こんなのでどう(編集雑)

ページ名:こんなのでどう-編集雑

ドラーク:
「余と同じ天をこの地にて戴いたのだ、同胞よ、この邂逅は貴女を余の騎士団に招き入れんと欲するが故のものだ。」

シア:
「うええ?!……な……なに……?!」

ドラーク:
「その……あー……えーっと……」
「………友達になりたいな……って。」

「準情報不足種アニマルガール観察記録-████-██」音声ログより抜粋

 

 

 

 


ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

謹んで名乗りを。
東欧一の英雄より名を賜りて、愚名をドラークと申し上げる。……こういうキャラだ。

◇アニマルガール基本情報

基底動物名:ジャイアント・ヴァンパイア・バット(和名なし)

愛称:『ドラーク』(公式な文章においては『伯爵』を末尾に置くことを要請されています。)

敬称:『ドラーク公』

所属:ゴコクエリア・ミチアト古生物研究所内「ケモシュタイン城」(アニマルガール寮の自室)

管理権限:1(施設保護)

◆概要

 現在知られている吸血コウモリの中で、地球上最大を誇ったという種。それが“ジャイアント・ヴァンパイア・バット”です。化石は見つかっているものの、その絶滅の詳細な時期は分かっていません。250万年前~1万2千年前にかけて栄えていたとされていますが、アルゼンチンで300年前の牙が発掘され、ごく近年まで生存していたのではないかとも言われています。
 
 この謎の解明に関する手がかりが得られることを期待し、ミチアト古生物研究所の開設当初から、化石のアニマルガール化実験が何度か行われてきたものの、失敗が続いていました。しかし20██年██月██日に行われた第█回アニマルガール化実験において、反応が見られず研究員が諦めようとした矢先、突如として接触させていたサンドスターが爆発的に活性化。アニマルガールが誕生しました。
 
 彼女は自らを“ドラーク伯爵”と名乗り、中世ヨーロッパの男性貴族のような振る舞いや言い回しを好みました。インタビューの結果、彼女は、自身に与えられた学名draculae=“ドラキュラ伯爵”の伝承、およびそのモデルとなった人物“ヴラド・ツェペシュ公”のイメージを強く反映した存在であることが明らかになりました。
 研究者の期待とは裏腹に、古生物学上重要な知見を彼女から得ることはできず、一時はヒガシシラカワ未確認動物館への移管も提案されましたが、学術的には確かに存在した記録があることなどを理由に、パーク運営事務局は、最終的に彼女をミチアト古生物研究所の管轄とすることで決定しました。
 
 「我らがコウモリの一族を再興し、栄光の王国を支える剣となるのだ」と宣言する彼女は、ミチアト古生物研究所の研究に協力する傍ら、自らの“城”をミチアト古生物研究所の寮に構え、“同胞”を集める活動を行っています。

◆外見・身体的特徴

ふむ……しかし何故こうも微妙なところでステレオタイプなのであろう………

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

 髪は落ち着いた茶で、整髪剤でくしゃくしゃと無造作にまとめたような髪形で、頭部には傾いた形でコミカルな小さい王冠が付けられています。あまり好まないために、基本的にはサンドスターの調節により消していることが多いです。

 動物の耳は類似種と同様にすぼんだ形をしており、瞳は黒で、絶滅種のアニマルガール特有の反射光の弱さを持ち合わせています。

 しかしながら、稀に瞳が光を稀に淡く反射をしたり、ぼんやりと発光することがあります。これは、ブラジルの畜産農家の間で伝わり、未確認生命体の扱いをうけている「巨大吸血コウモリ」の大きさの情報などか、この種に類似している事が由来と推測されます。

 服装は燕尾服をモチーフにしていますが、色は髪よりも濃い、黒に近しい茶色の系統で統一されており、チョッキやシャツは明度を大よそ反転したような色、ネクタイは赤みがかった黒です。光沢があり、触ると細い毛で構成されていることが分かります。

 俗に言う「吸血コウモリ」の内で現地点で最大の体長を持つことに起因して、このサイズの動物としては稀な174cmという高身長と、比較的大きい翼を他のコウモリと同じように後背部に持ちます。

 犬歯の発達は、大きさこそ他の種と同様ではありますが、鋭さは吸血を行わない種に比べて幾分か鋭いです。

 全体の印象は凛々しく、ボーイッシュと言えるものですが、見方によればー特に王冠を消し忘れたときはー何となく「残念」な印象を植え付けてしまうようです。

◆性格・行動

 生態がかなりの部分において明らかでない事から、生態由来の性格はあまり多く反映されていませんが、断片的な情報から生態や性格の再形成がなされているようです。

 例えば、彼女は温暖な環境と暗がりを好み、“城内”では、加湿器や加温設備が頻繁に稼働されています。ミチアト古生物研究所周辺は比較的温暖であるため、周辺から移動しないことを好み、極端に寒い地域には移動したがりません。「吸血鬼伝説」自体はスラブ地方を中心とする、東欧のとりわけ冷涼な地帯を発祥とするものでありますが、その事は深く反映されていないようです。

「まず第一に、我は『南の新大陸』から脱出することができなかったからな。……ヨーロッパ行きたい」

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

 好物とする料理は「吸血」とは程遠く、寧ろ出生地に重きを置いてのことか、中南米料理を好みます。所謂「トマトジュース」のような代替物を摂取していそうなイメージについてもはっきり否定しました。

「余も高貴である自負がある。液体だけで晩餐を済ませてしまっては少しばかりさみしいと思わないか?」
「余が菜食をしないわけではないが…いかんせん野菜の大盛りよりも串焼きの大盛りの方が好みでな…だってアルゼンチンっていったらお肉だぞ」

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

 知識に関しても、かなりの特徴を持っています。人類の過去に関して博学で、とりわけ民俗学や宗教学などに明るいです。歴史観の中心はやはり中南米ですが、ヨーロッパ史もある程度の理解をしているものとみられます。

「我は至る所で恐れられてきたのだ…少しばかりは知識があってもおかしくは無かろう?……実際はほとんどわからんがな……」

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

 知識の総量は乏しいですが、脳容積が通常種より大きい事からか、頭の回転は早く、稀にウィットに富んだ言い回しをすることがあります。

 なお、独特の言い回しなどに関しては、飽くまで面白いからやっているだけだと反論しましたが、無意識のうちに「我」「余」「貴公」などといった人称を用いているため、一から十までサービス精神によるものではないようです。

「ふふふ……貴公たちにはまだお伝えしていなかったか。あの古風な言い回しは一種のキャラ付けだよ。……素かもしれないけど」

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

「やっぱり出てるじゃん……」   

-ケアシチスイコウモリ『シア』

◆『野生解放』

「……我らが輝かしき王国は傷つきはせん……!!!」

『吸血公の乱舞』

 この野生解放は、『王国の同族』、すなわち動物界(Animalia kingdom,分類学の「界」は"kingdom"の訳語)に属するもの、とりわけアニマルガールとして存在するそれの危機に際して発動されます。

 身体能力も全般的に向上しますが、特徴的なのは、思考能力・判断能力・反応力が飛躍的に向上し、状況に対する大局的な判断(もしくは単に「カン」)を可能にします。そして何よりも、その行為によって自身が嫌われたり、傷つくような事でも、最適であると判断した以上は、自ら汚れ役を務めます。

 後述される、ケアシチスイコウモリの発見もこの能力の延長との推測が後になされました。この際は、自室に引き込んだ後はしばらく外に出さないなどといった鬼の所業をもって、脱出を試みさせ、その際に周囲の職員やよく見かける来園者との会話を行うように仕向ける事でコミュニケーションの訓練を施しました。

そう何時までも野生解放は続きはせぬ。いかにして後の愚鈍な我に計画を知らしめるか。筆の速さがものを言うのだ。
無論、戦いならばその場で実行すればよいのだがな…。

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

◆基底動物基本情報

(-No Public Domain Picture-)
ジャイアント・ヴァンパイア・バット(和名なし)……コウモリ目 ヘラコウモリ科
IUCN保全状況評価 EX/絶滅
更新世(ジェラシアン)~完新世

学名: Desmodus draculae

 300年ほど前まで生存していたと考えられ、今もこの種を目撃したと主張する人物がいるほど、極々近くまで生存していた種です。
 記録されている「吸血コウモリ」の中で最大の体長を持ち、ナミチスイコウモリが32-42mmであるのに対し、51mm前後と推測されるその体格と、50cmともされる巨大な翼は、さぞ威圧的であったでしょう。それを意識してか、命名者はこの種にDesmodus draculaeと、「ドラキュラ伯爵」の名をつけました。
 更新世へと変わったばかりからの化石が発見されていますが、生態は謎に包まれており、吸血の対象も大きな動物と小動物で説が二分されているようで、ラクダ科や鹿、もしくはチンチラ科などを中心に議論されています。絶滅のタイミングを考慮すると、対象は大きめの動物であったとするのがある程度有力であるようです。
 アマゾン流域のムラ族の神のモチーフに取られていたり、学名を「ドラキュラ伯爵」と名づけられたりしていますが、仮に近年までの生き残りが、西洋の開拓者と遭遇したのであれば、現在に伝わる「コウモリ」のイメージに影響を及ぼしているのかもしれませんね。
なお、この学説に習うと、チスイコウモリ属はナミチスイコウモリ1種ではなく、絶滅3種を含んだ4種で構成されることとなる。


ケアシチスイコウモリ『シア』

◇アニマルガール基本情報

基底動物名:ケアシチスイコウモリ

愛称:『シア』

所属:ケモシュタイン城(ドラーク伯爵に住まわされている)

管理権限:1

◆概要

 数多くのコウモリ種の中で、現存する“吸血行動”を行うコウモリは3種だけであると言われています。ケアシチスイコウモリは、その中の一つです。他の二種が哺乳類からも吸血を行うのに対し、この種は鳥類からのみ吸血を行うことが知られていました。しかし近年、人間(哺乳類)からも吸血を行うようになった可能性が指摘され、話題となりました。
 
 当該アニマルガールは、アンインエリアの 熱帯雨林に放たれていたケアシチスイコウモリの一匹がサンドスターと接触したことで誕生しました。しかし、後のインタビューにより判明したことですが、彼女は“哺乳類”……職員はもちろん、哺乳類のアニマルガールに対しても極度の緊張を抱いてしまうようであり、また、自身がヒトのような身体になったことにも強い戸惑いを覚え、変異してから暫くの間は、誰にも見つからないように、ひとり隠れて暮らしていたそうです。
 
 彼女を発見することができたのは、ドラーク伯爵のおかげでした。ドラーク伯爵は誕生した際の研究者への訴えを発端に、伯爵の“カン”に従い調査を行ったところ、ケアシチスイコウモリのアニマルガールを発見するに至ったのです。

「我が同胞による戸惑いの嘆きが、余を長き眠りから目覚めさせたのだ! ……たぶん」

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

 怯える彼女を伯爵が説得し、保護に応じさせました。その際、個体名として、動物名から取って『シア』と名付けられました。

「かのドラキュラ伯爵は、傍に女性の吸血鬼を従え、彼女らの世話を良くしたという。そなたもコウモリの血族として、余に仕えるがよい。 余が導いてしんぜよう! ……テキトーに」

-ジャイアント・ヴァンパイア・バット『ドラーク』

 以降、彼女は古生物由来のアニマルガールではありませんが、“ドラーク伯爵が面倒を見る”という条件で、特例でミチアト古生物研究所の管轄となり、ドラーク伯爵の“城”で一緒に暮らして…… もとい、仕えています。

◆外見・身体的特徴

 先行して発見されたアニマルガール“ナミチスイコウモリ”とは、容姿が大きく異なっています。
 
 髪は明るい茶髪のショートヘアで、獣耳は短く幅広です。黒く輝く大きな瞳は、可愛く幼い、活発な印象を与えます。
 
 服装は、暗茶色のローブ・デコルテ(胸元と首を露出したスタイルのイブニングドレス)に、同色のオペラグローブを身に着けており、あたかも欧州の貴婦人のようです。背中からは、他のコウモリ種のアニマルガール同様に、けものプラズム製の衣服を貫通して翼が生えています。
 そのいで立ちは一見、妖艶な女性の吸血鬼を思わせますが、活発で幼い印象の顔とは大きなギャップを感じることでしょう。
 
 学名のecaudata=“しっぽの無い”が示すとおり、しっぽは持っていません。足には毛糸のソックスを履いており、これは基底動物の名前の由来でもある、毛深い後脚部分の飛膜を表していると考えられます。靴は黒のハイヒールです。
 
 同体格の人間(思春期女性)と比較して、基礎体力は低いようです。
 

◆性格・行動

「はわわわわ…… あっちもこっちも、ヒトだらけ…… ききき、緊張するぅぅ~~~~~」

-ケアシチスイコウモリ『シア』

一人称:私
二人称:あなた

 “近年になって、ヒトから吸血を試みるようになった可能性が指摘された”という史実が、“ヒトに慣れていない”、すなわちヒトの姿をした者に対して極度の緊張を抱いてしまうという性格として表出したようです。
 ドラーク伯爵によって発見・保護されるまでは、アニマルガールとなった自分自身の身体にさえも怯え、水たまりに移った自分の姿はおろか、手元足元を見ることすらまともにできなかったほどです。

 ドラーク伯爵の手ほどきにより、現在では、初対面の相手に対してはやはり恥ずかしさで震えあがってしまいますが、相手としばらく一緒に過ごせば、徐々に接することができるようになってきました。親しくなった相手であれば、可愛く甘える一面を見せることもあるでしょう。

 なお、基底動物が“通常は鳥類の血を好んで吸う”という性質からか、鳥類由来のアニマルガールに対してはあまり緊張しないようです。時々獲物を見るような目になりますが、気のせいでしょう


◆『野生解放』

「い、いっしょに、ドキドキ、しましょ……? いただきます……(かぷっ)」

『ピュアハートシェアリング』
 
 鋭い犬歯で、人間やアニマルガールの首筋に傷をつけ、血を吸った後、その血の一部を相手に口移しします。このとき、血液とともに送り込まれるシアの唾液には、サンドスターが変化した薬効成分や栄養成分が含まれるようになり、飲み込んだ相手に強力な自然治癒能力、ならびに滋養強壮効果をもたらします。最初につけられた傷はたちどころに塞がっていきます。
 
 ナミチスイコウモリについて、過去にグルーミングを行った仲間が飢餓状態になった時、自分が採った血を分け与える“利他行動”が知られていますが、ケアシチスイコウモリにおいても同様に食料を分け合う習性が見られるとの報告があり、それが“弱っている仲間に活力を分け与える”野生解放能力として昇華したものと専門家は分析しています。
 最初に相手の血を吸う行為は、相手の体調や病状に関する情報を読み取るためとも、親しい者への吸血という行為自体を通じて感情を高め、体内のサンドスターを活性化させるためとも言われています。
 
 基底動物が利他行動を行う時と同様に、“対象と十分に親しい間柄である”ことが発現の条件となっているようです。


◆基底動物基本情報

(-No Public Domain Picture-)
ケアシチスイコウモリ……コウモリ目 ヘラコウモリ科
IUCN保全状況評価 LC/軽度懸念

学名:Diphylla ecaudata

 吸血の習性をもつコウモリは、3種現存しています。ナミチスイコウモリ、シロチスイコウモリ、そしてこのケアシチスイコウモリです。ブラジルやペルー、パナマ等の南米に生息しています。
 よく見られるナミチスイコウモリと比較して、目が大きい、耳が幅広で短い、脳が小さい、歯の数が多い、といった違いがあります。
 
 鳥類と哺乳類の両方を獲物とするナミチスイコウモリに対し、本種は近年まで、鳥類のみを吸血の対象とすると考えられてきました。
 しかし2016年、ブラジル・ペルナンブコ連邦大学のエンリコ・ベルナルド氏らの研究グループは、ブラジルのカティンバウ国立公園に住むケアシチスイコウモリの糞70サンプルのうち、3サンプルから人間のDNAを検出したという論文を発表しました。
 鳥類の血液は脂質が多いのに比べ、哺乳類の血液はタンパク質が多く含まれています。過去にブタやヤギの血液しか採れない環境にケアシチスイコウモリを置いた実験においては、ほとんどの個体が絶食し、餓死してしまったそうです。今回の調査結果は、ケアシチスイコウモリが哺乳類の血液を摂取し始めた可能性を示唆しています。
 加えて、近隣地域の家畜であるニワトリのDNAも多くのサンプルから検出されていました。同論文において、研究グループは「人間の森林伐採や狩猟により、餌であった鳥類が減少したため、環境に適応するべく新しい食料を試しているのではないか」と考察しています。この研究は、翌2017年のイグ・ノーベル賞栄養学賞を受賞しました。

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