登録日:2021/03/24 Sun 02:45:25
更新日:2024/05/27 Mon 09:29:43NEW!
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星のカービィ ウキウキ大冒険とは、1997年から1999年にかけてエニックス(後のスクウェア・エニックス)発行の月刊少年ギャグ王にて連載されていた、星のカービィシリーズのコミカライズ作品。作者はタイジャンホクト。
概要
『デデデでプププなものがたり』や『も~れつプププアワー!』などの1話完結のギャグ漫画が主体だったカービィ漫画では珍しいストーリー物のギャグ漫画で、基本的には『星のカービィ 夢の泉の物語』、『星のカービィ2』、『星のカービィ スーパーデラックス』、『星のカービィ3』の世界観を使ったストーリーとなっており、2話から13話までは『初代』、14話から26話までは『夢の泉の物語』をモチーフとしている。
また、途中の展開や登場キャラクターのチョイスなど、本作オリジナルの要素もふんだんに詰め込まれているのも特徴。中にはスカーフィの国の防犯システム「スカフィンクス」といったオリジナルのキャラも登場する。
単行本は1巻だけ発売されたが、連載終了後に本誌が休刊となった為、残り12話分(2巻収録分)は残念ながら未収録となってしまっている。12話分だけでは2巻発売は難しかったからだろうか…。
ストーリー
前半
呆れ返るほど平和な国「プププランド」から、デデデ大王と手下達により国中の食べ物が盗まれてしまった。
それを聞いたカービィは、とりあえず旅に出ることとなり、旅の道中で様々な減るもんじゃないパー共ヘルパーや3匹のアニマルフレンズ仲間を加えながら、デデデのいるデデデ城へと目指す。
後半
デデデ大王から食べ物を取り返してから束の間の平和が訪れ、長旅から帰り就寝していたカービィは夢の中でヤンキー夢の案内人・ノディと出会う。夢の中を漫遊する中、デデデ大王が夢の泉からスターロッドを盗み出し、その拍子に封印されていたナイトメアが現れた。
カービィはノディと共に、道中で盗人・タックとデデデの部下から逃げ出してきたチュチュを仲間に加えながらスターロッドを取り戻し、ナイトメアを倒すために渋々再び旅に出る。
登場人物
本作の主人公。
他のカービィ漫画に比べるとやたら気まぐれでドライな性格をしており、旅に出る理由も正義の為ではなく、食べ物の為やピクニックついでということが多く、また厄介事にかかわることも極端に嫌い、仲間から協力を頼まれても「ヤダ」とか「え~なんでボクが…」と露骨に嫌がるほど(が、この後ボッコボコに叩きのめされて結局協力させられる羽目に遭うが…)だが、本質は正義感が強い。
仲間に対してはコキ使ったり平気で見捨てようとしたり心無い言葉を言い放ったりとかなり人使いが荒い上に薄情で容赦ない一面も多い(特に前半でのヘルパーとカイン、後半でのタックが顕著)が、ただ三匹に関しては会ったばかりの印象が最悪の一言であり致し方無い点もある。*1
本人も仲間たちから散々な目に遭わされることが多い。また、ダジャレ好きでもあり、作中では度々オヤジギャグを飛ばすことも多い。
総じて連載誌や時代の違いを感じさせるような、小学館やKADOKAWAのカービィ漫画では見られない感じのキャラ付けとなっている。
ストーリー前半ではデデデ大王に奪われた食べ物を取り返すため、仲間たちの力を借りながら彼のいるデデデ城へと向かう。12話でデデデ城に到着し、13話でデデデと対峙するがシミラに解毒剤に仕込まれていた笑い茸の影響でほとんど体力が残っていなかったこともあり、一度は倒されるが食糧樽に紛れていたマキシムトマトを食べて復活し、デデデ大王を倒し食べ物を取り返すことに成功した。その代わり、笑い過ぎで顔面筋肉痛になるという憂き目に遭ったが…
ストーリー後半では夢の泉から復活したナイトメアを倒すため、ノディと共にナイトメアを倒すカギであるスターロッド集めの旅に強制的に出かけることとなり、旅の道中でタックやチュチュを仲間に加える。26話でナイトメアと対峙し、一度は悪夢に劣勢を強いられるが、最後はスターロッドの力を借りナイトメアを打ち滅ぼした。
最終話ではデデデに捕らえられた住人を助けるべくデデデ城に向かうが、デデデの罠に嵌まり自身が囚われの身となってしまうがなんとか脱出してデデデを懲らしめた。
- リック
カービィが最初に出会った3人の仲間の一人だが、「キッ」や「キーッ」程度しか喋らない。
6話でデデデ大王の部下に捕まっていたが、プリンマウンテンの登山に失敗したカービィによって解放される。7話ではスカフィンクスの「リックのみでのしりとり」というヒキョーな課題を巧みに答え、カービィたちを入城に漕ぎ着けた。8話では襲ってきたクラッコに人質にされるが、最後はクラッコがカービィに倒された後そのまま落下した。
- クー
カービィが出会った3人の仲間の一人で、語尾に「です」をつけた紳士口調で喋る。
洞窟の中でクラッコに襲われたカービィたちと出会い、クラッコに人質として連れ去られたリックを救うためカービィとともに立ち向かう。カービィと一緒にリックを見捨てようとしたことは忘れろです!
最初はクラッコのビームに苦戦を強いられるが、カービィの提案を受け、自身が囮となってクラッコを倒した後、そのまま落下した。
- カイン
カービィが最後に出会った3人の仲間の一人。
魚の癖に生まれつき金づちで、それが高じて雨や水たまりに触れても拒絶反応を起こすほどの水恐怖症になってしまい(でも飲むのは大丈夫)、丸いものを口に咥えないと泳ぐことができない(外した瞬間気絶してしまう)。一方で、鰭でぶん殴ったり、ゲームのようにはねて移動したりはせず滑るように移動するという見た目に反して意外な特技を持つ。また、「無口or全く喋らない」設定が多い他のカービィ漫画に比べると結構喋る。
11話ではポピーブロスSr.が放った爆弾28号が彼の口に入ったことでカービィに頼らずに泳げるようになった。その後、口に収まってもなおカービィを狙っている爆弾28号のことを考慮してカービィと別れた。しかし一方のカービィからは「カインと別れてうれしい」とまるで面倒臭いヤツと離れられて清々したと言わんばかりのセリフを言っており、これには流石にブチキレたようで爆弾28号を本気でぶっ放そうとしたが…。
- ノディ
カービィが夢の中で出会った自称「夢の妖精」
本作では何でも暴力で解決しようとする極めて粗暴かつ横柄な性格をしており、それに加えて柄の悪い関西弁で喋る超ヤンキー気質なキャラとして描かれており(カービィ曰く「カワイイ顔して口と態度が最低」)、ゲームでの「大人しい」「人畜無害」という設定を(いい意味で)ぶっ壊している。最早ノディの皮を被った大阪のヤクザである…。
普段はプププランドの住人の夢の案内人として管理しているが、前述の自身の性格のせいで最近では出番がないことを嘆いている。しかし本人はそのことを全く自覚していないばかりか指摘されると逆切れする始末である。夢の中に生息する存在のためプププランドでは10分枚に1分間眠らないといけない体質となっており、寝ている最中に無理矢理起こそうとしたり攻撃すると倍にしてやり返してくる。また、くだらないギャグを聞くと蕁麻疹が出る。
カービィの夢の中に現れ、スターロッドがデデデ大王によって奪われたことでナイトメアが復活したことを知り、スターロッドを取り戻すべく、カービィと行動を共にする。
ナイトメア打倒後はカービィたちと別れるが、27話では何故かプププランドに戻ってきていた。
- タック
盗賊集団「タックファミリー」の一員。語尾に「…でい」をつけて喋る。寒いところが苦手。
カービィたちからスターロッドの話を聞き、それを奪おうとするがカービィたちが持っていないことを知ると仲間とともにノディを攫うが、逆に彼に返り討ちにされる。
その後は彼を親分と慕い、一人前の盗賊となるために集団を離脱し、カービィたちに着いていく(しかし、その後もネコなのにどこぞのネズミみたいに自身に危機が迫るとカービィたちを裏切ろうとしたり、カービィたちからスターロッドを奪おうと企んだりするが、最終的に失敗してカービィたちに見捨てられかけたり、制裁を喰らうなど自業自得ともいえる悲惨な目に遭うことも多い)が、20話で寒がりだと公言したことでカービィたちに置いてけぼりにされる形で退場。その後、27話ではノディとチュチュと共にカービィの家に上がり込んでいた。
- チュチュ
カービィたちが旅の道中で出会った少女。
デデデの部下から逃げ出してきたところにカービィたちと出会い、そのままカービィたちのナゴとピッチを差し置いて冒険に勝手に加わる。やや勝ち気な性格。
自らを「プププランドの征服者」と称するプププランドの自称大王。本作では原作におけるわがままだが根は優しい努力家といった設定はなく、部下でも気に入らなければ始末しようと目論んだり捕らえた住人をカービィを誘き出す為に利用するなど、アニメやプププヒーローのデデデほど悪辣ではないにしろ目的のためには手段を選ばない完全な悪人として描かれている。
ストーリー前半ではプププランド中の食べ物を奪い、それを取り返しにくるカービィたちに対し部下を差し向けて妨害するが、ことごとく失敗に終わる。
13話にてカービィと対峙するが、何かと自分たちを見下し切っているメタナイトを見限ろうと企んでいたため逆に彼の離反に遭いつつもカービィを一度は倒すが、マキシムトマトによって復活したカービィによって無人島まで吹き飛ばされ、食べ物を取り返される。
ストーリー後半では再びプププランドの征服者として君臨する野望とカービィに対する復讐心に目をつけたナイトメアが見せた悪夢によって邪悪な欲望が目覚め、夢の泉からスターロッドを盗み、ナイトメアを復活させるという暴挙を行った。ゲームでの行動と逆じゃん、だなんてツッコんじゃダメ!
その後しばらくは登場しなかったものの、部下たちにスターロッドを渡しプププランドの住人に預けるよう命令するなどナイトメアに良いように利用されているとも知らずに暗躍していた。
28話でようやくプププランドに帰還したようで、13話でのカービィとの戦いで破壊されたデデデ城の修理を完了させたメタナイツと再会すると同時に、トライデントナイトに「城のローンが30年残ってるから無理はやめてください」と釘を刺されつつもカービィへの復讐を目論み、新築パーティを装って招待された住人を幽閉する。そして、助けに来たカービィをも捕らえる事に成功するが、最終的に脱出したカービィに懲らしめられた。
トライデントナイト・アックスナイト・メイスナイトの3人からなるえ、ジャベリンナイト?知らね~なぁデデデ大王の部下だが、3人共揃いも揃ってどこか抜けており、失敗することが多い。そもそもジャベリンナイトが登場しないんならブレイド・バッツ・マッシャーでもよかったのでは…?*2
メタナイツのリーダー格でデデデ大王の側近でもあるトライデントナイトは、基本的に真面目な性格で、デデデ大王に対してツッコミや皮肉を言う場面が多いが、アックスナイトの「城の周りに墓地を作る」の提案を飲み墓を作る際「カービィに倒された部下を埋葬する」と提案を出したり、デデデの気は確かか確認するために頭を突き刺すなど時折ブラックジョークを飛ばしたり酷な行動をとることもある。
アックスナイトとメイスナイトは常に二人で行動しており、トライデントナイトとは対照的に弱者を虐げることに快感を見出している横柄な乱暴者コンビだが、その分頭も悪く調子に乗って悲惨な目に遭うことも多い。
デデデ大王の部下だが、非常にプライドが高く傲慢な性格をした自信家で、デデデの部下たちを「無能」と見下し嘲っている。また、目の前の部下を見境なく攻撃したりデデデに夜逃げの準備を促しつつも密かにデデデ城を占拠しようと目論むなど彼らに対する忠誠心や信頼は一切抱いておらず、とことん馬鹿にし腐っている。このような性格や行動からデデデからは完全に嫌われており、トライデントナイトから彼の失踪を聞くと「(自身の言うことを聞かないから)いなくなって清々した」と大いに喜ばれ、生存していたと知るや始末しようとしていたが、こんな忠誠心もクソもない険悪な関係ながら裏切られると刃向かう。また、大の仮面フェチでもあり、その執着ぶりは迎撃対象である肝心のカービィに気づかないほどで、寧ろ仮面が似合う者には非常に友好的で寛容に接する。
13話でカービィを食糧庫へ案内する際、デデデが自身を貶めようと企んでいたことを知り、彼に敵対し激闘の末倒された。その後はカービィとの再会と対決を楽しみにしていた。
夢の中に現れる悪夢。
夢の泉に封印されていたゲームと設定が逆じゃん、だなんてツッコn(ryが、カービィに倒されたデデデ大王に悪夢を見せスターロッドを盗ませたことにより現実世界から姿を現す。自身の悪夢に屈した相手を配下として操るなど強大な力を有する。…てかザルで迂闊な面を見せてしまったアニメ版ナイトメアより強力な気がしないでもない。
夢の中で悪夢を用いてカービィを苦しめるが、ノディによって目を覚まされ撤退する。その後はデデデが部下を介してスターロッドを住人に預けたことでスターロッドを媒介に各地で暗躍するが、ことごとくスターロッドを取り返され、26話にてスターロッドを夢の泉に戻そうとするカービィたちの許に立ち塞がり、カービィと最後の激闘を繰り広げるが、スターロッドの力を借りたカービィによって倒された。
余談
本作の作者であるタイジャンは、同じくエニックスが出版していたアンソロジー漫画『4コママンガ劇場』でも星のカービィシリーズの4コマ作品をいくつか執筆しており、本作でのリックの口調はこの作品から引き継がれており、また本作に登場するバーニンレオの「貧乏家族」「頭が悪い」設定はアンソロ作品で逆輸入されている。
ちなみに単行本発売後は残りの話が収録されないまま連載が終了したこともあってか、本作の復刻版を希望するファンも少なくないとか。興味ある方は是非覗いてみては。
同じく復刊投票で票を集めた『星のカービィ プププヒーロー』は復刊を遂げたので、こちらが蘇る可能性もなくはない…?
追記・修正は食べ物とスターロッドを取り戻してからお願いします。
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- カービィ「え~なんでぼくが…」←このセリフ何度見てもじわじわくる。内容としてはGOGOマリオワールド以上にマイナーで見つけにくいんだよな… -- 名無しさん (2021-03-24 19:48:10)
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*2 メタナイツがデデデ大王の部下として登場することは『デデデでプププなものがたり』でも見られたが、あちらはメタナイツが初登場した当時マッシャー達がいなかった。
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