も低くなる。白色に近い雲や雪氷(雪や氷河)の表面はアルベドが高いが、黒色に近い森林や暗色の土壌はアルベドが低い。
大気中や地球表面にアルベドが高い物体が増えると、地表の気温を決める地表付近の放射量が減り、気温が低くなる。IPCC第4次評価報告書によれば、現在の気候を1750年と比べると、雪上のすすの増加によって0.0 - 0.2W/m2の放射強制力が増加したのをはじめ、土地利用の変化によって0.0 - 0.4W/m2の減少、雲のアルベドの増加によって0.3 - 1.8W/m2の減少がみられた。
人為的に排出される他の汚染物質である硫酸エアロゾルは日傘効果を持っており、この効果は20世紀中盤の寒冷化に関係しているという意見がある[8]。
20年間の太陽放射の変化
太陽放射は周期的に変化しており、地球の平均気温にも影響を与えている。ただし、IPCC第4次評価報告書では近年の地球温暖化に対する影響量は人為的な要因に比べて10分の1以下とされる。
オゾンの減少と温暖化の関係[](注:この節の内容は、IPCC第4次評価報告書の評価結果がまだ反映されていない)
「オゾン層を破壊する」という理由により使用禁止もしくは使用制限されたフロン系ガス(代替フロンを含む)も温室効果ガスであり、その放射強制力は0.34±0.03W/m2、もしくは温室効果ガスのトータルの放射強制力の14%[9]と見積もられている。ただし、オゾン層減少による地球温暖化への影響量はさほど大きくないとされている。
オゾン層破壊と地球温暖化の関係についてはいくつかの相反する影響が考えられている。
これについては、オゾンの減少は太陽放射をより通過させ対流圏を暖める効果と、寒冷化した成層圏が長周波の放射を減少させ対流圏を冷却するという、対立する効果がある。この結果、全体的に見ればオゾン層の減少によって寒冷化が進むことになる。IPCCは「過去20年観測された成層圏のオゾンの減少は、表層対流圏システムでは負の強制力 となる」[10]と結論付け、その値はおよそ-0.15±0.W/m2と見積もられている。
しかし、オゾン層は紫外線を吸収する際に周辺の空気を暖める効果があるため成層圏では高度の上昇と共に逆に気温が上昇しており、近年オゾンホールの拡大などオゾン層の希薄化が指摘されているが、オゾン層の希薄化により成層圏での紫外線の吸収率が減少し、紫外線を吸収する高度が下がったため成層圏で起きていたオゾン生成の光化学反応が対流圏付近でも生じるようになり地表付近での気温が上昇する事も考えられる。
近年、対流圏とは逆に成層圏ではオゾン層の希薄化に伴う光化学反応の減少と思われる気温の低下が報告されている。
その上で二酸化炭素の増加による温暖化が指摘されているが、地球上の酸素の減少も報告されており[11]酸素の減少によるオゾン層の希薄化が温暖化を引き起こしている可能性もある。
人類の活動の影響量、および将来の温暖化の影響に関する予測は、超長期を対象として地球全体の大気や水の状態を計算する必要があり、膨大な計算量を必要とする。
(注:この節の内容は未整理です。最新のIPCC第4次評価報告書の評価結果も、必ずしも反映されていない可能性があります)
温暖化の研究ではコンピュータモデルを用いた気候研究が行われている。使われるモデルは、実際の気候変化(季節変化や北大西洋振動、エルニーニョなど)の観測事実とシミュレーション結果が良く一致するものが使われる。これらの全てのモデルの結果が、温室効果ガスの増加は将来的に気候を温暖にするであろうと示している。しかし、温暖化の程度予測はそれぞれのモデルによって異なり、これは雲についての評価の違いなどが反映していると思われる。
気候モデルは第4次報告書でも用いられ、1980 - 1999年と比較した2090 - 2099年の世界平均地上気温は1.1℃から6.4℃上昇すると予想している。また、気候に対する放射強制力として働く(自然原因および人為的な)様々な要素をシミュレーションした結果を、これまで実際に観測されたデータと比較することによって、近年の気候変化の原因を推測することも出来る。最新の気候モデルでは、過去1世紀の地球規模の気温の観測データとよく一致する結果が得られた[12]。これらのモデルでは、1910年から1945年頃に起こった温暖化が自然の変化なのか人類の影響なのかは明らかに示されてはいない。しかし、1975年以降の温暖化は人類が排出した温室効果ガスの影響が極めて大きいものであると示唆している。
第3次報告書による将来の気候変動は次のシミュレーション結果にもとづいて見積もられている。
全ての結論は、GCM(全球気候モデル)を使って数百km以上のいくつかのスケールに適用したシミュレーションにもとづいている。それぞれの気候変動シミュレーションは1990年から2100年の期間にわたって行い、温室効果ガス濃度の変動と硫酸エアロゾル排出の直接影響の変動の様々な予想によるシナリオ全体の幅にもとづいている。
沢山あるモデルのうちで数少ないAOGCM(大気-海洋結合モデル:atmosphere-ocean coupled general circulation model)ではオゾンによる影響や間接的なエアロゾルの影響も考慮している。ほとんどのモデルでは、重要視されていない強制力やまだよく分かっていない強制力、例えば陸上表面の変動や、黄砂などの土壌粒子、ススなどなどについては全く考慮されていない。また、AOGCMシミュレーションであっても、太陽放射強度や火山灰濃度の変動などは考慮されていない。なお、AOGCMシミュレーションは計算機資源に対して複雑すぎてほとんど行えなかったため、結論はずっと単純なモデルにもとづいて見積もられた。したがって、結論はAOGCMによるものとはやや異なっている。
結論には使われなかったAOGCM実験では次のようになった。全球平均の表面気温(SAT)が、1961年から1990年までの平均と比べて2071年から2100年までの平均の変化では、SRES(Special Report on Emissions Scenarios)草案のA2シナリオで+3.0℃(-1.7, +1.5)、SRES草案のB2シナリオで+2.2℃ (-1.3, +1.2) となった。
シミュレーションに、地球が持っている二酸化炭素を吸収する能力(炭素固定能力)を加えると、化石燃料からの二酸化炭素の排出が増加するにつれ大気中から吸収源(陸上生態系や海洋)への吸収能力が減少し、その結果、気候の変化が急激にあらわれ予想を超える温暖化を招くという結果が示される。しかしこのモデルでは、気候変化は水理学的及び生態学的な影響で相殺されて結果的に小さくなるため、21世紀の終わりの温暖化速度はまだ小さいとしている[13]。
他にも、温暖化によってツンドラの溶解が進み永久凍土や氷クラスレートに大量に含まれている強力な温室効果ガスであるメタンを放出させ、更に温暖化を促進するというメカニズムが考えられている[14]。
雲に関するモデルが進歩しているにもかかわらず、これの取り扱いについてが現在のモデルにおける不確かさの一番の要素となっている。現在でも議論中のものとして、間接的かつ重要な要素である太陽放射量の変化のフィードバック効果を気候モデルにどう取り入れるかという問題もある。さらに、これらの全てのモデルは、コンピューターの能力に限定されるので、小さな規模の気象現象(例えば嵐やハリケーン)を見落とす可能性もある。しかしながら、これらの制約を除いても、IPCCでは気候モデルは将来の気候の推定に適した手法として有用であると見なしている[15]。
2005年12月、Bellouin他は雑誌ネイチャーに、空気中の大気汚染物質が持つ日射の反射効果(日傘効果)が従来考えられている2倍あり、実際の温暖化の何割かがそれに隠れされていると述べている[16]。この説では、従来のモデルは温暖化を過小評価している危険性が指摘されている。
前述のように、原因の解析には不確実性が伴う。このような不確実性などを理由に、近年の温暖化は人類の活動が原因とは証明できないとの主張や、陰謀であるとの主張も存在する。詳細は地球温暖化に対する懐疑論を参照されたい。
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