基本情報
氏名:
幕原 徹
性別:
男
年齢:
34
所属/役職:
技術開発本部 食料・飼料計画部 原料生産課 主幹研究員
同本部関連子会社「合同会社 De-meter」責任者
職務:
[研究職]
・食料・飼料の原料生産に関して、加工の必要性を減じた、スピーディかつ季節・気候に問わない安定的な農産物生産のための技術を開発する
[子会社経営者]
・サンドスター造成環境曝露型農産物の生産・納入に関する責任者
・サンドスター造成環境曝露型圃場の管理
人物概説
農学修士として24才で入社した後、異例のスピードで転属、昇進を繰り返している人物です。
島内での食糧生産問題において、当時発展していた植物工場方式に対して、サンドスターによる小規模な気候安定化によって古典圃場方式にアドバンテージを持たせることに成功しました。
食糧生産の主力が工場設備に移った後も、その研究は植物・自然とサンドスターの関連についての研究の基礎となっています。
しかしながら、開発中にサンドスターの活用について、時のPaXIF(ジャパリパーク運営母体)*出資者の一部と衝突を起こし、研究は中断されています。これを原因として、かねてから問題視されていたサンドスターに関する厳しい情報封鎖への抗議活動が組織内外で最高潮になりました。
現在は、サンドスター造成環境の影響下で生育された農産物を取引する子会社を設立して、自身の役割を研究員から経営者へ移し始めています。
主要な出来事
20XX年 社内論文「地下茎・根などに蓄積するサンドスターの分類」(当時29才)
20XX年 社内論文「異なる気候区で栽培される植物に付着するサンドスターのスペクトル差異」(当時30才)
20XX年 食料・飼料生産プロジェクト・古典圃場研究室の解散(「研究の中断」、当時31才)
20XX年 島内の食料・飼料生産に関わる企業として「合同会社 De-meter」を設立。代表社員に。(34才)
現在について
通常の業務では黙々と業務をこなし、生真面目な人と評価されています。業務の主軸は室内作業がほとんどですが、圃場の様子を観察することは、氏の精神に対してポジティブな影響を与えます。設備改修などが必要となると、例え厳しい土地であってもその場に赴き、作業が終了するまで、技術者と寝食を共にします。その一方で会話を大の苦手とし、職場の関係からプライベートでの付き合いに発展することはほとんどありません。常に勤務中は明るい顔を見せる事はありません。「出来る人」であると同時に「うるさい人」であり、そして意思疎通がうまくいかないために「『使えない』人」という評価を受けがちです。
もうね、人と話そうという気力が起きないんだ、昔ならいろんな人といろんな事を話してたんだろうけどね。 なんというか、一人遊びで8割方は満足しちゃうしなぁ… |
へへ……あれ見てよ……あれいつみても飽きないよな…。すごいよね、だってあれ私の後輩が創ったんだな。すごいよね……かっこいい。うん。あれがあるだけでね……雨が降る時間を設定できるんだ……よね。 |
しかしながら、時として同僚の投げ出してしまった業務を手伝う事があったりするため、手腕自体は研究から雑務まで、幅広く評価され仕事上の相談をよく持ち掛けられます。そのため、先述した暗い表情とは裏腹に、いくらかの人物からは信頼されており、仕事の話ができるスタッフは多く存在するようです。
その反面で、自分の悩みや問題を口にすることはめったになく、自身でどうにかしようとしてしまう癖が強く出ています。氏のデスクのコンピュータが不調であることを隠して、私物のノートパソコンで20日以上乗り切ったことはその最たる例です。
何とかなると思ったんですけどね……詰めが甘かった。結局変えてもらったんで問題ないんですけど。 ……なんで隠してたんだろ。 |
無理し過ぎたね。結論は「どっちも不味そう」だった。タイムスリップできるなら間違いなくあのハナタレた俺を殴りますね。 苦悩して卒業した応用化学工学から農学に更に突っ込んでいったんだけどね。 |
しかし、これについては研究中断があって以降、急速にその好奇心が失われているという事があり、技術開発本部や食料・飼料計画部では、氏の好奇心を回復する方法を模索しており、氏には個人研究を行う権利や、アニマルガールとの接触などについて、いくつかの特例が認められています。
三十路も半ば、もう隠居宣言かな。正直に言って、他人は若いなんて言うけどこの年でどうにかなるとは思わないよ。 |
現在は、若い研究者・技術者・職員などの相談役を務めていることで、少しづつ、物への興味を取り戻す事に成功しつつある模様です。
それは喜ばしい。それで、彼は人間関係に興味を持つことはないのかね。 ー技術開発本部 食料・飼料計画部長 百草 薫 |
研究自由化運動について
氏の研究が中止された理由は、PaXIFに加盟していた幹事企業が、気候操作能サンドスターを応用する農産物が露地栽培されることによって、自然改変に関する研究がPaXIF内部のみで完結できなくなると危惧したもので、PaXIF内の決議機関で懸念に賛同する代表者が2X.X%に上り、大きな係争を生むこととなりました。
これを暫定的に調停するために、すでに実用段階までは成長していた古典圃場研究室の研究室を、新たなサンドスターに関する知識から隔離することを決定し、それを発端にして古典圃場研究室は解散をすることとなりました。
かつてより、「サンドスターの研究は資本結合体で留保されるべき」と考える閉鎖派と、「学問の名前を冠する公園を標榜する以上、対価の有無はさておき、研究の成果は共有するべき」と考える解放派によって、研究室の生産的でない増設と解散が行われてきたために、学術労働者はこれに強い反感を持ち、外部に展開する種々の学会や大学、研究室などと結んで『サンドスター研究自由化運動』が展開されることとなりました。
皆さんが何と言おうが、まあ……価値がある研究かと言われたら黙るけど……まあその……ええ、私は結構自信をもってやってきているんだ。これは「自然を計画する事」と何が違うのか?ってふとしたときに思ったからね。 えー…で、何だっけ。なんにせよ不愉快かな。私の事件があるなしにしろ、同じ目的だったんじゃないのかい? |
研究室の解散から3ヶ月経過したのちに、上記の発言を発表し、自身も運動の中に身を投じる事になりました。
これがきっかけで古典圃場の研究が植物工場の研究比べて「生産的」であるかに関しての議論が生んだ「再議論」と呼ばれる混乱期を治め、穏健から急進までの幅広い支持層を「再統合」することに成功し、主流派の形成に成功しました。
この時期の外部メディアへの露出は「演説の名手」というイメージを強く与え、氏は影響力を急激に伸長しました。
結局、この騒動は氏の子会社設立などを含む投資の緩和やサンドスター含有物質・関連情報に関する国際的な取り決めが発効することを機にトーンダウンしましたが、氏の知名度は未だ健在であり、コメンテーターとしての地位が国内の一部メディアで確保されている状況です。
そのため、PaXIFの「好奇心を刺激する」いくつかの特例は、外部からの刺激に「気を取られる」事がないようにするためのものでもあると言えます。
いや……うん……もう静かに畑仕事でもさせてくれよ…………… あーでも……テレビで話したくないと言えばうそになるし、また研究は…うん、したいだけどさ…… えー……… |
*「PaXIF」 = "Park of Biology, Geography, and Zoology Incorporated Foundations(:小笠原新島自然公園事業合同財団)"
ジャパリパークの運営母体。複数の国籍の資本を集合させた「資本結合体」で、国際的協調路線をとる一方、統括する機関が主要参加国に分散しているために、国家間の衝突の種になったり、逆に他の国籍の資本の発言力が低下しているなどといった理由から反発が強い。
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