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ニンテンドーDS(ニンテンドーディーエス、Nintendo DS)は、任天堂が開発し2004年から世界各国で発売した携帯型ゲーム機。略称は「DS」。
画面を2つ持つことや、タッチスクリーン、マイクによる音声入力などのユーザーインターフェースを特徴とする。2006年1月にレッド、2006年6月に他のカラーの生産が終了した。
"DS"とは"Dual Screen"の略で、折りたたみ式の本体の両側に「2つの液晶画面を持っている」という意味がある("Double Screen"の略と言われることもあった)。またニンテンドーDSが最初に発表されたE3 2004では "Developers' System"(開発者のためのシステム)という意味も示された[1]。
開発コードは「Nitro」(ニトロ)。そのことから本体ならびに関連製品の品番には「NTR」が付けられている。GBAの後継機としての構想時のコードネームは「アイリス」である[2]。
当初「DS」はあくまで仮称とされていたが、後に正式名称となる。
外見はかつての同社のゲーム機『ゲーム&ウオッチ マルチスクリーン』を彷彿とさせる。下側の液晶画面はタッチスクリーンになっている他、マイクが付き、ボタンもゲームボーイアドバンスと同様の物に加えXYボタンが追加されるなど、インターフェイス面で数多くの特徴を持つ。
ゲームボーイアドバンスのCPUに使われているARM7TDMIをサブCPUとして搭載することで、ゲームボーイアドバンス用ソフトとの互換性を実現しているものの、それまでの歴代ゲームボーイシリーズにあったZ80系のプロセッサを搭載しておらず、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー用のソフトが使用できない。更に、ゲームボーイアドバンスカートリッジスロットの内部には突起があって、ゲームボーイカラー以前のカートリッジを物理的に挿入できない構造になっている。
また、ゲームボーイアドバンスにあった通信コネクタが装備されておらず、ゲームボーイアドバンス用ソフトの通信機能を使うことができない。同様に、ゲームボーイアドバンス用の周辺機器も基本的に使用できない。DSのワイヤレス通信は、ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタとの通信規格が異なり、アドバンス用ソフトのワイヤレスプレイも不可能となる。
ライセンス商品では、充電端子に接続するゲームボーイアドバンスSP用のACアダプタとヘッドホン変換プラグ、そしてゲームボーイアドバンススロットに挿入する『PLAY-YAN micro』や『プレイやん』、『カードeリーダー(旧型)』のみが使用可能。DS Liteのみ『カードeリーダー+』を使用できるが、通信機能は使えない。ニンテンドーDS本体に通常のヘッドホン端子があるので、ニンテンドーDSのACアダプタ用端子にゲームボーイアドバンスSP用変換プラグ経由で接続したヘッドホンと併用が可能。説明書にも「本体にヘッドホンのプラグが上手く刺さらない場合は、ゲームボーイアドバンスSP用変換プラグを使用するように」と記載されている。変換プラグとDS本体のヘッドフォン端子へ同時接続しても、多少音量が小さくなるが音は出せる。
なお、後述の後継モデルだとACアダプタのプラグ形状が異なるので、その端子を用いる機器の使用が不可能となる。
ニンテンドーDSシリーズ(左からDS、DSLite、DSi)
ニンテンドーDS Lite2006年(日本では3月2日)に発売。一回り小型軽量化が図られ、バックライトも4段階に輝度調整可能となった。性能や動作するソフトは従来のDSと変わらない。ゲームボーイアドバンスに対するゲームボーイアドバンスSPと同様の位置付けである。ニンテンドーDSi日本では2008年11月1日、北米・欧州では2009年4月に発売。新たに2つのカメラやSDメモリーカードスロット、容量が256MBのフラッシュメモリを搭載。フラッシュメモリを搭載したことで、ニンテンドーDSiウェアと呼ばれるツールソフトやゲームソフトをインターネットを利用して本体に追加できるようになった。CPUの性能が向上し、メインメモリの容量も増加した。液晶サイズの拡大、スピーカーの音質向上、無線通信機能の高速化など細かい点も強化された。GBAスロットが廃止され、液晶画面のサイズが3インチから3.25インチに変更された。大きさ・重さも変わり、バッテリー持続時間が全体的に2 - 3割減となった。なお、カメラなど以前のDSでは搭載していなかったものが追加され、CPUの性能などの内部仕様が変わったため、以前のDSではプレイ出来ない「ニンテンドーDSi専用ソフト」や、以前のDSでもプレイ可能だがDSiでないと使えないモード(機能)が含まれている「ニンテンドーDSi対応ソフト」が登場した。ゲームボーイ(ポケット・ライト含む)に対するゲームボーイカラーの位置付けに似ている。一方でGBAスロットが廃止された関係で、GBAスロットを拡張スロットとして外部周辺機器を併用していた一部のDSソフトがプレイ不可能になった。仕様変更によって旧来のソフトが使用できなくなるというのは任天堂ハードでは非常に珍しい事例である。ニンテンドーDSi LL日本では2009年11月21日、欧州では2010年3月5日、北米では2010年3月28日に発売された。ニンテンドーDSiに比べて、液晶画面と本体のサイズが大きくなったモデルであり、ニンテンドーDSiの追加ラインナップという位置付けである。性能や機能はニンテンドーDSiと変わらないため、ニンテンドーDSiで使用できるソフトや機能は全て利用可能。ニンテンドーDSとゲームボーイアドバンスのスロット比較。DSの方には突起がある
DSはゲームボーイアドバンス(以下GBA)の「後継機」ではなく、ニンテンドーゲームキューブ、GBAに次ぐ、任天堂の第3の柱をうたい、全く一から開発され、系図でも完全に一から立ち上がった全く新しいゲーム機である。ただし、後にGBAの次世代機案から派生したものだということも明かしている[2]。
だがDSが瞬く間に普及し、DSの後に発売されたゲームボーイシリーズ最新機種ゲームボーイミクロの売り上げも伸びず、任天堂を含む多くのメーカーはDSに注力する結果となった。また、2006年のE3において「GBAの後継機(新型ゲームボーイ)はしばらく無い」との発表がされた。DS発売前より開発がすすめられていた『MOTHER3』『リズム天国』など、末期のGBA用ソフトの店頭POPなどでは、DSでも使用可能であることが表記されていたり、CMなどでも該当ソフトをDSでプレイしているシーンを挿入し、DSでもプレイ可能であることを示していた。
その後、2006年11月30日発売の『ファイナルファンタジーVIアドバンス』以後、日本においてゲームボーイシリーズの新作ソフトは発売されていない。また日本以外での販売においてもGBAからDSへユーザーをシフトさせる旨を明確にしている。結果的にゲームボーイシリーズの市場は急速に縮小し、DSは実質上「新型ゲームボーイ」「GBAの後継機」のような形となった。後の2010年に発表された新型の携帯ゲーム機もニンテンドーDSの直系の後継機となるニンテンドー3DSになり、現在の任天堂の携帯型ゲーム機市場は完全にDSとその系列に一本化されている。
ニンテンドーDSには次のような機能がある。
ここではニンテンドーDSの仕様を記載している。ニンテンドーDS Liteの仕様はニンテンドーDS Lite#仕様・変更された点を、ニンテンドーDSiとニンテンドーDSi LLの仕様はニンテンドーDSi#仕様を参照。
独自のユーザーインターフェース・機能を利用した、ゲームに無関心だった層への幅広い普及として東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』などの『Touch! Generations』という一連のシリーズを発売している。
その理由としては、2004年までのテレビゲーム業界では、特に映像表現に関わるハードウェア技術の発達に伴って映画的表現の傾向が強まるなど全体的にゲームが画一的、マンネリ化状態に陥っており、ゲーム人口も減少傾向にあったため、それを打開することが焦眉の急になっていたことが挙げられる。ニンテンドーDSはその傾向に歯止めをかけ、タッチスクリーン、音声認識などの斬新な操作方法でゲーム人口の拡大を進め、新たな層の獲得にも成功した。さらに、任天堂は単なるゲーム機ではなく「所有者の生活を豊かにするマシン」を目指すと述べている[4]。
かつてはマスコミでゲーム脳などテレビゲームのマイナス面が取りざたされていた。しかし、ニンテンドーDSから任天堂が進めたゲーム人口拡大によって、今ではニンテンドーDSが教育や教材に活用されたり、据え置き機ゲーム機Wiiの成功にも影響を与えた。また、人々のゲームに対するネガティブなイメージも緩和されるなど、DSが果たした役割は大きい。2010年3月現在の日本における累計販売台数は3000万台を突破し、携帯型・据え置き型含めたゲーム機で日本最大プラットフォームとなった。
以下のリストはニンテンドーDS専用として任天堂から発売されている物である(DSシリーズ共通で使えるものもある)。
DS Lite専用の周辺機器についてはニンテンドーDS Lite#周辺機器を、DSi専用の周辺機器についてはニンテンドーDSi#型番・周辺機器を参照。
その他ゲームボーイアドバンスSP用周辺機器も、GBAスロットや充電端子に接続するものは使用可能。
型番 | 名称 | 備考 |
---|---|---|
NTR-002 | ACアダプタ[22] | 本体同梱。ゲームボーイアドバンスSPにも使用可能で、現在発売されているパッケージにはゲームボーイアドバンスSPのロゴも入っている。 店頭での販売も行っており、希望小売価格は税込1500円。不具合についての情報はこちらを参照。 |
NTR-003 | バッテリーパック[22] | 本体同梱のほか、任天堂ホームページからも購入できる。 |
NTR-004 | タッチペン[23] | 本体同梱のほか、任天堂ホームページや一般のゲームショップで購入できる。 |
NTR-005 | DSカード | カードのみの販売はない。色はグレー。 DS専用ソフトはリージョンコードが設定されておらず、世界共通で使用可能。DSi対応/専用ソフトはリージョンコードが設定され、ニンテンドーDSi(またはDSi LL)本体とのリージョンコードが異なるとニンテンドーDSiメニューでソフトとしての認識ができない。 |
NTR-006 | DSカードケース | ソフトに付属。DVDケースと同じような形状・素材。縦横の長さは一般的な12cmCDのケースと同じ。厚さはCDケース2枚分。ちなみにクラブニンテンドーの景品「DSカードケース 18」はNTR-006-2であり、DSカードケースと同サイズであり18本のソフトを収納できる。 |
NTR-008 | DS振動カートリッジ[24] | 『メトロイドプライム ピンボール』に同梱。 単体販売は任天堂ホームページにてオンライン販売のみ。 |
NTR-009 | タッチストラップ | DS本体のみ同梱。指にはめて使うことで、液晶を汚さず指先をタッチペンの代わりとして使うことが出来る。 一部のゲームではこちらの使用を推奨されることがある。また落下防止にも活用できる。 |
NTR-010 | ニンテンドーWi-Fi USBコネクタ | 無線LAN環境が無い家庭で、ニンテンドーWi-Fiコネクションに接続をするための機器。DSではなくWindows XP、Windows VistaパソコンのUSB端子に接続する。ADSLなどのブロードバンド環境が必要。 一部大手量販店や任天堂ホームページ、その他インターネット上の通販サイトからのみ購入可能。任天堂ホームページで購入の場合、価格は税込み3500円(送料別)。 |
NTR-011 | DSメモリー拡張カートリッジ[24] | 『ニンテンドーDSブラウザー』に同梱(必須)。 現在単体販売はされておらず、また同ブラウザ以外の対応ソフトもない。 |
NTR-012 | スライドコントローラ[25] | 『スライドアドベンチャー マグキッド』に同梱。GBAスロットに接続、光学式マウスと同様に机上などに置きスライドさせて操作する。振動機能もあるが、振動カートリッジ対応ソフトで使っても反応しない。 |
NTR-014 | 顔認識カートリッジ フェイスニングスキャン[25] | 『フェイスニングで表情豊かに印象アップ 大人のDS顔トレーニング』に同梱。GBAスロットに接続する。DSで使用すると全体が本体内に収まるが、カメラ部分を引き出すことが可能。 |
NTR-015 | DSクリーナー | DSカード端子をクリーニングするための道具。 「ニンテンドーDSシリーズ専用 クリーナーセット」に同梱。 |
NTR-016 | ワンセグ受信アダプタ DSテレビ | DSシリーズでワンセグ放送が見られる。DSテレビ本体の他、DSテレビ専用カバー、DSテレビ専用外部アンテナが同梱される。 2007年11月20日に任天堂ホームページでオンライン販売開始。2008年7月より店頭販売開始。価格は税込6800円(オンラインの場合送料無料)。 |
NTR-017 | DSテレビ専用カバー | DSテレビに付属。取り外して収納する際に用いる。 |
NTR-019 | イヤホンマイク | ボイスチャット用。ボイスチャット以外の音声認識機能では正常に作動しない場合もある。 |
NTR-020 | クリーナーケース | DSクリーナーとGBAクリーナーを収納することができる。 「ニンテンドーDSシリーズ専用 クリーナーセット」に同梱。 |
NTR-022 | マグネットスタンド[25] | マグネット付きのスタンド。GBAコネクタを用いて固定する。 |
NTR-024 | ひも付きタッチペン | マグネットスタンド付属のタッチペン。 |
NTR-025 | DSテレビ専用外部アンテナ | DSテレビに付属。受信感度を向上させる。窓ガラスなどに固定するための吸盤付き。 |
NTR-027 | 生活リズム計 | 『歩いてわかる 生活リズムDS』に2個同梱の他、単品も発売されている。 ショックセンサーによる歩数測定機能を搭載し、1分ごとの歩数データを約1週間・1時間または1日ごとの総歩数データを約30日間記憶可能。 赤外線通信により、赤外線受発光部付きDSカードを介してDSとデータを送受信する。 |
NTR-028 | スタンド(ベース) | 『フェイスニングで表情豊かに印象アップ 大人のDS顔トレーニング』に同梱。DS本体を置く他、波状の段差にタッチペンを置くためにも使用する。 |
NTR-029 | スタンド(パネル) | 同上。こちらはDS本体を立て掛ける部分。 |
NTR-031 | 赤外線受発光部付きDSカード | 赤外線ポート搭載のDSカード。『歩いてわかる 生活リズムDS』、『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』及び『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』の各作品に使用されている。 赤外線を通す半透明のプラスチックが使われているため、通常のDSカードと異なり黒っぽい色である。 |
NTR-032 | ポケウォーカー | 『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』に同梱。フックの付いた電池カバーが付属。 赤外線通信で同作品のDSカード、もしくは他のポケウォーカーと通信できる。詳細はリンク先を参照。 |
本体のみの販売の他、DS本体に独自のマーキングがされているものなどゲームソフトに本体同梱限定版が存在するものもある。
小倉百人一首のテーマパーク「時雨殿」で、ニンテンドーDSからボタン、カートリッジ・DSカードスロット、その他の端子を取り除いた端末「時雨殿なび」が利用されている。
テンプレート:Rellink
DSのミリオンヒットタイトルの数は34本(2010年9月)で、ゲームハードとしてはファミリーコンピュータ(42本)に次いで2番目に多い。
特記が無いものは任天堂から発売。
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テンプレート:Commons
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