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『ガメラ対大悪獣ギロン』(ガメラたいだいあくじゅうギロン)は、大映東京撮影所が製作し、テンプレート:和暦3月21日に公開された日本の特撮映画作品。「ガメラシリーズ」の第五作。
カラー、大映スコープ、82分。同時上映は『東海道お化け道中』。
世界各地の天文台で、宇宙からの規則性のある電波が観測されていた。ある夜、明夫とトムは天体望遠鏡で星を見ていると、円盤のようなものを目撃する。翌日、裏山[1]に円盤を探しにいった明夫とトムは円盤を見つけたが、乗り込んだと同時に円盤が飛び立ち、宇宙へと連れ去られてしまう。それをガメラが追ってきたが、円盤は徐々に速度を増し、ついにガメラを振り切ってしまう。
円盤が到着したのは、地球よりも文明が発達した惑星であった。明夫とトムは人を探すが、目の前に宇宙ギャオスが現れる。ギロンによってギャオスは倒されたが、ギロンは明夫たちにも迫る。何とか建物の中に逃げ込んだ明夫たちの前に、バーベラとフローベラと名乗る宇宙人が現れた。彼女達は明夫たちを地球に行く間の保存食にしようと企む。そこへ子供の味方であるガメラが現れた。
湯浅監督の「子供を主役にした冒険映画」志向がさらに進んだ、ガメラが初めて宇宙の他天体を舞台に活躍する作品。前作『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(1968年)より、新作ガメラ映画のアメリカでの公開は、土曜日の子供向けテレビ番組放送枠内での放映を前提とした契約となった。本作はそのアメリカテレフィーチャー用ガメラ映画第二弾である。「宇宙映画ブーム」となっていた当時のアメリカ興行側の要望に沿い、AIP映画が1950年代に量産した「怪獣惑星もの」、「キャンプ映画」の趣向が採り入れられた作劇となっている。
前年の『メキシコシティオリンピック』にちなんで、ガメラも鉄棒競技よろしく「月面飛び」などのウルトラC技を披露する[2]。ガメラがギロンの手裏剣を、岩で受け止めてかわすシーンは、同社の人気シリーズ『座頭市』そっくりである。『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』で純真な娘役だった笠原玲子が、一転して目張りの濃いメイクを施して、残酷な悪役宇宙人を演じている。この作品から若手の仲野和正がメインプロデューサーとなり、「第十番惑星」のアイディアなどが盛り込まれ、宇宙的指向が強い作品となった。
湯浅監督は前年の『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』で、本社の経営不振から予算を1/3に減額され、スタッフ一同「これが最後のガメラ映画だ」と、工夫と苦労を重ねてこれを完成させた。「まさか次回作があるとは誰も考えていなかった」という。しかし『対バイラス』は大ヒット。はたして湯浅監督の「またこの予算で、次回作を作らされるのではないか」との心配は的中し、翌年、この『ガメラ対大悪獣ギロン』が制作されることとなった。湯浅監督は「映画がヒットして困ったなと思ったのは、これが初めてだった」と語っている。また本社からは年二作のシリーズ制作を持ちかけられたが、さすがに準備進行に無理があり、湯浅監督はこれを断っている。
冒頭に使われる天体写真は、アメリカでのセールスの際の権利関係を考慮して、ソ連で撮られた写真を購入して使用している。当初、主演の子役には金子吉延が予定されていたが、多忙で中学校を留年しかけていたため、学業を優先して見送りとなった。金子は「泣く泣く断った」と語っている。
日本では角川映画が版権を継承したが米国では大映の倒産に伴う正当な版権継承者と認められなかったことからパブリックドメインとされた(他の幾つかの大映作品も同様)。英語版を参照。
詳細はガメラを参照
甲羅や頭が平たいのが特徴。映画のラストでは、大車輪を披露する、宇宙円盤を口からの火炎で溶接して修理するという芸当を見せる。
怪獣デザインは前作まで担当した井上章が大阪万博の仕事で腰を痛めたため、矢野友久が代わって行った。矢野は演技者が横向きに入る、湯浅監督によると「ヒラメのような怪獣」を考えていたが、演技の際の支障があって実現しなかった。
ぬいぐるみは、シリーズで特殊造形を担当してきたエキスプロが韓国映画「大怪獣ヨンガリ」の怪獣造形にかかりっきりだったため、開米プロによって造型された。小型の精巧な操演用ミニチュアも造られた。
フローベラとバーベラに制御されていた出刃包丁に似た巨大な頭部を持つ四足歩行生物。刃物状の部分は絶大な硬度と鋭い切れ味を誇り、ガメラの甲羅に斬りつけ出血させ、宇宙ギャオスの超音波メスを跳ね返す。名前の由来はギロチンからとされる。惑星テラの住人が、ギャオス対策の為に生み出した一種の生物兵器である。
有事には川の中に有るハッチから解き放たれ外敵を迎撃する。頭部両脇の孔から十字手裏剣に似た形状の刃物を射出し、射出された刃物は自分の意思でコントロール可能。ただしこの発射孔はその部分だけ皮膚が弱く、弱点でもある。初戦では宇宙ギャオスを倒し、頭部の刃物で四肢を解体した後、捕食しようとするがその肉が臭かったらしく、手を出さずに死体を放置した。
このギャオスを切り刻むシーンは、海外では「残酷だ」という理由でカットされている。このシーンで、湯浅監督はギロンに、切り刻んだギャオスの肉を嗅いで「くせえ、くせえ」というセリフ[3]を、エフェクトをかけた音声で吐かせている。強敵ギャオスがあっさりとギロンに負けたこのシーンは、「観客の子供達の不評を買った」と監督が述懐している。
その後彼女等に殺されそうになった子供達を助けに来たガメラと戦闘。手裏剣攻撃でガメラの頭部を傷つけ昏倒させた。しかし、復活したガメラと再戦するも、ひっくり返されて頭が地面に刺さって動けなくなった所に事前に放たれていたミサイルが手裏剣発射孔に突き刺さり、そこにガメラの火焔を受けて爆散して倒された。
上記の刃物状の頭部のほかに怪獣としては珍しく尻尾を持たない。ただし劇中では刃物状の頭部を強調する演出が多用されており、下半身はほとんど画面に映らず印象が薄い。そのためか、公開当時の雑誌掲載イラストなどには誤って尻尾が描かれたものがある。また、デザイン画では二足直立の怪獣として描かれており、映画の製作発表会での写真でも二足直立して、宇宙ギャオスを踏んでポーズをとっている。
鳴き声は『ファイヤーマン』に登場したスコラドンに流用されている。
『ガメラ対大魔獣ジャイガー』、『宇宙怪獣ガメラ』にライブフィルムで登場。蕪木版ノベライズ本『ともだち 小さき勇者たち ~ガメラ~』には「Gギロン」が登場する。尚、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』本編にも、ギロンの姿を模した包丁が出てくる。
詳細はギャオス#宇宙ギャオスを参照
氷河期に入りつつある惑星テラで繁殖し、勢力を伸ばしている。一匹はギロンに始末されたが、『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967年)で作られたミニチュアを使い、このあとも画面に多数登場している。
ぬいぐるみは『ガメラ対ギャオス』で羽根を拡げたタイプと畳んだタイプの二体作られたもののうち、前者を流用している。湯浅監督によると、「倉庫にギャオスのぬいぐるみが残っていたので、銀色に塗り直して使った」そうである。小型の操演用ミニチュアも塗り直されて使用されている。
「惑星テラ」の住民である宇宙人女性。翻訳機を使い、日本語で明夫らと会話し、それぞれの名は「鳥、花のように美しい」という意味であると説明する。テラが電子頭脳の狂いによって氷河期に陥り始めた為、他の星に移住するために、電波を飛ばした上に唯一残った円盤を飛して明夫とトムをテラへと運んだ。2人がテラに到着した際、優しく振舞っていたが、実際は明夫らとトムの脳を食べ、地球の知識を得て円盤で地球に移住しようと計画していた。しかし、ガメラの介入と明夫らに計画がばれてしまった為、失敗に終わる。その後バーベラは、ギロンが円盤を両断した際に負傷して動けなくなり、フローベラに「私達の星では役に立たなくなった時は死ぬことになっている」という理由で射殺され、地上に戻ったフローベラも明夫らが発射したミサイルがギロンの刃によって真っ二つになり、そのミサイルの一方がフローべラのいた建物に命中した為に爆発に巻き込まれ死亡する。
太陽を介して地球と正反対の位置を公転軌道している「反地球」であり、劇中では第十惑星とも呼ばれている。コンピューターによって気候を調節して、地球よりも高度な文明を築いたが、コンピューターの不調により宇宙ギャオスなどの怪獣が出現し、さらに気候変動による食糧不足に見舞われたため、バーベラとフローベラを残して全滅してしまった。
-特殊技術-
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テンプレート:Movie-stubfr:Gamera contre Guironit:King Kong contro Godzillanl:Gamera vs. Guiron
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