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『大怪獣ガメラ』(だいかいじゅうガメラ)は、大映東京撮影所によって製作され、テンプレート:和暦11月27日に公開された日本の特撮映画作品。白黒、ワイドスクリーン。
同時上映は『新・鞍馬天狗 五條坂の決闘』。ガメラシリーズの第一作である。
『大群獣ネズラ』が衛生上の理由から製作中止になったため、永田雅一大映社長の声がかりで急遽製作された作品[1] 。シリーズ唯一のモノクロ作品である。
主役キャラクターの「ガメラ」のモデルについては諸説あり、
などがあるが、湯浅監督自身は脚本担当の「高橋二三のアイディアだろう」としている。特撮監督は築地米三郎。築地は大映で特撮監督務めてきたベテランで、企画頓挫した『大群獣ネズラ』の企画発案者でもあり、大ヒットしたこの『大怪獣ガメラ』を指して「名誉挽回です」とコメントしている。
本編監督は、これが監督第二作目となる湯浅憲明。湯浅監督によれば、大映は特撮部門と本編部門の相性が悪く、企画時には「東宝の円谷英二特撮監督によるゴジラ映画に対抗し、怪獣映画を製作すること自体が暴挙に近い」という受け取られ方だったという。このため、だれもこの映画の監督を引き受けたがらなかった。この中、湯浅監督は前年暮れに公開された監督デビュー作の音楽映画『幸せなら手を叩こう』の興行的失敗があり、こうした立場から自分に監督が回ってきたのだろうと述べている。
しかし当時の大映としても湯浅監督としても[2] 、規模の大きな怪獣映画の制作は初のことであり、試行錯誤の中、撮影が遅れ始めた際には、心配した撮影所所長から個人的に、「円谷特技プロダクションに知り合いがいるから声をかけてみようか?」と声をかけられたという。しかし湯浅監督は、あくまで大映独自での特撮作品を創ろうと心に決め、これに臨んだ。
脚本は高橋二三によって執筆されたが、湯浅監督は脚本を読んでもイメージがわかず、師匠の井上梅次監督に相談したところ、「アホ、こんなもん一番やさしいわ、演出やない、計算さえ出来たらだれでも出来るわ」と一喝された。湯浅監督はこの意見を受け、一般映画とは全く違う特撮映画の予算組みを把握するため、撮入前にまず現像所に通い、フィルム合成やミニチュア制作など特撮予算のイロハからまず研究した[3] 。またゴジラと差別化したガメラのキャラクター付けとして動物らしさを強調し、四足歩行やアップの多用などの基本設定を考えた。
自身が「子供好き」という湯浅監督は、子供の視点から見た作劇を念頭に置き、ガメラと子供とが意志を通じ合わせるという描写は、一種のテレパシーのようなものと解釈して演出した。当時、観客の子供たちから「俊夫少年が捨てた亀がガメラになったの?」との質問を受けたという。
予算も撮影期間も特撮怪獣映画としては十分ではなかったため、劇中での災害シーンは、既存のニュース映像が多数流用されている[4] 。
ガメラはラストでロケットにより宇宙へ追放されるが、これはスタッフの「主役なんだから殺さないでおこう」との親心だった。こうして工夫と苦労を重ねてついに完成した本作であるが、本社での完成試写では撮影所長が不安になって途中で抜け出す有様だった。しかし上映直後に永田社長が一言「おもろいやないか!」と絶賛。監督以下胸をなでおろしたという。
果たして本作が封切り公開されるや大ヒットとなり、「怪獣ガメラ」は次作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』で返り咲き、ガメラの主演映画は一躍大映のドル箱シリーズとなっていった。
テンプレート:ネタバレ
日本の日高教授らは砕氷調査船「ちどり丸」で、北極のエスキモー集落を訪れ、そこでアトランティス大陸にいたという謎の亀の調査中に、上空を飛行する国籍不明機を目撃する。ちどり丸からの通報によりこの国籍不明機をアメリカ空軍が追跡したが、反撃されたために撃墜する。だが、この国籍不明機は核爆弾を搭載しており、その爆発により、氷の下に8000年以上も眠り続けていたアトランティスの伝説の怪獣ガメラが突然目を醒まし、ちどり丸を撃沈して姿を消した。その後、世界各地で未確認飛行物体が目撃されたが、それとガメラと結びつけるものはいなかった。
ガメラは灯台の光に誘われて突如北海道襟裳岬に上陸した。人々を恐怖のどん底に落とし入れる一方で、崩れかける灯台に取り残された俊夫を救うという意外な一面も見せる。さらに熱エネルギーを求めて羊帝山の地熱発電所を襲撃したガメラだったが、自衛隊の攻撃の後、冷凍爆弾と発破でひっくり返ってしまう。後は餓死するだけと喜ぶ人々だったが、ガメラは手足を引っ込めてジェット噴流を噴射、回転ジェットで空の彼方へ飛び立っていった。
そしてガメラは羽田空港から東京に上陸し市街地を蹂躙、コンビナートで動きを止める。全国各地から集められる石油の熱エネルギーを次々と吸収するガメラに、人類はついに最終手段・Z計画の転用を決定。ガメラが悪者扱いされることを俊夫が嫌がる中、ガメラの伊豆大島への誘導作戦が始まった。
ガメラのデザインは、この年1965年に大映から独立して造形会社「エキス・プロダクション」を設立したばかりの八木正夫と、同じく大映美術スタッフの井上章によるもの。井上は「対ギロン」までシリーズの美術を担当し、本作でガメラの粘土製の一尺雛型モデルを制作している。
大映では怪獣の造形は初めてだったため、八木正夫を通して、八木の父親である東宝特殊美術課の八木勘寿に造形依頼が持ち込まれたが、大映と東宝間の五社協定があるため、結局八木の自宅の庭に造形用のプレハブ小屋を建て、そこで八木正夫が中心となってぬいぐるみが制作されることとなった。東宝特美課の村瀬継蔵も八木勘寿に頼まれ、二人で退社後にこれを手伝った。
ガメラの甲羅の鱗は、村瀬によって東宝特美課での技術を応用し、ドンゴロス(麻布)を細かく切ったものを混ぜて補強したラテックスを石膏型で型抜きし、作られた。八木勘寿は当時病身であったが、作業場に布団を持ち込んで、この甲羅の型抜きの指導をしている。
ガメラの胴体には鉄骨が組み込まれ、わざと手足が動かしにくいよう作られており、60kgほどあったという。演技者は蓋のようになった甲羅を外して中に入る仕組みだった。当初は甲羅の四隅をボルトで留める仕掛けだったが、危険なためフックを使い、ボルト二個で留めるよう改良された。
ガメラの火炎放射は光学合成ではなく、実際にガソリンをプロパンガスで噴出して着火表現した。危険なため火炎放射のカットでは、演技者は中に入っていない。実物の炎を使ったのは湯浅監督の意見だった。
円盤状になって空を飛ぶガメラは、3尺ほどのミニチュアが用意された。ロングのカットではアニメーションが使用されたが、出来栄えと迫力から、これも湯浅監督の意見で次作からはすべてミニチュアを用いている。
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テンプレート:Movie-stubfr:Gamera (film)it:Daikaiju Gameranl:Gamera (film)ru:Гамера (фильм)zh:大怪獸卡美拉
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