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『ガメラ 大怪獣空中決戦』(ガメラ だいかいじゅうくうちゅうけっせん)は、1995年3月11日に東宝系にて公開された日本の怪獣映画。大映製作の平成ガメラシリーズ第一作で、特撮シーンでは人間の目の高さから見上げたカメラアングルにこだわり、怪獣の巨大さを強調した事で有名である。1996年第27回星雲賞映画演劇部門・メディア部門賞受賞。1995年キネマ旬報ベストテン6位(現在のところ、同賞で怪獣映画がベストテン入りした唯一の例)。ガメラ誕生30周年記念作。
ゴジラの復活(84年版『ゴジラ』)を契機にガメラを復活させようという試みは80年代からあり、ガメラ誕生20周年に当たる85年に合わせようとしたが、84年版『ゴジラ』の成功が思ったほどではなかった為にそれにあやかれず、平成期にずれ込み平成ゴジラvsシリーズのヒットがガメラ復活のきっかけになったという。
監督の金子修介は、大映の要請で監督を快諾したものの、当初の製作予算が5億円(最終的には6億に増額された)という事実に落胆し、ギャグかコメディー映画にすることを覚悟したという。しかし脚本に伊藤和典、特技監督に樋口真嗣を獲得したことで、「怪獣映画の王道」を作ろうということになった。また、ゴジラシリーズではどうしても実現できなかった、ゼロからのリメイク(ガメラそのものの出現と設定からのやり直し)、自由な作劇が可能となった。
撮影にあたり自衛隊へ協力を要請したところ陸と海は承諾したが、航空自衛隊(空自)だけは難色を示した。理由は、ギャオスとの空中戦でF-15Jが撃墜され、有楽町マリオンに「墜落」する、という展開に懸念が持たれたためである。(ちなみに戦車が破壊されるシーンについて、陸上自衛隊の担当者は「ガメラですからねぇ、しょうがないですね。」として承諾された。『メイキング・オブ・G2』より)幾度かの折衝の結果、このシーンは「戦闘機が出動するが、市街地上空のため交戦できない」というシーンとされ、空自の全面協力を取り付けている。これを踏まえ、今作では意識して「自衛隊に損害が出る」というシーンは極力避けたとされるが、この後の2作品でも戦車が爆発し陸自隊員が吹き飛ぶシーンはあるが空自の航空機は一機も墜落しないという展開になっている。また、平成ガメラ全作品で航空機が墜落するシーンはない(予算の都合上リアリティのある空撮シーンを撮るのは難しいと考えられたため、模型戦闘機が飛び回る安っぽい特撮となるのを嫌った製作者側の意図もあった)。
観客動員は約90万人、配給収入6億円。配給収入目標は10億円だったが、ビデオ化権、放映権を見込んで辛うじて黒字を確保。製作陣はガメラのキャラクターは世間に浸透したと判断し、シリーズ化が決定した。
低予算のため、特撮シーンの多くはスタジオでなく自然光下で撮影されたが、多くのカットで人間の目から見た視点で怪獣が撮られているために完成度は高まっている。当時、ゴジラシリーズの特技監督を務めていた川北紘一も「視点の統一ということを徹底してやっていて、本篇のストーリーも面白くうまくマッチしていた。よくできたと思う」と絶賛している。
平成ガメラシリーズの制作には日本テレビも関わっていたため、劇中に同局系列のアナウンサーや報道番組であるニュースプラス1、また長崎国際テレビ・福岡放送・静岡第一テレビの番組やスタッフが登場している。ちなみに長崎国際テレビは、ギャオスが発見された島から中継するリポーターのマイクについた「社名ロゴ」のみ(リポーター役は女優)、福岡放送は古賀之士アナウンサーが福岡ドームからリポートした他、同社が契約使用している取材ヘリが登場するシーン、さらに静岡第一テレビは田辺稔アナウンサーが同社報道スタジオで臨時ニュースを読むシーンへの協力となっていた。
本作は『ガメラ2 レギオン襲来』の公開に合わせ、1996年7月に金曜ロードショーで放映された。この際、報道のシーンはキネコによるオリジナル版ではなく撮影時のVTRソースをダイレクトに使用したものになっており、現実の報道番組(公開当時のニュースプラス1用)のセットや出演者による「もし現実に怪獣が現れ、それがテレビニュースで報道されたら」というシミュレーション風の映像となり、リアリティを高めている。特に、深夜のTVが固定映像にテロップだけを写し続ける場面その他、公開の直前に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の報道に酷似した描写が多かったため、不謹慎な便乗との批判も浴びたが、実際は地震発生よりかなり前に映画は完成しており、日本テレビの協力のもと「災害報道のリアリティ」にこだわった結果としての現実との一致である。
太平洋上に謎の巨大漂流環礁が発見された。その環礁は黒潮の流れに乗って、だんだん日本に近づいているという。保険会社の草薙と海上保安庁の米森は、環礁の調査に乗り出した。その結果、環礁の上からは、不思議な石版と大量の勾玉が発見された。さらに、この環礁が生物であるということが明らかになる。
同じ頃、九州の五島列島・姫神島で、島民が「鳥!」という無線を最後に消息を絶つという事件が発生。調査に呼ばれた鳥類学者の長峰はそこで、島民を喰らった巨大な怪鳥を発見する。
政府は貴重な生物であるとして、怪鳥の捕獲を決定。福岡ドームに怪鳥を誘い込む作戦を決行する。その時、博多湾にあの環礁=巨大生物が上陸。怪鳥の一匹を倒し、周りの建物を破壊しながら、ドームに向かって行く。予期せぬ事態に周囲は大混乱に陥る。怪鳥も鉄格子を強力な光線で切断し、脱出、捕り逃してしまった。巨大生物も円盤のような姿となって、怪鳥を追って飛び去っていった。
――最後の希望・ガメラ、時の揺りかごに託す。災いの影・ギャオスと共に目覚めん。――
石板に記された碑文から、巨大生物をガメラ、怪鳥はギャオスと呼ばれることになった。政府はギャオスの捕獲にこだわる一方でガメラを危険視し、ギャオスを追うガメラを攻撃する。短期間で成長を遂げたギャオスは餌となる人間を求め、東京へと向かう。
ようやく政府はギャオス捕獲を中止、攻撃の命令を下したものの、ギャオスは自衛隊の発射したミサイルを誘導し、東京タワーを破壊。その上で、ギャオスは巣を作ってしまう。
ギャオスは性転換する事が分かり、そのため単体での繁殖が可能なため、このまま卵が孵化すれば爆発的な勢いでギャオスが増えることになってしまう。しかし産卵直後にガメラが地中から出現し、巣を東京タワーごと破壊する。ここに東京の空を舞台に大怪獣空中決戦が始まった。
詳細はガメラを参照
超古代文明の高度な技術によって人為的に創られた巨大な亀の様な姿の怪獣。石版の碑文からは最後の希望と呼ばれている。1995年に地球の危機を察知し、長い眠りから目覚めた。元々はギャオスに対抗するために創られたが、間に合わず古代文明は滅んでしまった。その一方で、ガメラは未来の文明のために残された物であるとも言われている。危機を察知する能力を持ち、手足を引っ込めて円盤状になって高速回転して飛ぶことが出来る。口から吐き出す球状の火球「プラズマ火球」は、山を1つ崩せるほどの破壊力を持つ。人間など、小さな生物に対しては優しく接する。また、生物兵器として創られたため、環境に適応して短期間で進化することが出来る。そのため、次作の『ガメラ2 レギオン襲来』以降では姿がかなり違っている。
尚、このシリーズの世界では「亀」の先祖に当たる生物は絶滅していると言う裏設定がある。名前が判明していない段階の劇中でガメラを「あいつ(米森の発言より)」や「海の怪獣(劇中のニュースより)」「怪獣」と称する事はあっても、「巨大な亀」等と誰も言わないのはこのためで、この裏設定は監督である金子修介が「亀」と言う単語を劇中で出すとシラけてしまうのを嫌っての処置である。
詳細はギャオス#平成3部作のギャオスを参照
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テンプレート:星雲賞メディア部門
de:Gamera – Guardian of the Universefr:Gamera : Gardien de l'Universit:Gamera: Daikaijū Kuchu Kessennl:Gamera: Guardian of the Universezh:卡美拉 大怪獸空中決戰
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