ガメラ

ページ名:ガメラ

ガメラは、大映(現:角川映画)が1965年に公開した特撮映画『大怪獣ガメラ』に登場する架空の怪獣の名称。『大怪獣ガメラ』以降も続編、及びガメラの登場する映画作品が継続的に製作されており、これら全作品を総称してガメラシリーズと呼ぶ。東宝のゴジラシリーズと共に日本の怪獣映画を代表する作品群である。本項ではシリーズ全般、及びキャラクターとしてのガメラを解説する。

テンプレート:ネタバレ

目次

概要[]

ガメラシリーズは「倒産以前の旧大映時代」「再建し徳間グループに入っていた大映が製作した時代(俗に言う「平成三部作」)」「角川グループに入った大映が商号変更した角川ヘラルド - 角川映画時代」の三つに区分する事が出来る。

大映時代[]

旧大映時代の『ガメラ』は、東宝製作の『ゴジラ』シリーズの大人気を見た当時の各映画会社がこぞって誕生させた怪獣映画作品群の流れを受けて誕生した。一般的な知名度はゴジラの方が高いものの、ガメラはカメ特有のユーモラスなデザインや飛行能力など独特の個性を持ち[1]、さらにはシリーズ当初からの「子供の味方」という設定が当時の子供達に好評を博したことも相まって、現在に至るまで根強い人気を保っている。テンプレート:要検証また、大映時代の配役には「(『バイラス』以降)必ず外国人の少年(及びその家族)が登場し、主人公である日本人の少年とともに冒険する」という特徴がある。[2]

誕生秘話としては、「当時の大映社長が、飛行機から見下ろした島の形が亀の甲羅に似ていたことにインスピレーションを受け、“大映の怪獣は亀をモチーフにする”こととなった」という逸話がある。

ただ、ピー・プロダクションの鷺巣富雄の証言によると、「亀が甲羅に引っ込むと火を噴いて空を飛んでいく」というアイデアはガメラ以前の1962年に鷺巣が企画を暖めていたSFドラマ「STOP」の第一話の脚本で登場する。「STOP」は結局、制作費の問題で没企画となってしまったが、鷺巣によると東宝の他に、大映にも企画の売り込みを行っており、このアイデアがガメラに活かされたと述べている。[3]

徳間グループ時代[]

徳間書店グループ下の新会社として再建された大映は、当時の徳間グループによるメディアミックス戦略の一環として『ゴジラ』に対抗しうる特撮映画を製作する事を検討。その結果、前述した通りの人気を持っていたガメラに着目。新たなる『ガメラ』の製作を決定した。この結果作られた新『ガメラ』は、それまでの怪獣映画にはないリアリティを追求した脚本と大胆にCGを導入した映像が話題を呼んで大ヒットを記録した。これにより往年のファンだけでなく新たなファンの獲得にも成功。引き続き製作された2作品と合わせて後に「平成三部作」と呼ばれ、当初の構想通り『ゴジラ』に比肩する怪獣映画としての地位を不動のものとした。また、平成三部作によって、すでにヒットメーカーとして知られていた金子修介(本編)だけでなく、特撮を担当した樋口真嗣の名も世に知らしめることとなった。なお、低年齢層も視聴するゴジラシリーズ他の一般的な日本製怪獣・特撮映画と比較すると、「(効果音付きで)人が食べられる」「一般市民が襲われ多量の出血をともなって死亡する」など残酷なシーンが見受けられるが、これは監督の金子が本シリーズの対象年齢を「小学校高学年あたり」としていることによる。

角川映画時代[]

平成三部作完結後、しばらく休眠期に入ったガメラシリーズであったが、ライバルというべき『ゴジラシリーズ』が2004年をもって一応シリーズの完結を迎えた事で、テレビ特撮番組からのスピンオフでは無い純粋な「特撮(怪獣)映画」の新作が観られなくなる事を危惧したファンから、再びガメラシリーズの復活を求める声が高まった。大映自体も2002年に角川書店に営業権が譲渡され、その営業権をもとに新たに株式会社角川大映映画が設立された。角川大映は後に角川映画に商号を変更し、同社は徳間時代とは違った形でのガメラ復活を検討。その結果、2006年には新作ガメラ映画『小さき勇者たち〜ガメラ〜』を製作・上映した。

映画以外のガメラ[]

ガメラは映画以外のメディアでもテレビゲーム化されたり、パチスロメーカー「ロデオ」によって『ガメラ』『オオガメラ』『ガメラハイグレードビジョン』『ガメラZS』と、合計4台のパチスロ台が生み出されている。

キャラクターとしてのガメラ[]

巨大な亀の姿をした怪獣。甲羅の表面が「鱗のような重なり合った形状」になっており、下顎の左右両端から大きな牙が1本ずつ、上に向って生えている[4]。血液は緑色である。

本物の亀のように、頭や手足、さらには尾までも甲羅の中に引き込むことができる。引き込んだ後、その部分(窪んでいる)から火炎を噴射し、その推進力を利用して大気圏内はもちろん宇宙空間でも飛行することができる(四方から火炎を噴射しつつ回転して飛ぶ場合と、後脚の部分のみ火炎を噴射して前を向いたまま飛ぶ場合がある)。平成作品では、膝からジェットを噴出している。最高飛行速度はマッハ3以上。

武器は、昭和作品時においては口からの火炎放射と怪力、噛み付きのみであったが、平成三部作では火炎の代わりにプラズマ火球を発射、またエルボークロー(肘の骨が変化し爪のようになったもの)が追加された。この他に、『ガメラ2 レギオン襲来』では究極超烈火弾=ウルティメイト・プラズマ、『ガメラ3 邪神覚醒』では爆熱拳=バニシング・フィストという必殺技を見せている(それぞれ下記を参照)。

ガメラを含むガメラシリーズの怪獣は、ゴジラシリーズやウルトラシリーズ(いわば円谷英二が携わった作品)の怪獣に比べ、体重が非常に軽いのも大きな特徴である。[5]

昭和のガメラ[]

基本データ
分類カメ類[6]
年齢8,000歳
体高60メートル
全長不明
甲羅長径不明
甲羅短径不明
体重80トン
大気圏内飛行速度マッハ3
水中潜航速度150ノット
歩幅20メートル
エネルギー熱エネルギー
武器・技火炎噴射
怪力
回転ジェット
生息地古代アトランティス大陸

エスキモーの伝承に伝わりし北極の氷の中で眠っていた古代の怪獣。一説にはアトランティス大陸に生息していたとされる。国籍不明の原爆搭載機の墜落により、閉じ込めていた氷が割れて覚醒。南下して最終的には日本に上陸、破壊の限りを尽くす。当初は凶暴な怪獣として描かれていたが、子供に対しては友好的な面を見せていた。一度はZ計画と呼ばれる作戦により巨大ロケット内に閉じ込められ地球から追放されるが、ロケットが小惑星との衝突により破壊されたことで解放、地球に再来する。第二作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』以後は人間に対して具体的な敵意を示すことは無く、エネルギーの摂取時以外にはほとんど出現しなくなるが、侵略者や怪獣によって子供が危機に陥るような事態が起こると、何処からともなく現れて子供達を救っていく。昭和ガメラ最終作『宇宙怪獣ガメラ』にて宇宙海賊船ザノン号に特攻してからの消息は不明。ちなみに同作では、ミドリガメが成長し、ガメラになったように描かれている[7]

このように基本的には悪役だった第一作でも子供を助ける場面があり、大人向けに製作した二作目を除く三作目以降は、一貫して「悪の怪獣・侵略者を打ち倒す正義の怪獣」「子供達のヒーロー」として描かれる。

口からの火炎放射以外に、外観に似合わぬ運動能力[8]と怪力を誇るが、特筆すべきはその生命力で、なんらかの理由で戦闘不能になっても、原因が取り除かれれば即座に復活できる。

甲羅は頑強で、たいていの攻撃は跳ね返せる。が、ギロンには甲羅ごと斬られて流血してしまった。

熱をエネルギー源とするため体内に火力発電所のような組織を持ち、マグマ、高圧電気、石炭、石油、ウランを常食とする。炎そのものも吸い込むようにして食べることが出来、初期の段階では発電所や火山活動が活発な地域に出没することが多かった。また、バルゴンの虹光線を狙った事もある。公式ホームページではタマネギ、ニンジンが嫌いな食べ物と表記されている。

着ぐるみは第1作のもの、第2 - 4作のもの、第5 - 7作のものと合計3種類ある(『宇宙怪獣ガメラ』は飛び人形のみ)。スーツアクターは荒垣輝雄(2 - 4作目)、泉梅之助(5・6作目)。


身体機構[]石油袋ガメラが食べた石油等の液体を、いったん貯蔵しておく器官。石炭袋ガメラが食べた石炭を、いったん貯蔵しておく器官。蓄えられた物質は、その後、高熱炉へ送られる。高熱炉ガメラが摂取した石油、石炭、炎、マグマ、ミサイル、ウラン等は、最後ここに集められ、燃焼される。熱エネルギー変換腸高熱炉で燃焼されたものがここに送られ、熱エネルギーに変換される。熱エネルギー心臓働きは他の生物の心臓と同じだが、熱エネルギーで動くため、桁外れのパワーを持つ。高熱筋肉人間の一万倍の腕力を誇り、いかなる高熱にも耐え、どんな金属よりも強靭。

平成三部作のガメラ[]

基本データ
分類不明[9]
年齢推定1億5千万歳
体高80メートル[10]
全長不明
甲羅長径約60メートル
甲羅短径約40メートル
体重120トン
大気圏内飛行速度マッハ3.5
水中潜航速度180ノット
歩幅不明
エネルギープラズマエネルギー
武器・技ハード・スラップ
ラッシング・クロー
エルボー・クロー
ブレイク・ファング
カーフ・クロー
シェル・カッター
プラズマ火球
ハイ・プラズマ
ウルティメイト・プラズマ
バニシング・フィスト
バーナー(本編未登場)
ホーミング・プラズマ(本編未登場)
生息地深海の洞窟

スーツアクターは真鍋尚晃、鈴木潤(1作目)、大橋明(2作目)、福沢博文(3作目)。

三部作を通して身長、体重こそ変わらないが、見た目に関してはかなりの違いがある。これは、ガメラが長期間休息する際に体質改善を行い、体をより戦闘的に進化させているためである。視力は人間に換算すると30.0という驚異的なものである。なお、昭和のガメラよりも体格が大きく[11]、設定年齢も大幅に増えている。

  1. 1作目のフォルム。全体的に柔和でずんぐりとした印象の姿である。頭がかなり大きく重いため、転倒するとジェット噴射を行わなければ起き上がれない(こうなってしまうと何もできなくなるため、かなり無防備な状態といえる)。目は大きめで、エルボークローは普段は、肘の中に収納されており、自らの意思で突出させることができる。手足はやや太く、短めである。
  2. 2作目のフォルム。1作目に比べて精悍でシャープな印象の姿になっている。以前よりも頭が小さくなり軽量化されたため、転倒してもジェット噴射を行わずに自力で起き上がれるようになっている。また、頭が小さくなったことで首が若干長くなり目も少し小さくなっている。手足もより大きく長くなり、更に両足のみ甲羅に収納して飛行する際には両手をウミガメのヒレのようなウイング状に平たく伸ばして変形させる。腕のエルボークローは以前のように肘には収納されなくなり、常にせり出した状態で固定されるようになっている。また、頭部のとさかも以前より少し大きくなっている。
  3. 3作目のフォルム。全体的な姿からしてそれまでのガメラには見られなかったほど恐ろしい姿をしており、より怪獣らしいフォルムへとさらに変化している。体格もひと回り大きくなったうえ、頭は2作目よりもさらに小さく、それによって首がさらに長くなった。頭のとさかもさらに大きく、目も非常に小さくなり、さらに眼球には白目がなく緑ー色となっているなど、かなり険しい顔つきとなっている。他にも甲羅の表面と側面がかなり刺々しく鋭い形に変化しており、これによって回転飛行をしながら体当たりする際の強力な武器として使用できるようになった(この時の技はシェル・カッターとよばれている)。腕のエルボークローの生え方も少し変わっており、脹脛にも「カーフクロー」と呼ばれる突起が存在する。前作同様、両手をウイング状にして飛ぶ際、固定されていた腕が今回は鳥の翼のように柔軟に可動することができ機動性も増している。

その正体は、超古代文明によって、ギャオスを倒すために、甲羅状の「器」にマナを集めて創り出された、一種の「生体兵器」とされている[12]

基本的に地球を守るために行動しており、守るべき対象は人間ではなく地球そのものとされる[13]。地球環境に害をなす生物を倒すためならしばしば人間を巻き添えにしてしまうその一方で、逃げ遅れた子供をギャオスの光線から助けたりすることもある。

なお作品世界においては亀の先祖に相当する生物が恐竜と同時期に絶滅しており[9](劇中ではその設定に全く触れていないが)、「亀」という単語は一切登場しない(ただし玄武は存在する)。

環境への適応や自分の戦闘能力の向上のために、短期間で進化する生物である(劇中に登場する度に戦闘的な体へと変化しているのがその証拠である)。コンビナートに墜落して大爆発してしまったり、草体爆発時に炭化してしまっても復活しているが、これらはいずれも「人の祈り」が鍵になっている。

草薙浅黄とは精神的な交信が可能であるが、作品が進むに従ってその傾向は徐々に弱まって行き、二作目で完全に自立した。この精神交信においては甲羅から発見された勾玉が重要な鍵となっていたが、二作目でのガメラ復活時に、草薙浅黄の持っていた勾玉が砕けた。三作目では、これと同時に他の全ての勾玉も砕けていたことが判明。これについて、第三作の登場人物、倉田真也が独自の見解を述べている(草薙のガメラは人間との交信を断ち切ったという意見に対し、倉田はガメラの再生は人間の祈りによって為されたものであり、ガメラはまだ人間とは完全に離れてはいない、と予測した。なお倉田はそれこそがガメラの弱点、といっている)。

1995年、長い間太平洋で奇妙な環礁のような状態で眠り続けていたがギャオスの誕生を察知するかのように復活。三体のギャオスを追って日本各地を移動し、その内二体を殲滅。さらに東京で巨大化した残り一体のギャオスと市街戦を展開し激闘の末これも倒す。

1996年、地球に飛来した宇宙怪獣レギオンと対戦。初めの仙台の戦いでは破れ、さらに草体種子の発射は防ぎながらもその時の爆発に巻き込まれ炭化して仮死状態に陥るが、上記の「人間の祈り」で復活。足利市でレギオンと再戦を繰り広げ、苦戦しながらも最強技ウルティメイト・プラズマで遂に撃破する。

1999年、ギャオス・ハイパー2匹を追って渋谷に降下し市街地を壊滅状態にしながらも何とかこれを倒す。他にも、地球全土でギャオス・ハイパーを襲撃していることが示唆された。その後、京都でギャオス変異体イリスと対戦。胴体に穴をあけられ、右手を失いながらもバニシング・フィストを繰り出して勝利をおさめる。そして、深傷の状態のままで、なお日本上空に迫りつつある世界中から集結したギャオスの大群との戦いに向かって行った。

身体機構[]細胞再生能力に優れている為、傷を受けても素早く回復する。甲羅ガメラの甲羅は非常に頑丈なため、他の怪獣でも並の攻撃では大きなダメージを与えるのは困難である。実際、ギャオスの「超音波メス」を食らっても甲羅には僅かな傷が付いた程度だった。ただし敵怪獣の攻撃も強力になり、レギオンのマイクロ波攻撃と赤熱鞭やイリスの槍腕には破壊、または貫通されている。また耐熱性もずば抜けて高い。力腕力に任せて、レギオンの大角を引きちぎるなど、怪力の持ち主である。ガメラブレイン(大脳)三半規管が発達しているため、円盤飛行等で回転しても、目が回らない。知能も高い。テレパ・ブレイン(小脳)オリハルコン製の勾玉を持った草薙浅黄の精神波を受信する。熱エネルギー変換炉(プラズマ変換炉)ガメラが全身で吸収した炎、高圧電流、核燃料等から発せられる熱エネルギーを、血液中の電子、陽子、原子核と融合させることでプラズマエネルギーに変換・貯蔵しておく器官。マナもここでプラズマエネルギーに変えられる。全プラズマエネルギーを解放した際のパワーは予測不可能である。エルボークロー両肘にある鋭い爪のような切れ味の突起。1作目の決戦の途中で突如皮膚を破って飛び出してギャオスにダメージを与えた。2作目以降は常に飛び出した状態になったことから、隠し武器のようなものではなく、元々突き出た状態の器官であったものが覚醒の過程で復活したものと思われる。3作目では前方向に傾斜しており、攻撃的な印象を受ける。攻撃技[]ハード・スラップ(玄武掌)主に格闘戦で多用される拳打。ラッシング・クロー(激突貫)鋭利な爪で相手の皮膚を引き裂く攻撃。この技でイリスの胸を貫き体内に取り込まれた綾奈を救出した。ブレイク・ファング(餓裂牙)鋭い牙と、強力な顎の力を用いた噛み付き攻撃。一度食らいついたら離さない。シェル・カッター(旋斬甲)回転ジェットによる体当たり攻撃。三作目のガメラの特徴である尖った甲羅の側面で敵を切り裂く。イリスとの空中戦で使用。プラズマ火球(烈火球)口からエネルギー火球を放つガメラの必殺技。体内に貯蔵してあるプラズマエネルギーと酸素を喉にあるチャンバーで融合・圧縮することで強力な電離作用が発生、凝縮されたエネルギーが火球となって口から噴射されるという、超放電(超光熱)現象である。万物を瞬時に燃焼させる威力を持ち、連射も可能。小型のギャオス程度なら一撃で粉砕できる。覚醒の進んだ三作目では、三発を立て続けに浴びせてハイパーギャオスを撃破している。ハイ・プラズマ(超烈火球)通常の120%以上の出力で放つプラズマ火球。使用時は深呼吸してより多くの酸素を集めるため、局所的に台風のような風が起きる。一作目の対ギャオス戦では石油コンビナートの爆発のエネルギーを吸収して放ち、ギャオスを撃破した。また二作目では、薄野での初戦で使用し、草体を破壊した。ウルティメイト・プラズマ(究極超烈火球)ガメラが天を仰ぐと、それに応えるかのように地球上のマナがガメラに集束、プラズマ変換炉にてプラズマエネルギー化され貯蔵限界まで蓄えられたそれを、腹甲の開口部から直接放射する、ガメラ究極の必殺奥義。ガメラの生涯に一度しか使えないとされる。二作目で使用されレギオンを倒した。この技は大量のマナを消費してしまうため、使用後は地球環境のバランスに大きく支障をきたす恐れがある。実際に三作目において世界各国でギャオスが大量発生したのも、間接的にはこの技を使ったことが原因であった。浅黄によれば、ガメラもそれを覚悟した上で使用に踏み切らざるを得なかった、という。一生に一度しか使えないという制限の原因が、ガメラの身体そのものにあるのか、それとも二度使用できるだけのマナが地球上に存在しないということなのかは不明。バニシング・フィスト(爆熱拳) 別名:バニシング・ソードガメラが対イリス戦の土壇場で見せた逆転の一発技。自分で切り落とした腕の切り口でイリスより発せられた偽のプラズマ火球を受け止め、そのエネルギーを吸収して操り“炎の拳”を造り出す。綾奈を奪い返した後のイリスの腹部孔に突き刺し、体内から爆散させた。バーナー[14]四肢のいずれかを甲羅に引き込み、プラズマエネルギー噴射口から長大なエネルギーの剣を噴出する。本編未登場。通称「イデオンソード」。ホーミング・プラズマ[14]目標を自動追尾するプラズマ火球。本編未登場。トラウマガメラ[]

ガメラ3 邪神覚醒』の序盤の劇中で、比良坂綾奈の悪夢に出てきたガメラ。

G1ギャオス襲撃の際に両親を亡くし、その為にガメラを逆恨みする綾奈の夢の中に登場し、より一層ガメラへの憎悪を増させる要因となった。

スーツはG2ガメラの改修版で、トサカが大きくなり、皮膚が爛れた様になっている。眼球は白濁しており、その容貌は後の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』のゴジラを思わせる。あくまでも、恐ろしい形相に見えるのは、ガメラによって両親を殺された(正しくは、上空より落下したガメラの下敷きになってしまった)綾奈のガメラに対する憎しみのため。イリスが精神干渉を行って、さらに恐ろしいイメージになったことも考えられる(綾奈の海馬体はイリスとの融合未遂後、異常に肥大化した)。

当初は彼女の夢でも粉塵に隠れていて詳しい姿が見えなかったが、守部龍成を攻撃したイリスに取り込まれた比良坂綾奈が見たのは非現実的なほどに腐っていた姿であり、異形でありながらも現実そのものの姿をしていたギャオスとの対比で、綾奈に真実を気付かせた。スーツアクターは同じくG2ガメラを演じ、本作でイリスを演じた大橋明。


新生版のガメラ[]

基本データ
アヴァンガメラ / トト(志摩出現時) / トト(名古屋出現時)
分類カメ類
年齢不明0歳
体高35メートル8メートル30メートル
全長55メートル10メートル50メートル
甲羅長径不明
甲羅短径不明
体重1,200トン不明900トン
大気圏内飛行速度不明
水中潜航速度不明
歩幅不明
エネルギー熱エネルギー
武器・技火球噴射
自爆
火球噴射
生息地火山帯のどこか(推測)

スーツアクターは佐々木俊宜。幼体の撮影には本物のケヅメリクガメが用いられた(一部CG)。

1973年と2006年の個体が登場。前者は「アヴァンガメラ」と呼ばれる。後者は本作の主役であり、作品内で孵化し、卵を見つけた少年によって「トト」と名付けられた。最初は少年の手に乗るほどの大きさであったが急速に成長した。なお、鳴き声は変更されている。

平成に入って四作目のガメラは昭和ガメラ、金子ガメラとは異なり、33年前(1973年に相当)、大量のギャオスに町が襲われるシーンから入る。昭和ガメラの様に「人を助けるため自ら怪獣に挑む」という設定になっている。また、金子ガメラの様に子供と共感して力を発揮するシーンも見られる。ガメラとは生物としての名称であるが、本作ではガメラに「トト」と言う“名前”がつけられている。ガメラが文明の産物ではなく、子供とガメラの成長物語であるということを強調している点も、以前とは異なる部分である。因みにこの作品ではアヴァンガメラは一切飛行しておらず、トトも幼体時の空中浮遊や、回転ジェット飛行は見せても、尾と後ろ足だけを収納したジェット噴射飛行形態は披露していない。


ガメラシリーズ全作品リスト[]

映画作品[]

昭和シリーズ[]平成シリーズ[]

※昭和シリーズを昭和ガメラと呼び、平成シリーズを平成ガメラと呼ぶことが多い。また方向性が全く異なるためか、「平成ガメラ三部作」と「新生版」といったように、平成版はガメラ3で区切られ、それぞれ別のカテゴリーとされる事がある。第七作はダイニチ映配配給。第九 - 十一作は東宝配給。十二作は松竹配給。

『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』関連の番外[]
  • 2000年 『GAMERA1999』(総監督:庵野秀明、監督:摩砂雪)
『新世紀エヴァンゲリオン』を監督した庵野によるメイキング。内容の中立性について物議を醸した。落語家の林家しん平が自主制作した後日談。料金授受を行わないなどの条件の下で大映からも承認されている。またこの作品には、平成ガメラシリーズで大迫力(おおさこ つとむ)を演じた螢雪次朗が同役で出演している。未公開作品[]
  • 幻の次回作『ガメラ対ガラシャープ』
1971年頃に対深海怪獣ジグラに続く8作目として企画されていた『ガメラ対双頭怪獣W』を、1991年発売のLD-BOXの映像特典としてハイライトシーンをイラストとミニチュアによるシミュレーション映像と称して映像化。登場する怪獣は、大邪獣ガラシャープと幻のNG怪獣マルコブカラッパ。スタッフストーリー原案 - 高橋二三イラスト怪獣デザイン - 井上章監督 - 湯浅憲明ゲスト出演[]
  • 『ガメラ対セーラーファイター』
『セーラーファイト!』の第3巻映像特典として収録。
  • 『コスプレ戦士キューティ・ナイト』Version1.3 / Version1.0
  • 『コスプレ戦士キューティ・ナイト2 帝国屋の逆襲』
「カプセル怪獣ガメラ」としてゲスト出演。

漫画作品[]

  • 1994年 『大怪獣ガメラ』作:寺沢健一郎、画:破李拳竜(月刊マンガボーイズ1994年11月号 - 1995年2月号掲載)
  • 1999年 『ガメラ2 レギオン襲来 COMIC VERSION』
  • 1999年 『ガメラ対モルフォス』Moo.念平(アニメージュ1999年1月増刊号に読み切り掲載)
  • 1999年 『ガメラ外伝Ver2.5』 島村英靖(少年チャンピオン 1999年14号-15号掲載)
  • 2003年 『大怪獣激闘 ガメラ対バルゴン COMIC VERSION』近藤和久
  • 2006年 『ガメラ2006 HARDLINK』Ark Performance
別冊コロコロコミック掲載[]

平成ガメラ3部作の伊藤和典脚本に基づくコミカライズ版。公開に先立って読み切り掲載された。

  • 1995年 『ガメラ 大怪獣空中決戦』たかや健二(てんとう虫コミックススペシャル発売)
  • 1996年 『ガメラ2 レギオン襲来』てしろぎたかし(1996年6月てんとう虫コミックススペシャル発売)
  • 1999年 4月号『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』Moo.念平(未単行本化)

ゲーム作品[]

  • 1995年 『ガメラ ギャオス撃滅作戦』(メーカー:サミー 定価:10479円(税込み))スーパーファミコン用。ストーリー・設定は平成ガメラシリーズに基づいているが、昭和ガメラシリーズへのオマージュを含めたステージがある。登場する怪獣はガメラとギャオスのみ。プレイヤーは自衛隊の指揮官となり、ガメラ及びギャオスへの掃討作戦が成功するように指揮する(裏技を使えば怪獣も操作可能)。
  • 1995年 『ガメラ 大怪獣空中決戦』(メーカー:エンジェル 定価:3990円(税別))ゲームボーイ用。
  • 1997年 『ガメラ2000』(メーカー:デジタルフロンティア 定価:5800円(税別))プレイステーション用。タイトルの「2000」はゲームの舞台となる時代が西暦2000年である事から。ストーリー・設定は平成ガメラシリーズに基づいていて、「世界各地で大発生したギャオスとの戦い」という映画三作目を先どったような内容である(ただし実際の映画では2000年を待たずしてイリス覚醒などが起こっており、だいぶズレは生じている)。ゲームは画面の奥を前方と見なす3Dシューティングで、プレイヤーが直接コントロールするのはガメラではなく戦闘機。ガメラはプレイヤー機の援護役である。当時、同じ3Dシューティングの名作『パンツァードラグーン』に似たゲーム、と評される事が多かった。漫才コンビ「パックンマックン」のパックンが出演している。製作はタイトーが協力し、本作の曲はタイトーサウンドチームのZUNTATAによるもの。

小説作品[]

  • 1995年『ガメラ対不死鳥(フェニックス)』著:高橋二三イラスト:柳柊二小学館 スーパークエスト文庫。1995年5月1日 初版第1刷。定価550円。

CM[]

  • 1989年頃、カルビー『カルコーン』(後の商品名、焼きもろこし)CMに着ぐるみが出演。
  • 2010年11月より三井住友海上『GK』CMに出演。スーツは『ガメラ大怪獣空中決戦』を元に復刻。共演は堀北真希。

ガメラマーチ[]

ガメラ対宇宙怪獣バイラス』以降の旧大映ガメラ映画の主題歌。ガメラの強さを歌い、頑張れと励ます内容である。当時大映専務の永田秀雅が作詞、音楽を担当していた広瀬健次郎が作曲した。演奏は大映児童合唱団、大映レコーディングオーケストラ。「大映児童合唱団」とはいうものの、実際にはその辺の子供を連れてきて歌わせたものだと監督・湯浅は語っている。歌詞は三番まであり、一番では「悪魔の虹」、二番では「殺人音波」、三番では「宇宙怪獣」が登場し、それぞれ対バルゴン、対ギャオス、対バイラスを思わせる。それぞれ、「火炎噴射攻撃」、「かみつき攻撃」、「回転ジェットによる体当たり攻撃」が技として挙げられている。

同じ作者、演奏者による「ぼくらのガメラ」も使われた。こちらはガメラの大きさ、各種の技、戦車のような強さ、「ぼくら子供達」の友達であることを歌っている。

関係項目[]

20世紀末、中国において、6500万年前の地層から新種の亀の化石が発見され、怪獣ファンでもあるカナダの古生物学者によって1993年に「シネミス・ガメラ」との学名がつけられた。甲羅の後方左右についている翼状の突起物が飛行する亀を思わせたため(無論、実際には飛行するためではなく、水中を泳ぐために適応した結果の形状だと考えられている)、そこから飛行する亀=ガメラと連想したようだ。

注釈[]

  1. 東宝も後に『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』においてカメーバという亀型怪獣を出したが、ガメラのようなキャラクターではなかった。
  2. 外国バイヤーの要請に応じた形。
  3. 後に「大怪獣ガメラ」の特撮を担当した築地米三郎に鷺巣が問いただしたが「あれは社長のジュニア(永田秀雄)のアイデアだ」と否定された。鷺巣は「ちょっと都合が良すぎる」と感想を述べている。
  4. 実在のカメにおいては、牙や歯の生えているものは確認されていない。
  5. 空想科学読本では、その密度は二酸化炭素並みと計算されてしまった。
  6. アルケロンを祖先に持つ。
  7. 1作目での子供が亀を逃がしたあとガメラが出現したシーンのリメイク。因みに1作目のこのシーンは「逃がした亀がガメラになった」と勘違いした子供が多く、またそれが受けた事がガメラシリーズが子供の味方路線へと変更されたきっかけとされる。
  8. 『ガメラ対大悪獣ギロン』では、鉄棒の二段跳びという芸当を見せた。
  9. 9.09.1 特技監督の樋口はスクリーン誌のインタビューの際「この世界には、カメという生き物はいない」と語っている。
  10. 『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』ではガメラとイリスが京都駅ビルの吹き抜け空間の中で対峙している(これは怪獣映画史上初の“巨大怪獣による屋内での対決シーン”である)。実際の京都駅ビルの吹き抜け空間の内法は、高さ約50mである。
  11. 但し、体重120tは、現地球上最大の動物シロナガスクジラ(160t)よりも少ない。
  12. 『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』での、小笠原諸島沖の深海の「ガメラの墓場」で骨になっていた多数のガメラは、マナを受け止める器とはなれなかったので、“失敗ガメラ”という通称をもつ。
  13. 第十作では「ガメラが地球を守るために人類と敵対する可能性」も示唆されている
  14. 14.014.1 「ガメラ2第一稿についてのサシデガマシク分不相応な意見(「ガメラ2レギオン襲来完全解析」著:アソコン・ブックスを参照)」に見られる技。

関連項目[]

  • ワニガメ - ガメラのモデル
  • シネミス・ガメラ - 白亜紀前期に生息していたとされる古代カメの一種
  • 大群獣ネズラ - ガメラ以前に企画された大映の怪獣映画だが、諸事情で頓挫する。
  • 水曜どうでしょう - 放送で当作品のBGMを使用している。また、大泉洋ら番組の主要タレント3人が、『レギオン襲来』の札幌のシーンに端役で出演している。
  • J/FPS-5 - 日本のミサイル防衛の中核となるフェーズドアレイレーダー。亀甲形のタイルを組み合わせた円形のカバーから、専門誌やマスコミでは「ガメラレーダー」と呼ばれている。
  • 大怪獣東京に現わる - ガメラを思わせる「亀型怪獣」が福岡に出現する(怪獣自体は登場しない)。平成三部作の出演者も登場。
  • 焼きたて!!ジャぱん - 亀の形をしたパンを食べた審査員が吊り上げられた状態でガメラのように回転し、そのまま著作権云々をとばしてガメラを紹介していた(画面にはギャオスギロンも出ていた)。
  • ラブひな - ガメラのパロディと思われるシーンが多数存在する。
  • こちら葛飾区亀有公園前派出所 - ガメラをネタにしたパロディ話が出てくる。
  • Dr.スランプ - 主要登場者のガッちゃんの正式名称「則巻ガジラ」はガメラとゴジラの合成語である。ガメラそのものも登場する。
  • ドラゴンボール - 子ガメラというガメラ似の動物が登場。尚、ウルティメイトプラズマ火球を”元気玉”と称する場合がある。
  • 名探偵コナン - 劇中劇作品に登場する怪獣ゴメラはガメラとゴジラの合成語。下顎から生えた牙が、ガメラを思わせる。
  • ザ・シンプソンズ - シンプソン一家が日本にやってくるエピソードに登場。ゴジラ、ラドン、モスラも登場する。
  • 帰ってきたウルトラマン-電波怪獣ビーコンとグラナダスの咆哮はガメラの物を流用。
  • ウルトラマンマックス - 第11話のTV放映版のみ、冒頭部で子供たちがガメラとゴジラのソフビ人形を戦わせるシーンがあった。尚、当話の監督が金子修介で、藤谷文子がゲスト出演している。
  • らき☆すた - 主人公が修学旅行で京都駅を訪れた時、「ここにイリスが入ったのか」と呟いている。
  • ゴジラザウルス - のちにゴジラとなった恐竜だが、悲鳴がガメラの声を流用している。
  • MS&ADインシュアランスグループホールディングス - 「GKシリーズ」のCMにガメラを起用。造型は『ガメラ 大怪獣空中決戦』のものを踏襲している。

外部リンク[]

  • ガメラ公式ホームページ
  • ガメラWEB アーカイブ
・話・編・歴
ガメラ
昭和版
平成三部作
新生版
登場怪獣
音楽
その他
関連人物
プロデューサー
斉藤米二郎 - 永田雅一 - 永田秀雅 - 仲野和正 - 徳山雅也 - 大葉博一 - 徳間康快
脚本
高橋二三 - 伊藤和典 - 龍居由佳里
監督・特撮監督
湯浅憲明 - 築地米三郎 - 田中重雄 - 金子修介 - 樋口真嗣 - 田﨑竜太 - 金子功
音楽
山内正 - 木下忠司 - 広瀬健次郎 - 菊池俊輔 - 大谷幸 - 上野洋子
スーツアクター
荒垣輝雄 - 泉梅之助 - 真鍋尚晃 - 鈴木潤 - 大橋明 - 福沢博文 - 佐々木俊宜
美術監督
井上泰幸 - 三池敏夫
彫刻家
村瀬継蔵 - 品田冬樹 - 原口智生 - 若狭新一
その他
高木明法 - 飯塚定雄 - 松本肇

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