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ゲーム概要 | |
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
機種 | プレイステーション |
開発元 | スクウェア |
運営元 | スクウェア |
発売日 | 2000年7月7日 |
価格 | 8190円 |
『ファイナルファンタジーIX』(-ナイン、FINAL FANTASY IX、略称:FFIX)は2000年7月7日にスクウェアより発売されたロールプレイングゲーム。ファイナルファンタジーシリーズのメインシリーズ9作目に当たる。スピンアウト的な内容だが、シリーズで初めてテトラマスターFrom FINALFANTASY IXというナンバリングの続編が出た。
プレイステーションにおける最後のファイナルファンタジーシリーズとなった本作は、数々の賞を受けている。日本ゲーム大賞において優秀賞、グラフィック賞、サウンド賞を、PlayStation Awardにおいてユーザー大賞、グラフィック賞、サウンド賞、シナリオ賞、キャラクター賞を受賞した。また、2000年ザ・プレイステーション・オブ・ザ・イヤーにおいて、第1位に輝いた。
本作におけるテーマは「原点回帰」で、これはキャラクタの頭身がFFVIまでのサイズに戻ったことや世界の根幹をなすクリスタルという概念の復活、VI、VII、VIIIと続いたSF要素の強い世界観から児童文学のような世界観への転換のほか、メディアに対する情報においても大きな影響をもたらした。本作はグラフィックの面でプレイステーションの性能を限界まで使い切った作品と言え、プレイステーション史上最高品質な作品の一つである。
「原点回帰」がテーマのためか、過去のファイナルファンタジーシリーズに登場したキャラクター、地名、音楽のメロディーが登場する。また某所では「FFII」のエピソードが語られるシーンがある。バトル時のミュージックもVI以前まであったイントロ部分が復活し、勝利時のファンファーレもVI以前と同じように後半部分(テテテテーテーテーテッテテー以降)のメロディーも復活した。しかし時代がプレイステーション2発売後だったため、映像面で次世代ゲームソフトに差を埋められた事、4年ぶりの大作RPG『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』と発売時期が競合してしまった事や自社インターネットコンテンツ普及を狙った雑誌での情報掲載禁止令(原点回帰というテーマの一貫としてのFC、SFC時代のユーザー間での情報交換、コミュニケーションによる楽しみを見出して欲しいという狙いも同時にあった)、前作から1年後の3作同時発表というインターバルの短さやロードの長さ等が仇となり、「FFVIII」が369万本の売り上げを記録したのに対し今作は国内売上282万本と前作に比べ大幅に売り上げを落とした。もっともシリーズ中の国内売り上げでは3位である。
一時はVII、VIIIと共にプレイステーション2にリメイクするという話もあったが、中止されている。
本作ではゲーム中では内蔵音源、ムービーでは生録音のオーケストラと使い分けている。VIIとVIIIでディスクアクセス対策としてとられた「特段の事情がない限り、ひとつの共通音源を使いまわす」形から「曲ごとに音色データを持たせる」形に仕様変更されたテンプレート:要出典。このため、音質が前2作と比べて向上している。たとえば、クジャのイベント用音楽「背徳の旋律」とトランスクジャ戦の「破滅への使者」のイントロはまったく同じであるがパイプオルガンの音色が若干異なっており、後者のほうが重厚になっている
また音楽の曲数が、FFシリーズ中最多の137曲で、本作のオリジナルサウンドトラック4枚組には、その全ての曲が入りきらず、このサウンドトラックからは主にCGムービーシーンで流れる曲がカットされたが、後に発売された「オリジナルサウンドトラックプラス」に、入りきらなかったCGムービーシーンの曲が収められた。全曲を作曲した植松氏の当時の公式サイト日記には、開発終盤にかけて壮絶な精神状態になっていたことをうかがわせる記述が見られた。植松氏はこの日記で「全曲作曲するのは今回で最後」と決意したともとれる記述もしていた。退社後も全曲作曲自体は続けているが、結果的に本作が植松氏が全曲作曲した「最後のFFナンバリング」となっている。
テーマソングである「Melodies Of Life」には無数の編曲が存在し、喜怒哀楽と多彩なアレンジが劇中のシーンを彩る構成となっている。骨子である生を題材にした歌詞はそれ自体生きる事への賛歌なのだが、FFIX全体の物語に対するメッセージ性と登場人物達への答えとして、シナリオに密接な関わりを持った仕掛けとなっている。
「Melodies Of Life」全編曲
装備品は普通に店で売られていたり宝箱から拾ったりするほかに、2つのアイテムを合成屋で合成することで手に入る物も存在する。強力なアビリティを覚えるためには、アイテムを多く集めることはもちろん、場合によっては弱いアイテムを売らずに合成の素材として使うことも必要になる。
なおATB(アクティブタイムバトル)はほぼ伝統的なFFの戦闘システムではあるが、今作においてはもっとも酷評されている。まず今作は標準ハードたるPSではメモリ負荷が大きく、PS2でのプレイが推奨されるほどの処理待ちが起こる。更に魔法や技の演出中にもATBゲージが増えるという処理がなされたため、長時間の演出を必要とする召喚獣等では行動終了済みのキャラクター達が全員行動可能になるという事態を招く。そして実質的には単なるターン制のバトルになるという結果になってしまい「なんちゃってATB」といわれるほどであった[要出典]。
戦闘シーンでは各キャラに固有のコマンドが設定されているほか、ATBゲージの下にトランスゲージと呼ばれるゲージがある。トランスゲージは敵から攻撃を受けることで蓄積され、満タンになると一定ターンの間与えるダメージの量が1.5倍になり(スタイナーは3倍だが、ブラッドソード装備時は1.5倍)、キャラ毎に異なる形のパワーアップが発生する(この状態をトランスと呼ぶ)。例えばビビであれば黒魔法を2回連続で使う、サラマンダーであれば奥義の効果が全体に及ぶ、等。
本作では魔法やアビリティなどはアイテムから抽出される物となっており、アイテムを装備することによって使用できる。アイテムを装備した状態で戦闘を重ねアビリティポイント(Ability Point,AP)をためることで、そのアイテムを外しても引き続き使えるようになる。
基本的にキャラクターの個性ともいえる「コマンドアビリティ」は固定になっているが、戦術や能力をカスタマイズできる「サポートアビリティ」を大量にセットできるので、プレイヤーによってキャラクターの戦い方は大きく異なり、戦術自由度の高い設計になっている。
例)ジタン
1「ぬすむ」+「盗賊の極意」+「ぶんどる」=ぬすむの成功率アップ+ぬすむの成功時(自LVx敵LV÷2)にダメージを与える2「たたかう」+「追加効果発動」+「与一の心」=短刀の追加効果をランダムで発動+命中率アップ(盗賊刀では不可)3「カウンター」+「目には目を」+「かばう」=反撃の発動確率アップ+味方への攻撃をかばい反撃回数を増やせる4「MP消費攻撃」+「~キラー」+「いつでもヘイスト」=MP消費による攻撃力アップ+対応する敵種族へのダメージ増加+行動回数アップ5「忍者の教え」+「~の術」+「いつでもリジェネ」=後列でもペナルティなし+対応する状態異常回避+一定時間毎に回復上記のサポートアビリティは攻守バランス良くセットするのも、一点集中で性能を追求するのもプレイヤーの自由だが、レベルを上げても全てをセットする事は不可能である。なおこのアビリティセットシステムは『キングダムハーツ』に継承された。またアイテムからのアビリティ摘出システムは『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』に継承された。
数多くのミニゲームや現時点での他キャラの行動などを描いたATE(Active Time Event)など、物語の本筋以外の部分も充実している。
チョコボチョコボに関しては“ここ掘れチョコボ!”というミニゲームが存在し、チョコボの森などでアイテムを掘りながらチョコボのクチバシを成長することができる。また発掘したチョコグラフの地図を頼りにフィールド上の宝を探し当てると、レアアイテムやチョコボの新たな移動能力を得ることができる。全体的に一本道のシナリオが進むFF9において、DISC3以降の自由度を大幅に上げる要となる。モグネットモーグリの間での手紙システム、「モグネット(MogNet)」を復活させるまでのイベントなどもサブイベントとして楽しむことができる。モグネットの手紙は届けた枚数がカウントされるが、それによる報酬やペナルティは存在しない(手紙を渡したあと、クポの実を所持していなければクポの実が貰える。クポの実はギザマルークの洞窟のモーグリにあげると代わりにアイテムがもらえる)。カエル取りガイアに無数に存在する、かつてク族が生息していた沼で行えるミニゲーム。パーティーメンバーにクイナがいる状態でのみ挑戦でき、沼のカエルを捕まえてクエール師匠に褒められるのが目的。隠しデータに生態系が記録されていて、生存するオスとメスのカエルの数や、突然変異の黄金カエルの存在が繁殖に大きく影響する。捕まえたカエルの数が一定に達すると報酬がもらえ、捕まえたカエルの数はクイナの青魔法「カエルおとし」のダメージに影響する。99匹捕まえると、クエールと戦闘、倒したあとクイナ最強武器、ガストロフォークが貰える。ブラックジャックエンディング終了後、R2、L1、R2、R2、↑、×、→、○、↓、△、L2、R1、R2、L1、□、□を入力後STARTを押せばブラックジャックをプレイすることができる。海外スタッフが遊びで作った物を入れたとの事。カードゲーム前作にあったカードゲームを更に発展させたものが収録されており、これを更に拡張したのがPlayOnlineのサービスの一つ“テトラマスターFrom FINALFANTASY IX”である。※詳しくは下記参照その他ちゃんばら、なわとび、だるまさんが転んだ、コーヒー豆、家捜し、と膨大なミニゲームが本筋とサブイベントに存在する。『FFVII』から続く手法で、プリレンダによる1枚絵の2DCGをフィールドマップにしている。大幅に進化した点として、先にホノルルスタジオがムービーと同一解像度の3Dフィールドを作り上げてから、写真のように画面のアングルを決めて2Dカットを撮る形式を採用している。そのため画面の奥行き・立体感が増し、同一フィールドでもシーン毎に別アングルのカットに視点が変わる事で、あたかもプレイステーション2クオリティの立体的な3D映像をカメラを回して見ているような錯覚を生み出す事ができる。またフィールドを移動するキャラクターポリゴンも常に計算処理されているため、近くに気になる物があるとキャラが移動しながらでも勝手に見つめるといった演技も演出されるようになった。今回はフィールド移動中の仲間の表示は採用されてないが、ベアトリクスが一時的にプレイヤーに追尾して行動するイベントは存在するため技術的には存在する。
この3Dフィールドの2D化技術はハードの進化によるポリゴン描画力の進歩で無用と化したが、『FFX』の一部2Dフィールドや、ゲーム映像を2Dからフル3Dに進めるための過渡期での大きな土壌となった。
※参考映像資料[1]登場キャラクターの増加に伴い武器系統も12種類に増えたが、武器はすべて4種のカテゴリー内に分別されている。追加効果という設定が存在し、攻撃後に一定確率で追加の状態異常が発動する。
物理ダメージ計算式基本的に攻撃力は武器への依存度が高いが、4カテゴリーに共通して倍率式はキャラクターLvと力の影響が大きい。「物理ダメージ=(武器攻撃力-敵の物理防御)x武器専用倍率式」物理ダメージは上記の式で計算されており、武器専用倍率式は下記の4種のカテゴリー別に依存するステータスと計算式が異なる。1基本倍率「力~力+(力+Lv)÷8」2盗賊刀・騎士剣倍率「(力+気力÷2)~(力+気力÷2)+(力+Lv)÷8」3ラケット倍率「(力+素早さ)÷2~(力+素早さ)+(力+Lv)÷8」4フォーク倍率「1~力+(力+Lv)÷8」物理ダメージはすべて上記の式の範囲で、下限から上限までの幅でランダムに倍率が決まる。更に様々な条件からもダメージ計算式に倍率処理され、アビリティの有無・属性影響・状態異常・隊列・クリティカル等が影響する。FF6以前のように防具の種類が大幅に復活した。装備者は「軽装備」「重装備」「女性装備」「ローブ」から得意な分野を装備できる(「アクセサリ」は一部を除きほぼ全員が装備可能)。一般のRPGでポピュラーな盾は存在しない。主に「物理防御・回避」「魔法防御力・回避」「能力値補正」「属性補正」「アビリティ」のデータに影響する。
ジタン・サラマンダー「帽子」「服」「腕輪」基本的にアウトローの二人は防具カテゴリーが同じだが、サラマンダーだけ装備できない物が多い。魔法を無効化できる耐性を持った装備が多いのも特徴といえる。ビビ・ダガー・クイナ・エーコ「帽子」「服」「ローブ」「腕輪」基本的に全員が同じ装備をできるが、アビリティの違い故か「クイナ・ビビ」「ダガー・エーコ」と装備が区分けされる事がある。「黒魔法」と「召喚魔法」の全属性を強化ができるのも特徴といえる。ローブは布のためか火属性に弱くなる欠点がある。クイナは一部の女性用装備も可能である。スタイナー・フライヤ「兜」「鎧」「小手」騎士である二人は重装備が可能。フライヤが女性装備がある代わりかスタイナーに専用防具がある。物理防御に優れている反面、魔法を無効化できる防具が極端に少ないのも特徴。キャラクター固有の必殺技システムが登場しない代わりに、本作ではアクションアビリティ欄に物理攻撃技が登場する。
固定ダメージ攻撃ジタン・フライヤ・クイナが修得するアビリティ。特定の行動で内部カウントした数字が蓄積され、無属性の固定物理ダメージを与える事が出来る。条件さえそろえば少ないMPの消費で容易に大ダメージを与えられるため、3大奥義とも呼ばれる。「盗賊のあかし=盗むが成功した回数x(ジタンのすばやさ÷2)」「竜の紋章=倒したドラゴン族の数の2乗」「カエルおとし=ミニゲームで捕獲したカエルの数xクイナのLv」魔法剣ビビとのコンビネーションで使用できる、スタイナーが物理攻撃にボーナスと魔法属性を得られる技。敵の弱点魔法属性だった場合は1.5倍増しになる。物理攻撃力につくボーナスは5から60まで範囲の5進法で各魔法剣毎に決まっている。※魔法剣の属性は対応する防具によって更に強化できるが、残念ながらスタイナーが装備できる防具では「雷」「風」「聖」「闇」の4属性しか強化できない。倍増物理攻撃アビリティ内から選択できる技。通常の物理攻撃計算式の「武器攻撃力」を各アビリティ毎に1.5倍から4.0倍まで倍増する事が出来る。トランスしている場合は更に1.5倍増し(スタイナーの場合は3.0倍、ただしブラッドソードのみ1.5倍)される。■裏技フリーエナジー:1.5倍、タイダルフレイム:敵全体:1.5倍、スクープアウト:2.0倍、シフトブレイク:敵全体:2.0倍、ストラサークル5:2.5倍、ミールツイスター:敵全体:2.5倍、ソリューション9:3.0倍、グランドリーサル:敵全体:4.0倍の補正が各技に付く。■剣技暗黒剣:1.4倍、ストックブレイク:敵全体:1.5倍、クライムハザード:敵全体:2.0倍、ショック:3.0倍の補正が付く。■竜技竜剣:1.2倍、桜華狂咲:敵全体:1.5倍の補正が付く。■奥義(絶技)雑魚ちらし:1.7倍(絶技のときは対象が全体になり、倍率も1.6倍になる)の補正がつく。また、この「雑魚ちらし」は前作『ファイナルファンタジーVIII』で一時的に仲間になるサイファーの特殊技でもある。シリーズ伝統の『白魔法(聖白魔法)』『黒魔法』『召喚魔法』『青魔法』の4形態で登場。
魔法ダメージ計算式基本的に白・黒・召・青の攻撃系魔法には魔法攻撃力が設定されており、ステータスの魔力や特定アイテムの所持によってダメージは大きく変動する。「魔法ダメージ=(魔法攻撃力-敵の魔法防御)x魔力~魔力+(魔力+キャラクターLv)÷8」魔法ダメージは上記の式で計算されており、魔力による倍率補正は魔力のみの数字を下限とし、最大で魔力とLvを足した値を8で割った数までの範囲をランダムに魔力にプラスする。また属性強化装備をすれば対応する魔法が更にダメージを1.5倍できる。■黒魔法上記の共通式で重要な「魔力」の値を、「アビリティ:ためる」を使用することで99になるまで1.25倍することが出来る。また「トランス:W黒魔法」によって連続で任意の黒魔法を2回撃つこともできる。■白魔法(聖白魔法)唯一の攻撃系魔法はホーリーのみであり、そのホーリーも「魔法攻撃力」がトップクラスに高いのみで、魔力以外にダメージを増加できるシステムは存在しない。「トランス:W白魔法」によって連続で任意の白魔法を2回撃つこともできる。■召喚魔法黒魔法が任意に「魔力」の値を上げる事ができるのに対し、召喚魔法は対応するアイテムを集めることで「魔法攻撃力」の値に対応アイテムの所持数が加算される。特定アイテムの装備で召喚魔法の内容や属性も変化する特徴があり、「トランス:幻獣」によって一定時間毎に攻撃召喚魔法を連続発動することもできる。■青魔法青魔法を所持した敵を「アビリティ:たべる」で倒す事でのみ修得できる。一部青魔法にのみ共通計算式が採用されており、殆どの青魔法は発動条件やダメージ式が異なる。テンプレート:ネタバレ本作の世界は、宇宙を漂いながら他の世界を乗っ取ることによって繁栄してきたテラ(Terra)が、文明の規模が小さいガイア(Gaia)を取り込むのに失敗してできた世界である。本来テラはもっと文明の小さい、それこそできて間もない世界をターゲットとしてその世界を乗っ取るのだが、対象となる世界がなかったためやむなくガイアを選んだ。その影響は、いくつかのテラに関する施設がガイアに存在することや、現在のガイアが2つの月(本来のガイアの物とテラの物)を持っていることなどに顕れている。
ガイアやテラはそれぞれ自らの世界の核としてクリスタルを持ち、それは死者の魂に刻まれた記憶を取り込んで成長していく(『FFV』までのクリスタルと違い、クリスタル自体は属性を持たない)。魂の循環の中でクリスタルが取り込む記憶が少なくなればその世界の成長は鈍り、いずれ世界そのものが消滅していく。テラは幾度となくこの状態に陥ったが、そのたびにできて間もない他の世界のクリスタルを乗っ取ることにより世界を維持してきた。テラの管理者であるガーランドがガイアを乗っ取るのに失敗した際、ガイアの復興を早めるためにテラに存在する魔法樹イーファの根をガイアの地上に送り、後にそれは2重となった魂の循環を分離する役目を担うようになった。これは彼の本来の目的であるクリスタルと世界の乗っ取りのために使用された。また、その過程で彼は魂そのものが生物に与える影響を知り、これをそのまま地表に送り込むことで戦乱を誘発させた。これにより魂の循環を意図的に発生させ、テラに属する魂を集めるようになった。その結果ある大陸は霧に覆われるようになる。
本作の世界であるガイアは、主に4つの大陸からなる。また、テラはその一部を地表に残した状態で、ガイアの裏の世界として存在している。
霧の大陸[]ガイアに存在する4つの大陸のうち、もっとも文明が発達しているのがこの大陸である。ガーラントが魂をむき出しのまま地表に送り込むことにより、かつて存在していた統一王国は滅び現在は以下の3つの国が存在する。
霧の大陸の北に位置する大陸。イーファの根はこの大陸の西に出ている。その他、以下に挙げる集落などが存在する。
霧の大陸から見て西にある大陸。その大半が荒涼とした大地である。以下に挙げるテラの施設があるほか、南西の小島には大図書館"ダゲレオ"が存在する。
霧の大陸から見て北西にある、雪に覆われた大陸。中央よりやや南に位置する"エスト・ガザ"の地下にはテラの施設"グルグ火山"があるほか、エスト・ガザの南にはガイアとテラを結ぶ扉である輝く島が存在する。
『FFIX』の世界には人間の他に、様々な特徴を持つ多様な種族や生き物が登場する。この世界においては、どの種族も共通の言語を使い、また異種族を異種族だと区別することはまれで、多くの地でこれらの種族が見事なまでの共存を果たしており、独自の暖かい世界観をかもし出している。
声はディシディア ファイナルファンタジー、キングダムハーツIIのみ。本編(FFIX)では無声。
ジタン・トライバル (Zidane Tribal) 年齢16歳 (声:朴璐美)主人公。名前の意味は「命」、これはガーランドの作り上げた最強のジェノムであるクジャ、ミコトに共通した由来。盗賊団タンタラスのメンバー。クジャにより捨てられ、孤児であったが、4歳のときにバクーに拾われる。4歳以前の記憶がないため、素性は不明。明るくお調子者で女好きだが、困っている相手を見過ごせない優しい心の持ち主でもある。初期装備はダガー。「ぬすむ」および「秘技」(トランス時は「裏技」)を使いこなす。『ディシディア ファイナルファンタジー』にも登場する事が発表されている。ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世(ダガー) (Garnet Til Alexandros XVII (Dagger)) 年齢16歳(歌:白鳥英美子)ヒロイン。アレクサンドリアの王女。物腰は上品でおしとやかであるが、城育ちのせいか世間知らずな一面もある。実は召喚士の生き残りであり、「召喚」(トランス時は「幻獣」)および「白魔法」を使う。ゲーム開始時は召喚の消費MPが4倍であるが、あるイベントで召喚獣を奪われた後は元の数値になる。序盤で自らの素性を隠すために「ダガー」という偽名を名乗る。終盤のイベントで判明するが彼女の本名は「セーラ」である。これは、『FFI』で同じくさらわれた王姫、セーラを連想させるファンサービスである。物語後半にて、元々長かった髪をショートヘアーにした(彼女のアイコンでもその変化は見てとれる)。オンラインゲームの『テトラマスターFrom FINALFANTASY IX』ではカードの数字を大幅に上げてくれるマスコットとして登場する。余談だが、バンダイからフィギュア化された際に版権絵を無視したアダルトな女性にアレンジされてしまった。ビビ・オルニティア (Vivi Ornitier) 年齢9歳(見た目)(声:大谷育江)黒魔道士の少年。トレノ東の洞窟でクワンに拾われ、育てられる。気弱な性格だが、誰かを助ける為に怖さをこらえる強さも秘めている。ジタンやガーネットと出会いともに旅をすることで、自らの出生に関わる過酷な事実も乗り越えられる心の強さを手に入れる。「黒魔法」(トランス時は「W黒魔法」)および「ためる」を使う。パラレルワールドである『キングダムハーツII』の世界では『FFVIII』に登場する、サイファーの子分となり、ノーバディが作り出したビビのコピーが敵として登場する。アデルバート・スタイナー (Adelbert Steiner) 年齢33歳アレクサンドリア王国男兵騎士団「プルート隊」隊長。頑固で石頭。ベアトリクスとはもともと対立していたが、エーコがジタンに渡そうとした恋文の手違いから、互いに恋心を寄せるようになる。他人のことを「~殿」と呼ぶ(初期においてジタンは「貴様」とよく呼ばれていた)。「剣技」および「魔法剣」を使う(「魔法剣」はビビと共に居るときのみ使用可能)。トランス時は通常攻撃が高威力になる。フライヤ・クレセント (Freija Crescent) 年齢21歳ブルメシアの女竜騎士。容姿端麗で落ち着きがあるが口調が古くさい。恋人フラットレイを追って旅をしている。旅先でジタンと知り合い行動を共にした。「ジャンプ」(トランス時では「ジャンプ」が全体化、連続化する)、および「竜技」を使う。海外版では年齢が30代、名前の綴りもFreijaからFreyaに変更されている。クイナ・クゥエン (Quina Quen) 年齢70~90歳?ク族の若者。食べることしか頭になく、大好物のカエルの事となると、我を忘れて行動してしまう。食の道を究めるため旅をすることになる。性別は不明。モンスターを「たべる」(HP1/4になった敵を戦闘から排除する)(トランス時は「調理」)ことで「青魔法」を習得し、以後使用できるようになる。巨大なフォークを武器として使用する。エーコ・キャルオル (Eiko Carol) 年齢6歳召喚士一族の生き残り。マダイン・サリでモーグリたちと共に暮らす。6歳とは思えないマセた行動が特徴的。額に召喚士特有の角が生えている。「白魔法」(トランス時は「W白魔法」)および「召喚」を使う。『DQ&FF いたストSp』ではマスコットとして登場するが、性格が大幅に幼くなっている。サラマンダー・コーラル (Salamander Corel) 年齢26歳孤高の用心棒。通り名「焔色のサラマンダー」。きわめてクールで、無口な性格。ジタンとはトレノでの出来事が元で浅からぬ因縁がある。「奥義」(トランス時は「絶技」)および「なげる」を使う。一時的に戦闘に参加する機会のあるキャラクター。
シナ (Cinna)盗賊団タンタラスの一員。もとは飛空艇技師だったが、タンタラスが彼の処女作である劇場艇のオーナーとなったのを機に、タンタラスの一員となった。語尾に「~ずら」をつけるのが特徴。自身が愛用する"マイとんかち”は譲れないらしく、誰にも貸そうとしない。エンディングでシーンが追加された時もしっかりとんかちを持っている。また、隠れコーヒーマニアでもある。特技は「ぬすむ」。物語初頭の数回のバトルのみ参加。マーカス (Marcus)タンタラスの一員。外見に似合わず、礼儀正しく真面目。語尾に「~っス」をつけるクセがある。マーカスが”兄キ”と呼ぶのはブランクに対してだけである。特技は「ぬすむ」。初頭のバトルに加え、Disc2開始直後に参加。ブランク (Blank)タンタラスの一員。ジタンたちの兄貴分。一見、クールだが義理深い性格。ルビィは”苦手”らしく、あまり顔を合わせようとしない。特技は「ぬすむ」。序盤に参戦するが、早い段階で離脱する。ベアトリクス (Beatrix) 年齢28歳忠義に厚い、アレクサンドリアの女将軍。「セイブザクイーン」という銘の剣を愛用している。「泣く子も黙る冷血女」「100人斬りのベアトリクス」などの異名がある。主君への忠誠心が強い。「聖剣技」「聖白魔法」を使う。Disc2中盤およびDisc3序盤に参加。『ディシディア ファイナルファンタジー』にも登場することが発表されている。
永遠の闇デザインがペプシコーラのマスコットであるペプシマンに酷似している。当時のマジック・ザ・ギャザリングを初めとするカードブームの流れに乗り、今回もNPCとのフリー対戦カードゲームができる。しかしルールがFF8から変更されており、アイテムへの精製も廃止されているため純粋なコレクターアイテム(一部イベントに関わる)になっている。
カードを5枚以上所持した状態で、街やダンジョンにいるカード好きのNPCに「□ボタン」を押すことで対戦を申し込む事ができ、勝者は敗者から裏返したカードを一枚奪える。ただしゲーム終了時に敗者がカードを全部裏返されていた場合は敗者の使用した5枚のカードは全て勝者に奪われてしまう。引き分けの場合はその時点で所有者が入れ替わっていてもカードを入れ替えることはなく、始めの状態に戻る。
ルール
12星座で唯一の女性と思われる「ヴァルゴ」をめぐって他の星座たちが奮起する。ステラツィオごとに名前を冠した星座の行動が記されている(「星宮オフィユカス」の隠し場所はこのステラツィオものがたりがヒントになっている)。
星座
FF9は長年雑誌や書籍でのゲーム内の情報公開が禁止されていた。
これはプレイヤー同士が情報交換をして遊んで欲しいという坂口博信の意向で、一部の難度の高いダンジョンのみ例外的に掲載されたが、雑誌での連載だけでなくムック書籍の販売も例外ではなかった。しかし公式サイトPlayOnlineではFF9の攻略サイトが公開されており、実態はスクウェアミレニアムで発表したオンライン構想への商業的な布石であったと思われる。FF9から続いたスクウェアミレニアム3部作は、オンラインゲームFFXIの発売を持って終了し、2002年すべての情報規制が解禁され無事に書籍化を迎える事になった。テンプレート:SpoilerH
アレクサンドリアの王女ガーネットは記憶に無い悪夢に悩まされていた。嵐の中、荒れ狂う波に襲われるイカダに乗っている自分・・・。夢から覚め窓の外を見ると劇場艇プリマビスタがちょうど到着したところだった。
盗賊団タンタラスとその団員である主人公・ジタンらは、ブラネ女王が統治するアレクサンドリア王国の王女ガーネットの誘拐を試み、自らを劇団と名乗り、王国に潜り込んだ。劇は順調に進み上手く城に潜り込んだジタンとブランクは、二手に別れた。ガーネット自身もちょうど城からの脱出を試みていた最中で、両者は一致団結し、飛空艇に乗り込み逃亡を試みる。このとき、女王ブラネの命令でガーネットを追ってきた男兵隊「プルート隊」の隊長スタイナーと、成り行きで船に乗り込んでしまった黒魔道士の少年ビビも、航行を共にすることになる。しかし、飛空艇は攻撃を受け、魔の森に墜落してしまう。
魔の森で目を覚ましたジタン・スタイナーは、ビビとガーネットがいないことに気付く。いがみ合う2人だがそこに悲鳴がこだました。怪物に捕らえられたビビを助けようと必死になったジタンの体は光り輝き、トランス能力があることに気付いた。ビビを助けたもののガーネットは森の主にさらわれてしまった。ジタンはタンタラスを離れ、ガーネットを救出する道を選ぶことに決めた。森の主を倒し石化を始めた森の中を走りぬける一同は、ブランクの犠牲により魔の森を脱出した。一同はガーネットの希望に沿ってリンドブルムへ行くことに決め、その道中氷の洞窟に立ち寄った。そこでガーネット奪還のために差し向けられた「黒のワルツ」の1号を倒し、ダリの村にたどり着く。ここで、ガーネットは身分を偽るためダガーの偽名を使うことに決める。ダリの村で休息していた一同は、いつの間にかビビがいなくなっていることに気付いた。捜索を進めるとダリの村の地下でビビに酷似した黒魔道士の「人形」が生産されていることを知る。どこかから流れてくる霧を原料に作られる黒魔導士たち、その輸送先はアレクサンドリアであった。ビビは自分とそっくりの姿の黒魔道士たちに話しかけるが、所詮彼らは「人形」、心の無い彼らに取り付くしまもなく、落胆するビビ。人形の輸送艇をハイジャックしリンドブルムを目指すことにした一同の前に「黒のワルツ」2号が現れるもこれを倒し、船に乗り込む。そこでも必死に黒魔導士たちに話しかけるビビ、「黒のワルツ」3号が立ちはだかるものの、魔道士たちを「人形」としかみない3号にビビが怒りを露にする。傷を負い、暴走する三号を振り払った一行はようやく、リンドブルム城に到着する。
城に到着したジタンたちはリンドブルムの王シドと面会、誘拐計画が彼の命令によるものであったことを知る。シドはブラネの様子がおかしいことに気付き、旧友バクーに頼み、密かにダガーを保護しようとしていたのだ。城下町へ繰り出したジタンは、そこで旧友のネズミ女竜騎士フライヤと再会。リンドブルムで開催された「狩猟祭」に参加し、束の間の楽しみを得る一同。祝勝会で楽しんでいると、次第にその場にいる全員がうとうとし始めた、いや全員ではなかった、2人を除いて・・・。目を覚ました一同に驚愕の知らせが届く。フライヤの故郷ブルメシアが黒魔道士兵団に襲われ、壊滅的打撃を受けたというのだ。ジタンとビビはフライヤの助太刀を申し出、3人はブルメシアへ向かうことにしたが、ダガーとスタイナーがいないことに気付いた。実はダガーは祝勝会を抜け出す為に眠り薬を盛り、母ブラネを説得するため、スタイナーをつれて一路アレクサンドリアをめざしていたのだった。
ジタンたちはその道程で大食漢のク族のクイナを仲間に加え、ブルメシアを目指していた。途中、ギザマルークの洞窟でギザマルークにおそわれる。どうやらギザマルークの暴走にはブルメシアの異変が関与しているようだった。ブルメシアでフライヤが目にしたのは無残に破壊され、冷たい雨にぬれる、最早廃墟と化したブルメシアだった。王宮に進むとそこには、ブラネと、アレクサンドリアの常勝女将軍ベアトリクス、そして銀髪の謎の男クジャの姿があった。3人に詰め寄る一行だったが、ベアトリクスの前に完敗を喫してしまうのだった。
壊滅したと思われたブルメシアだが、ブルメシアの王たちはブラネたちが付くよりも早く聖地クレイラへと逃げていた。ジタン達はクジャの言葉を聞き、聖地クレイラに先回りすることができた。が、ここも程なく黒魔道士の襲撃にあってしまった。一行は再度現れたベアトリクスにまたも敗れてしまう。ブラネが光り輝く宝玉をかざすと、空から召喚獣・オーディンが現れ、一撃でクレイラを壊滅に追いやってしまった。衝撃によりクイナとはぐれてしまった一行はベアトリクスを追うべく、アレクサンドリア軍の飛空艇に潜入する。ブラネによれば召喚獣の力はダガーよりひきだしたものであるという。ジタンらは、さらなる力を引き出す為、召喚士としての力を秘める娘を手にかけようとするブラネからガーネットを救うべく、アレクサンドリアへ急ぐ。
一方、リンドブルムを抜け出たダガーとスタイナーはアレクサンドリアを目指していた。南ゲートを抜け山頂の駅で彼女らは盗賊団のメンバーとの再会を果たした。彼らは石化を治す薬をもって魔の森のブランクのもとへと急いでいた。モノレール・ベルクメアでの移動中、暴走した黒のワルツ3号に襲われるが、これをタンタラスの力を借り、撃破する。大都市トレノにたどり着いたダガーらは、この地で恩師トットと再会、彼の導きにより、ガルガン・ルーを通りアレクサンドリアを目指す。途中、怪虫に襲われるも何とか城の地下に到着した。しかし、城へ入るとダガー達はブラネの道化師ゾーン・ソーンの罠にかかり、捕らえられてしまう。
その頃、ジタン達もアレクサンドリアへ到着、ダガーを救出すべく城内を奔走する。スタイナーとマーカスは2人で力をあわせ、牢屋から脱出、マーカスはブランクを救う為魔の森へと走っていった。スタイナーはジタンたちと合流し、ダガーを探し始めた。途中ゾーン・ソーンを倒し、死んだように眠るダガーを救出した。一足遅く、召喚獣の力は全て引き出されてしまっていた。ジタンはダガーを背負いガルガン・ルーを使って脱出を試みる。しかし、三たび現れたベアトリクスにまたしても敗北してしまう。スタイナーの必死の説得の結果、ベアトリクスと一行はダガーを救う共通目的のもとに完全和解する。ジタン達を逃がすべくベアトリクス・石化から回復したブランク・フライヤ・スタイナーの努力の結果、ダガーの救出に成功、脱出を図る。しかし、途中怪虫の襲撃のせいで乗り物が進路を誤り、リンドブルムの近くの遺跡・ピナックルロックスに着いてしまう。倒れるダガーの前に一人の老人が現れる。彼は召喚獣ラムウと名乗り、ダガーの召喚士としての力を目覚めさせる。一行はリンドブルムへと走り始めた。
しかし、リンドブルムに向かった一行を待っていたのはブラネの召喚獣アトモスの猛攻により、壊滅的なダメージを負ったかの国だった。ひそかに謁見したシドの口から、謎の男・クジャが一連の攻撃の黒幕であることが明らかにされる。ジタンたちは彼の居城へ向かうべく、未知の“外側の大陸”へ足を進めることを決意する。外側の大陸の入り口はク族の沼にあるらしい。途中クイナと再会し、彼の導きで外の大陸へとつながるフォッシル・ルーへと入っていった。そこで一行は狩猟祭でも見かけた、美人ハンター・ラニに出会った。ラニはブラネが放った刺客の一人。どうやらブラネは手段を選ばなくなってるようだ。そんなこんなで一行はフォッシル・ルーを抜け、霧ひとつ無い外側の大陸に到着した。
ドリーフの村、コンデヤ・パタで一行はビビそっくりの黒魔道士を見かけた。こっそりと後をつけると、そこでは黒魔導士たちが村を作って暮らしていた。彼らはビビのように自我に目覚めていた。ビビはそこで仲間のお墓を見つける。黒魔道士によると、彼らには活動限界があるという。驚愕するビビ。励ますジタン。2人の間に男の友情が生まれる。
黒魔道士たちからクジャの情報を得た一行は途中、角の生えた少女エーコと出会う。山道で強力な怪物に襲われる一行だったが、驚くべきことにエーコが召喚獣フェンリルを召喚し、怪物を葬り去った。彼女に導かれ召喚士の聖地マダイン・サリへ足を運んだダガーは、召喚の間で故郷に帰ってきた不思議な感情に襲われる。休息の後、一行はエーコを仲間に加え、クジャの居場所・イーファの樹の内部へ入った。そこに巣食う管理者を倒すが、マダイン・サリで宝が盗まれたとの情報を得て、直ちにマダイン・サリに戻る。するとそこには、ジタンに因縁を持つ賞金稼ぎサラマンダーの姿があった。彼はラニと同様、ブラネの放った刺客の一人であった。ジタンとの決闘に敗れた彼は、ジタン達と旅をともにすることを決める。その頃、クジャがイーファの樹上空に現れ、一行は彼を追って再び樹へ向かう。さらにそこへ、軍艦を引き連れたブラネが召喚獣を使ってクジャに攻撃を仕掛ける。が、クジャと彼の連れている銀竜の圧倒的の強さに返り討ちに遭い、ブラネの軍は全滅する。重傷を負ったブラネは、ダガーに看取られながら静かに息絶える。その顔には狂った為政者ではなく、かつての優しい、ダガーの母の顔がうつっていた。
ブラネの死によりダガーはアレクサンドリア女王に即位した。一行は情報収集も兼ねトレノを訪れる。しかし、即位の混乱も収まらないまま、クジャが召喚獣バハムートを使ってアレクサンドリアに攻撃をかける。ダガーとエーコは、不思議な力に引き寄せられて魔力を解放し、聖なる召喚獣アレクサンダーを召喚してこれに応じる。そこに突如、ダガーの故郷が焼き払われたときと同じ不気味な赤い光を放つ飛行船インビンシブルと、それに乗り込む謎の男・ガーランドが現れ、アレクサンドリアに壊滅的なダメージを与える。この余波をまともに受けたジタンは、数日にわたり意識を失ってしまう。ジタンが目覚めたとき、ダガーは、自責の念とショックのあまり、完全に心を閉ざし、人と話すことが出来なくなってしまった。
シドを加え、再び訪れた黒魔道士の村で、クジャの本拠地・デザートエンプレスの情報を得た一行は、これに乗り込む。が、クジャの謀略にはまり全員見事につかまってしまった。ジタンは捕虜をとられ“忘れ去られた大陸”のウイユヴェールへおつかいをさせられる。呪文の使えないウイユヴェールで待っていたのは自分たちの姿を精確に模写する魔物だった。苦労するジタンたちだが、何とかお使いの品グルグストーンを手にいれ、急いでデザートエンプレスへと戻る。
一方、捕虜組はデザートエンプレスから脱出を図り、戻ってきた連行組と合流するものの、クジャの謀略にはまり、エーコと連行組が手に入れたグルグストーンを奪われてしまう。クジャを追った一行は“閉ざされた大陸”のグルグ火山を訪れ、エーコを救い出すことに成功した。
アレクサンドリアに戻ったダガーは、母の墓前で決意を新たにし、長い髪をばっさりと切り、閉ざされた心を解き放つ。そして程なく、クジャの陰謀の実体が、この世界ガイアと、別世界テラをつなぐことにある、ということが判明。それを阻止するため、飛空挺ヒルダガルデを駆り、世界をつなぐ鍵のあるイプセンの古城へと行く。鍵となる4つの鏡を手に入れた一行は2人づつ4手に別れ、4つの祠を訪れた。そこには祠を守るガーディアンがいた。ガーディアンを倒し、鏡を祠に収め、ついにテラへの道を開き、ここへ飛び込む。
ジタンがテラで目にしたのは、自分と瓜二つの外見を持つジェノムなる人造人間だった。ジェノムはガーランドが作り出したテラの仮の住人。黒魔導士のようにこころの存在する個体はごくわずかであった。パンデモニウムでガーランドを打ち破ったジタン達の前にクジャが立ちはだかる。クジャはジタン達との戦闘の過程で「トランス」に成功し絶大なパワーを手に入れる。ところが、勝ち誇るクジャに向けてガーランドは、それまでクジャ自身も知らなかった残酷な事実を告げた。クジャはジタンに比べ、旧型のジェノムであり、黒魔道士のようにいつかは活動が停止してしまうという。クジャは絶望と猛烈な恐怖心から自暴自棄になり、暴走し始める。ジタン達は間一髪、崩壊するテラから脱出する。しかし、ガイアに戻った一行が目にしたのは、霧の大陸だけでなく全てが霧に飲まれた、変わり果てた世界であった。
ジタン達は、助け出したジェノム達を黒魔道士の村に預け、イーファの樹上空に生じた時空間のひずみから、「記憶の場所」へと踏み入れ、クジャとの最後の決戦に突入する。テンプレート:SpoilerF
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